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宇宙APIレシピ集
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植生指標データ計算 (NDVI)
➢ ポイント
1. このレシピでは、簡易的な数式で、ASTERデータから植
生の状況を把握する指標を計算することができます。
2. このレシピでは、植生による太陽光の反射の特徴を理解
するとともに、ASTERデータの基礎的な解析方法を身に
着けることができます。
➢ 用意するもの
1. インターネットに接続できるPC
2. ASTERデータフォルスカラー画像 (参考: ASTERデータ
フォルスカラー画像作成)
3. QGIS (参考: QGISインストール)
➢ 操作
1. ASTERデータフォルスカラー画像を用意します。 (参考:
ASTERデータフォルスカラー画像作成)
2. QGISを起動します。
ASTERフォルスカラー画像 植生指標データの計算結果。青色は、植生が少なく(非
活性)、赤色になるについて植生が多い(活性)
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植生指標データ計算 (NDVI)
3. QGISの上段にあるラスタ(R)から、ラスタ計算機を選択
します。
4. ラスタ計算機ポップウィンドウ上に、NDVIの式を入力し
ます。
NDVI = (NIR - R) / (NIR + R)
ASTERの場合
NDVI = (Band3 – Band2) / (Band3 + Band2)
5. ラスタ計算機ポップウィンドウ上の、出力レイヤを選択
します。任意のフォルダーを選択し、任意のファイル名
を入力します。
6. ラスタ計算機ポップウィンドウ上の、「OK」ボタンをク
リックします。
5. 任意のファイル名を決
定する
4. NDVI計算式を入力する
6. 「OK」をクリックする
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植生指標データ計算 (NDVI)
7. NDVIの計算結果(モノクロの画像)が表示されることを確
認します。例の場合、黒色が植生が少ない(非活性)部分を
示しており、白入りが植生が多い(活性)部分を示していま
す。
森林におおわれている阿
蘇山の外輪山等は、白く
表示されている
阿蘇山山頂は、植生が少
ないため、黒く表示され
ている
その他、裸地や、利用さ
れていない田畑も黒く表
示されている
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植生指標データ計算 (NDVI)
8. 植生の活性度を色分けで見ていきます。
9. QGIS左段にある例やパネルから、NDVIの計算結果レイ
ヤをダブルクリックします。
10.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、スタイルを選
択します。
11.バンド表示欄のレンダータイプより、単色バンド疑似カ
ラーを選択します。
12.バンド表示欄の色より、好みのグラデーションを選択し
ます。
13.バンド表示欄のモードより、等間隔を選択します。さら
に、その隣にある分類数欄で、数字を設定します。数字
が大きければ、より細かい表示が可能です。
14.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、「適用」をク
リックし、「OK」をクリックします。
植生指標データの計算結果。青色は、植生が少なく(非
活性)、赤色になるについて植生が多い(活性)
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植生指標データ計算 (NDVI)
15.(植生に覆われていない個所を調査するため)植生箇所をマ
スクするデータを作成します。
16.閾値を決めます。閾値に満たない箇所は非植生域、閾値
以上の箇所は植生域とみなします。今回は、0.025としま
す。
17.QGIS上段にある、ラスタ(R)から、ラスタ計算機を選択
します。
18.ラスタ計算機ポップウィンドウ上に、計算式を入力しま
す。今回は、指標値が0.025以上の植生域をマスクするた
め、下記の式を作成します。
Band1 of NDVI <= 0.025
19.ラスタ計算機ポップウィンドウ上の、「OK」をクリック
します。
20.白色と黒色2色に識別された計算結果が表示されることを
確認します。
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植生指標データ計算 (NDVI)
21.QGIS左段にあるレイヤパネルより、計算結果レイヤをダ
ブルクリックします。
22.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、透過性を選択
します。
23.データなしとする値欄に0を入力します。
24.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、「適用」をク
リックし、「OK」をクリックします。
ASTERデータのフォルスカラー画像と重ね合わせた結
果。植生域をマスクすることで、2016年に発生した熊
本地震による地滑りの跡を確認することができる
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植生指標データ計算 (NDVI)
25.必要に応じて、地図を作成します。(参考: 地図作成)
2015年8月1日にASTERで観測した阿蘇山の外輪山 (左)。2016年7月18日にASTERで観測した阿蘇山の外輪山(右)。2016年7月
18日のASTERデータで解析したNDVI値で両方の植生部分をマスクすると、2016年の熊本地震で地滑りが起きた箇所や規模を
調べることができる。
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植生指標データ計算 (NDVI)
➢ まめちしき (NDVI)
NDVIとは、Normalized Difference Vegetation Index (正規化
植生指標)の略です。植生の光合成の活性度によって、NDVI
の値は変化します。NDVIは、近赤外バンド(NIR)と赤バンド
(R)の値で計算します。
NDVI = (NIR - R) / (NIR + 1)
若葉と紅葉とでは、近赤外バンドと赤バンドで、反射に違いが表れる
健康な木の反射を
赤バンド: 0.05
近赤外バンド: 0.65
とすると
NDVIは、
(65 - 5) / (65 + 5)
= 0.86
紅葉が進んだ木の反射を
赤バンド: 0.38
近赤外バンド: 0.60
とすると
NDVIは、
(60 - 38) / (60 + 38)
= 0.22
植生からの反射により、NDVI値が変化する
ASTERのバンドを組み合わせることで、地表を解
析することができる
Reference “ASTER Mineral Index Processing Manual” compiled by Aleks Kalinowski and Simon Oliver
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NDVI

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    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 1 宇宙APIレシピ集
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    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) ➢ ポイント 1. このレシピでは、簡易的な数式で、ASTERデータから植 生の状況を把握する指標を計算することができます。 2. このレシピでは、植生による太陽光の反射の特徴を理解 するとともに、ASTERデータの基礎的な解析方法を身に 着けることができます。 ➢ 用意するもの 1. インターネットに接続できるPC 2. ASTERデータフォルスカラー画像 (参考: ASTERデータ フォルスカラー画像作成) 3. QGIS (参考: QGISインストール) ➢ 操作 1. ASTERデータフォルスカラー画像を用意します。 (参考: ASTERデータフォルスカラー画像作成) 2. QGISを起動します。 ASTERフォルスカラー画像 植生指標データの計算結果。青色は、植生が少なく(非 活性)、赤色になるについて植生が多い(活性) 2
  • 3.
    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) 3. QGISの上段にあるラスタ(R)から、ラスタ計算機を選択 します。 4. ラスタ計算機ポップウィンドウ上に、NDVIの式を入力し ます。 NDVI = (NIR - R) / (NIR + R) ASTERの場合 NDVI = (Band3 – Band2) / (Band3 + Band2) 5. ラスタ計算機ポップウィンドウ上の、出力レイヤを選択 します。任意のフォルダーを選択し、任意のファイル名 を入力します。 6. ラスタ計算機ポップウィンドウ上の、「OK」ボタンをク リックします。 5. 任意のファイル名を決 定する 4. NDVI計算式を入力する 6. 「OK」をクリックする 3
  • 4.
    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) 7. NDVIの計算結果(モノクロの画像)が表示されることを確 認します。例の場合、黒色が植生が少ない(非活性)部分を 示しており、白入りが植生が多い(活性)部分を示していま す。 森林におおわれている阿 蘇山の外輪山等は、白く 表示されている 阿蘇山山頂は、植生が少 ないため、黒く表示され ている その他、裸地や、利用さ れていない田畑も黒く表 示されている 4
  • 5.
    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) 8. 植生の活性度を色分けで見ていきます。 9. QGIS左段にある例やパネルから、NDVIの計算結果レイ ヤをダブルクリックします。 10.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、スタイルを選 択します。 11.バンド表示欄のレンダータイプより、単色バンド疑似カ ラーを選択します。 12.バンド表示欄の色より、好みのグラデーションを選択し ます。 13.バンド表示欄のモードより、等間隔を選択します。さら に、その隣にある分類数欄で、数字を設定します。数字 が大きければ、より細かい表示が可能です。 14.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、「適用」をク リックし、「OK」をクリックします。 植生指標データの計算結果。青色は、植生が少なく(非 活性)、赤色になるについて植生が多い(活性) 5
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    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) 15.(植生に覆われていない個所を調査するため)植生箇所をマ スクするデータを作成します。 16.閾値を決めます。閾値に満たない箇所は非植生域、閾値 以上の箇所は植生域とみなします。今回は、0.025としま す。 17.QGIS上段にある、ラスタ(R)から、ラスタ計算機を選択 します。 18.ラスタ計算機ポップウィンドウ上に、計算式を入力しま す。今回は、指標値が0.025以上の植生域をマスクするた め、下記の式を作成します。 Band1 of NDVI <= 0.025 19.ラスタ計算機ポップウィンドウ上の、「OK」をクリック します。 20.白色と黒色2色に識別された計算結果が表示されることを 確認します。 6
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    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) 21.QGIS左段にあるレイヤパネルより、計算結果レイヤをダ ブルクリックします。 22.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、透過性を選択 します。 23.データなしとする値欄に0を入力します。 24.レイヤプロパティポップウィンドウ上の、「適用」をク リックし、「OK」をクリックします。 ASTERデータのフォルスカラー画像と重ね合わせた結 果。植生域をマスクすることで、2016年に発生した熊 本地震による地滑りの跡を確認することができる 7
  • 8.
    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) 25.必要に応じて、地図を作成します。(参考: 地図作成) 2015年8月1日にASTERで観測した阿蘇山の外輪山 (左)。2016年7月18日にASTERで観測した阿蘇山の外輪山(右)。2016年7月 18日のASTERデータで解析したNDVI値で両方の植生部分をマスクすると、2016年の熊本地震で地滑りが起きた箇所や規模を 調べることができる。 8
  • 9.
    Copyright 2017. JapanSpace Systems. All Rights Reserved. 植生指標データ計算 (NDVI) ➢ まめちしき (NDVI) NDVIとは、Normalized Difference Vegetation Index (正規化 植生指標)の略です。植生の光合成の活性度によって、NDVI の値は変化します。NDVIは、近赤外バンド(NIR)と赤バンド (R)の値で計算します。 NDVI = (NIR - R) / (NIR + 1) 若葉と紅葉とでは、近赤外バンドと赤バンドで、反射に違いが表れる 健康な木の反射を 赤バンド: 0.05 近赤外バンド: 0.65 とすると NDVIは、 (65 - 5) / (65 + 5) = 0.86 紅葉が進んだ木の反射を 赤バンド: 0.38 近赤外バンド: 0.60 とすると NDVIは、 (60 - 38) / (60 + 38) = 0.22 植生からの反射により、NDVI値が変化する ASTERのバンドを組み合わせることで、地表を解 析することができる Reference “ASTER Mineral Index Processing Manual” compiled by Aleks Kalinowski and Simon Oliver 9