論文分析から見えるマテリアルズサイエンスの
現状と日本のポジション
2017年10月28日
文部科学省 科学技術・学術政策研究所
科学技術・学術基盤調査研究室長
伊神 正貫
1
学融合研究推進調査プログラム【MSI】企画シンポジウム
1. はじめに
科学技術・学術基盤調査研究室の紹介
本日の紹介する2つのレポート
はじめに
2
http://www.nistep.go.jp/
• 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、国の科学技術政策立案プロセ
スの一翼を担うために設置された国家行政組織法に基づく文部科学省直
轄の国立試験研究機関
科学技術・学術政策研究所
はじめに
3
科学技術・学術政策研究所の組織
(基盤室の調査研究の例)
• 科学技術指標
• 各種の論文分析
– 科学研究のベンチマーキング
– 大学ベンチマーキング
– サイエンスマップ
– ジャーナル分析
– 部局レベル分析
– …
• 科学技術の状況に係る総合的意識調
査(NISTEP定点調査)
• データ・情報基盤構築(大学・公的研究
機関部分、謝辞情報部分)
はじめに
4
本日紹介する2つのレポート
はじめに
5
サイエンスマップ2014 [2016年9月公表]
• 論文データベース分析により、国際的に注目を集めて
いる研究領域を抽出・可視化
• 世界の研究動向とその中での日本の活動状況の分析
• 本日は、主にナノサイエンスに注目して説明
論文実態調査 [2017年6月公表]
• 論文を生み出した研究活動に用いた資金源や著者の
構成についての質問票調査
• 本日は、ジュニア研究者の参加と貢献に注目して説明
http://www.nistep.go.jp/sciencemap
http://doi.org/10.15108/stih.00097
2. サイエンスマップ2014
研究領域レベルの状況把握
6
サイエンスマップ2014
• 科学技術・学術政策研究所では、論文データベース分析により国際的に注目を集め
ている研究領域を抽出・可視化した「サイエンスマップ」を作成し、世界の研究動向と
その中での日本の活動状況の分析を実施。
• 最新のサイエンスマップ2014では、2009年から2014年の論文の内、被引用数が世界
で上位1%の論文を共引用関係を用いてグループ化することで、世界的に注目を集
めている研究領域を抽出。
• これまで7時点のサイエンスマップを作成。
7
サイエンスマップとは
サイエンスマップとは
‘97 ‘98 ‘99 ‘00 ‘01 ‘02
サイエンスマップ2002
‘99 ‘00 ‘01 ‘02 ‘03 ‘04
サイエンスマップ2004
‘01 ‘02 ‘03 ‘04 ‘05 ‘06
サイエンスマップ2006
‘03 ‘04 ‘05 ‘06 ‘07 ‘08
サイエンスマップ2008
‘05 ‘06 ‘07 ‘08 ‘09 ‘10
サイエンスマップ2010
‘07 ‘08 ‘09 ‘10 ‘11 ‘12
サイエンスマップ2012
‘97 ‘98 ‘99 ‘00 ‘01 ‘02 ‘03 ‘04 ‘05 ‘06 ‘07 ‘08 ‘09 ‘10 ‘11 ‘12
‘09 ‘10 ‘11 ‘12 ‘13 ‘14
サイエンスマップ2014
‘13 ‘14
サイエンスマップ2014
8
共引用関係
BAAB NNNN norm規格化された共引用度
参考文献: Small H G. Co-citation in the scientific literature; a new measure of the relationship between
two documents. Journal of the American Society for Information Science 24:265-9, 1973.
• 他の論文から頻繁に同時に引用される論文の間には、研究内容に共通性が
あると考える。
ABN)(BAN : 論文A(B)の被引用回数 : 論文AとBが同時に引用された回数
サイティングペーパ
研究内容に共通性BA
1 32
点線は引用
コアペーパ(各年, 各分野の被引用度Top1%論文)
引用する論文
引用される論文
サイエンスマップとは サイエンスマップ2014
• 2009年~2014年を対象としたサイエンスマ
ップ2014では、世界的に注目を集めている
研究領域として844領域が抽出された。
サイエンスマップ2014
9
注1: 本マップ作成にはForce-directed placementアルゴリズムを用いているため、上下左右に意味は
無く、相対的な位置関係が意味を持つ。ここでは、生命科学系が左上、素粒子・宇宙論研究が右
下に配置されるマップを示している。
注2: 白丸が研究領域の位置、白色の破線は研究領域群の大まかな位置を示している。他研究領域と
の共引用度が低い一部の研究領域は、マップの中心から外れた位置に存在するため、上記マッ
プには描かれていない。研究領域群を示す白色の破線は研究内容を大まかに捉える時のガイド
である。研究領域群に含まれていない研究領域は、類似のコンセプトを持つ研究領域の数が一
定数に達していないだけであり、研究領域の重要性を示すものではない。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)
及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分析、
可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
サイエンスマップ2014の概観
番号 研究領域群名 短縮形
1 がん研究 がん
2 循環器疾患研究 循環
3 感染症・公衆衛生 感染症
4 免疫研究(遺伝子発現制御を含む) 免疫
5 遺伝子発現制御・幹細胞研究 遺・幹
6 脳・神経疾患研究 脳・神
7 精神疾患研究 精神
8 植物・微生物研究(遺伝子発現制御を含む) 植物
9 環境・生態系研究 環・生
10 環境・気候変動研究(観測、モデル) 環・気
11 生物メカニズムとナノレベル現象の交差(ライフ-ナノブリッジ) ライフ-ナノ
12 化学合成研究・エネルギー創出 化合・エネ
13 ナノサイエンス研究(ライフサイエンス) ナノ(ラ)
14 ナノサイエンス研究(化学) ナノ(化)
15 ナノサイエンス研究(物理学) ナノ(物)
16 量子物性科学研究 量子
17 素粒子・宇宙論研究 素・宇
白丸が研究領域の位置
サイエンスマップ2014
ナノサイエンス
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)をもとに集計・分析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
10
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
11
研究領域群の概要(ナノサイエンス)
• ナノサイエンス研究の中でもラ
イフサイエンスとのかかわりが
大きい研究領域。
• 「ドラッグデリバリー」、「自己組
織化」、「生物医学的応用」、
「細胞取込」という特徴語が多
数出現。
• 工業ナノ材料の毒性評価やヒ
トの健康への影響についての
研究領域も含まれる。
ナノサイエンス研究(ライフサイエンス)領域群
• 11の研究領域において「触媒
活性」が特徴語にあがっている。
• これに「可視光」、「固体」、「電
力変換効率」、「電気化学的性
能」、「水素結合」、「光触媒活
性」といった特徴語がつづく。
ナノサイエンス研究(化学)領域群
• 「2次元」、「第一原理計算」、
「磁場」、「量子状態」、「バンド
ギャップ」という特徴語が多数
出現しており、低次元系に注
目した研究が行われている。
• その中でも、「グラフェン」にか
かわる特徴語が多くみられる。
• 「リチウムイオン電池」を特徴
語として持つ研究領域も一定
数存在。
ナノサイエンス研究(物理学)領域群互いに影響しあいながら進展
ナノサイエンス周辺
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)をもとに集計・分析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
12
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
13
研究領域群の概要(ナノサイエンス周辺)
• 10の研究領域において、「良
好な収率」が特徴語。
• 「高収量」、「反応条件」、「クロ
スカップリング反応」、「遷移金
属触媒」、「不斉合成」といった
化学合成にかかる特徴語。
• これらに加えて、「バイオディー
ゼル生産」、「バイオ燃料の生
産」、「バイオオイル」という特
徴語。
化学合成・エネルギー創出研究領域群
• 生物メカニズムとナノレベルの
現象の交差(ライフ-ナノブリッ
ジ)地点となる研究領域群
• 研究対象にかかわる特徴語と
しては「分子動力学シミュレー
ション」、「生細胞」、「結合部
位」など。
• ここで得られた知識が生命科
学系やナノサイエンス研究の
研究領域に拡散していく。
• 流体デバイスやクライオ電子
顕微鏡など
生物メカニズムとナノレベルの現象の交差
量子物性科学研究、
素粒子・宇宙論
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)をもとに集計・分析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
14
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
15
研究領域群の概要(量子物性科学研究、素粒子・宇宙論)
• 研究領域の6つにおいて「量子
状態」、5つにおいて「量子情報
処理」が特徴語にあがっている。
• 「ボーズ・アインシュタイン凝縮
体」、「光格子」、「エンタングル
状態」、「フォトニック結晶」、
「電磁波誘起透明化(EIT)」と
いった特徴語も含まれている。
量子物性科学研究領域群
• 「ブラックホール」、「AdS/CFT対
応」、「弦理論」、「暗黒物質」、
「標準モデル」といった特徴語
が出現。
• 研究領域としての規模は、他と
比べて小さいが重力波の観測
についての研究領域も、ここに
含まれている。素粒子・宇宙論研究領域群
注: 白色又は黄色の丸は研究領域の位置を示している。黄色はコアペーパ数が20以上の研究領域である。人工知能に関連すると考えられる研究領域を赤色の
マーカで示している。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
人工知能に関連すると考えられる研究領域の例
731
644
595
498
444
442
438
429
362
360
268
248
232
8
244
研究領域の位置
16
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
注: 研究領域IDに円をつけた研究領域は、サイエンスマップ2012とのコアペーパの重なりの分析から継続性がないと判定された領域。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
研究
領域ID
特徴語 分野 コアペーパ
244
グループ意思決定; グループ意思決定の問題; 集計演算子; 直感的ファジー集合; Ordered weighted averaging
aggregation operator
計算機科学 115
○731 人工蜂コロニーアルゴリズム; 人工蜂コロニー; 粒子群最適化(PSO); 重力探索アルゴリズム; 最適化問題
学際的・分野
融合的領域
59
○8 ニューラルネットワーク; 高木-菅野ファジーモデル; ファジー論理制御; 制御システム; ファジー理論にもとづく 工学 53
442 実験結果; 提案手法; 次元圧縮; 顔認識; 状態 工学 30
438 Teaching-learning-based optimization; 最適化アルゴリズム; テストシステム; 多目的最適化; 最適化問題 工学 25
○644 差分進化; 最適化問題; 進化的アルゴリズム; 差分進化アルゴリズム; 粒子群最適化(PSO) 計算機科学 20
○232
Type-2ファジー; Interval Type-2ファジーロジックコントローラ; Type-2ファジー集合; Type-2ファジー機構; Type-
2ファジーロジック機構
計算機科学 8
○429
最小二乗サポート・ベクター・マシン(LSSVM); 人工ニューラルネットワーク(ANN); 最適化された最小二乗サポート・ベク
ター・マシン(LSSVM)モデリング; 強制採収法(EOR); 最小二乗サポート・ベクター・マシン(LSSVM)モデル
工学 7
○498
自動音声認識; ディープニューラルネットワーク(DNN); 大語彙連続音声認識(LVCSR); 混合ガウスモデル(GMM);
隠れマルコフモデル
工学 5
362 ファジールールベース; 進化アルゴリズム; 機械学習; ノンパラメトリック統計検定; データセット
学際的・分野
融合的領域
5
○360
ELM(Extreme Learning Machine); 単一隠れ層フィードフォワードニューラルネットワーク; 一般化能力; ニューラ
ルネットワーク; 実験結果
学際的・分野
融合的領域
5
○595 スパース表現; 顔認識; スパース表現にもとづく分類; 訓練サンプル; 実験結果 工学 4
○444
人工ニューラルネットワーク(ANN); 人工ニューラルネットワーク(ANN)モデル; ウェーブレット変換; 時系列; 平均
二乗誤差(RMSE)
工学 4
○268
ハイパースペクトル画像; ハイパースペクトル画像分類; スペクトル空間; 空間情報; 古典的なサポート・ベクター・
マシン(SVM)
地球科学 4
○248 最適化モデル; 提案モデルの有効性; 遺伝的アルゴリズム; ファジー最適化アプローチ; ファジー変数
学際的・分野
融合的領域
4
17
特徴語から見る研究内容 サイエンスマップ2014
人工知能に関連すると考えられる研究領域の例
• 研究領域数はサイエンスマップ2002から2014にかけて41%増加。ナノサイエンス部分
の拡大が顕著
 世界における論文数の増加、中国などの新たなプレーヤの参画による研究者コミュニ
ティの拡大、新たな研究領域の出現、ナノサイエンスの拡大等の複合的な要因。
研究領域数の変化
598領域 647領域 844領域
Science Map 2008Science Map 2002 Science Map 2014
18
サイエンスマップ2014の時系列変化
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
サイエンスマップ2014
科学研究全体に広がる学際的・分野融合的領域
• サイエンスマップ2002: 生命科学系のあたりに集中
• サイエンスマップ2014: マップ全体に点在
• 様々な知識の組み合わせにより、新たな知識が生み出されている。
19
Sciece Map 2002 Sciece Map 2014
60%
以下
60%
より大きい
学際的・分野融合的領域
特定分野に軸足を持つ
研究領域
注1: 円が研究領域である。ESIの22分野でコアペーパ分布をみたとき特定分野が6割以下の場合は、学際的・分野的融合領域とし、赤丸で表示している。
注2: 10単位距離に対応する長さをマップ中にスケールとして示している。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science(SCIE, XML 2014 ver.)をもとに集計・分析、可視化
(ScienceMap visualizer)を実施。
学際的・分野融合的領域
特定分野に軸足を持つ領域
サイエンスマップ2014の時系列変化 サイエンスマップ2014
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
02 08 14 02 08 14 02 08 14 02 08 14 02 08 14
参画割合
領域数
領域数 参画割合(右軸)
世界 日本 英国 ドイツ 中国
左からサイエンスマップ2002~2014(2年おき)の値
41%
32%
• 日本の参画領域数: サイエンスマップ2008以降は停滞傾向
• 日本の参画領域割合: 41%(サイエンスマップ2008)→32%(サイエンスマップ2014)
• 英国やドイツ: 参画領域数は増加、参画領域割合も5~6割を維持
• 中国: 急激に参画領域数及び参画領域割合を増加
20
日本の参画領域数と参画領域割合
(コアペーパの有無で判定)
日本と主要国(英独中)の比較
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析を実施。
〈サイエンスマップにおける日英独中の参画領域数(コアペーパでの参画)の推移〉
研究領域を構成するコアペーパに当該国の論文が1件以上
含まれている場合、研究領域に参画しているとした。
サイエンスマップ2014
日本 中国
21
コアペーパの分布(サイエンスマップ2014)
日本と主要国(英独中)の比較 サイエンスマップ2014
注: マップのグラデーションは、コアペーパの量に対応している。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
22
コアペーパの分布
(サイエンスマップ2002から2014への変化)
日本と主要国(英独中)の比較 サイエンスマップ2014
• 中国はサイエンスマップでその存在を拡大。
• サイエンスマップ2014に注目すると、中国はナノサイエンスに関連する研究領域群で、
大きなコアペーパーシェアを持つ。マップの下のほうにも、中国が大きなコアペーパーシ
ェアを持つ多くの研究領域が存在。
注: マップのグラデーションは、コアペーパの量に対応している。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。
サイエンスマップ2002から2012への動的変化
23
Science Map 2012Science Map 2010Science Map 2008
Science Map 2006Science Map 2004Science Map 2002
Sci-GEOチャート サイエンスマップ2014
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析を実施。
継続性
[時間軸]
他
の
研
究
領
域
と
の
関
与
の
強
さ
[
サ
イ
エ
ン
ス
マ
ッ
プ
の
空
間
軸
]
なし あり
強
い
弱
い
コンチネント型
(大陸)
スモールアイランド型
(小島)
アイランド型
(島)
ペニンシュラ型
(半島)
サイエンスマップ
Sci-GEOチャート
(Chart represents geographical
characteristics of Research Areas on
Science Map)
注1: 他の研究領域との関与の強さについては、ある二つの研究領域間の共引
用度が0.02以上の場合リンクありとみなし、リンク数が3以上の場合は関与
が強いとする。リンク数2以下の場合を関与が弱いとする。
注2: 継続性については、比較する2時点のサイエンスマップの領域間のコアペー
パの重なりが2割以上の場合である。
研究領域の特徴を分けるSci-GEOチャート
24
Sci-GEOチャート サイエンスマップ2014
• 研究領域数:スモールアイランド型領域4割、コンチネント型領域2割程度
• 研究領域の中に含まれるコアペーパ数で重みづけ:
コンチネント型領域5割、スモールアイランド型領域には2割弱。
Sci-GEOチャートに見る世界の状況(領域数とコアペーパ数)
〈サイエンスマップ2014〉
25
150RAs154RAs
198RAs342RAs
平均コアペーパ数18本 平均コアペーパ数60本
平均コアペーパ数18本平均コアペーパ数9本
コンチネント型
(大陸・固い)
スモールアイランド型
(小島・やわらかい)
アイランド型
(島)
ペニンシュラ型
(半島)
150
8,698
154
2,751
198
4,174
342
2,945
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
世界の
領域数(844)
世界の
コアペーパ数(18,568)
コンチネント型 ペニンシュラ型 アイランド型 スモールアイランド型
8,698
2,751
4,174
2,945
スモールアイランド型
アイランド型
ペニンシュラ型
コンチネント型
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science(SCIE, XML 2014 ver.)をもとに
集計・分析。
Sci-GEOチャート サイエンスマップ2014
• サイエンスマップ2014: 日本はスモールアイランド型が24%、コンチネント型が32%、
世界のバランス(スモールアイランド型41%、コンチネント型18%)とは相違。
• サイエンスマップ2004との比較: 英国やドイツではスモールアイランド型
の割合が増加。日本の研究領域タイプのバランスについては大きな変化は
見られない。
Sci-GEOチャートに見る主要国の参画状況
Sci-GEOチャート
26
18% 19% 23% 26%
32%
25%
18% 19%
18% 17%
20%
21%
23% 24%
25% 26%
24%
22%
41% 38% 34% 32%
24%
32%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
世界
(844)
米国
(764)
英国
(531)
ドイツ
(465)
日本
(274)
中国
(356)
サイエンスマップ2014参画領域の割合
コンチネント型 ペニンシュラ型
アイランド型 スモールアイランド型
20% 21%
28% 29% 30% 33%
21% 21%
19%
23% 22%
26%
24% 24%
25%
22% 22%
14%
35% 34% 29% 26% 26% 27%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
世界
(626)
米国
(596)
英国
(355)
ドイツ
(343)
日本
(243)
中国
(113)
サイエンスマップ2004参画領域の割合
コンチネント型 ペニンシュラ型
アイランド型 スモールアイランド型
18% 19% 23% 26%
32%
25%
18% 19%
18% 17%
20%
21%
23% 24%
25% 26%
24%
22%
41% 38% 34% 32%
24%
32%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
世界
(844)
米国
(764)
英国
(531)
ドイツ
(465)
日本
(274)
中国
(356)
サイエンスマップ2014参画領域の割合
コンチネント型 ペニンシュラ型
アイランド型 スモールアイランド型
20% 21%
28% 29% 30% 33%
21% 21%
19%
23% 22%
26%
24% 24%
25%
22% 22%
14%
35% 34% 29% 26% 26% 27%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
世界
(626)
米国
(596)
英国
(355)
ドイツ
(343)
日本
(243)
中国
(113)
サイエンスマップ2004参画領域の割合
コンチネント型 ペニンシュラ型
アイランド型 スモールアイランド型
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分
析を実施。
サイエンスマップ2014
150
8,698154
2,751198
4,174342
2,945
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
スモールアイランド型
アイランド型
ペニンシュラ型
コンチネント型
Sci-GEOチャート
27
日本発の研究領域の例
出典:透明で曲げられる高性能トランジスタを実現 - フレキシブルなディスプレイへのブレークスルー ―, 科学技術振興機構報 第131号,
http://www.jst.go.jp/pr/info/info131/index.html (2017年10月23日閲覧)
サイエンスマップ2014
アモルファス透明酸化物半導体という、これまでTFTの活性層として全く注目されて
いなかった物質を採用することで、PETなどのプラスチックフィルム上に薄膜を容易に
形成でき、かつ アモルファスシリコンや有機トランジスタを活性層に用いたTFTよりも
約10倍優れた高性能を実現することに成功。
フレキシブルTFTシートの写真 2012年シャープ亀山第2工場で量産化
出典: http://www.sharp.co.jp/igzo/concept.html (2017年10月23日閲覧)
透明アモルファス酸化物半導体(IGZO)
(問題意識)
• 科学技術という視点で考えるとサイエンスマップで観測できる範囲は、研
究の成果が論文と言う形で発表される科学に限定。
• 特許文献中で引用されている論文の情報を用いることで、サイエンスマ
ップと技術のつながりについて分析。
サイエンスマップと技術のつながりについての分析
サイエンスマップと技術のつながり
28
サイエンスマップと技術のつながり サイエンスマップ2014
科学知識(論文) 技術(特許文献)
論文への引用
サイエンスマップ上への
特許からの引用状況の
オーバーレイ
• 生命科学系にかかわる研究領域、
ナノサイエンスにかかわる研究領域は、
技術と強いつながり。
29
50%以上
20%以上~50%未満
10%以上~20%未満
5%以上~10%未満
0%より大きい~5%未満
0%
特許に引用されているコアペーパ割合
Science Map 2002 Science Map 2006
Science Map 2014Science Map 2010
注: 特許情報は出願または登録された特許のみを対象としている。論文
と特許間の引用は、発明者、審査官のいずれかは区別していない。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential
Science Indicators (NISTEP ver.) 及びWeb of Science(SCIE, XML 2014
ver.)をもとに集計・分析を実施。特許データは科学技術・学術政策
研究所がトムソン・ロイター社のDerwent Innovation Index (2015年
12月抽出)と欧州特許庁のPATSTAT(2015年秋バージョン)をもとに、
集計・分析を実施。
サイエンスマップと技術のつながりサイエンスマップと技術のつながり サイエンスマップ2014
数 割合
サイエンスマップ2002 598 15,410 8,007 52.0% 14.8
サイエンスマップ2004 626 15,531 7,597 48.9% 13.3
サイエンスマップ2006 687 15,165 7,040 46.4% 11.3
サイエンスマップ2008 647 15,826 6,251 39.5% 8.4
サイエンスマップ2010 765 17,822 5,664 31.8% 5.9
サイエンスマップ2012 823 18,515 4,176 22.6% 4.4
サイエンスマップ2014 844 18,568 2,145 11.6% 3.0
数 割合
サイエンスマップ2002 598 449,282 100,873 22.5% 6.0
サイエンスマップ2004 626 475,697 97,194 20.4% 5.4
サイエンスマップ2006 687 510,747 86,924 17.0% 4.6
サイエンスマップ2008 647 544,175 70,406 12.9% 3.7
サイエンスマップ2010 765 617,545 54,126 8.8% 2.9
サイエンスマップ2012 823 675,158 32,266 4.8% 2.3
サイエンスマップ2014 844 768,255 11,245 1.5% 1.8
各サイエンスマップを構成する論
文の2015年時点における特許か
らの引用の状況
研究領域数 コアペーパ数
特許から引用されている
コアペーパ 論文あたりの特許
からの被引用数
各サイエンスマップを構成する論
文の2015年時点における特許か
らの引用の状況
研究領域数
サイティングペー
パ数
特許から引用されている
サイティングペーパ 論文あたりの特許
からの被引用数
特許からのコアペーパやサイティングペーパの引用状況
• 特許に引用されたことがある論文の割合(A) : コアペーパ > サイティングペーパ
• 論文あたりの特許からの被引用数(B) : コアペーパ > サイティングペーパ
➔ 研究領域を先導する論文(コアペーパ)は、特許からも注目を集めている。
30
注1: ここではサイエンスマップを構成するコアペーパとサイティングペーパ(例えばサイエンスマップ2002では1997年から2002年の論文)が、2015年時点で特許からどのように引用されて
いるかを分析している。したがって、昔のサイエンスマップほど特許からの被引用数が大きくなるので、異なる時点のサイエンスマップ間の結果の比較はできない。
注2: 特許情報は出願又は登録された特許のみを対象としている。特許中の引用が、発明者、審査官のいずれによるものかの区別はしていない。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分析を実施。特許
データは科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社のDerwent Innovation Index (2015年12月抽出)と欧州特許庁のPATSTAT(2015年秋バージョン)をもとに集計・分析を実施。
(A) (B)
〈コアペーパとサイティングペーパの特許とのつながり〉
コアペーパ
サイティン
グペーパ [研究領域を
山に見立てたイメージ]コアペーパ
(Top1%論文)
サイティングペーパ
(Top10%論文)
サイティングペーパ
サイエンスマップと技術のつながりサイエンスマップと技術のつながり サイエンスマップ2014
特許からの被引用数が大きいコアペーパ
• サイエンスマップ2006, 2008, 2010, 2012のそれぞれで、特許からの被引用数が上位5
位に入るコアペーパ計20件をみると、日本の論文が7件(のべ11件)含まれていた。
• これらは、科学において研究領域を先導したのに加えて、技術の進展にも大きな影響。
31
注: 特許情報は出願または登録された特許のみを対象としている。論文と特許間の引用は、発明者、審査官のいずれかは区別していない。
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)及びWeb of Science XML (SCIE, 2015年末バージョン)をもとに集計・分析を実施。特許
データは科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社のDerwent Innovation Index (2015年12月抽出)と欧州特許庁のPATSTAT(2015年秋バージョン)をもとに集計・分析を実施。
連番 論文タイトル 出版年 ジャーナル 責任著者 所属機関
サイエンスマップ出
現年(特許からの
被引用数順位)
1
Thin-film transistor fabricated in single-crystalline transparent oxide
semiconductor
2003年 SCIENCE Nomura, K
東京工業大学; 科
学技術振興機構
ERATO, 日本
2006(4位)
2008(2位)
2
Transparent thin film transistors using ZnO as an active channel layer and
their electrical properties
2003年
JOURNAL OF
APPLIED PHYSICS
Masuda, S
コニカミノルタメカト
ロニクス株式会社,
日本
2006(5位)
2008(3位)
3
Room-temperature fabrication of transparent flexible thin-film transistors
using amorphous oxide semiconductors
2004年 NATURE Hosono, H
東京工業大学; 科
学技術振興機構
ERATO, 日本
2006(3位)
2008(1位)
4
Amorphous oxide semiconductors for high-performance flexible thin-film
transistors
2006年
JAPANESE JOURNAL OF APPLIED
PHYSICS PART 1-REGULAR
PAPERS BRIEF COMMUNICATIONS
& REVIEW PAPERS
Nomura, K
東京工業大学; 科
学技術振興機構
ERATO, 日本
2010(2位)
5
Induction of pluripotent stem cells from adult human fibroblasts by defined
factors
2007年 CELL Yamanaka, S 京都大学, 日本
2010(5位)
2012(2位)
6 Generation of germline-competent induced pluripotent stem cells 2007年 NATURE Yamanaka, S 京都大学, 日本 2012(4位)
7 Defect energetics in ZnO: A hybrid Hartree-Fock density functional study 2008年
PHYSICAL REVIEW
B
Oba, F 京都大学, 日本 2010(3位)
サイエンスマップと技術のつながりサイエンスマップと技術のつながり サイエンスマップ2014
3. 論文実態調査
32
サイエンスマップと技術のつながり論文実態調査
• 論文実態調査では、論文を生み出した研究活動に用いた資金源や著
者の構成(研究チーム)について、責任著者への質問票調査を実施。
• 以下では、研究チームへのジュニア研究者の参画状況に注目する。
33
研究チームの構成
ジュニア研究者
教授
准教授
講師
助教
研究支援者・研究補助者
その他
ポストドクター
大学院生(博士)
学部学生・大学院生(修士)
職階・地位
シニアクラス研究者
著者の構成サイエンスマップと技術のつながり論文実態調査 研究チームへのジュニア研究者の参画
34
所属部門別のジュニア研究者の参画割合
+
27%
46%
34%
59%
89%
72%
73%
54%
66%
41%
11%
28%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
国立大学等
私立大学
公立大学
公的研究機関
会社
その他・不明
ジュニア研究者の参画なし(SCのみ) ジュニア研究者の参画あり
注: 「ジュニア研究者」とは、学部・大学院生(修士)、大学院生(博士)、ポストドクターを指す。SCは「シニアクラス研究者」を示す。
著者の構成サイエンスマップと技術のつながり論文実態調査 研究チームへのジュニア研究者の参画
• 大学における多くの研究活動にジュニア研究者(学部学生・大学院生
(修士)、大学院生(博士)、ポストドクター)が参画している。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
03_化学
07_環境/生態学
19_宇宙科学
09_免疫学
13_分子生物学・遺伝学
02_生物学・生化学
01_農業科学
12_微生物学
17_植物・動物学
10_材料科学
16_物理学
20_全体
15_薬学・毒性学
08_地球科学
06_工学
14_神経科学・行動学
04_臨床医学
05_計算機科学
18_精神医学/心理学
11_数学
参画割合
ポスドク 大学院生(博士) 学部学生・大学院生(修士) ジュニア研究者
35注: 「ジュニア研究者」とは、学部・大学院生(修士)、大学院生(博士)、ポストドクターを指す。SCは「シニアクラス研究者」を示す。
研究チームへのジュニア研究者の参画状況
(分野別)[大学等、2004~2012年]
著者の構成サイエンスマップと技術のつながり論文実態調査 研究チームへのジュニア研究者の参画
• ジュニア研究者の研究チームへの参画状況は、分野によって異なる。
ジュニア研究者の参画状況 Q値
Top10%論文
全体に
占める割合
ジュニア研究者の参画なし(SCのみ) 4.9% 30.4%
ジュニア研究者の参画あり 6.3% 69.6%
SC+全ての種類のジュニア研究者 8.5% 2.7%
SC+ポスドク 8.4% 15.2%
SC+ポスドク+大学院生(博士) 7.9% 8.0%
ジュニア研究者のみ 6.3% 0.6%
SC+ポスドク+学部生・大学院生(修士) 6.1% 2.9%
SC+大学院生(博士) 6.1% 19.6%
SC+大学院生(博士)+学部生・大学院生(修士) 5.9% 6.9%
SC+学部生・大学院生(修士) 4.5% 13.7%
全体 5.8% 100.0%
36
調査対象論文のQ値(研究チームの構成別)
[大学等又は公的研究機関、2004年~2012年]
注1: 「ジュニア研究者」とは、学部・大学院生(修士)、大学院生(博士)、ポストドクターを指す。SCは「シニアクラス研究者」を示す。
注2: Q値とは、ある論文群に占める被引用数上位Top10%論文(注目度の高い論文)の割合である。
著者の構成サイエンスマップと技術のつながり論文実態調査 研究チームへのジュニア研究者の参画
• ジュニア研究者が参画している論文の方が、Q値が高い傾向が見られ
る。ただし、ジュニア研究者が参加している論文の中でもQ値には幅が
見られる。
4. まとめ
まとめ
37
• 拡大を続ける科学研究:研究領域数はサイエンスマップ2002から2014に
かけて41%増加。
– 世界における論文数の増加
– 中国などの新たなプレーヤの参画による研究者コミュニティの拡大
– ナノサイエンスの拡大・新たな研究の出現
(グラフェン、鉄系超伝導、iPS細胞など)等
• 科学研究全体に広がる学際的・分野融合的領域。
– サイエンスマップ2006以降、ナノサイエンスに多く出現
• マテリアルズサイエンス(ナノサイエンス)は、サイエンスマップの中心。
生命科学、環境、量子物性など他の分野の研究との共同・波及
38
科学研究の潮流とマテリアルズサイエンス
まとめ
• 世界の研究領域数が拡大する中、停滞する日本の参画領域数。
– 日本の参画領域割合: 41%(サイエンスマップ2008)→32%(サイエンスマップ
2014)
• 拡大しつつある世界の研究活動を自国のみでカバーできるか?
– 英国やドイツは国際共同研究を通じて、研究領域への関与を増加
– 学生の頃からの海外経験やネットワークの構築が重要(次ページ)
– 人工知能等の活用(スマートなS&T?)
39
科学研究の潮流と日本
まとめ
日本の科学研究の全般的な状況についての論考は以下をご覧下さい。
伊神 正貫: 日本の科学研究力の停滞の背景をよむ: 科学技術・学術政策研究所の調査研究より,
岩波書店『科学』 87(8) 744-755, 2017年8月,
http://researchmap.jp/?action=cv_download_main&upload_id=141773からpdfがダウンロードできます。
40
• 日本は、海外に送り出す学生数、受け入れている学生数のいずれも少ない。
• 海外に数多くの学生を送り出している中
国、韓国は、逆に受け入れている学生
は少ない。対して、海外に学生をあまり
送り出していない米国、英国は、受け入
れている学生が多い。
〈高等教育レベル(ISCEDレベル5~8)における外国人学生の出身国・地域と受入国・地域(2013年)〉
(出典)科学技術・学術政策研究所: 科学技術指標2017, 調査資料-261 (2017年8月), http://data.nistep.go.jp/sti_indicator/2017/RM261_00.html
注:1)ISCED2011におけるレベル5~8(日本の大学等(短大、高等専門学校も含む))に該当する学生を対象としている。
2)外国人学生とは、受入国・地域の国籍を持たない学生を指す。
3)中国には香港も含む。
まとめ
• 最も多くの学生を世界に送り出しているのは中国(全世界の20.7%)。
• 海外に送り出している学生が少ないのは英国(0.8%)。日本(1.0%)、
米国(1.5%)も少ない。
• 最も多くの外国人学生を受け入れているのは米
国(全世界の24.0%)。
• 日本はスモールアイランド型が24%、コンチネント型が32%。
– 世界のバランス(スモールアイランド型41%、コンチネント型18%)とは異なる
• 過去10年で、英国やドイツではスモールアイランド型の割合が増加。
• 他方、日本の研究領域タイプのバランスについては大きな変化は見られ
ない。
41
Sci-GEOチャートによる研究領域の分類
まとめ
スモールアイランド
• 多様性の源泉
• 小さい領域が多く、存在感を発揮し
やすい
• 確率的、このような研究領域が生み
出される土壌を耕す必要
コンチネント
• 継続性の観点からは投資対象として
堅い
• コミュニティが大きく、世界的な研究
競争
• そこでの存在感の維持には多くの投
資が必要
バランスをどう考えるか?
• コアペーパとサイティングペーパを比較すると、コアペーパの方が特許に
引用される割合が高い。
• 研究領域を先導する論文は、技術側からも注目を浴びていることが再確
認された。
• 研究領域の中でも、ナノサイエンスにかかわる研究領域は、技術とのつな
がりが強い。
42
サイエンスマップと技術のつながり
まとめ
• 大学の研究活動においてジュニア研究者は大きな役割を果たしている。
• シニアクラス研究者のみから構成される研究チームと比較して、シニアク
ラス研究者とジュニア研究者から構成される研究チームの方が、注目度
が高い論文を生み出す割合が高い。
• 教員とジュニア研究者が切磋琢磨して、科学の進展にも大きく貢献。
43
ジュニア研究者の確保・育成
まとめ
被引用数Top1%論文を生み出した研究チームにおいて実施比率が高く、
かつ成果を生み出すことへの貢献も大きいとされた項目。
• 研究プロジェクトの野心的な目標設定
• 科学の進歩の方向を見据えた目標設定
• 理論と実験等多様なスキルを持つチームの結成
• 研究リーダーとの個別ディスカッション
• 新分野開拓のための研究者コミュニティの確立
44
研究チームのマネジメント
まとめ
(出典)長岡ら: 科学における知識生産プロセスの研究 ― 日本の研究者を対象とした大規模調査からの基礎的発見事実 ―, 調査資料-191 (2010年11月),
http://hdl.handle.net/11035/906
• 本資料で紹介した報告書は、NISTEPのホームページからダウンロードで
きます。ホームページでは、各種のデータも公表していますので、ご活用く
ださい。
• 「サイエンスマップ2014」(http://www.nistep.go.jp/sciencemap)
• 「論文実態調査」(http://doi.org/10.15108/stih.00097)
45
参考資料
まとめ
参考 補足資料
46
補足資料
• 共引用関係にもとづいて、Top1%論文のグループ化を2段階行い研究領域を抽出。
• 共引用関係の分析には、Top1%論文を引用する全ての論文を利用。
Highly cited papers
Research fronts
Research areas
2nd clustering
1st clustering
Highly cited papers
Research fronts
Research areas
2nd clustering
1st clustering共引用関係による第一段階グループ化
共引用関係による第二段階グループ化
Top1%論文
(約7.9万件、
2009年1月~2014年12月)
リサーチフロント
(6828)
力学
特性
水素
吸蔵
ナノチューブ
の合成方法
カーボンナノチューブ
についての研究領域
化学 物理学材料
科学
★異なる分野の論文でも、共引用されていれば、グループ化される。
したがって、伝統的分野概念はここでは排除される。
★ 研究領域を構成するTop1%論文のうち、6割が伝統的分野(分
子生物学や物理学など)の場合は該当する分野に軸足を持つ
研究領域とし、それ以外を学際的・分野融合的領域とする。
世界的に注目を集めている研究領域(844)
★ キーワードからスタートしないのが特徴。
47
論文データベース分析を用いた研究領域の俯瞰
補足資料
• 研究領域間の位置関係の可視化には、Force-directed placement
アルゴリズムを利用(社会ネットワークの可視化にも用いられる手法)。
• 研究領域間には次の2つの引力が作用(並列マッピング)。
– 同じ時点の研究領域間(規格化された共引用度で決まる引力)
– 異なる時点の研究領域間(コアペーパの共通度で決まる引力)
• 上下左右ではなく、研究領域間の相対的な位置関係に意味がある。
48
マッピングの概要
補足資料
サイエンスマップの表示方法
表示方法 特徴 可視化の詳細 オーバーレイする情報
地形表示(2D, 3D) • 面的な情報の把握が可能
• ボリューム感を含めた可視化
が可能
対象
• 研究領域
可視化方法
• 研究領域の位置を山頂に見
立て、コアペーパの量をグラ
デーションおよび高さで表示
• 研究領域の内容を示す特徴
語
• 各国の論文シェア
• 国際共著率
Dot-link表示 • 個別の研究領域に注目した
情報の把握が可能
対象
• 研究領域
可視化方法
• 研究領域の位置をDotで、共
引用度が0.02を超える研究
領域間をLinkで表示
• 学際的・分野融合的領域の
分布
• 特徴語の分布
• ファンディング情報
• Sci-GEOチャートによる研究領
域の分類
• 大学や公的研究機関の参画
状況
Trajectory表示 • 研究領域の時系列変化につ
いての情報が把握可能
対象
• 研究領域
可視化方法
• 異なる時点の研究領域で、
一定以上共通のコアペーパ
を持つもの変遷の状況を表
示
• 研究領域の内容を示す特徴
語の変遷
• Sci-GEOチャートによる研究領
域の分類
• 研究領域の日本論文シェア
• 研究領域の国際共著率
): 幹細胞; 胚性幹(ES)細胞; 内皮前駆細胞; 骨髄; 遺伝子発現
): 一塩基多型; ゲノムワイド関連; 症例対照; 2型糖尿病; 関節リウマチ
寿命; 転写因子; 酸化ストレス; NAD(+)-依存; インスリン様成長因子(IGF-
遺伝子発現; 遺伝子調節; 核構造; 細胞核; 染色体領域
DNA分子; 単一分子; 転時間; イオン電流; DNA転座
アンチセンス転写; 遺伝子発現; ~をコードするタンパク質; ヒトゲノム; セン
びアンチセンス
757(339): 幹細胞; 胚性幹(ES)細胞; 遺伝子発現; 転写因子; 人工多能性幹細胞
(iPS)
761(95): ゲノムワイド関連; 一塩基多型; 症例対照; 2型糖尿病; 遺伝的変異
713(49): PGC-1アルファ; ペルオキシソーム増殖因子活性化; PGC-1 alpha; ペル
オキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γコアクチベータ-1α; NA
760(15): 全身性エリテマトーデス(SLE); 関節リウマチ; 一塩基多型; ゲノムワイド関
連; 症例対照
745(14): ヒストンH3; ヒストン修飾; 遺伝子発現; ヒストンH3リジン; ヒストンのメチル
化
700(12): 寿命; カロリー制限; 寿命を延ばす; 食事制限; mTOR経路の標的
748(12): 幹細胞; がん幹細胞; 造血幹細胞; 自己再生; 急性骨髄性白血病(AML)
451(12): 赤血球造血刺激剤(ESA); 慢性腎臓病(CKD); ヘモグロビン(Hb)値; 生活
の質; 慢性腎臓病(CKD)の患者
770(468): 幹細胞; ゲノムワイド関連; 胚性幹(ES)細胞; 遺伝子発現; 人工多能性幹
細胞(iPS)
693(47): NAD(+)-依存デアセチラーゼ; 概日時計; 酸化ストレス; 概日リズム; 遺伝
子発現
807(38): 遺伝子発現; 細胞の中のmRNAやmiRNAの配列を解読する手法;
miRNA; 次世代シーケンシング; ハイスループットシーケンシング
63(22): 単一分子; イオン電流; ソリッド・ステート・ナノ細孔; DNAシークエンシング;
DNA分子
750(12): 全身性エリテマトーデス(SLE); 関節リウマチ; ゲノムワイド関連; 一塩基多
型; 症例対照
761(10): 多発性硬化症(MS); ゲノムワイド関連; 一塩基多型; 多発性硬化症(MS)の
患者; 1型糖尿病
732(4): 骨格筋; 筋萎縮; 転写因子; AMP活性化プロテインキナーゼ; 筋肉疲労
2008 サイエンスマップ2010 サイエンスマップ2012
49
補足資料
バイワー
ド抽出
• コアペーパ及びサイティングーペーパのタイトル及びアブストラクトから、
バイワード(連続する2単語の並び)を抽出
特徴語の
決定
• TF-IDFを用いて研究領域毎に特徴語(ある研究領域において多く用いられて
いるバイワード)を同定 [例: based superconductor]
特徴語の
フレーズ
化
• 論文のタイトル及びアブストラクト中に出現している特徴語「based
conductor」を前後に伸ばしてフレーズ化 [例: iron based superconductor]
フレーズ
の翻訳
• 特徴語の翻訳、各研究領域上位20の特徴語について英語を日本語に翻訳
(手作業)
50
研究領域の特徴語の決定手順(概要)
補足資料
(特徴)
• 既存の学問分野にとらわれない研究領域全体の俯瞰的な分析が可能。
• 統計情報に基づく客観的な研究領域の分析が可能。
• 同一の手法を用いた継続的な分析が可能。
(留意点)
• 本調査で観測されているのは、6年間(サイエンスマップ2014では2009年~2014年)
で、論文数が一定の規模に達している研究である。
• したがって、論文ではなく、会議録、特許、プログラムなどで成果が報告される研究
についてはサイエンスマップでは把握できない。
• また、論文数が一定の規模に達していない場合(小さいコミュニティが長い期間をか
けて取組んでいる場合、6年間の最後の1, 2年に研究が進展した場合)は、抽出で
きていない可能性がある。
• サイエンスマップで見えているのは、あくまで近過去の状況。科学研究の今の姿で
はない。
51
サイエンスマップの特徴と留意点
補足資料
生命科学系1
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)をもとに集計・分析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。 52
補足資料
生命科学系2
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)をもとに集計・分析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。 53
補足資料
環境研究周辺
データ: 科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社Essential Science Indicators (NISTEP ver.)をもとに集計・分析、可視化(ScienceMap visualizer)を実施。 54
補足資料
• 特許からの論文の引用情報は、トムソン・ロイター社のDerwent Innovation
Indexに収録されているデータを利用。
• 出願または登録された特許のみを対象(実用新案や簡易登録は含まない)。
発明者、審査官のいずれかは区別していない。
• 対象とした特許受理官庁(ベルギー、チェコ共和国、欧州特許庁、フランス、ド
イツ、ルクセンブルク、オランダ、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スイス、
イギリス、米国、WIPO)。日本は含まれてていない。
• 上記で特定された特許の公報番号を使用し、欧州特許庁のPATSTAT(2015
年秋バージョン)と接続し分析を実施。
• サイエンスマップを構成するコアペーパとサイティングペーパ(例えばサイエン
スマップ2002では1996年から2002年の論文)が、2015年時点で特許からどの
ように引用されているかを分析 → 異なる時点のサイエンスマップ間は比較で
きない。
55
サイエンスマップと技術のつながりについての分析
(使用したデータについての詳細)
補足資料
原則1 定量的評価は、専門家による定性的評定の支援に用いるべきである。
原則2 機関、グループ又は研究者の研究目的に照らして業績を測定せよ。
原則3 優れた地域的研究を保護せよ。
原則4 データ収集と分析のプロセスをオープン、透明、かつ単純に保て。
原則5 被評価者がデータと分析過程を確認できるようにすべきである。
原則6 分野により発表と引用の慣行は異なることに留意せよ。
原則7 個々の研究者の評定は、そのポートフォリオの定性的判定に基づくべき
である。
原則8 不適切な具体性や誤った精緻性を避けよ。
原則9 評定と指標のシステム全体への効果を認識せよ。
原則10 指標を定期的に吟味し、改善せよ。
研究計量に関するライデン声明
56
※ Hicks, D., Wouters, P., Waltman, L., de Rijcke, S. and Rafols, I. The Leiden Manifesto for research metrics.
Nature, 2015, 520(7548), 429‒431 (23 April 2015)
ライデン声明の和訳については以下をご覧下さい。
STI Horizon, 研究計量に関するライデン声明, http://doi.org/10.15108/stih.00050 , 2016, Vol.3 No. 4
補足資料

論文分析から見えるマテリアルズサイエンスの現状と日本のポジション