Wagbyによる内製の実例からわ
かったこと
2015年10月27日
株式会社ジャスミンソフト
贄 良則
ピースミール・テクノロジー株式会社主催
日本型内製化を考えるセミナー
超高速開発ツールいろいろ
• SIer指向
– ツールが提供する独自言語がJavaや.NETより簡単。
– 何でもできる反面、ユーザによる内製の敷居は高い。
• ユーザ指向
– ノンプログラミング。簡単な操作でアプリを開発で
きる。
– 拡張性とのバランスが難しい。
• なんでもできる、なら、ノンプログラミングでは限界が
ある。
Wagbyとは?
• ノンプログラミングの簡易性と、プログラ
ミングによる拡張性の両立を実現すること
を目指す。
• 結果として、これまでの日本では考えられ
なかった内製開発ブームを起こしつつある。
Wagbyによる内製開発のパターン
[ケース1] シンプルな内製
• ユーザ自身がWagbyの使い方を学ぶ。
• 画面、帳票、入力チェック、CSV・Excel
による外部システム連携まで実現。
• Wagbyがカバーできない機能は?
– ジャスミンソフトに要望を出し、Wagbyの機
能追加をはかる。
– あくまでも自分たちだけで行いたい。
[ケース2] カスタマイズを含む内製
• ユーザにJava技術者が1名(以上)いる。
– SIerから転職された方が多い。
• ジャスミンソフトの技術講習と、カスタ
マイズに関するサポートを活用する。
– サポートでは「書き方」のヒントを伝える。
– そのヒントに従って、自社で開発を行う。
[ケース3] SIerとの連携
• 開発は、SIer (Wagby代理店) に依頼する。
その設計情報を納品してもらう。
• 軽微な変更は自分たちで行う。
• 複雑な業務ロジックや、Wagbyの範囲外
の機能は、SIerに開発してもらう。
• メジャーバージョンアップ時も、カスタ
マイズコードの変更はSIerに依頼する。
[ケース4] コンサルタントの活用
• エンドユーザ主体でWagby開発を行うが、
「Wagbyエキスパート認定技術者」にコンサルタ
ントとして、プロジェクトに参画してもらう。
• プロジェクト立ち上げ時は参加頻度は高い。なれ
てきたら頻度を減らす。
• カスタマイズもエキスパート認定技術者にベース
を用意してもらい、それを使って自分たちで開発
する。
ユーザとSIerの関係(旧)
ユーザ SIer
問題の押し付け合い
お互いが「騙され
た」感をもつ。
ユーザとSIerの関係(新)
ユーザ
SIer/
コンサルタ
ント
ツール
ベンダー
役割の明確化
ツールベンダーも巻
き込んで質的向上を
図る
ユーザが超高速開発に求めること
価格 工期
ユーザはどちらを優先している?
保守に向く超高速開発
• 仕様変更(機能追加)を適時、行ってい
く。
– 最初で仕様を固める、のは現実的でない。
• 設計情報の変更で、アプリケーションの
挙動を変えることができる。
– ソースコードを変更していては、とても難し
い。
“銀の弾丸” を探して
“超高速開発技術は正しく使用することによ
り、効果を上げられることがわかった。シ
ステム開発に課題を感じている方々には、
ぜひ超高速開発技術の適用を検討していた
だきたい。”
(日経コンピュータ2015年10月1日特集「広がる超高速開発」で紹介)
http://jp.fujitsu.com/family/lsken/activity/work-group/13/abstract/pdf/13_09.pdf
ユーザが踏み出す一歩
データモデラー
• 業務アプリケーションは「データ構造」
と「振る舞い」から、できている。
• データ構造とは、データの関係性に着目
する。
• 振る舞いはデータの流れに着目する。
• 「何を先にするか」という違いはあるが、
ゴールは同じ。
いまどきの内製
• 内製化とは、データモデラーが一人以上
存在するチームをつくること。
• プログラマは?
– データモデラーが兼ねる。
– 少数でも社内に残す。
– 外部委託する。
• 内製だが分業、は両立する
– システムアーキテクトは専門家の招聘が吉。
– 何を抱え、何を専門家に委託するのか。
無理はしない
• 既存システムをどうするか。
– 既存システムに超高速開発ツールを適用する
ことは難しい。
– 既存システムとは緩やかに連携し、少しずつ
新陳代謝を図る。
• データモデラーの育成スピードに比例する。
ロードマップをつくる
• 現行システムの洗い出し。
– 社内のキーマンは誰で、いつまで頼れるのか。
– 開発体制と、年間保守費は?
• 超高速開発ツールの適用なら...
– 簡単なものから挑戦し、経験を積む。
– 規模が大きくなるにつれ複雑度が増す。ここ
で専門家の力を借りるのは妥当。
• 保守開発の主導権を自分たちがもつことが大切。
次世代の SI は見えている
“IT投資は売り上げの1%” は正確ではない
• 金融系のみ突出して5%程度。
• その他は軒並み、0.3%〜0.7%。
• 平均すると 1% だが、現実はもっと低い
ということ。
出展:「企業IT動向調査2015」日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)
SoEとSoRは投資目的が異なる
• SoE
– System of Engagement
– 売上を増やすIT。
– 他社と異なる仕掛けが必要 = 最新技術活用
• SoR
– System of Record
– 間接業務、すなわち経費。
– 他社と共通基盤化してコストを落とすのは可。し
かし自社業務ルールは適用したい。= DSL活用
DSL (Domain Specific Language)
• 従来の自動生成系(CASEツール)との違い
– CASE は第四世代言語(簡易言語)を目指した。
これは汎用プログラミング言語。Javaや.NETの
簡易版といえる。
• 例:XXXは、オブジェクト指向やWeb技術がわから
なくても、業務用Webアプリを開発できます。
– DSLは特定ドメインに特化した言語。汎用性が
ない代わりに、ルール記述だけで済む。
DSLを支えるジェネレーティブ思想
• ジェネレーティブ・プログラミング
– DSLからソースコードを自動生成する。
• Generative = 生成的
– DSLを鍛えることで、汎用性を維持し、開発
生産性を落とさない。
– 実は保守開発の局面でかなり有効。
二層化する技術者像
• DSL(と、それを支える基盤)を開発する技術者。
– 業務に詳しいのではなく、業務を汎用化した視点で解釈し
なおすことに精通している。
– Javaなどのプラットフォームへの実装技術をもつ。
• DSLを利用する技術者。
– 業務に精通しており、その業務をDSLで表現することを得
意とする。
– Javaなどは知らなくてもよい。
• 両方がわかる技術者
– エキスパートになる。究極のコンサルタント。
技術視点でみた関係性
※ WagbyのDSLは「設計情報」(リポジトリ)と同義です。
ユーザ
DSL利用
SIer/
コンサルタ
ント
DSL利用
カスタマイズ
ツール
ベンダー
DSL開発
SIの方向性
• SoE指向
– システム投資額を上回る、売上増を見込む「ビジネス
モデル」が描ける。
– モバイル、IoT、ビッグデータ、クラウドなどの個々の
技術要素を磨くだけでは技術者派遣から抜け出せない。
• SoR指向
– 従来の開発費の半額以下を提案できる。
– オフショアでは限界。開発期間と品質の問題を解決で
きない。
– 超高速開発ツールはこの分野と相性がいい。
SoRは工数ビジネスが終焉する
• 少人数開発と工数減により、開発費が下がる。
• ユーザーによる内製も可能になれば、SIerは
「業務コンサル」と「カスタマイズ開発」に
特化する。
– 業務コンサルは上流の知識が必要。
– カスタマイズ開発はDSLの下位層となる実装技術
の知識が必要。難易度は高い。
– いずれも少人数かつ高単価なコンサル型ビジネス
となってく。
技術者の育成方法も変わる
• 業務系
– DSLの習得と、業務層の知識習得へ。
• カスタマイズ系
– DSLの習得と、カスタマイズ方法のノウハウ
習得へ。
DSL=ツールに依存する。共通DSLは存在しない。
どのツールを学ぶか、は考慮すべき点。
次のビジネスチャンスはある
• 大規模システムでの超高速開発ツールの適用ノウハウ
– 小規模かつユーザ主導内製とは異なる難しさ。
– SIerのノウハウが生きる。
• 既存システムとの連携
– ETL, データハブ, メッセージ駆動, MDM
• SoEのバックエンドとしての連携
– REST API
• ツール同士の組み合わせ
– BRMS, BI, 帳票, ...
既存システムと超高速開発の緩やかな連携は、これから本格化するテーマ。
Wagbyによる内製はどこまで進んで
いるのか
Wagby Developer Day 2015 で、生の声をお
聞きください。
http://wagby.com/
参加費
無料!
12月2日(水)秋葉原UDXカンファレンス6F

Pmt20151027 seminar