教師の資質能力に対する認識のズレ
ーアクターとしての大学と教育委員会に着目した実証分析―
松 宮 慎 治 (神戸学院大学/広島大学大学院)
2015.09.05
大学行政管理学会
若手研究奨励 中間報告
於:関西大学
採択課題のブレイクダウン
◆原題:大学の教職課程に求められる学
生の資質能力向上に関する研究
◆審査コメント:「採用試験合格者のインタ
ビューで分析できるのか」「調査対象に現
職や教育委員会を含めるべき」
⇒質から量へ、調査の中心的手法を転換
⇒現在のタイトルに修正
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背景
◆教師の資質能力に対する政策的関心
・中教審答申、教員養成部会の中間まと
め、教育再生実行会議の提言etc…
◆養成段階からみた政策の問題
・「完成された教師」の要求(今津,1996)
・養成段階と採用後の分断(高旗,2015)
・養成段階<OJT(今津,2012)
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問題の所在
◆養成段階と採用後のズレ
⇒大学が養成したい資質能力と、採用後
の学校現場や教育委員会が望む資質能
力にはズレがある?
◆先行研究で言及されるのは、多くの場
合「教師として」求められる資質能力
⇒大学生活全体で獲得した「学部卒一般
に」求められる資質能力の貢献は?
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目的
①教師教育を取り巻くアクター間の資質能力
に対する認識のズレを明らかにする
②生じているズレを「教師として」求められる
資質能力と「学部卒一般に」求められる資質
能力を融合する観点から実証分析(e.g.,現場
が歓迎するのはむしろ後者?)
⇒教師教育の分野で言及されてきた「教師と
して」求められる資質能力を、大学教育全体
の視点から再定義
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調査の対象(1)
◆大学(小免の取得課程をもつ259大学)
⇒なぜ「小学校」か?
・教員養成の問題は小学校に潜在(別惣,
2013)
・学校種と養成カリキュラムを統一できる
・調査対象の肥大化を避ける
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調査の対象(2)
◆教育委員会
(都道府県47、政令指定都市20)
・小学校教師の日常の管理・運営主体は
市町村教育委員会であるが…
・ここでは、採用段階に焦点化し、採用権
限をもつ都道府県・政令指定都市教育委
員会を対象とした
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調査の方法(1)仮説
①大学が養成したい教師像と教育委員会
が採用したい教師像には、ズレがある
②大学の方がより「教師として」求められ
る資質能力を重視している
③大学視点:双方の資質能力に相関あり
④教育委員会視点:双方の資質能力に必
ずしも相関なし
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調査の方法(2)分析枠組み
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「教師として」求められる資質能力
①養成 ⇒ ②採用 ⇒ ③研修
↓
④教師教育
↑
「学部卒一般に」求められる資質能力
調査の方法(3)調査票の設計
◆「教師」として求められる資質能力
・「小学校教員養成スタンダード」(岩田ら,
2013)に、道具を活用する視点を追記して
作成
◆「学部卒一般に」求められる資質能力
・『学生からみた大学教育の質』(COE研究
シリーズ18)をベースに作成
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分析(予定)
◆基本的には、関連性の分析を行う
(e.g.,)
・大学と教育委員会が求める資質能力の
ズレがどう発生しているのか
・大学と教育委員会で、各能力は融合して
いるものとみなされているか、別個のもの
として捉えられているか
・選抜性の高低や学齢人口とのかかわり
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今後の研究計画
2015年
・調査票発送(9月末日、〆切:10月末)
・データの整理、分析(11~12月)
2016年
・予算執行、概要報告、論文執筆(1月~5月)
・どこかの学会で発表(候補:日本教育社会学
会、日本教育工学会、日本教師教育学会)
・学会誌に投稿(10月末)
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※参考文献:別添要旨のとおり

教師の資質能力に対する認識のズレ―アクターとしての大学と教育委員会に着目した実証分析―