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による装飾表現
佐藤 淳俊 (鉄緑会)
1. 自己紹介
TeXユーザーの集い2015 2
佐藤 淳俊 (さとう あつとし)
!  鉄緑会物理科 高2/高3担当 3年目
◦  教材作成のために TeX を学ぶ。
◦  とはいえまだ3年目であり,普段は鉄緑会独自の
パッケージで TeX を使っているので,TeX に関
する一般的な知識はほぼ空っぽ。
!  東京大学医学部医学科 3年
◦  レポート作成で TeX を使用することもしばしば。
TeXユーザーの集い2015 3
本講演の目的
!  tcolorbox パッケージを広く普及させ
ること。
TeXユーザーの集い2015 4
なぜ tcolorbox か
!  高校生向けの教材を作成するにあたっ
て,複数種類の枠で囲む環境が必要
だった。
!  ページまたぎもできると尚良い。
!  生徒の書き込み用スペースを作成する
ためのレイアウトを実現するのに苦労
していた。
TeXユーザーの集い2015 5
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 6
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 7
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
!  左側に装飾付きの線を
引きたい
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 8
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
!  左側に装飾付きの線を
引きたい
!  広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 9
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
!  左側に装飾付きの線を
引きたい
!  広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
!  任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
2. tcolorbox の基本
TeXユーザーの集い2015 10
インストール
!  TeX Live には標準でインストールさ
れている。
!  内部的に TikZ を呼び出して利用する。
TeXユーザーの集い2015 11
使用準備
!  pLaTeX + dvipdfmx で利用する場合
の典型的プリアンブル
TeXユーザーの集い2015 12
!  ドキュメントクラスオプションに
dvipdfmx を付けておくと,dvipdfmx
用設定で graphicx, xcolor, tikz パッ
ケージがロードされる。
tcolorbox の作成
!  options で様々な変更が可能。
!  minipage を利用して作成されており,
width はデフォルトでは linewidth に
なる。
TeXユーザーの集い2015 13
基本的な tcolorbox の作成
begin{tcolorbox}[⟨options⟩]
⟨environment content⟩
end{tcolorbox}
基本サンプル1
TeXユーザーの集い2015 14
options でできること色々
!  box のサイズ変
更
!  枠のデザイン
!  透過性の設定
!  ページまたぎ
!  表作成(tabular)
!  画像の貼り込み
!  box のネストの
調整
!  前後余白の調整
!  インラインでの利
用(tcbox)
!  タイトルの独立,
場所変更
!  高さ揃え(後述)
!  上下分割の調整
!  影付き box
など,あげたらきりがない
TeXユーザーの集い2015 15
box のサイズ指定
TeXユーザーの集い2015 16
begin{tcolorbox}[height=3cm,
width=5cm,title=My box]
box contents
end{tcolorbox}
My box
box contents
枠のデザイン,色変更
TeXユーザーの集い2015 17
インラインでの利用(tcbox)
TeXユーザーの集い2015 18
Testdotfill
tcbox[tcbox raise base]{tcbox1}dotfill
tcbox{tcbox2}
Test . . . . . . . . . . tcbox1 . . . . . . . . . .
tcbox2
表作成(tabular との組み合わせ)
TeXユーザーの集い2015 19
tcbox[left=0mm,right=0mm,top=0mm,bottom=0mm,
boxsep=0mm,title=My table]{%
begin{tabular}{r|c|l}
One & Two & Three hline
Four & Five & Six
end{tabular}}
My table
One Two Three
Four Five Six
画像の貼り付け(includegraphics との組み合わせ)
TeXユーザーの集い2015 20
画像の貼り込み1
TeXユーザーの集い2015 21
begin{tcolorbox}[enhanced,title=My
title,title style image=blueshade.png]
upper part tcblower
lower part
end{tcolorbox}
My title
upper part
lower part
TeXユーザーの集い2015 22
begin{tcolorbox}[enhanced,title=My
title,interior style
tile={width=2cm}{paper.png}]
upper part tcblower
lower part
end{tcolorbox}
My title
upper part
lower part
画像の貼り込み2
上下パート分割,影付きの box
TeXユーザーの集い2015 23
begin{tcolorbox}[enhanced,
colframe=salmon,colback=salmon!20!white,
coltitle=black,sharp corners,
drop fuzzy shadow,title=My box]
upper part
tcblower
lower part
end{tcolorbox}
My box
upper part
lower part
タイトルの独立・位置調整
TeXユーザーの集い2015 24
begin{tcolorbox}[enhanced,title=My title,
attach boxed title to top center]
This is a textbf{tcolorbox}.
end{tcolorbox}
My title
This is a tcolorbox.
3. tcolorbox の創作
TeXユーザーの集い2015 25
newtcolorbox, newtcbox
!  newenvironment / newcommand
と同様の振る舞い。
TeXユーザーの集い2015 26
tcolorbox の定義
newtcolorbox[⟨init options⟩]
{⟨name⟩}[⟨number⟩][⟨default⟩]{⟨options⟩}
tcbox の定義
newtcbox[⟨init options⟩]
{⟨name⟩}[⟨number⟩][⟨default⟩]{⟨options⟩}
DeclareTColorBox
!  DeclareDocumentEnvironment と
同様の振る舞い。xparse library を読
み込む必要あり(プリアンブルに
tcbuselibrary{xparse} )。
!  引数を増やせる,*の有無による挙動
変化を設定できる。
TeXユーザーの集い2015 27
DeclareTColorBox による定義
DeclareTColorBox[⟨init options⟩]
{⟨name⟩}{⟨supecification⟩}{⟨options⟩}
skin の変更 ― enhanced
!  skin は枠の見た目を決める土台。
!  standard, enhanced, empty など。
!  enhanced skin を用いると,描画に
tikz コマンドを利用できる。
!  枠の見た目を劇的に変化させることが
可能(shadow も enhanced skin を
利用)。
!  完全にイチから box を作成する際は,
empty skin で全てを空っぽにする。
TeXユーザーの集い2015 28
options の活用 ― underlay
!  TikZ コマンドを用いて,box に自由
に描画を上書きできる。
!  各種枠(タイトル部,テキスト背景部
など)の座標を取得することが可能な
ので,box の枠などを自由に創作で
きる。
TeXユーザーの集い2015 29
創作box例1
!  シンプルな枠囲み
TeXユーザーの集い2015 30
創作box例2
!  manual にある box-改
TeXユーザーの集い2015 31
創作box例3
!  これも manual にある box-改
TeXユーザーの集い2015 32
創作box例4
!  enhanced skin を利用して作成。
TeXユーザーの集い2015 33
創作box例5
TeXユーザーの集い2015 34
創作box例6
!  模様の繰り返し回数を指定可能
TeXユーザーの集い2015 35
創作box例7
!  四隅の正方形の一辺の長さを指定可
TeXユーザーの集い2015 36
創作box例8
TeXユーザーの集い2015 37
英語教材における利用例1
TeXユーザーの集い2015 38
英語教材における利用例2
TeXユーザーの集い2015 39
物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 40
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
物理教材における
利用例2
TeXユーザーの集い2015 41
22 2
断熱圧縮なので,温度は上昇,∆U > 0 となるは
ずです。
⑶ 続いて θ = 180◦
で加熱するわけですが,この加
熱の間,ピストンに働く力は常につり合うので,定
圧変化をすることが分かります。定圧変化に関して
は,必ず以下の点を押さえておきましょう。
【定圧変化の特性】
定圧変化においては,
Qin
: ∆U : Wout
= Cp : Cv : R
が成り立つ。特に,単原子分子理想気体の
場合は
Qin
: ∆U : Wout
= 5 : 3 : 2
となる。
今回であれば,
Wout
= 3
2
p0 · (H3 − H2)
が直ぐに求まるので,
Qin
=
Cp
R
Wout
=
3(Cv + R)
2R
p0 · (H3 − H2)
∆U =
Cv
R
Wout
=
3Cv
2R
p0 · (H3 − H2)
としてスムーズに計算することが出来ます。熱力学
第一法則から求めるより圧倒的に早いので,この方
法は使えるようにしておくべきです。ということで,
    を埋めてから     を埋めることにな
りますね。
ここまでの p − V グラフは以下の通りです。
⑷ 再び断熱変化です。断熱変化に関しては,∆U +
Wout
= 0 が成り立つことを思い出したいところ
です。p − V グラフの面積から Wout
を求めるの
は困難なので,∆U から間接的に求めることが圧
倒的に多いです。今回も,状態方程式を使って温
度を求めてから ∆U を計算することになりますね。
    は猿でも出来ますから,必ず解きましょう。
飛ばしてしまうのはあまりにも勿体無いです。
この変化が断熱膨張であることを踏まえると,
p − V グラフは以下の通りです。
⑸ 最後は再び定圧変化です。やはり
Wout
= 1
2
p0 · (H1 − H4)
が直ぐに求まるので,これを元に考えましょう。
Qin
=
Cv + R
R
Wout
なので,−Qin
を計算しましょう。
これでサイクル1周が終わりました。サイクル全
体の p − V グラフは以下の通りです。
物理教材における
利用例3
TeXユーザーの集い2015 42
22 6
となること」の2つです。ベクトルの図で整理する
と下図の通りです。
これより,求める台の移動は −x 方向に
lM = m
m + M
2l + h
tan θ
であることが分かりますね。
Ⅰ 回路を組み立てる問題です。何となく似た回路を
思い浮かべられないと厳しい内容かもしれません。
問題となるのは恐らく可変抵抗の扱いですが,メー
トルブリッジの問題を解いたことがあるとイメージ
しやすかったかもしれません。
参 考
メートルブリッジとは,未知の抵抗の抵
抗値を測定する以下のような回路です。
検流計が繋がれた導線をメートル部分に
接続する部分を徐々にずらし,検流計に電
流が流れない点を見つけます。このときの
メートルブリッジにおいて,l1, l2 を上の
図のように定めると,ブリッジ回路の公式
より
R0 : RX = l1 : l2
が成り立つので,RX を求めることが出来
ます。
初見であれば問題自体は解けなくても良いですが,
何となくで良いので答えの形を頭に入れておきたい
ですね。
Ⅱ 念のためダイオードの順方向の確認。ダイオード
の素子の電圧と電流の順方向は以下の図の通りです。
この V と I の関係が図で与えられています(た
だし,I の単位が [mA] であることに注意)。特性
曲線からも分かる通り,ダイオードは順方向のみに
電流を流します。
物理教材における
利用例4
TeXユーザーの集い2015 43
20 6
く解けます。これは運動方程式を立てる際に ay を
用いているからであり,ay を用いれば
1
2
ayt1
2
= h
と立式できます。斜面上での動きを考えるのであれ
ば,斜面上で(慣性力を含めて)運動方程式を立て,
斜面方向の加速度を求めてから等加速度運動の公式
を利用しましょう。
⑺ 台の運動方程式から台の加速度を求め,t1 を使っ
て V1 を求めます。この際,運動方程式から求まる
b が “加速度” であり,符号付きであることに注意し
ましょう。求めるのは台の速さなので,
V1 = |bt1|
を計算することになります。
⑻ 運動量保存則とエネルギー保存則を連立させる非
常にオーソドクスな内容です。方針はすぐに立てら
れないとマズいですね。また,「運動量保存則とエ
ネルギー保存則を連立させる」という計算は非常に
よく出るので,大体の計算の流れは頭に入れておく
と良いでしょう。
相対運動と重心系から考えるとやはり計
算は楽になります。エネルギー保存則は,相
対速度の大きさ vr を用いて
1
2
µvr
2
= mgh
となるので,
vr =
2mgh
µ
=
2(m + M)gh
M
が直ぐに求まります。
重心系(今回は静止系)から見ると,2物
体の速度の大きさは速度の逆比になるので,
v2 = M
m + M
vr
=
2Mgh
m + M
V2 = m
m + M
vr
=
2m2
gh
M(m + M)
として答えが求まります。
⑼
1
2
MV2
2
− 1
2
MV1
2
を計算すれば良いことは直
ぐに分かると思いますが,計算量がひどいですね…。
ここで先に⑽,⑾の問題を見て先に解いてしまって,
最後に時間と相談しながら⑼を計算するのが良いで
しょう。
この問題,重心系から考えるととっても
大変です。重心速度も変化するので危ない
匂いはするのですが,考えなければいけな
い「静止系から見た台の運動エネルギーの
変化」は重心速度とも相対速度とも結びつ
けにくいからです。どうしても重心で考え
たい,という場合であれば無理ではないで
すが,非常に難しい考え方になるので実戦
的ではないでしょう。興味がある人のため,
問題の形式で以下に掲載しておきます。
参考問題
⑴ A が Q を通過する直前の重心速度 vG
を求めよ。
⑵ A が Q を通過した直後の重心速度 vG
′
を求めよ。
⑶ A が Q を通過する直前と直後の A と
台について,重心から見た速度を始点を
そろえてそれぞれ書け。
⑷ A が通過する直前の相対速度の大きさ
vr および通過する直後の相対速度の大き
さ vr
′
を用いて,⑶のそれぞれの速度ベ
クトルの大きさを表せ。
⑸ vr と vr
′
の間に成り立つ関係式を,vG
を用いて表せ。
⑹ vr を vG
を用いて表せ。
⑺ 求める台の運動エネルギーの変化 ∆K
を,vr, vr
′
を用いて表せ。
⑻ 以上の結果を用いて,∆K を vG
を用
いて表せ。
【解答】
⑴ 系は水平方向に外力を受けないので,重心速度が
y 軸に平行であることに注意して,
vG
= m
m + M
vy
⑵ A,台の鉛直方向の速度が共に 0 なので,
vG
′
= 0
東大物理問題集
における利用例1
TeXユーザーの集い2015 44
2013 1
1
解答例
Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求める速さを v1 として,
1
2
ks2
= 1
2
mv1
2
+ 1
2
kd2
v1 = k
m
(s2
− d2
)
⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき2物体の速度が交換されるので,衝突直後の2物体の速さは,
小球1 : 0, 小球2 : v1 = k
m
(s2
− d2
)
⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より,
小球1 : 1
2
kd2
= 1
2
kA1
2
, 小球2 : 1
2
mv1
2
= 1
2
kA2
2
よって,
A1 = d, A2 =
B
s2
− d2
⑷ s =
B
2 d のとき,A1 = A2 = d となる。
衝突後の小球1,小球2の運動はともに振幅 d,周期 T =
2π m
k
の単振動であり,小球1は端点から,小球2は振動
中心から動き始めるので,それぞれの位置は図のような時間
変化をする。ただし,x 軸は小球1側のばねの自然長の位置を
原点とし,右向きが正である。
これより,2つの小球が再び衝突するまでの時間は,
3
4
T = 3π
2
m
k
Ⅱ⑴ ばねが s だけ縮んでいるときの小球1のつり合いを考えて,小球1が動き始める条件は,
ks > µmg s >
µmg
k
⑵ 小球1が右向きに動いているときの運動方程式は,
m d2
x
dt2 = −kx − µ′
mg d2
x
dt2 = − k
m
x +
µ′
mg
k
よって,小球1は,x = −
µ′
mg
k
を振動中心とする単振動をする。x = −s が振動の左端なので,右端の座
標 x1 は,
x1 − s
2
= −
µ′
mg
k
x1 = s −
2µ′
mg
k
小球1が小球2に衝突する条件は,x1 >= d より,
s >= d +
2µ′
mg
k
よって求める s の最小値は,
s = d +
2µ′
mg
k
配点
Ⅰ⑴ 3 点(☆)
⑵ 4 点(☆)
⑶ 3 点(☆)
⑷ 3 点(☆☆)
Ⅱ⑴ 3 点(☆)
⑵ 4 点(☆☆)
採点基準
Ⅰ⑴ エネルギー保存則を立式して····························1 点
衝突直前の小球1の速さを求めて····················2 点
⑵ 衝突後の小球の速さを求めて·······················各 2 点
⑶ 左側のバネの最大の縮みを求めて····················1 点
右側のバネの最大の縮みを求めて····················2 点
⑷ 求める時間が周期の
3
4
だと述べて·················1 点
衝突までの時間を求めて····································2 点
Ⅱ⑴ s の条件を求めて·················································3 点
東大物理問題集
における利用例2
TeXユーザーの集い2015 45
2013 1
指針
Ⅰは,単振動と衝突を組み合わせた2体問題です。エ
ネルギー保存則や速度交換の知識があれば,⑶までは迷
うことなく解き進められるはずです。一方で,⑷に関し
ては単振動を踏まえた時間の考察を行うことになります。
「単振動の中途半端な時間を考えるときは,円運動を復
元して考える」という定石を踏まえて,グラフを描きな
がら整理して考えれば答えに至るのは難しくはないで
しょう。
一方でⅡの内容は,Ⅰとは完全に独立したものとなっ
ています。解けない設問があっても,全ての問題に目を
通す,という習慣を付けられていれば,Ⅰが解けていな
くてもⅡで得点できるはずです。⑴の内容は基本問題で
すが,⑵は少々難しいでしょうか。単振動の運動方程式
から振動の範囲を考える方法,エネルギー保存則を使う
方法がありますが,どちらも自然な発想から至ることの
できる解法といえるでしょう。
解説
以下では,小球1側のばねの自然長の位置を原点とす
る x 軸を右向きに取るものとする。
Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求
値を v1 として,
1
2
ks2
= 1
2
mv1
2
+ 1
2
kd2
が成り立つので,これを解いて
v1 = k
m
(s2
− d2
)
を得る。
注
小球1が x = 0 を振動中心,x = s を右端とする
単振動を行うことから,小球1,2が衝突するため
に必要な条件は s > d である。
これは,⑴で求まる v1 が正の実数として存在す
る条件と一致する。
⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき,衝突前後で2
物体の速度が交換される(速度交換)ので,衝突直後
の2物体の速さは,
小球1 : 0
小球2 : v1 = k
m
(s2
− d2
)
⎫
⎪⎬
⎪⎭
として得られる。
別解
衝突直後の小球1,2の速度をそれぞれ v′
1, v′
2 と
おくと,運動量保存則より,
mv1 = mv′
1 + mv′
2
が成り立つ。はね返り係数の定義式
v1
v′
2 − v′
1
= 1
と連立して,
v′
1 = 0
v′
2 = k
m
(s2
− d2
)
⎫
⎪⎬
⎪⎭
を得る。
別解
系の重心速度は vG
= 1
2
v1 であるから,重心系に
おける衝突前の小球1,2の速度はそれぞれ
v1G = 1
2
v1, v2G = − 1
2
v1
である。衝突により,各小球の速度は −1 倍されるの
で,衝突後の重心系における衝突前の小球1,2の速
度はそれぞれ
v′
1G = − 1
2
v1, v′
2G = 1
2
v1
である。よって,静止系から見た衝突後の各小球の速
度は,
v′
1 = vG
+ v′
1G = 0
v′
2 = vG
+ v′
2G = v1 = k
m
(s2
− d2
)
⎫
⎪⎬
⎪⎭
として求まる。
参考
一般に,質量がともに m の2物体が一次元的に
完全弾性衝突することを考える。衝突直前および
直後の2物体の速度を v1, v2 および v′
1, v′
2 とする
と,運動量保存則,およびはね返り係数の定義式
より,
mv1 + mv2 = mv′
1 + mv′
2
v′
2 − v′
1
v1 − v2
= 1
が成り立つ。よって,
v′
1 = v2, v′
2 = v1
であることが分かる。
これより,等質量の2物体の一次元的な弾性衝突
では,衝突前後で速度が交換されることが示された。
ポイント
別解で示したように,一般に2物体の衝突後の速
度は,運動量保存則とはね返り係数の定義式を連立
することで求まる。完全弾性衝突の際には,はね返
り係数の定義式の代わりにエネルギー保存則を用
いることもできるが,速度についての2次方程式と
なってしまうため,はね返り係数の定義式を用いる
方が賢明である。
⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値
を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より,
東大物理問題集
における利用例2
TeXユーザーの集い2015 46
2013 1
指針
Ⅰは,単振動と衝突を組み合わせた2体問題です。エ
ネルギー保存則や速度交換の知識があれば,⑶までは迷
うことなく解き進められるはずです。一方で,⑷に関し
ては単振動を踏まえた時間の考察を行うことになります。
「単振動の中途半端な時間を考えるときは,円運動を復
元して考える」という定石を踏まえて,グラフを描きな
がら整理して考えれば答えに至るのは難しくはないで
しょう。
一方でⅡの内容は,Ⅰとは完全に独立したものとなっ
ています。解けない設問があっても,全ての問題に目を
通す,という習慣を付けられていれば,Ⅰが解けていな
くてもⅡで得点できるはずです。⑴の内容は基本問題で
すが,⑵は少々難しいでしょうか。単振動の運動方程式
から振動の範囲を考える方法,エネルギー保存則を使う
方法がありますが,どちらも自然な発想から至ることの
できる解法といえるでしょう。
解説
以下では,小球1側のばねの自然長の位置を原点とす
る x 軸を右向きに取るものとする。
Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求
値を v1 として,
1
2
ks2
= 1
2
mv1
2
+ 1
2
kd2
が成り立つので,これを解いて
v1 = k
m
(s2
− d2
)
を得る。
注
小球1が x = 0 を振動中心,x = s を右端とする
単振動を行うことから,小球1,2が衝突するため
に必要な条件は s > d である。
これは,⑴で求まる v1 が正の実数として存在す
る条件と一致する。
注
小球1が x = 0
単振動を行うこと
に必要な条件は s
⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき,衝突前後で2
物体の速度が交換される(速度交換)ので,衝突直後
の2物体の速さは,
小球1 : 0
小球2 : v1 = k
m
(s2
− d2
)
⎫
⎪⎬
⎪⎭
として得られる。
別解
衝突直後の小球1,2の速度をそれぞれ v′
1, v′
2 と
おくと,運動量保存則より,
mv1 = mv′
1 + mv′
2
が成り立つ。はね返り係数の定義式
v1
v′
2 − v′
1
= 1
と連立して,
v′
1 = 0
v′
2 = k
m
(s2
− d2
)
⎫
⎪⎬
⎪⎭
を得る。
別解
系の重心速度は vG
= 1
2
v1 であるから,重心系に
おける衝突前の小球1,2の速度はそれぞれ
v1G = 1
2
v1, v2G = − 1
2
v1
である。衝突により,各小球の速度は −1 倍されるの
で,衝突後の重心系における衝突前の小球1,2の速
度はそれぞれ
v′
1G = − 1
2
v1, v′
2G = 1
2
v1
である。よって,静止系から見た衝突後の各小球の速
度は,
v′
1 = vG
+ v′
1G = 0
v′
2 = vG
+ v′
2G = v1 = k
m
(s2
− d2
)
⎫
⎪⎬
⎪⎭
として求まる。
参考
一般に,質量がともに m の2物体が一次元的に
完全弾性衝突することを考える。衝突直前および
直後の2物体の速度を v1, v2 および v′
1, v′
2 とする
と,運動量保存則,およびはね返り係数の定義式
より,
mv1 + mv2 = mv′
1 + mv′
2
v′
2 − v′
1
v1 − v2
= 1
が成り立つ。よって,
v′
1 = v2, v′
2 = v1
であることが分かる。
これより,等質量の2物体の一次元的な弾性衝突
では,衝突前後で速度が交換されることが示された。
参考
一般に,
完全弾性衝
直後の2物
ポイント
別解で示したように,一般に2物体の衝突後の速
度は,運動量保存則とはね返り係数の定義式を連立
することで求まる。完全弾性衝突の際には,はね返
り係数の定義式の代わりにエネルギー保存則を用
いることもできるが,速度についての2次方程式と
なってしまうため,はね返り係数の定義式を用いる
方が賢明である。
ポイ
別解で示
度は,運動
⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値
を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より,
4. レイアウトへの応用
TeXユーザーの集い2015 47
物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 48
!  先ほどのスライドです。
!  まだ触れられていない
tcolorbox が隠れてい
ることにお気づきで
しょうか…?
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 49
!  先ほどのスライドです。
!  まだ触れられていない
tcolorbox が隠れてい
ることにお気づきで
しょうか…?
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 50
!  箱があるようには見え
ないけれど,実際には
箱がある。
!  右側のインデントを調
整(tcolorbox の
width)。
!  インデントを調整する
だけでなく,線も引け
て枠のデザインも自由。
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
レイアウトへの応用
!  empty skin で box の装飾をなくす。
!  width や height で box のサイズを
調整することで,左右インデントや行
取りが実現できる。
!  後から装飾を加えるのに都合が良い。
TeXユーザーの集い2015 51
レイアウトへの応用
!  empty skin で box の装飾をなくす。
!  width や height で box のサイズを
調整することで,左右インデントや行
取りが実現できる。
!  後から装飾を加えるのに都合が良い。
TeXユーザーの集い2015 52
少し凝ったページのレイアウトを実現
する際に有用。
書き込み余白も作れるのでは…?
TeXユーザーの集い2015 53
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 54
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
!  左側に線を引きたい
!  広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
!  任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 55
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
!  左側に線を引きたい
→ underlay で解決
!  広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
!  任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 56
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
!  左側に線を引きたい
→ underlay で解決
!  広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
→ height fill で解決
!  任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
pdfsavepos の利用
!  拡張プリミティブ pdfsavepos を利
用して版面下端までの残り高さを計算
し,それを box の height として定
めれば良い。
!  残したい高さを任意に指定することが
可能。
TeXユーザーの集い2015 58
他にも幅広い使い方がありそう。
TeXユーザーの集い2015 59
raster library
!  プリアンブルに
tcbuselibrary{raster}。
!  複数の box の高さを揃えて一列に並
べられる。
TeXユーザーの集い2015 60
tcbrasterのサンプル
TeXユーザーの集い2015 61
講評における
tcbraster の利用例
TeXユーザーの集い2015 63
!  大問ごとに掲載する優
秀者人数が可変。
!  どの大問の掲載者が最
多になるか事前にわか
らない。
!  同じ高さの枠で囲みた
い。
講評における
tcbraster の利用例
TeXユーザーの集い2015 64
!  大問ごとに掲載する優
秀者人数が可変。
!  どの大問の掲載者が最
多になるか事前にわか
らない。
!  同じ高さの枠で囲みた
い。
tcbraster が便利
英単語集「鉄壁」
のレイアウトも
TeXユーザーの集い2015 65
!  左側が英語,右側が日
本語。
!  英語は発音記号も含め
て必ず2行。
!  日本語は1行以上の任
意の行数。
英単語集「鉄壁」
のレイアウトも
TeXユーザーの集い2015 66
!  左側が英語,右側が日
本語。
!  英語は発音記号も含め
て必ず2行。
!  日本語は1行以上の任
意の行数。
見えない形(empty skin)
で tcbraster を利用す
れば解決。
鉄壁の簡易版レイアウト
!  一見しただけでは tcolorbox の存在は全
く分からない。
TeXユーザーの集い2015 67
鉄壁の簡易版レイアウト
!  実際には box による高さ調整が為されて
いる。
TeXユーザーの集い2015 68
1.
[発音記号]
日本語での説明
2.
[発音記号]
日本語での説明 1
日本語での説明 2
日本語での説明 3
rasterとpdfsavepos
の組み合わせ1
TeXユーザーの集い2015 69
!  ページを(2, 2)の領域
に分割する。
!  raster height を版面
下端までの残り高さに
定める。
!  横に並べるボックスの
個数は raster
column で指定。
!  縦に並べるボックスの
個数は raster rows
で指定。
rasterとpdfsavepos
の組み合わせ2
TeXユーザーの集い2015 70
!  ページを(m, n)の領域
に分割する。
!  raster height を版面
下端までの残り高さに
定める。
!  横に並べるボックスの
個数は raster
column で指定。
!  縦に並べるボックスの
個数は raster rows
で指定。
rasterとpdfsavepos
の組み合わせ3
TeXユーザーの集い2015 71
!  foreach を使えば m
と n の変更は容易。
5. 今後の活動
TeXユーザーの集い2015 72
本日紹介した創作 box
!  ウェブサイト上で公開予定。
◦  http://www.geocities.jp/texmedicine/
!  新たな box ができ次第更新。
TeXユーザーの集い2015 73
その他 tcolorbox について
!  tcolorbox の詳細は公式マニュアル
(英文400ページ程度)を参照。
!  利用頻度の高い部分を抜粋してまとめ
た日本語版簡易マニュアルを作成中
(近日公開予定)。
!  新たな利用法やデザインに関して,発
見などがあれば随時ブログで公開予定。
◦  http://texmedicine.hatenadiary.jp
TeXユーザーの集い2015 74

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tcolorboxによる装飾表現(TeXユーザの集い2015)

  • 3. 佐藤 淳俊 (さとう あつとし) !  鉄緑会物理科 高2/高3担当 3年目 ◦  教材作成のために TeX を学ぶ。 ◦  とはいえまだ3年目であり,普段は鉄緑会独自の パッケージで TeX を使っているので,TeX に関 する一般的な知識はほぼ空っぽ。 !  東京大学医学部医学科 3年 ◦  レポート作成で TeX を使用することもしばしば。 TeXユーザーの集い2015 3
  • 5. なぜ tcolorbox か !  高校生向けの教材を作成するにあたっ て,複数種類の枠で囲む環境が必要 だった。 !  ページまたぎもできると尚良い。 !  生徒の書き込み用スペースを作成する ためのレイアウトを実現するのに苦労 していた。 TeXユーザーの集い2015 5
  • 6. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 6 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh
  • 7. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 7 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh !  左側に装飾付きの線を 引きたい
  • 8. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 8 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh !  左側に装飾付きの線を 引きたい !  広い書き込みスペース を作るときに,自動的 にページ下端までの高 さに調整したい。
  • 9. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 9 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh !  左側に装飾付きの線を 引きたい !  広い書き込みスペース を作るときに,自動的 にページ下端までの高 さに調整したい。 !  任意のスペースを残し て,ページ下端まで高 さを調整したい。
  • 11. インストール !  TeX Live には標準でインストールさ れている。 !  内部的に TikZ を呼び出して利用する。 TeXユーザーの集い2015 11
  • 12. 使用準備 !  pLaTeX + dvipdfmx で利用する場合 の典型的プリアンブル TeXユーザーの集い2015 12 !  ドキュメントクラスオプションに dvipdfmx を付けておくと,dvipdfmx 用設定で graphicx, xcolor, tikz パッ ケージがロードされる。
  • 13. tcolorbox の作成 !  options で様々な変更が可能。 !  minipage を利用して作成されており, width はデフォルトでは linewidth に なる。 TeXユーザーの集い2015 13 基本的な tcolorbox の作成 begin{tcolorbox}[⟨options⟩] ⟨environment content⟩ end{tcolorbox}
  • 15. options でできること色々 !  box のサイズ変 更 !  枠のデザイン !  透過性の設定 !  ページまたぎ !  表作成(tabular) !  画像の貼り込み !  box のネストの 調整 !  前後余白の調整 !  インラインでの利 用(tcbox) !  タイトルの独立, 場所変更 !  高さ揃え(後述) !  上下分割の調整 !  影付き box など,あげたらきりがない TeXユーザーの集い2015 15
  • 18. インラインでの利用(tcbox) TeXユーザーの集い2015 18 Testdotfill tcbox[tcbox raise base]{tcbox1}dotfill tcbox{tcbox2} Test . . . . . . . . . . tcbox1 . . . . . . . . . . tcbox2
  • 19. 表作成(tabular との組み合わせ) TeXユーザーの集い2015 19 tcbox[left=0mm,right=0mm,top=0mm,bottom=0mm, boxsep=0mm,title=My table]{% begin{tabular}{r|c|l} One & Two & Three hline Four & Five & Six end{tabular}} My table One Two Three Four Five Six
  • 21. 画像の貼り込み1 TeXユーザーの集い2015 21 begin{tcolorbox}[enhanced,title=My title,title style image=blueshade.png] upper part tcblower lower part end{tcolorbox} My title upper part lower part
  • 22. TeXユーザーの集い2015 22 begin{tcolorbox}[enhanced,title=My title,interior style tile={width=2cm}{paper.png}] upper part tcblower lower part end{tcolorbox} My title upper part lower part 画像の貼り込み2
  • 23. 上下パート分割,影付きの box TeXユーザーの集い2015 23 begin{tcolorbox}[enhanced, colframe=salmon,colback=salmon!20!white, coltitle=black,sharp corners, drop fuzzy shadow,title=My box] upper part tcblower lower part end{tcolorbox} My box upper part lower part
  • 24. タイトルの独立・位置調整 TeXユーザーの集い2015 24 begin{tcolorbox}[enhanced,title=My title, attach boxed title to top center] This is a textbf{tcolorbox}. end{tcolorbox} My title This is a tcolorbox.
  • 26. newtcolorbox, newtcbox !  newenvironment / newcommand と同様の振る舞い。 TeXユーザーの集い2015 26 tcolorbox の定義 newtcolorbox[⟨init options⟩] {⟨name⟩}[⟨number⟩][⟨default⟩]{⟨options⟩} tcbox の定義 newtcbox[⟨init options⟩] {⟨name⟩}[⟨number⟩][⟨default⟩]{⟨options⟩}
  • 27. DeclareTColorBox !  DeclareDocumentEnvironment と 同様の振る舞い。xparse library を読 み込む必要あり(プリアンブルに tcbuselibrary{xparse} )。 !  引数を増やせる,*の有無による挙動 変化を設定できる。 TeXユーザーの集い2015 27 DeclareTColorBox による定義 DeclareTColorBox[⟨init options⟩] {⟨name⟩}{⟨supecification⟩}{⟨options⟩}
  • 28. skin の変更 ― enhanced !  skin は枠の見た目を決める土台。 !  standard, enhanced, empty など。 !  enhanced skin を用いると,描画に tikz コマンドを利用できる。 !  枠の見た目を劇的に変化させることが 可能(shadow も enhanced skin を 利用)。 !  完全にイチから box を作成する際は, empty skin で全てを空っぽにする。 TeXユーザーの集い2015 28
  • 29. options の活用 ― underlay !  TikZ コマンドを用いて,box に自由 に描画を上書きできる。 !  各種枠(タイトル部,テキスト背景部 など)の座標を取得することが可能な ので,box の枠などを自由に創作で きる。 TeXユーザーの集い2015 29
  • 31. 創作box例2 !  manual にある box-改 TeXユーザーの集い2015 31
  • 32. 創作box例3 !  これも manual にある box-改 TeXユーザーの集い2015 32
  • 33. 創作box例4 !  enhanced skin を利用して作成。 TeXユーザーの集い2015 33
  • 40. 物理教材における 利用例1 TeXユーザーの集い2015 40 15 Priority:5 ▶ 位置エネルギー 物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を と定義する。 この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー ・ の ・ 変 ・ 化 と保存力の間には以下の関係がある。 保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。 ∆U = −W保 Priority:3 ▶ 重力の位置エネルギー 上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる ∆U = − Fx dx といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。 【重力の位置エネルギー】 右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0 から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力 は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方 向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働 いているとみなす)。 従って,この移動の際に重力がした仕事は, Wg = x x0 (−mg) dx = −mg(x − x0) と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで, ∆Ug = − x x0 (−mg) dx = mg(x − x0) となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば, Ug = mgx が得られる。 Column 実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず れかであることが知られて ・ い ・ た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化 学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。 しかし,アインシュタインが発見した E = mc2 という式によって,静止していて,かつ位置エネル ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
  • 41. 物理教材における 利用例2 TeXユーザーの集い2015 41 22 2 断熱圧縮なので,温度は上昇,∆U > 0 となるは ずです。 ⑶ 続いて θ = 180◦ で加熱するわけですが,この加 熱の間,ピストンに働く力は常につり合うので,定 圧変化をすることが分かります。定圧変化に関して は,必ず以下の点を押さえておきましょう。 【定圧変化の特性】 定圧変化においては, Qin : ∆U : Wout = Cp : Cv : R が成り立つ。特に,単原子分子理想気体の 場合は Qin : ∆U : Wout = 5 : 3 : 2 となる。 今回であれば, Wout = 3 2 p0 · (H3 − H2) が直ぐに求まるので, Qin = Cp R Wout = 3(Cv + R) 2R p0 · (H3 − H2) ∆U = Cv R Wout = 3Cv 2R p0 · (H3 − H2) としてスムーズに計算することが出来ます。熱力学 第一法則から求めるより圧倒的に早いので,この方 法は使えるようにしておくべきです。ということで,     を埋めてから     を埋めることにな りますね。 ここまでの p − V グラフは以下の通りです。 ⑷ 再び断熱変化です。断熱変化に関しては,∆U + Wout = 0 が成り立つことを思い出したいところ です。p − V グラフの面積から Wout を求めるの は困難なので,∆U から間接的に求めることが圧 倒的に多いです。今回も,状態方程式を使って温 度を求めてから ∆U を計算することになりますね。     は猿でも出来ますから,必ず解きましょう。 飛ばしてしまうのはあまりにも勿体無いです。 この変化が断熱膨張であることを踏まえると, p − V グラフは以下の通りです。 ⑸ 最後は再び定圧変化です。やはり Wout = 1 2 p0 · (H1 − H4) が直ぐに求まるので,これを元に考えましょう。 Qin = Cv + R R Wout なので,−Qin を計算しましょう。 これでサイクル1周が終わりました。サイクル全 体の p − V グラフは以下の通りです。
  • 42. 物理教材における 利用例3 TeXユーザーの集い2015 42 22 6 となること」の2つです。ベクトルの図で整理する と下図の通りです。 これより,求める台の移動は −x 方向に lM = m m + M 2l + h tan θ であることが分かりますね。 Ⅰ 回路を組み立てる問題です。何となく似た回路を 思い浮かべられないと厳しい内容かもしれません。 問題となるのは恐らく可変抵抗の扱いですが,メー トルブリッジの問題を解いたことがあるとイメージ しやすかったかもしれません。 参 考 メートルブリッジとは,未知の抵抗の抵 抗値を測定する以下のような回路です。 検流計が繋がれた導線をメートル部分に 接続する部分を徐々にずらし,検流計に電 流が流れない点を見つけます。このときの メートルブリッジにおいて,l1, l2 を上の 図のように定めると,ブリッジ回路の公式 より R0 : RX = l1 : l2 が成り立つので,RX を求めることが出来 ます。 初見であれば問題自体は解けなくても良いですが, 何となくで良いので答えの形を頭に入れておきたい ですね。 Ⅱ 念のためダイオードの順方向の確認。ダイオード の素子の電圧と電流の順方向は以下の図の通りです。 この V と I の関係が図で与えられています(た だし,I の単位が [mA] であることに注意)。特性 曲線からも分かる通り,ダイオードは順方向のみに 電流を流します。
  • 43. 物理教材における 利用例4 TeXユーザーの集い2015 43 20 6 く解けます。これは運動方程式を立てる際に ay を 用いているからであり,ay を用いれば 1 2 ayt1 2 = h と立式できます。斜面上での動きを考えるのであれ ば,斜面上で(慣性力を含めて)運動方程式を立て, 斜面方向の加速度を求めてから等加速度運動の公式 を利用しましょう。 ⑺ 台の運動方程式から台の加速度を求め,t1 を使っ て V1 を求めます。この際,運動方程式から求まる b が “加速度” であり,符号付きであることに注意し ましょう。求めるのは台の速さなので, V1 = |bt1| を計算することになります。 ⑻ 運動量保存則とエネルギー保存則を連立させる非 常にオーソドクスな内容です。方針はすぐに立てら れないとマズいですね。また,「運動量保存則とエ ネルギー保存則を連立させる」という計算は非常に よく出るので,大体の計算の流れは頭に入れておく と良いでしょう。 相対運動と重心系から考えるとやはり計 算は楽になります。エネルギー保存則は,相 対速度の大きさ vr を用いて 1 2 µvr 2 = mgh となるので, vr = 2mgh µ = 2(m + M)gh M が直ぐに求まります。 重心系(今回は静止系)から見ると,2物 体の速度の大きさは速度の逆比になるので, v2 = M m + M vr = 2Mgh m + M V2 = m m + M vr = 2m2 gh M(m + M) として答えが求まります。 ⑼ 1 2 MV2 2 − 1 2 MV1 2 を計算すれば良いことは直 ぐに分かると思いますが,計算量がひどいですね…。 ここで先に⑽,⑾の問題を見て先に解いてしまって, 最後に時間と相談しながら⑼を計算するのが良いで しょう。 この問題,重心系から考えるととっても 大変です。重心速度も変化するので危ない 匂いはするのですが,考えなければいけな い「静止系から見た台の運動エネルギーの 変化」は重心速度とも相対速度とも結びつ けにくいからです。どうしても重心で考え たい,という場合であれば無理ではないで すが,非常に難しい考え方になるので実戦 的ではないでしょう。興味がある人のため, 問題の形式で以下に掲載しておきます。 参考問題 ⑴ A が Q を通過する直前の重心速度 vG を求めよ。 ⑵ A が Q を通過した直後の重心速度 vG ′ を求めよ。 ⑶ A が Q を通過する直前と直後の A と 台について,重心から見た速度を始点を そろえてそれぞれ書け。 ⑷ A が通過する直前の相対速度の大きさ vr および通過する直後の相対速度の大き さ vr ′ を用いて,⑶のそれぞれの速度ベ クトルの大きさを表せ。 ⑸ vr と vr ′ の間に成り立つ関係式を,vG を用いて表せ。 ⑹ vr を vG を用いて表せ。 ⑺ 求める台の運動エネルギーの変化 ∆K を,vr, vr ′ を用いて表せ。 ⑻ 以上の結果を用いて,∆K を vG を用 いて表せ。 【解答】 ⑴ 系は水平方向に外力を受けないので,重心速度が y 軸に平行であることに注意して, vG = m m + M vy ⑵ A,台の鉛直方向の速度が共に 0 なので, vG ′ = 0
  • 44. 東大物理問題集 における利用例1 TeXユーザーの集い2015 44 2013 1 1 解答例 Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求める速さを v1 として, 1 2 ks2 = 1 2 mv1 2 + 1 2 kd2 v1 = k m (s2 − d2 ) ⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき2物体の速度が交換されるので,衝突直後の2物体の速さは, 小球1 : 0, 小球2 : v1 = k m (s2 − d2 ) ⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より, 小球1 : 1 2 kd2 = 1 2 kA1 2 , 小球2 : 1 2 mv1 2 = 1 2 kA2 2 よって, A1 = d, A2 = B s2 − d2 ⑷ s = B 2 d のとき,A1 = A2 = d となる。 衝突後の小球1,小球2の運動はともに振幅 d,周期 T = 2π m k の単振動であり,小球1は端点から,小球2は振動 中心から動き始めるので,それぞれの位置は図のような時間 変化をする。ただし,x 軸は小球1側のばねの自然長の位置を 原点とし,右向きが正である。 これより,2つの小球が再び衝突するまでの時間は, 3 4 T = 3π 2 m k Ⅱ⑴ ばねが s だけ縮んでいるときの小球1のつり合いを考えて,小球1が動き始める条件は, ks > µmg s > µmg k ⑵ 小球1が右向きに動いているときの運動方程式は, m d2 x dt2 = −kx − µ′ mg d2 x dt2 = − k m x + µ′ mg k よって,小球1は,x = − µ′ mg k を振動中心とする単振動をする。x = −s が振動の左端なので,右端の座 標 x1 は, x1 − s 2 = − µ′ mg k x1 = s − 2µ′ mg k 小球1が小球2に衝突する条件は,x1 >= d より, s >= d + 2µ′ mg k よって求める s の最小値は, s = d + 2µ′ mg k 配点 Ⅰ⑴ 3 点(☆) ⑵ 4 点(☆) ⑶ 3 点(☆) ⑷ 3 点(☆☆) Ⅱ⑴ 3 点(☆) ⑵ 4 点(☆☆) 採点基準 Ⅰ⑴ エネルギー保存則を立式して····························1 点 衝突直前の小球1の速さを求めて····················2 点 ⑵ 衝突後の小球の速さを求めて·······················各 2 点 ⑶ 左側のバネの最大の縮みを求めて····················1 点 右側のバネの最大の縮みを求めて····················2 点 ⑷ 求める時間が周期の 3 4 だと述べて·················1 点 衝突までの時間を求めて····································2 点 Ⅱ⑴ s の条件を求めて·················································3 点
  • 45. 東大物理問題集 における利用例2 TeXユーザーの集い2015 45 2013 1 指針 Ⅰは,単振動と衝突を組み合わせた2体問題です。エ ネルギー保存則や速度交換の知識があれば,⑶までは迷 うことなく解き進められるはずです。一方で,⑷に関し ては単振動を踏まえた時間の考察を行うことになります。 「単振動の中途半端な時間を考えるときは,円運動を復 元して考える」という定石を踏まえて,グラフを描きな がら整理して考えれば答えに至るのは難しくはないで しょう。 一方でⅡの内容は,Ⅰとは完全に独立したものとなっ ています。解けない設問があっても,全ての問題に目を 通す,という習慣を付けられていれば,Ⅰが解けていな くてもⅡで得点できるはずです。⑴の内容は基本問題で すが,⑵は少々難しいでしょうか。単振動の運動方程式 から振動の範囲を考える方法,エネルギー保存則を使う 方法がありますが,どちらも自然な発想から至ることの できる解法といえるでしょう。 解説 以下では,小球1側のばねの自然長の位置を原点とす る x 軸を右向きに取るものとする。 Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求 値を v1 として, 1 2 ks2 = 1 2 mv1 2 + 1 2 kd2 が成り立つので,これを解いて v1 = k m (s2 − d2 ) を得る。 注 小球1が x = 0 を振動中心,x = s を右端とする 単振動を行うことから,小球1,2が衝突するため に必要な条件は s > d である。 これは,⑴で求まる v1 が正の実数として存在す る条件と一致する。 ⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき,衝突前後で2 物体の速度が交換される(速度交換)ので,衝突直後 の2物体の速さは, 小球1 : 0 小球2 : v1 = k m (s2 − d2 ) ⎫ ⎪⎬ ⎪⎭ として得られる。 別解 衝突直後の小球1,2の速度をそれぞれ v′ 1, v′ 2 と おくと,運動量保存則より, mv1 = mv′ 1 + mv′ 2 が成り立つ。はね返り係数の定義式 v1 v′ 2 − v′ 1 = 1 と連立して, v′ 1 = 0 v′ 2 = k m (s2 − d2 ) ⎫ ⎪⎬ ⎪⎭ を得る。 別解 系の重心速度は vG = 1 2 v1 であるから,重心系に おける衝突前の小球1,2の速度はそれぞれ v1G = 1 2 v1, v2G = − 1 2 v1 である。衝突により,各小球の速度は −1 倍されるの で,衝突後の重心系における衝突前の小球1,2の速 度はそれぞれ v′ 1G = − 1 2 v1, v′ 2G = 1 2 v1 である。よって,静止系から見た衝突後の各小球の速 度は, v′ 1 = vG + v′ 1G = 0 v′ 2 = vG + v′ 2G = v1 = k m (s2 − d2 ) ⎫ ⎪⎬ ⎪⎭ として求まる。 参考 一般に,質量がともに m の2物体が一次元的に 完全弾性衝突することを考える。衝突直前および 直後の2物体の速度を v1, v2 および v′ 1, v′ 2 とする と,運動量保存則,およびはね返り係数の定義式 より, mv1 + mv2 = mv′ 1 + mv′ 2 v′ 2 − v′ 1 v1 − v2 = 1 が成り立つ。よって, v′ 1 = v2, v′ 2 = v1 であることが分かる。 これより,等質量の2物体の一次元的な弾性衝突 では,衝突前後で速度が交換されることが示された。 ポイント 別解で示したように,一般に2物体の衝突後の速 度は,運動量保存則とはね返り係数の定義式を連立 することで求まる。完全弾性衝突の際には,はね返 り係数の定義式の代わりにエネルギー保存則を用 いることもできるが,速度についての2次方程式と なってしまうため,はね返り係数の定義式を用いる 方が賢明である。 ⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値 を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より,
  • 46. 東大物理問題集 における利用例2 TeXユーザーの集い2015 46 2013 1 指針 Ⅰは,単振動と衝突を組み合わせた2体問題です。エ ネルギー保存則や速度交換の知識があれば,⑶までは迷 うことなく解き進められるはずです。一方で,⑷に関し ては単振動を踏まえた時間の考察を行うことになります。 「単振動の中途半端な時間を考えるときは,円運動を復 元して考える」という定石を踏まえて,グラフを描きな がら整理して考えれば答えに至るのは難しくはないで しょう。 一方でⅡの内容は,Ⅰとは完全に独立したものとなっ ています。解けない設問があっても,全ての問題に目を 通す,という習慣を付けられていれば,Ⅰが解けていな くてもⅡで得点できるはずです。⑴の内容は基本問題で すが,⑵は少々難しいでしょうか。単振動の運動方程式 から振動の範囲を考える方法,エネルギー保存則を使う 方法がありますが,どちらも自然な発想から至ることの できる解法といえるでしょう。 解説 以下では,小球1側のばねの自然長の位置を原点とす る x 軸を右向きに取るものとする。 Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求 値を v1 として, 1 2 ks2 = 1 2 mv1 2 + 1 2 kd2 が成り立つので,これを解いて v1 = k m (s2 − d2 ) を得る。 注 小球1が x = 0 を振動中心,x = s を右端とする 単振動を行うことから,小球1,2が衝突するため に必要な条件は s > d である。 これは,⑴で求まる v1 が正の実数として存在す る条件と一致する。 注 小球1が x = 0 単振動を行うこと に必要な条件は s ⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき,衝突前後で2 物体の速度が交換される(速度交換)ので,衝突直後 の2物体の速さは, 小球1 : 0 小球2 : v1 = k m (s2 − d2 ) ⎫ ⎪⎬ ⎪⎭ として得られる。 別解 衝突直後の小球1,2の速度をそれぞれ v′ 1, v′ 2 と おくと,運動量保存則より, mv1 = mv′ 1 + mv′ 2 が成り立つ。はね返り係数の定義式 v1 v′ 2 − v′ 1 = 1 と連立して, v′ 1 = 0 v′ 2 = k m (s2 − d2 ) ⎫ ⎪⎬ ⎪⎭ を得る。 別解 系の重心速度は vG = 1 2 v1 であるから,重心系に おける衝突前の小球1,2の速度はそれぞれ v1G = 1 2 v1, v2G = − 1 2 v1 である。衝突により,各小球の速度は −1 倍されるの で,衝突後の重心系における衝突前の小球1,2の速 度はそれぞれ v′ 1G = − 1 2 v1, v′ 2G = 1 2 v1 である。よって,静止系から見た衝突後の各小球の速 度は, v′ 1 = vG + v′ 1G = 0 v′ 2 = vG + v′ 2G = v1 = k m (s2 − d2 ) ⎫ ⎪⎬ ⎪⎭ として求まる。 参考 一般に,質量がともに m の2物体が一次元的に 完全弾性衝突することを考える。衝突直前および 直後の2物体の速度を v1, v2 および v′ 1, v′ 2 とする と,運動量保存則,およびはね返り係数の定義式 より, mv1 + mv2 = mv′ 1 + mv′ 2 v′ 2 − v′ 1 v1 − v2 = 1 が成り立つ。よって, v′ 1 = v2, v′ 2 = v1 であることが分かる。 これより,等質量の2物体の一次元的な弾性衝突 では,衝突前後で速度が交換されることが示された。 参考 一般に, 完全弾性衝 直後の2物 ポイント 別解で示したように,一般に2物体の衝突後の速 度は,運動量保存則とはね返り係数の定義式を連立 することで求まる。完全弾性衝突の際には,はね返 り係数の定義式の代わりにエネルギー保存則を用 いることもできるが,速度についての2次方程式と なってしまうため,はね返り係数の定義式を用いる 方が賢明である。 ポイ 別解で示 度は,運動 ⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値 を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より,
  • 48. 物理教材における 利用例1 TeXユーザーの集い2015 48 !  先ほどのスライドです。 !  まだ触れられていない tcolorbox が隠れてい ることにお気づきで しょうか…? 15 Priority:5 ▶ 位置エネルギー 物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を と定義する。 この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー ・ の ・ 変 ・ 化 と保存力の間には以下の関係がある。 保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。 ∆U = −W保 Priority:3 ▶ 重力の位置エネルギー 上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる ∆U = − Fx dx といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。 【重力の位置エネルギー】 右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0 から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力 は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方 向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働 いているとみなす)。 従って,この移動の際に重力がした仕事は, Wg = x x0 (−mg) dx = −mg(x − x0) と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで, ∆Ug = − x x0 (−mg) dx = mg(x − x0) となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば, Ug = mgx が得られる。 Column 実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず れかであることが知られて ・ い ・ た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化 学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。 しかし,アインシュタインが発見した E = mc2 という式によって,静止していて,かつ位置エネル ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
  • 49. 物理教材における 利用例1 TeXユーザーの集い2015 49 !  先ほどのスライドです。 !  まだ触れられていない tcolorbox が隠れてい ることにお気づきで しょうか…? 15 Priority:5 ▶ 位置エネルギー 物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を と定義する。 この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー ・ の ・ 変 ・ 化 と保存力の間には以下の関係がある。 保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。 ∆U = −W保 Priority:3 ▶ 重力の位置エネルギー 上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる ∆U = − Fx dx といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。 【重力の位置エネルギー】 右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0 から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力 は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方 向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働 いているとみなす)。 従って,この移動の際に重力がした仕事は, Wg = x x0 (−mg) dx = −mg(x − x0) と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで, ∆Ug = − x x0 (−mg) dx = mg(x − x0) となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば, Ug = mgx が得られる。 Column 実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず れかであることが知られて ・ い ・ た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化 学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。 しかし,アインシュタインが発見した E = mc2 という式によって,静止していて,かつ位置エネル ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
  • 50. 物理教材における 利用例1 TeXユーザーの集い2015 50 !  箱があるようには見え ないけれど,実際には 箱がある。 !  右側のインデントを調 整(tcolorbox の width)。 !  インデントを調整する だけでなく,線も引け て枠のデザインも自由。 15 Priority:5 ▶ 位置エネルギー 物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を と定義する。 この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー ・ の ・ 変 ・ 化 と保存力の間には以下の関係がある。 保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。 ∆U = −W保 Priority:3 ▶ 重力の位置エネルギー 上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる ∆U = − Fx dx といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。 【重力の位置エネルギー】 右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0 から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力 は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方 向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働 いているとみなす)。 従って,この移動の際に重力がした仕事は, Wg = x x0 (−mg) dx = −mg(x − x0) と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで, ∆Ug = − x x0 (−mg) dx = mg(x − x0) となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば, Ug = mgx が得られる。 Column 実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず れかであることが知られて ・ い ・ た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化 学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。 しかし,アインシュタインが発見した E = mc2 という式によって,静止していて,かつ位置エネル ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
  • 51. レイアウトへの応用 !  empty skin で box の装飾をなくす。 !  width や height で box のサイズを 調整することで,左右インデントや行 取りが実現できる。 !  後から装飾を加えるのに都合が良い。 TeXユーザーの集い2015 51
  • 52. レイアウトへの応用 !  empty skin で box の装飾をなくす。 !  width や height で box のサイズを 調整することで,左右インデントや行 取りが実現できる。 !  後から装飾を加えるのに都合が良い。 TeXユーザーの集い2015 52 少し凝ったページのレイアウトを実現 する際に有用。
  • 54. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 54 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh !  左側に線を引きたい !  広い書き込みスペース を作るときに,自動的 にページ下端までの高 さに調整したい。 !  任意のスペースを残し て,ページ下端まで高 さを調整したい。
  • 55. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 55 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh !  左側に線を引きたい → underlay で解決 !  広い書き込みスペース を作るときに,自動的 にページ下端までの高 さに調整したい。 !  任意のスペースを残し て,ページ下端まで高 さを調整したい。
  • 56. 目的のレイアウト TeXユーザーの集い2015 56 2 3 23 Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。 ここで,気体2についてはピストン B があるので, 圧力が一定であることが分かります。ピストン B が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り 立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧 になります。 この点に気づかなくても問題は解けますが,見通 しが良くなるのは間違いありません。 4 ⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は, 圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため, であることが分かります。両ピストンの動 きによる体積変化に注目しましょう。 NoteSpace 斜線部の体積が等しいので, 2S0z = Sh ∴ z = S 2S0 h ⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧 力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態 方程式を立てることが出来ます。 NoteSpace 加熱前後の EOS より, V ′ 1 + S0z T′ = V ′ 1 T 後はⅡとⅢ⑴で V ′ 1 と z を消去。 Answer: T ′ = T + mgh R ⑶ ⑵で T′ が求まるので,定圧変化であることを利 用して熱量を求めましょう。 NoteSpace 定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より, Qin = nCp∆T = 5 2 R(T′ − T) Answer: Q = 5 2 mgh !  左側に線を引きたい → underlay で解決 !  広い書き込みスペース を作るときに,自動的 にページ下端までの高 さに調整したい。 → height fill で解決 !  任意のスペースを残し て,ページ下端まで高 さを調整したい。
  • 57. pdfsavepos の利用 !  拡張プリミティブ pdfsavepos を利 用して版面下端までの残り高さを計算 し,それを box の height として定 めれば良い。 !  残したい高さを任意に指定することが 可能。 TeXユーザーの集い2015 58
  • 59. raster library !  プリアンブルに tcbuselibrary{raster}。 !  複数の box の高さを揃えて一列に並 べられる。 TeXユーザーの集い2015 60
  • 61. 講評における tcbraster の利用例 TeXユーザーの集い2015 63 !  大問ごとに掲載する優 秀者人数が可変。 !  どの大問の掲載者が最 多になるか事前にわか らない。 !  同じ高さの枠で囲みた い。
  • 62. 講評における tcbraster の利用例 TeXユーザーの集い2015 64 !  大問ごとに掲載する優 秀者人数が可変。 !  どの大問の掲載者が最 多になるか事前にわか らない。 !  同じ高さの枠で囲みた い。 tcbraster が便利
  • 63. 英単語集「鉄壁」 のレイアウトも TeXユーザーの集い2015 65 !  左側が英語,右側が日 本語。 !  英語は発音記号も含め て必ず2行。 !  日本語は1行以上の任 意の行数。
  • 64. 英単語集「鉄壁」 のレイアウトも TeXユーザーの集い2015 66 !  左側が英語,右側が日 本語。 !  英語は発音記号も含め て必ず2行。 !  日本語は1行以上の任 意の行数。 見えない形(empty skin) で tcbraster を利用す れば解決。
  • 65. 鉄壁の簡易版レイアウト !  一見しただけでは tcolorbox の存在は全 く分からない。 TeXユーザーの集い2015 67
  • 66. 鉄壁の簡易版レイアウト !  実際には box による高さ調整が為されて いる。 TeXユーザーの集い2015 68 1. [発音記号] 日本語での説明 2. [発音記号] 日本語での説明 1 日本語での説明 2 日本語での説明 3
  • 67. rasterとpdfsavepos の組み合わせ1 TeXユーザーの集い2015 69 !  ページを(2, 2)の領域 に分割する。 !  raster height を版面 下端までの残り高さに 定める。 !  横に並べるボックスの 個数は raster column で指定。 !  縦に並べるボックスの 個数は raster rows で指定。
  • 68. rasterとpdfsavepos の組み合わせ2 TeXユーザーの集い2015 70 !  ページを(m, n)の領域 に分割する。 !  raster height を版面 下端までの残り高さに 定める。 !  横に並べるボックスの 個数は raster column で指定。 !  縦に並べるボックスの 個数は raster rows で指定。
  • 71. 本日紹介した創作 box !  ウェブサイト上で公開予定。 ◦  http://www.geocities.jp/texmedicine/ !  新たな box ができ次第更新。 TeXユーザーの集い2015 73
  • 72. その他 tcolorbox について !  tcolorbox の詳細は公式マニュアル (英文400ページ程度)を参照。 !  利用頻度の高い部分を抜粋してまとめ た日本語版簡易マニュアルを作成中 (近日公開予定)。 !  新たな利用法やデザインに関して,発 見などがあれば随時ブログで公開予定。 ◦  http://texmedicine.hatenadiary.jp TeXユーザーの集い2015 74