ニューロテクノロジーの課題と未来
応用脳科学アカデミー
アラヤにおけるニューロテック事業の取り組みと将来の展望:株式会社アラヤ
https://www.can-neuro.org/2022/2022_technical/2022-tech_2/2971/
概要:
世界の主要地域で、ニューロサイエンスのプロジェクトの大規模化と取得するデータのマルチモダル化進んでいる。これに伴って、データの統合を進めるための基盤が求められている。しかし、これを阻む3つの困難がある。まず、データをどのように統合するのかという問題がある。これまでの脳活動を神経細胞レベルで模倣するスパイキングネットワークでは、スーパーコンピュータを用いた研究が行われてきたが、大規模で正確データを取得する必要があるためデータ統合に時間がかかる。また、人間ではこの方法はほぼ利用することができない。また、そもそも各機関が取得したデータの活用が進んでいない一方で、管理費も高まっている。さらに、ヒトのデータを大量に利用するには、プライバシーに配慮したデータの管理が必要になるため、簡単にデータを取得できないという事情がある。これらの課題を解決する技術として、脳活動を模倣するニューロツイン、個人がデータ管理を担当する分散型データ基盤、プライバシーを考慮しエッジで学習を行う連合学習が出てきた。本発表では、発表者の研究を最初に振り返りつつ、ニューロサイエンスの不可避の変動を取り上げつつ、ニューロテックを変えるかもしれないニューロツイン、分散型データ基盤、連合学習を含むAIの3つの技術について紹介し、ニューロテックの未来を概観したい。