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「専門ゼミ」第2回
2019年度後期
植田 康孝
y-ueda@edogawa-u.ac.jp
1.プログラミング問題
▪ 「人工知能社会」の到来を目前にして
企業でも対応できる人材を
求めている。
▪ 就活の問題も、
従来の「SPI」や「常識問題」ではなく
「プログラミング」問題が増えている。
出ない問題をやっても仕方ない!
「テレ朝」試験から分かったこと
「プログラミング」問題が主流
▪ AIが産業界や学術界に広く浸透
▪ 2025年の目標実現に向け
政府は標準カリキュラムや
教材の開発、全国展開などに
順次、取り組む計画。
大学では、試みが進行
幅広い産業分野で必須に
「AI」を使いこなす人材育成
▪ 政府は、2019年6月にまとめた
「AI戦略」で、
AI人材の育成目標を掲げた
▪ 特定分野の学生だけでなく、
幅広く「AI」や
「データサイエンス」について
学ばせる内容。
幅広い産業分野で必須に
「AI」を使いこなす人材育成
▪ 文部科学省 データサイエンティスト養成
▪ 経済産業省 IT人材不足の指摘
▪ 文部科学省は「毎年50万人」
(ほぼ大学生全員)に
「文系理系を問わない全学生に
数理・データサイエンス教育」
を打ち上げている。
政府は「世界最先端IT国家」宣言
今、「大学教育」に求められること
▪ 「プログラミング教育」は、
小学校は2020年度、
中学校は2021年度、
高校は2022年度 に導入。
▪ 大学入試センター試験→大学共通テスト
(2020年度)
プログラミングや統計など
「情報科目」の導入(2024)を検討
政府は「世界最先端IT国家」宣言
今、「大学教育」に求められること
▪ 大学生全員(約50万人)に
初級レベルのスキルを、
文系、理系を問わず、
大学生の半分である
約25万人の学生には、
応用レベルの習得を促す。
幅広い産業分野で必須に
「AI」を使いこなす人材育成
▪ 2020年度から実施される
「新学習指導要領に盛り込まれ、
小学校で「必修」となる。
▪ 人工知能の普及など、技術が進む中、
「論理的思考力」を育む他、
児童たちが意図した処理をコンピューターで
実行できるようにすることが、「狙い」。
「人工知能社会」に向けて
「プログラミング教育」
▪ 「プログラミング」と言うと、
パソコン上で、難解なコードを
使うことを思いがちだが、
論理的に考える
「プログラミング思考」を育成することが
重要。
パソコンの操作ではない
「プログラミング」とは・・・
▪ 小学校1年の「プログラミング」
▪ 児童は机上に置かれた4枚のカードを見る。
「校庭へ移動」
「しゃがむ」
「落ちているモノがない所に移動」
「整列」
災害時の避難手順通りになるよう、
カードを並べなければならない。
パソコンの操作ではない
「プログラミング」とは・・・
▪ 児童たちは個々に考えた後、
「教室に取り残される人がいないよう
整列してから移動した方が良いと思う」
「揺れている時に、移動するのは危険だから
先ずはしゃがんだ方が良い」
などとクラスメートと意見交換しながら
カードの順番を何度も入れ替える。
パソコンの操作ではない
「プログラミング」とは・・・
2.常識問題:「いじめ」
▪ 欧米を中心に「地球温暖化防止」を
叫ぶデモが盛り上がり、
ニューヨークの国連本部では、
環境活動家の16歳少女が
危機に鈍感な指導者たちを糾弾
▪ 中国の圧力が強まる香港では、
学生たちが中心になった民主化運動。
世界のあちこちで沸く若者の「怒り」
「自由」が嫌いな日本の学生
▪ 「ほとんどの強豪校では、
監督という絶対的な存在がいて
監督が右と言えば右です。
そういう社会では
考える力が付かない。
今でも、壊れてしまう選手、
苦しむ選手は
後を絶ちません」
「自由」が嫌いな日本の学生
ダルビッシュ有が高校野球を批判
▪ 「ほぼ毎日頑張るよりも、
週に3日程度は休みながら
行う方が結果的に上になったりします。
僕が監督なら週2回は休むし、
全体練習も3時間で十分。
そのくらいの方が成長します。
日本の高校生は、
頑張らない!でちょうどいい。」
ダルビッシュ有が高校野球を批判
「自由」が嫌いな日本の学生
▪ 「練習中に水を飲むな」
「授業中に水を飲むな」 という指導。
▪ 1975年~2017年、
学校の部活動中に熱中症で
死亡した生徒は、146人。
うち37人が野球部員(全体の25%)
「自由」が嫌いな日本の学生
ダルビッシュ有が高校野球を批判
▪ 日本は部活動があり、
夏休みも宿題があり、学校がすべて。
▪ 大学生になっても、学校の友人と
サークル活動、上下関係を重視
▪ このような環境で育って会社に入ると
自由な時間があっても、どうしていいか
分からない。日本人の根本的な問題
「豊かな人生」とは何か?
「自由」が嫌いな日本の学生
▪ 茶色い地毛を黒く染めさせたり、
下着の色まで指定したりという
ブラック校則がはびこっている。
▪ 高校だけでなく、大学でも、
先生が関与する部活、サークルが
運動部だけでなく、文化部にも存在。
→海外からの留学生「Why?」
「自由」が嫌いな日本の学生
「豊かな人生」とは何か?
▪ 「ノットクール」と答えた留学生の回答は、
部活での「先輩・後輩」。
「たった1つしか年が違わないのに
奴隷と王様みなたいな扱いは変」。
▪ 「クール」の答えは、
「だって、タダでスポーツができるんだぜ!」
「クール」? 「ノットクール」?
「留学生」の「部活Why?」
▪ 「日本人は12歳だ」。
マッカーサー
学生に「甘さは」なかったのか
「働き方改革」ではなく「人生改革」
▪ 文化庁が全国の中高に調査した結果、
「平日5日活動する部活」
・マーチング 60%以上
・郷土芸能 60%以上
・吹奏楽部 59.3%
・合唱 42.3%
▪ 「ブラック部活」と認定
「運動部」以上にブラックな「文化系」
「働き方改革」ではなく「人生改革」
▪ 「土曜日に5時間以上活動する」
・吹奏楽部 48.1%
・演劇 15.3%
・美術・工芸 9.7%
・合唱 5.9%
「運動部」以上にブラックな「文化系」
「働き方改革」ではなく「人生改革」
▪ 「なぜ文化系にはブラック部活が
多いのか?」
▪ 「運動部については
土日の活動を
3時間程度とする
国の方針があるが、
文化部にはないため」
「運動部」以上にブラックな「文化系」
▪ なぜ、「文学国語」は嫌われるのか?
▪ 森鴎外「舞姫」は、
エリート男子に尽くして
妊娠した挙句に
捨てられた踊り子の話。
▪ 「共学校」ではOKだが、「女子高」ではNG
▪ もっと、「ダイバーシティー」に配慮すべき。
高校国語の再編
2018年「改正学校教育法」
▪ 尾崎紅葉が書いた明治時代の代表小説
▪ 熱海にある像を見た外国人が「DV」
▪ 小説の中にも
DV的描写
▪ 男性に全てを
捧げる女性の
生き方を肯定
「国語」教育が押し付ける古い価値観
「金色夜叉」 寛一お宮の像
▪ 学校で教えられた小説や短歌は
少女に「恋愛」を求めていた。
小学生時代から、
女の子であること、
女性であることを求められ
「しんどさ」を感じていた。
その「しんどさ」から、
大学では、「リケジョ」を選びました。
国語の教科書で強要された画一化
日本の学校教育に息苦しさ
「沈黙のらせん」仮説
◼ ドイツの世論研究者であるノエル・ノイマン
(Noelle Neumann,E.)
によれば、
人は、自分の意見が優勢であると
知覚すれば、
自信をもって公の場で
発言しようとする。
「沈黙のらせん」仮説
◼ 逆に、自分の意見が劣勢に属すると判断
すれば、公の場での表明を控える。
誰しも孤立することを避けたい、と考える。
◼ 初めに優勢と見られた意見は
ますます勢力を得、
劣勢とみられた意見は
ますます孤立化する。
「沈黙のらせん」仮説
◼ この過程で、マスメディアは、
世間で何が優勢な意見で、何が劣勢な意見
かを、人が評価するための情報源として
利用される。
◼ この場合の優勢、劣勢
というのは、ある意見に
「勢い」がついているか
どうか、である。
ノイマンの「沈黙のらせん」図
▪ 近代社会は「排除」によって
成立している。
「同調主義」に
なじまない存在を
社会から「排除」するために
閉鎖型の「精神病棟」を作る。
被排除者を収容する
「監獄」を作る。
「息苦しさ」と「同調圧力」が増す社会
仏思想家ミッシェル・フーコー
同調行動
▪ 誰かと同じ行動をすることに、安心感を
生じる場合がある。
これを「同調行動」と呼ぶ。
▪ 並んで買ったという
達成感が、
ある種の満足感を
作り出す。
日本社会に染み渡る「群れる」意識
▪「違う意見=敵」と思ってしまう
▪反対意見を言うと、
「和を乱す悪者」
になる。
意見は言いずらく、
多様性は認められない
「同調圧力」
日本社会に染み渡る「群れる」意識
▪「同調圧力」が怖いのは、
長い間さらされ続けていると、
他人に植え付けられた
「先入観」で
物事を見る癖が
付いてしまうことである。
「同調圧力」
日本社会に染み渡る「群れる」意識
▪2017年、
「忖度(そんたく)」
なる流行語が
教えてくれる。
「同調圧力」
日本社会に染み渡る「群れる」意識
▪ 2017年度に全国の小中高などで
認知された「いじめ」の件数が
41万件と過去最高 (前年比28%増)
▪ 行動も発想も常に「同質さ」が求められ
少し外れれば、
「悪口」や「いじめ」の対象になる。
「いじめ」件数が増加
日本の「同調主義」
▪ 小学校 237,921件
▪ 中学校 71,309件
▪ 高校 12,874件
▪ 特別支援 1,704件
▪ 小学校不登校 31,151人
▪ 中学校不登校 103,247人
▪ 小学校暴力行為 22,847件
「いじめ」10万件増
沈黙の螺旋
▪ 「重大実態」の事例(小学校)
▪ 「同級生に服をハサミで切られて
トイレに流された」
▪ 「ドッチボールで
集中攻撃されて
不登校になった」
「いじめ」10万件増
沈黙の螺旋
▪ 「重大実態」の事例(中学校)
▪ 「殴られ、蹴られ、川に落とされた」
▪ 「SNS上のトラブルから
学校で
足をかられ、
怪我をした」
「いじめ」10万件増
沈黙の螺旋
▪ 勉強ができるとか、ケンカが強い
という分かり易い「基準」ではなく、
「空気」を読み合いながら、
「序列」が出来ていることが多い。
▪ どうやれば子供が伸びやかに過ごせるのか?
▪ 大学でも、これが一番の問題
(溌剌した同級生って、いるか?)
若者の間で浸透する「沈黙の螺旋」
「空気」を読みながら「同調」する生活
▪ 「異なる意見について
考えるのは楽しい」
▪ 52カ国・地域で
最低の約67%
(OECD平均85%)
▪ 人間関係作りを重視
する学校教育の影響
2015年「国際学習到達度調査(PISA)」
「経済協力開発機構(OECD)」
▪ 日本の高校生は、
米国、中国、韓国に比べ、
未来に向かって自分を磨き活躍するより、
周りと仲良く、暮らしはそこそこでいい
との思いが強い。
根には、
「同調圧力」や「横並び意識」がある
「いじめ」件数が増加
日本の「同調主義」
▪ 「競争社会」を否定的に捉え、
「弱肉競争」「人間性を歪める」
というイメージを想起
▪ 競争などない方がいいと教育
▪ 運動会で徒競走をしても、
順位を付けない。
「反競争社会」を目指した教育
なぜ「同調主義」が進んだのか?
▪ 同じ制服を着て
皆で同じ行動をする
▪ 帰国子女が驚く、
馴染めない
日本の学校の「組体操」。
「組体操」で死亡した中3の遺族が
広島大学に9,600万円の訴訟も
「反競争社会」を目指した教育
なぜ「同調主義」が進んだのか?
▪ スポーツでも、日本は1つの競技に
特化しがち。
米国では、「アメフトと陸上」
「陸上とバスケと野球」など、
複数の競技をこなし、特性を探る。
ある種目では凡庸でも、遺伝子検査や
体力データから、予想せぬ才能を見出す。
「反競争社会」を目指した教育
なぜ「同調主義」が進んだのか?
▪ 大阪府立高校で、地毛茶髪の
女子生徒が黒髪を強要されたとして、
220万円の提訴
(頭皮はかぶれ、髪はボロボロに)
▪ 「多様性」を認めない社会
▪ 都立高校の6割が「頭髪地毛証明書」
▪ 英国BBC記事では、「日本人らしい」
「息苦しさ」と「同調圧力」が増す社会
なぜ「同調主義」が進んだのか?
▪ 「学校をやめるか、
黒染めしてくるか選べ」
▪ 生まれつき茶色っぽい髪の
女子生徒は、何度も教師に迫られた。
我慢して染めてみたが、
染髪剤の影響で頭皮に
かゆみや痛みが出た。
「規律」や「画一性」を求める
日本の高校教育
▪ 地毛が茶色なのに、「黒髪強要」
▪ 女子生徒が大阪府を提訴
▪ 英BBCや米CNN、NYタイムスで
報道され、日本はイメージダウン
「何じゃ、これ」「人権侵害だ」
「息苦しさ」と「同調圧力」が増す社会
なぜ「同調主義」が進んだのか?
▪ 大阪府の府立高校で
起こった
「黒染め」の強要は、
思考停止に陥った
日本の教育を映し出す。
▪ 規律や画一性を重視し
出る杭を伸ばすよりも、枠内に嵌める。
「規律」や「画一性」を求める
日本の高校教育
▪ 「能力はみな同じ」という発想となり、
子供に伝わり、
弱者を思いやる「利他性」が低く、
「やられたらやり返す」価値観を持つ
▪ アーティストが反対し、日本だけ
問題となる「高額チケット転売問題」
「反競争社会」を目指した教育
なぜ「同調主義」が進んだのか?
「思考(想像力)の独立性」が大事
村上春樹やイチローの「画一性」への抵抗
▪ 作家の村上春樹は、
「学校の体育の授業というのは、
人をスポーツ嫌いにさせるために
存在しているのではないのか」
▪ イチローは、「同じ体操着を着て、
やりたくない運動を
させられるのが
苦痛で仕方なかった」
▪ サッカー・三浦知良
「練習は理不尽、監督の権限は強大、
全員が命令を100パーセント聞き入れる。
悩ましいのは、そんな組織も
ある程度強くなるということ。
規律は高まるから、
高校レベルだと、それで勝ちもする」
「トップの世界では上手い人が一番偉い」
「同調行動」からの脱皮が求められる時代
自分で考え自分の価値観で「ノー」を言えるように
▪ 中国の留学生が
日本人の打ち合わせを
聴いていた後の
感想は
「日本人は
社会主義の国
なのね」
「同調圧力」
日本社会に染み渡る「群れる」意識
▪ 日本人は、
少数の異論を持つ人に
暗黙のうちに、
多数意見と
合わせるよう求める、
「同調圧力」が強い。
「同調圧力」
日本社会に染み渡る「群れる」意識
大震災以降、「沈黙の螺旋」が起きやすい状況
「集団内での連帯」と「異物への攻撃」
▪ 東日本大震災以降、
「絆」が盛んに言われ、
日本人が同じ方向に
向くことを強要された。
▪ 違う方向を向く「異物」に対し、
攻撃する風潮が生まれた。
▪ 「やり返すのは、とても危険。
反論したら徹底的にやられる恐れがある。
論破しようともせず、
相手にしないのが理想だ」
▪ 「SNSがあるから、
学校だけだったのが、
家に帰っても続くようになる」
同級生のいじめが日常化
「いじめ」に対して
▪ 学校側の対応について、
「加害者にごめんなさいと言わせたら、
解決って、
勘違いしている教員が多い。
報復があるに
決まっている」
同級生のいじめが日常化
「いじめ」に対して
▪ 自己犠牲を押し付けることが
「道徳的な存在」とされる
自己犠牲を特別視する風潮は
現在も続いている。
▪ 感動による「同調圧力」を利用。
「感動の共有」は、気持ちの良いものだが、
賛同しない人間を締め出す危険もある。
感動は人を思考停止させることがある。
「道徳」の教科書
2018~小学校正式教科「道徳」
3.常識問題:「大学改革」
▪ 2度延期した
10%への「消費増税」
5兆円を増える負担増のうち、
3兆円あまりは、
幼児教育無償化や
大学教育無償化に
充てられる。
「身分格差」を防ぐ
「大学教育」無償化
▪ 消費税率引き上げによる
増収分を財源として
7,600億円、最大約75万人を
教育無償化。
・大学744校(97%)
・短大299校
・高専57校
・専門学校1,688校(62%)
「身分格差」を防ぐ
「大学教育」無償化
「高等教育」無償化 対象校
学校種 全国の学校数 対象校
大学・短大
国立 82 82
公立 104 104
私立 888 857
計 1,074 1,043
高等専門学校 57 57
専門学校 2,713 1,688
賛成
44%
反対
46%
その他
10%
日本経済新聞世論調査(2017.9.22~24)
大学など「高等教育」無償化
賛成
37%
反対
63%
朝日新聞世論調査(2019.8.29~9.11)
「幼児教育・保育」無償化
▪ 本来、「無償化」は、大学生全員に
授業料を免除すべきで、
3割に満たない低所得世帯に
税金を投入
▪ 財源は、全国民から広く徴収する
消費税増税分を充てる。
批判も多く、学生は猛勉強するしかない。
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「大学教育の費用は、
高卒で働いた場合の
収入を失うため、
タダでも高過ぎる。
真の教育機会均等には、
在学中の生活費も含めた
奨学金が必要」
(東京工業大学・矢野真和教授)
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「貧しい人も
納めている税金で
豊かな層が進学する
大学の教育を支えるのは
不公平」
(東京工業大学・矢野真和教授)
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
入試方法別入学者に占める退学率
「4年生学部」退学率 7.0%
入試方法別 割合
一般(センター試験含む) 5.7%
AO入試 13.8%
指定校 7.5%
公募制 6.9%
付属・系列 6.1%
留学生 15.4%
その他 8.9%
▪ 日本の高校生が
「宿題や自分の勉強をする
時間」は、32か国中、最低。
▪ 大学生の自宅勉強時間も最低
▪ 「ゆとり教育」の全面反省
宿題奨励
「ゆとり」に決別
▪ 大学生の平均勉強時間は3.5時間で
小学5年生の5時間よりも少ない。
▪ 1週間に5時間以下の学習時間という
ほとんど勉強しない学生の割合は、
米国では7人に1人であるのに対し、
日本では2/3にも上る。
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「日本学生支援機構」によれば、
大学生の4割が、
「奨学金」を利用している。
▪ 「返済のため、アルバイトが忙しく
学業に支障が出ている若者は多い」
「憲法を改正して、教育無償化を記載」
「身分格差」拡げる大学教育
そもそも「教育」って何?
▪ 授業料無償化の恩恵を受けた学生が
授業に来ても寝ていて、
課題を出さない姿を目にすれば、
授業料を払う学生は
「不公平を感じる」ようになる。
「自分は単位を取るためだけに
大学に来ている」と
信じている学生がいることも真実。
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「学業への態度がひどい。
欠席する授業も多く、
リポート提出もしないことがあり、
多くの先生が『単位を与えたくない』
と話している。
まじめに努力すれば卒業できるのに、
サークルやアルバイト中心の生活で
授業をなめきって勉強しようとしない」
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
国立青少年教育振興機構など調査
4カ国の学生の意識差
国名
授業中、
居眠りをする
出来るだけ
自分で
考えようとする
日本 15.0% 33.3%
アメリカ 3.8% 61.8%
中国 3.3% 64.9%
韓国 8.4% 34.0%
▪ 「本来、一定の出席率がないと、
試験を受ける資格すらないが、
先生が学生に
嫌われたくないため、
安易に単位を出す行為が
横行している」
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
▪ 大学生「楽単志向」
楽に単位を取れる授業を選ぶ
「あまり興味がなくても単位を楽に
取れる授業が良い」 61%
▪ 「面倒を見てもらいたい」学生が増え、
学生の自主活動であるサークルや文化祭も、
大人の関与が多く、学生の同調行動が増加。
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「無償化されれば、遊び
サークルやバイトに時間を
費やす学生が増える。
また、学術研究しない、
低質の教員を残す可能性もある。」
(中央教育審議会)
研究を教育に還元すべき。
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
▪ 何かを知っている人が
知らない人に教える「場」ではない。
▪ 教員と学生が共に学び考えながら
答えの分かっていない「問い」を
分かろうとする追及の「場」。
高等教育を「研究者」が担う意味。
「中学・高校」気分が抜けきらない・・・
「大学教育」無償化に反対も
▪大学では、小説を読み、恋愛に悩み、
社会について考える。
▪映画「男はつらいよ」の中で、満男が
「何で大学に
行かなくちゃいけないんだ?」
と悩むシーンがある。
映画「男はつらいよ」では・・・
なぜ、大学に行くのか?
▪ 「おまえの長い人生で、
これから迷うこともあるだろう。
▪ 俺みたいに学問がないと、
そんな時にサイコロを
振って決めるしかないが、
大学に行けば、
自分の頭で決めて
考えられる。」
映画「男はつらいよ」では・・・
なぜ、大学に行くのか?
▪ 過去に発見され既に「常識」となった
分かり切ったことを
資格のためとか、就職に有利とかで
必死に覚えようとするのは、専門学校。
自分の頭で考えて
まだ分かっていない新しいことを
「発見」するのが、本来の「大学」
「中学・高校」気分が抜けきらない・・・
「大学教育」無償化に反対も
▪ 研究の最先端に触れ、一つのことに
打ち込んで「論文」に仕上げるという
経験が、教養のある社会人にとって
不可欠であるという理念に基づく。
▪ 「直接、直ぐに役に立つ」が欲しければ、
大学ではなく、専門学校に行くべき。
▪ 「研究」と「教育」は密接に関係している
「中学・高校」気分が抜けきらない・・・
「大学教育」無償化に反対も
▪ 専門学校の卒業生の
76.2%が「充実して学ぶことができた」
66.2%が「専門的なスキル・ノウハウ」
▪ 宮崎駿は、アニメ専門学校に
行っていない。
スキルやノウハウは独学。
アイデアは、どこから生まれるのか?
「アイデア」に辿り着く「禅」的発想
なぜ、大学に行くのか?
▪ 「スキル系や資格系は、
専門学校で、
一般常識や文章は、
高校までで対応すべきだ。
学生の海外留学への公的支援など
現行制度のままでの無償化ではなく、
選択と集中が重要だ」(日本経済新聞)
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
▪ 皆で同じスタンダード知識を脳内入力し
見事に入力出来た人が
「資格試験」に受かるのは、ゲームであり、
これは「学問」ではない。
お行儀教室に近い。
企業採用でも広がる学業重視
「学業成績」を良く見る選考へ
▪ 日本では、高等教育の無償化に
世論の支持が低い。
▪ 各種調査で、総論は賛成でも
税の投入や増税には抵抗が強い。
学ぶ意欲もないままモラトリアムで進学、
サークルやバイトに明け暮れる大学生活
というイメージを持つ人が多い。
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「部やサークルの運営は、
学生の自主性を重んじ、
教員が担うべきではない。
教員は、
研究や授業に集中して、
業務の整理を行うべきだ」
(中央教育審議会)
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「スポーツ(sports)」の語源は、
ラテン語の「deportare(デポルターレ)」
「気晴らし」や「遊び」という意味。
楽しみでやるのが、「スポーツ」。
「アーバンスポーツ」
の選手たちの言葉には、
本来の「スポーツ」の魅力が
詰まっている。
「スポーツ」の魅力とは・・・
「アーバンスポーツ」人気は?
▪ 指導者もいないから強要されない
▪ 猛練習やスパルタ練習などあり得ない
▪ 他人に合わせなくて良い
▪ 好きな「遊び」を
一日するだけ。
「アーバンスポーツ」人気は?
「スポーツ」の魅力とは・・・
▪ 社会は凄いスピードで変化している
▪ 日本のスポーツ界、
文化界、産業界は、
「汗」「涙」「根性」の
「伝統的体質」から抜け出せない。
完全に時代に取り残されてしまった。
ツケが問題として平成の最後に噴出した
若者は大人の「勝利至上主義」が嫌い
令和は「ゆる部活」が人気
▪ 部やサークルの活動で長時間の練習や
パワハラ・セクハラ的な指導が問題化
▪ 「勝利至上主義」や「上下関係」とは
一線を画した「ゆる部活」が人気急上昇。
「フライングディスク」、
「ダブルダッチ」、「ボッチャ」など。
学生の自主的、自発的な活動が期待できる。
若者は大人の「勝利至上主義」が嫌い
令和は「ゆる部活」が人気
▪ 「大学は、学生にきちんと
勉強させる環境を
作っていないところもあり、
無償化の議論の前に
大学改革が
必要ではないか」
(慶應義塾大学・土居丈朗教授)
「貧しい人」はそれでも進学しない
「大学教育」無償化に反対も
▪ 「大学の質を考慮しない
無償化は問題が多い。
少子化が進む中で
大学が多過ぎる。
無償化ではなく、
逆に質の低い大学の退出促進で
対応すべきだ」
(日本経済新聞)
「質の低下」を招く懸念を指摘
「大学教育」無償化に反対も
▪ 今後の人材のキーワードは、「創造力」
「思考力」「判断力」「表現力」。
正解のない問題について考え、
取り組む力が問われる。
▪ 自ら課題を見つけ、解決し、
発信できる力があれば、
未来を切り開ける。
企業採用でも広がる学業重視
「学業成績」を良く見る選考へ
▪ 安易に他人のノート、ネットなどを
「コピペ」して答案にする学生がいる。
きちんと「出典」を明示しなければ、
「カンニング」行為。
▪ 知らなかったと弁解しても、
逃れられない。
企業採用でも広がる学業重視
気を付けなければいけない「課題」「テスト」
▪ 「酒に酔って人の家と気付かなかった」
▪ 「他人の家に侵入することが
罪になるとは思わなかった」
と釈明しても、
他人の住居に勝手に入れば
「住居侵入罪」。
企業採用でも広がる学業重視
気を付けなければいけない「課題」「テスト」
▪ 大学院進学率は上昇せず、
インターンシップの普及による
就職活動の早期化・長期化は
学士課程育の「空洞化」を
招きかねない。
▪ 人工知能社会に対応できる
学士課程教育の改革が喫緊の課題。
文系は「負け組」か?
今、「大学教育」に求められること
▪ 「日本の大学生は、決して少なくない。
問題なのは、修士や博士の少なさ。
大卒は、100万人あたり4,404人。
英国や米国より少ないが、
ドイやフランスを上回る。
修士号は583人、博士号は121人
しかいない。他の先進国を下回り、
英国と比べると、修士は1/6、博士は1/3」
文系は「負け組」か?
今、「大学教育」に求められること
▪ 小学~高校の先生と違い、教員免許は不要。
▪ 文部科学省は、学校教育法で
「教授は博士でなければならない」
と規定しているが、
日本の私学文系は守っていない所が大半。
(「準じている」とした例外採用が横行)
海外の大学や国立大学は認めていない。
文系は「負け組」か?
今、「大学教育」に求められること
▪ 大学生全員(約50万人)に
初級レベルのスキルを、
文系、理系を問わず、
大学生の半分である
約25万人の学生には、
応用レベルの習得を促す。
文系は「負け組」か?
今、「大学教育」に求められること
4.常識問題:「働き方改革」
「正義」の反対は、
何でしょうか?
では、問題です
多くの人は
「悪」と答えます。
私たちは、「正義の味方」と
「悪」の対立を見て
育って来ました。
ハリーポッター、ウルトラマン・・・
解説です
しかし、このような完全な
「正義」と「悪」の対立が
「現実の世の中」に
あるのでしょうか?
正義の「反対」は「悪」ではない。
「もう一つの正義」である。
解説です
問題への個人的感情は
別として、
物事には
常に「二つの見方がある
ことに気付かされる」
解説です
誰もが自分の「才能」や
自分の「育ち」を
否定したくない。
しかし、相手にも
同じように異なる
「才能」や「育ち方」があるはず。
解説です
自分に「正義」があれば、
「多様性」を持つ相手にも
「正義」がある。
それをお互いが認めた時、
初めて「コミュニケーション」が
現実のモノとなる。
解説です
▪ 「コンピューターの父」呼ばれる
フォン・ノイマンが創始した。
▪ 「ゲーム理論」の存在感を
飛躍的に高めたのは、
天才数学者ジョン・ナッシュ
1994年にノーベル経済学賞を受賞
「ノーベル経済学賞」の受賞続々
「ゲーム理論」とは・・・
ジョン・ナッシュ
あまりに有名なノーベル賞学者。
名門「プリンストン大学」で
博士論文を書こうとしていたが、
なかなか書けず、精神病になる。
思い付いたのが「ゲーム理論」。
これで博士号を取り、大学教授になる。
「ナッシュ均衡」は世界的に有名になり、
ノーベル賞受賞。タクシーで事故死
▪ お互い協力する方が
協力しないよりも良い結果になる
ことが分かっていても、
協力しない者が利益を得る状況では
互いに協力しなくなる、
という「ジレンマ」である。
最高の選択は?
「囚人のジレンマ」
▪ 「囚人のジレンマ」は、
社会全体でも
良く観察される。
▪ マグロの乱獲、地球環境問題など、
社会における「囚人のジレンマ」は、
「共有地の悲劇」と呼ばれる。
社会でも良く見られる
「囚人のジレンマ」
▪ 世界の「CO2」排出量の1/3は、車による
▪ 輸送による二酸化炭素の排出量を
2020年に2013年比で25%削減。
▪ 「地球に優しくある」ことは世界的な
流れで、持続可能社会を目指すべき。
▪ 公共交通機関を使うか、歩くかを
選ぶべきなのに、マイカー通勤してしまう。
集中豪雨の悲劇を繰り返さないは
「囚人のジレンマ」
▪ 全員がサービス残業をやっているような
「ブラック企業」の場合、
自分だけが早めに仕事を
切り上げると、
人間関係がギクシャクしたり、
昇進が遅れたり、
何らかの不利益を被る可能性が高い。
なぜ「ブラック企業」は、そのままか
「囚人のジレンマ」
▪ こう考えるのは、自分だけでなく
他の社員も同じ。
誰一人「ブラック状態」から
抜け出そうとしない。
▪ 全員「いっせいのせ」で「ホワイト状態」に
移れば、ハッピーに出来るのに出来ない
なぜ「ブラック企業」は、そのままか
「囚人のジレンマ」
コンビニの24時間営業
必要 不要
18~29歳 58% 36%
30代 51% 40%
40代 28% 62%
50代 20% 70%
60代 16% 72%
70代以上 15% 77%
朝日新聞(2019年3月16~17日調査)
コンビニの24時間営業
必要 不要
全体 29% 62%
男性 33% 57%
女性 26% 66%
東京 25% 63%
朝日新聞(2019年3月16~17日調査)
男性は女性より「必要」高い
地域差は大きくない
<本部の意見>
▪ 客が少ない深夜帯でも、
店を開けて、
売上高を増やして
欲しい、
と考える。
「5方よし」でなければ、長続きしない
「バイトテロ」と「24時間営業」
なぜ、コンビニは続けるのか?
コンビニ24時間営業
▪ 人手不足で
「年中無休、24時間営業」が危機に。
▪ お客が少ない深夜帯に
商品を集中的に配送するため、
効率性は高い。
弁当・総菜作りや物流の仕組みは
それを前提に作られて来た。
なぜ、コンビニは続けるのか?
コンビニ24時間営業
▪ 朝に販売する弁当などを深夜に配送、し
弁当などを供給する工場も
24時間稼働していることが多い。
▪ 営業時間を短縮する店舗が
相次ぐと、コンビニは崩壊する
深夜営業を見直すと、人手不足の緩和に
つながるが、朝からの販売は見込めない。
▪ トラックは午前8時に出発。
▪ 各店への配達間隔は、5~10分。
▪ 最終配達は、午前2時40分
▪ 店に着くたび、雑誌数十冊を抱えて
コンビニに運び、返品分を荷台に
積み直す。平均50~60代と高齢化が
進む配送者にはかなりの激務。
重くて、返品がある雑誌は嫌われ者
物流業界「もう雑誌を運びたくない」
<加盟店の意見>
▪ バイト代や売れ残り商品の廃棄ロス
で手元に残る利益が圧迫される
くらいなら、深夜は店を閉めたい。
▪ 深夜のアルバイト採用が困難で、
素行が気になる人でも雇わざるを
得ない。
「5方よし」でなければ、長続きしない
「バイトテロ」と「24時間営業」
<加盟店の意見>
▪ 防犯上、深夜でも、
店員が最低2人は必要。
▪ 人件費に加え、光熱費もかさむ。
深夜営業の負担が大きく、
店を続けることが出来なくなっている
「5方よし」でなければ、長続きしない
「バイトテロ」と「24時間営業」
なぜ、コンビニは続けるのか?
コンビニ24時間営業
▪ 消費者として考えるなら、
不便な街よりも
便利な街の方が良い
▪ 問題は、日本は、
「消費者は天国、労働者は地獄」。
高過ぎる消費者ニーズに合わせ、
労働者が異様に働かなければいけない点
「バイトテロ」する若者だけが悪いのか?
▪ 「仕事に対してバイト代が安過ぎないか」
▪ クレーム対応や長時間労働を強いられる
厳しい環境なのに、賃金水準が低く
人材の定着が難しい。
一方で、アルバイトも高い
パフォーマンスを求められている。
責任を持たせるなら、
それに見合う賃金が必要。
「バイトテロ」と「24時間営業」
「バイトテロ」する若者だけが悪いのか?
▪ 「食べ物を粗末にすればバチがあたる」
▪ 家や学校で教えられて来た若者が店で働くと
まず体験するのは、食品の「大量死」。
日々の売れ残りを集めゴミとして捨てたり
ノルマの季節商品を押し付け合う。
▪ 「動画公開」する若者より
「食べ物を粗末にする」大人の方が根は深い
「バイトテロ」と「24時間営業」
「バイトテロ」する若者だけが悪いのか?
▪ 「なぜマクドナルドにバイトテロはないのか?」
▪ キッチンがお客さんから
見えるオープンな状況である
ため、バカなことが出来ない
▪ 制服にポケットがないので
スマホの持ち込みが出来ない
「バイトテロ」と「24時間営業」
▪ 本来、コンビニは、
「本部」、「加盟店」、「従業員」、
「運送業者」、「消費者」の「5方よし」
でなければ、持続性がないモデル。
▪ 訴訟社会の米国では、加盟店の訴え
を通じて、フランチャイズ契約が
加盟店優位に改訂されて来た。
「5方よし」でなければ、長続きしない
「バイトテロ」と「24時間営業」
▪ 北海道の大手コンビニ
「セイコーマート」は、
24時間営業にこだわらず、
午後8時閉店にする所もある。
一方で、過疎地や離島にも出店。
▪ 学生の話では、茨城県のコンビニは
午後11時に閉まるらしい。本当か?
「5方よし」でなければ、長続きしない
「バイトテロ」と「24時間営業」
▪ 日本の加盟店は、バイトが問題を起こすのでは
ないか、とヒヤヒヤしていても、
バイトを解雇すれば、営業が成り立たない。
穴埋めできなければ、
自分が寝る間を削って店頭に立つしかない。
不適切動画は、監視の行き届かない夜間に
撮影されていることが多い。
都市部では、外国人に依存している。
「5方よし」でなければ、長続きしない
「バイトテロ」と「24時間営業」
なぜ、日本から「過重労働」が
なくならないのか?
なぜ、休みにしないのか?
自社が先行して休みにすると、
競合他社に客を奪われるのでは
ないか、という恐怖心があるから。
他社も同じように考えて、
身動き取れない。
「ゲーム理論」で言う
「囚人のジレンマ」
協力すれば、
互いに「最大の利益」を
得られることが分かっているのに
裏切られる恐れがあるため、
「最適な行動」が取れない。
定休日に踏み出せない
コンビニエンスストアの24時間営業は、
大手各社は本音では
見直しの必要性を感じている
「先に動けば、
競合店に客を奪われる」
という恐怖心から
「囚人のジレンマ」に
陥っている。
新聞社の夜討ち朝駆けという
取材スタイルは時代遅れと
分かっていても、
「他社にスクープを
取られるのではないか」
という恐怖心があるから。
他社も同じように考えて、
身動き取れない。
テレビ局の24時間放送も
各局は本音では
見直しの必要性を感じている
「先に動けば、
ライバル局に視聴者を奪われる」
という恐怖心から
「囚人のジレンマ」に
陥っている。
▪ 1.営業時間は24時間でなくてもOK
▪ 2.原則14時間以上が条件だが、
立地や営業形態により、
オーナーの裁量で設定できる
▪ 3.定休日や臨時休業も可能
▪ 4.月3万円のみでロイヤリティはゼロ
大学内にも豊四季駅前にもあります
「ヤマザキショップ」の独自性
「坂本龍馬」の発想を持つこと
まとめ(ゲーム理論)
▪ 日本人は、「二者択一」が好き。
Aか?Bか?を決めたがる。
▪ 坂本龍馬
「A」でも「B」でもない
「C」という「第三の道」を提起。
薩摩か長州でなく、「薩長連合」に。
▪銅メダリストの方が、
銀メダリストよりも
笑顔がはるかに多い。
たとえば、五輪の表彰式
「競争と協調のレッスン」
典型的なブラック集団
▪ 桃太郎は、村人さえ採用できない
▪ 鬼が島に行くという、
「命を懸けて戦う」危ない仕事を
「きび団子」菓子という待遇で
犬、猿、きじを雇っている。
典型的な「ブラック企業」。
日本人が好きな「桃太郎」
テレビ業界にメス
▪ 国の「過労死防止大綱」が
3年ぶりに改定され、
長時間労働が多いとして
特別に調査する業種に
「マスコミ」を追加。
▪ NHK記者の過労死が労災認定された
ことが背景にある。
「働き方改革」迫られる
▪ 残業や休日出勤を「美徳」と捉えたり、
労働時間の長さを会社への貢献度と
評価したり、
上司や先輩の考えは絶対とする
「上から目線」体質が残っている。
▪ 働いている若者も、与えられた仕事を
果たそうと無理をしてしまう。
「働き方改革」迫られる
いまだに引きずる「寝てない自慢」
▪ 睡眠時間が足りていないことを
満足げに語る業界人は多い。
▪ 「4時間しか寝ていない」
「オレなんか2時間だよ」
「私なんてオールよ」
いまだに引きずる「寝てない自慢」
「働き方改革」迫られる
▪ 「残業し過ぎてるオレ」自慢
▪ 「仕事任され過ぎてるオレ」自慢
▪ 若者の間でも
「昨日、寝てねえんだよ」
と睡眠不足を自慢する。
いまだに引きずる「寝てない自慢」
「プロフェショナル」とは何か?
▪ 全員がサービス残業をやっているような
「ブラック企業」の場合、
自分だけが早めに仕事を
切り上げると、
人間関係がギクシャクしたり、
昇進が遅れたり、
何らかの不利益を被る可能性が高い。
なぜ「ブラック企業」は、そのままか
「囚人のジレンマ」
▪ こう考えるのは、自分だけでなく
他の社員も同じ。
誰一人「ブラック状態」から
抜け出そうとしない。
▪ 全員「いっせいのせ」で「ホワイト状態」に
移れば、ハッピーに出来るのに出来ない
なぜ「ブラック企業」は、そのままか
「囚人のジレンマ」
働き方改革
▪ 「働き方改革」=1日8時間で勝負しろ!
残業時間は基本ゼロとする。
結果、ノートPCを持って帰って、
家で仕事
「それって残業じゃないですか?」
業務の見える化に着手
(人がやる仕事じゃないんじゃないか?)
「人工知能」を活用
▪ 2018年4月20日、
総務省、中小企業庁、公正取引員会
が、放送局が零細な制作会社から
番組を買い叩いている実態を明示。
▪ 中小企業庁は、下請け取引の改善
のため、自主行動計画作りを要請
制作会社のブラック環境を見直し
安倍政権「規制改革会議」
▪ 「労働基準法」は、働く人の1日の
「労働時間」を8時間までと定めるが、
「過重労働」によるうつ病や過労死、
がん発症は、大きな問題になっている。
▪ 安倍政権は、
「長時間労働の是正」を
重点課題に掲げた。
安倍政権「働き方改革」
制作会社のブラック環境を見直し
テレビ業界にメス
▪ 国の「過労死防止大綱」が
3年ぶりに改定され、
長時間労働が多いとして
特別に調査する業種に
「マスコミ」を追加。
▪ NHK記者の過労死が労災認定された
ことが背景にある。
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ 三田労基署が、
在京民放全5社に対し、
2013~2017年に
社員らに上限を超える
「時間外労働」(残業)を
させたとして、
労働基準法違反で是正勧告。
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ テレビは現在、24時間放送され、
再放送や収録モノが流れている
ケースもあるが、
バラエティー番組は
売れっ子出演者が多いと、
収録は深夜帯に始まることが多い。
▪ どこまで残業かも分からなくなっている
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ テレビ業界では、
NHKの30代の女性記者、
テレビ朝日の50代の
男性プロデューサー
ら過労死が相次いだ。
▪ NHKは大河ドラマ「西郷どん」を
50回から47回に削減、特別編を挟んだ。
「働き方改革」迫られる
▪ 土曜日の放送を止め、
週5日の放送に縮小。
働き方改革の一環。
▪ 4Kドラマは2Kよりも、
収録や編集に時間が掛かる。
「働き方改革」の一環。
朝連ドラ放送回数
週5日に減少
▪ NHK本局では、終業時間に
「蛍の光」が流れるようになった。
▪ 民放のトイレには「長時間ここにいる
な」という張り紙。
▪ 制作会社の社員マニュアルに
「眠くなったらトイレで休め」
テレビ局に何が起こったか?
「過労自殺」問題以降
テレビ業界にメス
▪ NHKでは、千葉、神奈川、埼玉などの
放送局で記者の泊まり勤務を廃止。
▪ 2018年7月7日(土)午後9時前、
千葉県で震度5弱のニュース
Tシャツ姿の男性(五十嵐D)が
「地震発生当時、
千葉局にはディレクターの
私1人しかいませんでした」
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ 2018年6月末に成立した
「働き方改革」関連法案。
▪ 「労働時間の短縮」「休暇の付与」
施行は、2019年4月~
ルールに違反すれば、罰則。
(月あたり「時間外労働」を45時間以内
にしないといいけない)
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ 「月45時間」は、
1日2時間程度の「残業」
▪ 違反した企業には、1人あたり
最大30万円の罰金が科される。
企業規模を問わず、
大手も中小も一律に適用される。
「制作会社」には、死活問題。
「働き方改革」迫られる
テレビ局とプロダクションの関係が真逆
映像産業の日米比較
テレビ局
テレビ局
プロダクション
プロダクション
【アメリカ市場】
ハリウッドがパワー
【日本市場】
テレビ局がパワー
テレビ業界にメス
▪ 更に厳しい労働環境を強いられている
のが、下請けの制作会社
▪ 制作会社120社で作る
「全日本テレビ番組製作社連盟」
が行った働き方アンケートでは、
ADの平均残業業時間が「過労死ライン」
とされる月80時間を大幅に超えていた。
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ 制作会社はキャッシュが
潤沢な会社はなく、
制作を受注し続ける
「自転車操業」を強いられる構造。
▪ 二次利用の権利は持たず、
請け負う仕事の増加で、
人手不足に陥っている。
「働き方改革」迫られる
制作会社スタッフの活動環境
• 契約書の不交付が大半
・契約書を取り交わしていない : 52.7%
• 仕事が原因の治療費等の自己負担が多い
・障害治療費等を自分で負担 : 75.97%
・障害等に対する依頼主等の保障が不十分 : 75.4%
• 失業補償・年金等老後の保障が不十分
・失業補償が不十分 : 81.6%
・年金等老後の保障が不十分 : 78.8%
• 著作権の保護が不十分
・自らの活動に関する著作権の保護が不十分 :47.7%
ワーキングプア状態(総務省調査)
新聞業界でも・・・
▪ 人件費削減のため、
どこの地方支局・総局も
記者の数は減少
あらゆる雑用をこなさなければならない状況。
▪ 朝日新聞の場合、
高校野球の取材があった7月の
残業時間が200時間を超えた社員も。
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ 続発するマスコミ業界の
セクハラ、パワハラ、過重労働
などの不祥事は
これまで顕在化しなかっただけで、
マスコミ界には変わらず存在していた。
▪ 今は隠そうとすればSNSなどで
出されてしまう。
「働き方改革」迫られる
テレビ業界にメス
▪ では、どうすれば良いか?
▪ 一人で複数の仕事が出来る
「マルチタスク型」に変更
▪ 人工知能を活用して、省力化
▪ 企業の負担は増えるが、残業を減らして
社員の「健康管理」が進めば、プラス。
「働き方改革」迫られる
▪ 労働改善のため、マスコミにAIは
不可欠。2種類の「人工知能」がある。
▪ (1)既にあるものを「知能化」する
(企画、編集、広告、広報)
▪ (2)「人工知能」を作る
(AIアナウンサー)
「人工知能」とは・・・
「人工知能の現在・未来」
量
生活
仕事の中身
ワーク・ライフ バランス
システムでできる単調作業
人間にしかできない仕事へ
残業時間規制
日本が進む唯一の方向
「人工知能」「ロボット」活用
5.常識問題:「格差社会」
資産「上位26人=下位38億人」
格差拡大中
▪ 2018年に世界で最も裕福な
26人の資産合計
(約150兆円)が
経済的に恵まれない
世界人口の下位半分(38億人)の
資産合計とほぼ同じ。
国際NGO「オックスファム・インターナショナル」
順 氏名 会社 資産額
1位 ビル・ゲイツ マイクロソフト 860億ドル
2位 ウォーレン・バフェット 投資家 756億ドル
3位 ジェフ・ベゾス アマゾン 728億ドル
4位 アマンシオ・オルテガ ZARA 713億ドル
5位 マーク・ザッカーバーグ Facebook 560億ドル
トップ8人の資産は世界下位半分の
36億人の資産とほぼ同じ
2017年の世界長者番付
▪トーマス・フリードマン
「世界がフラットになるつつあると
主張したが、
むしろ世界はデコボコに
なって行く」
(『フラット化する世界』)
「格差拡大」が全世界で進展
「格差」は現代社会のテーマ
▪ 「rich」の他、
「prosperous」
「wealthy」
「well-off」
「well-heeled」
「well-to-do」など多数。
「お金を持っている」
「生活水準が高い」などニュアンスに違い
英語では、多数の表現
「お金持ち」とは・・・
人数
低所得 高所得
企業、資本家は
高所得層へ移動
中間層は
低所得層へ移動
中間層の雇用が
奪われている
人の「幸せ」とは何か?
「格差拡大」が促進されている
▪10%の高生産性企業は
堅調な生産性の伸びを
維持しているものの、
残りの90%の企業との
「格差」が
徐々に拡大している。
「格差拡大」が全世界で進展
「経済協力開発機構(OECD)」
米IT企業と日本企業の年収差
企業名 平均年収
フェイスブック 2,600万円
ツイッター 1,700万円
ソフトバンク 1,164万円
ソニー 910万円
トヨタ自動車 852万円
日立製作所 849万円
ヤフー 682万円
良い人材を確保できない
大卒だが、高卒相当の仕事をしている
国名 割合
日本 29%
英国 23%
イタリア 23%
スロバキア 23%
OECD平均 13%
ノルウェー 7%
オーストラリア 7%
スウェーデン 7%
チリ 6%
ベルギー 4%
▪ 「フェイスブック」の給与の中央値は
24万ドル(2,660万円)。
▪ ライバルの「アップル」、「グーグル」、
「ネットフリックス」なども同程度の給与
▪ シリコンバレーは、多様な社会であったが
近年は、博士など「高学歴」の「オタク」の
「白人男性」の文化一色になりつつある。
デジタルリテラシー高い人が高給与
「デジタルデバイド」
▪ クリスティアーノ・ロナルド選手が
イタリア「ユベントス」に移籍するのに
「レアル・マドリード」に
4年契約、1億ユーロ(130億円)。
▪ 工場労働者の平均給与は
月1,400ユーロ(約18万円)
「労働者に犠牲を強いるのは
不平等で、容認できない」
フィアット労働者がストライキ
ロナルド移籍に520億円(4年間)
▪ クリスティアーノ・ロナルド選手獲得に
費やした額と同じ額を支払えば、
実力派の4~5人を補強できる。
▪ 純粋な戦力では
数人を雇った方が
お買い得だが、
ビジネス面では
ロナルドがもたらす効果は計り知れない。
ロナルド移籍に520億円(4年間)
フィアット労働者がストライキ
順位 選手名 競技名 年収
1位 メイウェザー ボクシング 313億円
2位 メッシ サッカー 122億円
3位 C・ロナウド サッカー 118億円
4位 マクレガー 総合格闘技 108億円
5位 ネイマール サッカー 99億円
35位 錦織圭 テニス 38億円
95位 田中将大 野球 25億円
格闘技の放映権が影響
「2018年版 スポーツ選手長者番付」
▪ 世界ミドル級、ゴロフキン(カザフスタン)と再戦
▪ ファイトマネー 10億円
カネロ 6億円
ゴロフキン 4億円
▪ PPV(購買件数165万件) 91億円
カネロ(57.5%) 52億円
ゴロフキン(42.5%) 39億円
▪ アルバレスは、1試合で62億円を獲得。
カネロ・アルバレス(メキシコ)
2018年9月17日(ラスベガス)
▪ 年収600万円ぐらいの人と
年収300万円ぐらいの人に
分かれて来る。「相対的貧困」
▪ SNSを見れば分かると言う。
自分のプライベートを書き込まず、
「有名人」などが頻出するようにヤバイ。
(辛いから、「相対的貧困」を隠す)
日本でも広がる「相対的貧困」
大学を卒業して3年経つと、25歳
「学歴」と「人生」の格差
若年中卒・高卒女性
▪ 約7割が既婚
▪ 10人に1人は離別
▪ 子供の数は1.32人
大卒女性
▪ 子供数は、0.91人
全国調査から浮かぶ「格差」
「学歴」と「人生」の格差
若年中卒・高卒男性
▪ 個人年収は、322万円
▪ 大卒よりも、50万円以上低い
▪ 既婚率5割と低い
▪ 政治参加に消極的
全国調査から浮かぶ「格差」
▪ 子供の学力や学歴は、親が大卒か院卒か
といった「生まれ」でほとんど決まってしまう。
▪ 幼児教育から小学校、中学・高校に至る
まで、学力格差が「再生産」されている。
▪ 低偏差値の高校から一流大学に進む
例外的な子供がいるが、そこにも
「格差」がしっかり存在する。
固定化される「身分」
教育格差
▪ ハーバード大学・年間授業料は700万円
(アメリカの大学は全寮制であるため
「寮費」を含む)
カルフォルニア大学サンタバーバラ校は、
600万円。
日本の東京大学は、53万5,800円
「交換留学」が成立しない理由。
「ハーバード大学」は、年間700万円
日本の大学の学費は安い?
▪ ハーバード、スタンフォードなどトップ校は
学費400万円以上。
▪ 全米で「年収50万ドル以上」
の超富裕層世帯は約1%だが、
ハーバードは14%。
超富裕層出身者の43%が
OB・OGの子弟。
「身分格差」拡げる大学教育
「未来」の懸念材料
▪ 学費は年間5~10%で上昇を続け、
州立大学でも1980年代の3倍に上昇。
▪ 「アイビーリーグ」に資金が集中し、
富裕層が高質の教育を受けられる
状況が教育と経済格差を悪化。
学生の7割が平均400万円を借入れ、
4人に1人で返済が延滞・不良債権化。
「身分格差」拡げる大学教育
「未来」の懸念材料
▪ 高額な学費のため、米国の大学医学部
を卒業した医師は、多額のローン返済に
苦しむケースが多い。平均2,100万円
▪ 年間55,000ドル
(650万円)の
授業料を免除。
ニューヨーク大学医学部は授業料免除
「大学教育」無償化
▪ 欧州では、高等教育は無償の国が多い。
ドイツや北欧諸国では、授業料は無償、
さらに、「給付型奨学金」がある。
フランスでは、憲法に高等教育の無償
規定がある。
▪ 米国は、授業料は高額だが、
「給付型奨学金」も多い。
▪ 教育を社会が支えるが、学生も勉強。
「大学教育」無償化
欧米は、「奨学金」充実
▪ 米国や英国は、
伝統的に
大学などの高い
授業料を充実した
奨学金制度でカバーする
「高授業料・高奨学金」
政策を取る。
欧米は、「奨学金」充実
「大学教育」無償化
国公立大学の年間授業料(米ドル)
国名 授業料
英国 11,797ドル
米国 8,202ドル
チリ 7,351ドル
日本 5,218ドル
カナダ 4,965ドル
オーストラリア 4,785ドル
韓国 4,712ドル
ニュージーランド 4,236ドル
イスラエル 3,043ドル
オランダ 2,395ドル
▪ 「米国や英国など
所得格差が
大きい国ほど、
格差が世代を継いで
固定化される」
オタワ大学・ Miles Corak
マイルズ・コラック教授 (労働経済学)
「身分格差」拡げる大学教育
「未来」の懸念材料
▪ 「日本学生支援機構」によれば
学歴は収入に影響し、
格差が固定することになる。
▪ 「労働政策研究・研修機構」の調査では
日本人の生涯賃金は
大卒 3.2億円
高卒 2.4億円
と、8千万円の大差
「競争社会」か?「平等社会」か?
「大卒」は有利か?
▪ 恵まれた子供が通う
大学に多額投資される
構造は、世界的に共通
▪ 日本でも、東京大学の
学生の57%の
親の平均年収は、
950万円以上
「身分格差」拡げる大学教育
懸念材料
▪ 「大学進学できる若者には
光が当たるが、
貧困など自らの力で
どうすることもできない
環境で暮らす若者は
置き去りにされている。
自分の将来を思い描くこともできず、
あきらめを超えて、無力感に囚われている」
「身分格差」拡げる大学教育
そもそも「教育」って何?
▪ 「競争が進んだ結果、
脱落すると、
無力感しか残らない。
若者が意欲を取り戻し、
夢を持てるようにする
社会が必要だ」
「身分格差」拡げる大学教育
そもそも「教育」って何?
▪ 格差を是正し、人々を平等にし、
社会を統合することが使命だった
「教育」が
格差を増幅させ
社会の分断を
進めている
「身分格差」拡げる大学教育
そもそも「教育」って何?
▪ 日本の高等教育が家計負担に頼り、
親の所得と子の教育レベルが
比例する状況がある。
▪ 安倍首相
「志があっても経済的にも
恵まれない若者が
勉学に専念できる環境整備が必要」
「身分格差」拡げる大学教育
そもそも「教育」って何?
▪ 2018年「全国学力テスト」
小学6年生「算数」成績
▪ 家庭の年収が1,500万円以上
平均正答率 53%
▪ 家庭の年収が200万円未満
平均正答率 36%
▪ 家計に余裕あれば、塾に行かせられる。
「競争社会」か?「平等社会」か?
親の年収で子供の未来が決まる
▪ 文部科学省の調査(2016年度)では、
塾や家庭教師など
学校外でかかる「補助学習費」は、
世帯収入により大差。
▪ 年収 400万円未満世帯 : 69,000円
▪ 年収1,200万円以上世帯 :354,000円
「競争社会」か?「平等社会」か?
親の年収で子供の未来が決まる
▪ 「生活保護家庭では、
塾に通えず、
進学をあきらめる子が
多い」
進学費用が、
保護者や若者に重くのしかかっている。
「身分格差」拡げる大学教育
そもそも「教育」って何?
▪ 収入が少ない世帯は、
塾代などを支出する
余裕がなく、
大学へ進学するかどうか
の選択にも影響する
ケースが多い
▪ 「勝負あり」となってからの支援では遅い
「身分格差」を防ぐ
「大学教育」無償化
都道府県 進学率
1 東京 64%
2 京都 61%
3 神奈川 57%
4 広島 56%
5 兵庫 55%
都道府県 進学率
43 秋田 37%
44 青森 37%
45 鳥取 35%
46 沖縄 35%
47 鹿児島 31%
ベスト5 ワースト5
大学進学率地域格差
大学の地域性について
人数
低所得 高所得
高収入世帯の学生は
高所得層へ移動
中間層は
低所得層へ移動
大学教育の歪みが
中間層を奪う
「身分格差」拡げる大学教育
「未来」の懸念材料
◼ 「労働力なし」の経済
◼ 「労働力」「生産性」の議論は経済学に
重要だったが、恐らくやって行ける。
早大・若田部真澄教授が計算。
「ベーシックインカム」の議論。
失業率40~50%の時代。
「人工知能」と「人間・社会」
「第4次産業革命」を超えて
▪ 「自動化のスピードを抑え、
最も影響を被る人々を
支える政策が
整備されるためには、
何らかの形で
ロボットへの直接課税が
正当化されていい」
ロボットに課税
マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツ
▪ 約500年前、
英国の思想家トマス・モアが、
著書「ユートピア」で提唱。
▪ 人工知能など技術革新で
生活水準が低下する不安や
大量失業の恐怖などが募る昨今
注目を集めている
「ベーシックインカム」とは・・・
欧州を中心に注目を集めている
▪「すべての市民は
社会の価値ある一員で
社会全体の富に
預かる権利を持つ」
という原則を掲げる。
「ベーシックインカム」とは・・・
欧州を中心に注目を集めている
◼ (1)すべての個人に
(世帯主ではなく)
◼ (2)無条件で
(稼働能力の活用などを求めず)
◼ (3)普遍的に
(所得や資産の多寡を問わず)
生活に必要な所得を給付する。
「ベーシックインカム」とは・・・
欧州を中心に注目を集めている
◼ <批判>
(1)何もせずにお金がもらえれば、
働かない人が増えてしまう。
(2)必要ない人にも支給され、
財政負担が大きい。
「ベーシックインカム」とは・・・
フィンランドでは毎月7万円を支給

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