売れる本の
作り方、見せ方
傳 智之
2017/07/24 DMM Salon
最初に
■皆様のお仕事は?
・広報
・マーケティング
・メディア
・その他
■今日お話しするのはこんな人
傳 智之(でん ともゆき)
2002年4月、株式会社技術評論社に入社。
書籍編集部にて、数百円台のムック・読
み物から5000円台の専門書まで、さまざ
まな書籍の編集に携わる。
くまざわ書店
相模大野店様
傳フェア
2017年2月07日~3月31日
■「どうすれば売れるのか?」
という永遠の悩み
・年間7万点の新刊
・書店の面積はさほど変わらず
・過去の成功パターンは陳腐化する
・新聞広告を出せば売れるわけではない
→「正解」はあるようでない
■「基本を徹底する」という
退屈だけど王道
・企画をうまく立てる
・内容を作り込む
・デザインを魅力的にする
・販促に力を入れる
企画を
うまく立てる
■「企画」って?
・「企」てる
=新しい世界を想像する
・計「画」する
=価値を作り出す道筋を示す
■「いい企画」って?
・直接的な効果→お金を出していただけるか
・間接的な効果→内容が社会に提供する価値
→「市場規模が小さいからやらない」とは
考えない
■何を「失敗」と考えるか
・利益が出なくても、経験は資産になりうる
・すでにある本と大差ないものを作る是非
・「年間で辻褄をあわせる」という楽観
・著者の方に後悔が残らないか
(売行以上に内容)
→売れないことを恐れず、挑戦する
■著者で決まるところが大きい
・市場規模×買っていただける確率≒本気度
・本気の個性は限界を打ち破る
・「わかりやすい」より「おもしろい」
・個性は他人が“発想”できない
タイトルやデザインは後でも決められる
■著者の何を見るか
・実績がある≠本を出しているか
・差別化を目的としない
・熱意だけではゴールできない
・「文章で表現できるか?」が大事
→特に目次を手がかりに
内容を
作り込む
■タイトル、コピーは
基本パターンをふまえて考える
・メリット訴求型
【例】たった1日で即戦力になるExcelの教科書
・問題提起型
【例】「いい写真」はどうすれば撮れるのか?
・コンセプト型 ※ふわっとならないよう注意
【例】職場の問題地図
ほかにも、リスク訴求型(「~しないと生き残れない」な
ど)もあるが、個人的にはタイトルではあまり使わない
■「新しさ」と「安心感」を
どこで、どうバランスさせるか
・奇抜なだけでも限界
・とってつけたような惹句は効果がない
・「いいとこどり」だと弱くなりがち
※技術系などはキーワードの役割も大きいが、
そこに安住しない
【例】JavaScript本格入門
■構成はコース料理をイメージ
・1章が前菜、後半~最後の章がメイン
ディッシュ
・パートごとのボリュームは無理にそろ
えない
■「はじめに」を最初に作って
方向性を共有する
・読者が目にする最初の部分
・本の価値を、読者に伝わる言葉で
書く必要がある
→うまく進まないときに立ち返る原点
■見出しで惹きつける
・情報誘導の手段か、キャッチコピーか
・統一するか、変化をつけるか
・「メリット訴求」「リスク訴求」「問いか
け」「メッセージ」「あるある」の使い分け
・用言止めと体言止めのバランス
・読み物なら「内容の要約」に陥らないよう注意
・見開きに最低1つは入れることを目安に
デザインを
魅力的なものにする
■デザインとは、売れるための
「問題解決」
・作り手の想いを表現する
・著者の満足度を高める(PRしていただきやすくする)
・営業に気に入られる
・書店の方に気に入られやすくする
・読者の目にとまりやすくする
・読者に読みやすそうに感じてもらう(本文)
・読者の書評の材料にしやすくする
・読者の所有満足度を高める
(記憶に残りやすくし、勧めてもらいやすくする)
■想像以上のものを
仕上げていただく
・人選はゼロベースで、書店も歩き回ってから決める
・企画の背景(経緯、著者のおもしろさ)を共有する
・方向性を示す
(「問題解決」のためにどうすべきと考えるか)
・ニュアンスを共有できるサンプルを用意する
・「あれと同じで」と言わない
・新奇性の中に王道感を求める
販促に
力を入れる
■そもそも「販促」って?
辞書的な定義はさておき……
・知ってもらう
・「買いたい」と思ってもらう
・「買おうと思ってた」を思い出して
もらう
■編集が販促でできる2つのこと
・営業を支援する
・自分で(間接的に)読者に働きかける
※電子書籍も大事だが、関係者の絶対数と熱量は
やはりリアルが強い
【参考】電子書籍には「期待」がない
https://note.mu/editoryokota/n/nc4302b9bb0d2
■「営業に営業する」のは
編集者の仕事
新刊の案内を、発売2ヶ月前にはする
・どこがウリか(箇条書き3行程度で)
・いつ出るか
・どんな内容か(目次、ゲラ=校正紙)
・どんなカバーデザインか(どんなデザイナーか)
・どんな著者か
・どこの棚か
・なぜ売れるのか
■影響力のある人と
つながっておく
・コミュニティメンバー
・著者
・書評ブロガー
・書店員
※リアル/ネット両方
■なるべく早く
知ってもらう
書籍情報を早めに公開する
→そのために、早めに社内調整をする
→そのために、早めにカバーを仕上げる
→そのために、早めに内容を固める
■著者に宣伝をお願いする
次の2つができてから宣伝を始めていただく
・自社書籍ページ → 買うための手がかり
・Amazonのページ → 予約の受け皿
(ほかのネット書店はAmazonよりだいたい早い)
刊行後も大事、ファンサービスができるのは著者だけ
■献本する
・著者に献本先を教えてもらう
・送るべき人のリストをもっておく
・著者か自分に面識があるほうが有利
・書評/レビューアーを募集する方法も
■ソーシャルネットで
情報を発信/拡散する
・販売状況(在庫状況・店頭写真・在庫店舗・増刷)
・本文の抜粋
・著者の詳細
・デザイナーの詳細
・企画のきっかけ
・企画・製作のヤマ場
・本への思い入れ・こだわり(造本の工夫など)
・カバーのボツ案公開 ※デザイナーさんの了承が必要
■ソーシャルネットで
情報を発信/拡散する(続き)
・検索結果の定期チェック
・感想のリツイート/シェア/いいね/コメント
・感想のまとめ
※以下はケースバイケース
・書籍のハッシュタグを考案・展開
・書籍専用アカウントの作成・活用
まとめ
■著者、書店、営業、読者、編集
の総合力が問われる時代
・著者が販促するのは良くも悪くも必然
・リアル書店は未だ重要
・書店に働きかけるための営業は大事
・読者の拡散が影響力を増している
・編集は、全体のハブとして振る舞い、
あらゆる面で価値の訴求を怠らない
■「初速を出す」ことと
「最後まであきらめない」こと
・初速が出ないと新聞広告は出ない
・読者には「出会ったときが新刊」
・ブレイクのきっかけは意外なところで
ありがとうございました

売れる本の作り方、見せ方