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Global Marketing Research
Landscape
 ESOMAR Industry Report 2011




 Kantar Japan Inc. 2012
1. マーケティング・リサーチの市場規模(世界)のトレンド

                                                              (単位: US million $)

                                   2006      2007   2008      2009        2010

        売上高                       26,732   30,665   33,134   29,624     31,232
        (Turnover)

        Net Growth Rate             3.5%     4.0%    0.4%    -4.6%        2.8%
        (為替レート・インフレーションレート調整済)




        地域別Net Growth Rate
                                   2009      2010

        世界                        -4.6%    2.8%
          ヨーロッパ                   -5.9%    1.0%
          北米                      -3.5%    3.1%
          アジア・パシフィック              -2.2%    3.5%
          ラテンアメリカ                 -4.6%    13.9%
          中東・アフリカ                -10.2%    4.3%
          日本                      -4.9%    2.3%


    出所: ESOMAR 2011

2
2. マーケティング・リサーチの国別 市場規模

                                           2010               2010 / 2009
                                                             対前年伸び率 %
                                    US$ million    %         (為替レート・インフ
                                                            レーションレート調整済)
                      全世界合計               31,232   100%          2.8%
                         国 別
                      1. アメリカ合衆国           9,915   32%           3.1%
                      2. イギリス              3,185   10%           -4.0%
                      3. ドイツ               2,889       9%        3.5%
                      4. フランス              2,533       8%        4.6%
                      5. 日本                1,916       6%        2.3%
                      6. 中国                1,114       4%        9.7%
                      7. ブラジル               815        3%       26.5%
                      8. イタリア               771        2%        5.2%
                      9. スペイン               736        2%        -4.2%
                      10. カナダ               699        2%        3.3%
                      11. オーストラリア           657        2%        -4.6%
                      12. メキシコ              429        1%        4.1%
                      13. スウェーデン            381        1%        -3.0%
                      14. オランダ              359        1%        2.4%
                      15. 韓国                338        1%        0.7%
                         ロシア                315                  9.1%
                         インド                197                  4.8%
                         南アフリカ              219                 16.4%

    出所: ESOMAR 2011

3
3. マーケティング・リサーチの人口1人当たりの売上高



    人口1人当たり上位20ヶ国 :
                      2010 (単位: US$)
       1. イギリス        51.2     11. オランダ       21.6
       2. スウェーデン      40.9     12. カナダ        20.5
       3. フランス        40.2     13. オーストリア     20.2
       4. ドイツ         35.4     14. アイルランド     19.3
       5. アメリカ合衆国     32.0     15. ニュージーランド   19.3
       6. ノルウェー       30.1     16. ベルギー       18.4
       7. オーストラリア     29.6     17. スペイン       16.4
       8. デンマーク       28.0     18. 日本         15.0
       9. スイス         25.1     19. ルクセンブルグ    14.2
      10. フィンランド      22.2     20. 韓国          6.9
                                  (中国          0.8 )




    出所: ESOMAR 2011

4
4. マーケティング・リサーチの売上と広告費の割合(主要国)



    広告費を100とした時のMRの売上の割合:
                        2010 (%)
       1. フランス        15.8%        カナダ       5.9%
       2. イギリス        14.4%        オーストラリア   5.4%
       3. ドイツ         12.2%        中国        5.3%
       4. スウェーデン      10.2%        日本        4.5%
       5. スペイン        9.5%
       6. ブラジル        7.7%
       7. 韓国          7.2%
       8. アメリカ合衆国     7.1%
       9. オランダ        6.7%
      10. イタリア        6.6%




    出所: ESOMAR 2011

5
5. 調査アプローチの国別比較(主要国) 【金額ベース】


                                         アメリカ                                     オースト
                      全世界       日本                 イギリス     フランス      ドイツ                 中国       韓国
                                         合衆国                                      ラリア
                       %        %         %         %         %         %          %        %        %

量的調査 全体                    76       85        75        79        40        92         61       77       80
    訪問面接                   12       15        0         16        11        19         7        33       60
    郵送                     4        11        2         9         1           6        2        1        0

    電話                     15       2         10        13        10        32         22       16       26

    オンライン                  22       40        20        23        16        35         29       5        1
    その他の量的調査(含CLT)         23       17        43        18        2           0        1        22       1
質的調査 全体                    17       13        25        10        10          7        32       23       18
    グループインタビュー             13       7         24     NA           5           2        19       9        11
    デプスインタビュー              2        4         0      NA           3           2        11       7        4
    その他の質的調査               2        2         1      NA           2           3        2        7        3
その他                        1        2         0         11        50          1        7        0        2




    出所: ESOMAR 2011

6
6. マーケティング・リサーチの取引先:業種別・売上構成比
       (主要国)

                                          アメリカ                                    オースト
       (合計: 100%)     全世界       日本                  イギリス     フランス      ドイツ                中国        韓国
                                          合衆国                                     ラリア
                       %         %         %         %         %         %         %         %        %

    製造業                    45        41        40        42        48        69        32        45       49
    B to B                 4         2         2         5         10        2         0         2        5
    広告代理店                  3         11        2         0         3         0         4         11       4
    媒体・メディア                15        5         29        10        4         7         2         16       3
    交通・電信・電話               7         5         3         12        7         9         8         6        5
    卸・小売                   5         3         6         4         8         1         4         3        4
    金融・証券                  5         2         3         8         7         2         13        4        7
    行政・公益                  9         7         9         16        6         2         26        2        14
    調査会社                   3         14        1         0         5         7         1         5        10
    その他                    5         10        5         3         2         1         10        6        10


                      2010      2009      2008      2006      2004      2002      2000      1995
    日本 (JMRA調べ)
                       11%       17%       19%       17%       19%       21%       24%       21%
    広告代理店

    出所: ESOMAR 2011

7
7. 日本:JMRA会員社 海外取引状況


     海外からの受注
    (Source: JMRA)                2010   2009   2008   2006   2004    2002   2000    1995

    取引社数                          39社    32社    31社    32社    36社     35社    28社     18社
    受注数(億円)                       44.5   33.2    40    66.8   48.6    61.5   51.7    15.2
    調査事業売上高に占める割合                 3.3%   2.5%   2.9%   4.6%   3.8%   5.5%    5.2%    2.6%


     海外への発注
    (Source: JMRA)                2010   2009   2008   2006   2004    2002   2000    1995

    取引社数                          26社    22社    19社    27社    20社     26社    21社     13社
    受注数(億円)                        16    13.2   17.6   73.7   53      24.8   21.2     6.9
    調査事業売上高に占める割合                 1.2%   1.0%   1.3%   5.1%   3.6%   2.2%    2.1%    1.2%


     海外からの受注の割合

                            日本     中国    韓国     ドイツ    フランス   インド    ブラジル    ロシア    南アフリカ
    (Source: ESOMAR 2011)

    国内で受注                   97%    87%   76%    71%    81%    73%    90%     70%     85%
    海外からの受注                 3%     13%   24%    29%    19%    27%    10%     30%     15%




8
8. 世界の調査会社 Top10 (2010)


                      Organization     売上   (US $ millions)   母国以外からの売上
              1. The Nielsen Company    4,958                    52%

              2. Kantar                 3,184                    75%

              3. IMS Health             2,212                    64%

              4. Gfk                    1,716                    74%

              5. IPSOS                  1,513                    91%

              6. Synovate                    885                 88%

              7. Symphony IRI                727                 37%

              8. Westat                      455                  -

              9. Intage                      416                 3%

             10. Arbitron                    395                 1%

                  Video Research             212                  -

                  Macromill                  115                  -



    出所: ESOMAR 2011

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世界のマーケティング・リサーチ
  業界の動向


  ESOMAR (ヨーロッパ世論、市場調査協会) 発行の 「Global Market Research」
  の 2008~2011年版の記事をベースに、“世界のMR業界 - 特に先進国のあいだで
  の最近のトレンド”、“今後の動向”についてまとめた。



Kantar Japan Inc. 2012
1. 順調な成長をとげていたMR業界は、2008年以降世界不
             況の影響を受けていたが2010年以降回復基調。
             特にBRICS。
             2005~2007年の世界のMR業界の成長率は6.6% (実質成長率は4%前
              後)。インターネット調査の普及による単価の下落があっても順調な成長。しか
              し、リーマンショックの影響は大きく、2009年は世界平均 -4.6%、北米 -3.5
              %、ヨーロッパ -5.9%、日本は -4.6%。
              ただし、2010年からは回復基調。南アメリカ (+13.9%) およびBRICSの伸
              びは著しい。(日本は東日本大震災の影響で回復が遅れる)

             世界のリサーチ業界のTopは将来にOptimistic.
                 クライアントは新しい情報を必要とする
                  - 消費者・マーケットは変った!
                 何が消費者に影響を与えたか・どう変わったか
                  について正確な情報とインサイトが必要
                 デジタル化の進展により一層スピーディで、
                  安価に、ソリューションが得られる
                 新しいテクノロジーが新たな市場を生む
                 ただし、Before - Afterは違う




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2. 業界内での統合、M&Aが進んだ。
             またこれからも再編が進む。

             MR企業はスケールメリット実現のため、M&Aを行い、クライアントに対し、より広
              範囲なサービス基盤と地域展開を提供。VNU(A.C Nielsen)、Ipsos、Gfk、
              Kantarなどがグローバルネットワークを構築。
              独立系もグローバルネットワークを構築する動き。

             MR業界トップ10企業のシェアのトレンドは次のとおり。5年後には
              3分の2程度と予測されている。

                 1991年      1998年       2007年      2010年    Top5社では
                                                               49%
                  36%        44%         50%         55%    (2007年: 38%)



             GfkのNOP、KantarのTNS、IPSOSのSynovateの買収等の大きな案件は
              稀。多くのM&Aは特定の分野や調査方法にUSPを持つローカル企業が対象に
              なる。TOP25社の買収は2008年(32件)、2009年(19件:リーマンショックで減
              少)、 2011年上半期(19件)

              N.B.) Top5社: Nielsen (16%), Kantar (12%),
                    IPSOS (8%), IMS Health (7%), Gfk (6%)

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3. M&AはMR業界内にとどまらない。


             着実な成長を遂げる優良MR企業に対し、大手の情報サービス企業や総合的
              なマーケティング企業、ベンチャーキャピタリスト達は、今まで以上に高い関心を
              寄せつつある。


              例:    McGraw Hill(国際的出版社であると共に、金融・情報・メ
                    ディアのプロバイダー)による J.D.Powerの買収
                    ベンチャーキャピタリストによるVNU(現在のThe Nielsen
                    Company)の買収(98億米ドル)
                    IMS Health: TPG Group / CPP Investboardに
                    買収される


             クライアント間の合併もMR業界にとって問題。
              ヘルスケア、テクノロジー、消費財各分野でクライアント間の合併が相次いだ。
              クライアントの合併が進めばリサーチ・バジェットが縮小。




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4. クライアントの取引条件での優位性は一層高まる。


             クライアントのサプライヤーに対するコスト管理の要求はますます厳しくなり、
              MR業界に対してもそれは例外ではない。

             グローバル企業のクライアントはサプライヤーの数を減らすことでリサーチ支出を
              一元化する傾向にある。

             取引相手となるのはグローバル展開しているMR企業が中心となり、ボリューム
              ディスカウントや独占権を見返りとしたディスカウントが行われている。




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5. オフショアリングとアウトソーシングが一層進み、
             今後も進展する。

             主力以外の事業を低コストの国へ移動(オフショアリング)、または外注(アウトソー
              シング)する傾向はMR業界においても例外ではない。同時に取引企業に値引き
              の圧力をかけられる。

             コストセービングの他に、リサーチ企業はよりプロフィットを得られる製品やサービス
              の開発に重点をおくことができる。
             時間短縮もキードライバー

             オフショアリングやアウトソーシングの行き先は、中国、インド、東ヨーロッパ諸国、
              南米。特にインドは知的水準の高さ、英語でのコミュニケーションで、とりわけ注目
              されている。

               アウトソーシングがすでに
                               アウトソーシングの成長分野          未開拓の分野
                確立されている分野

               データエントリー       レポート/チャート・グラフ作成    プロジェクト・マネジメント
               データ処理          パネル維持、管理           データマイニング
               集計プログラミング      レポート作成の自動化         パネルサービス
               CATI           分析機能               ITサポート




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6. MR業界で成功するビジネスモデル:
             マーケットインテリジェンスと新分野の拡充

             企業戦略やIT分野のコンサルティング企業が(マネジメントコンサルタント業の他に)
              MR業界に進出している一方、リサーチ企業はコンサルティング機能やシステム統合
              機能を発展させている。

             マーケティング・リサーチ業とコンサルタント業の一体化は大きなビジネス機会を生み
              出す。クライアントが求めているのは、MRに基づいた戦略アドバイス。

             これらのニューカマーと対抗するため、MR業界は :
               企業内に戦略部門やITコンサルティング部門を設置
               戦略、IT企業との連携、パートナーシップを検討/開始
               必要とされるビジネスインテリジェンス能力のある人材を採用・研修

             グローバルに展開するMR会社は、従来からの調査手法だけにではなく、自社の強
              みを増す会社に投資したり、統合している。
               ニューロサイエンスの会社
               データ分析の会社
               ブログ・バズ解析の会社


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7. リサーチャーのスキルセットも変化している。


             クライアントは単なるデータには満足せず、変化する経営環境においてビジネス
              上の意思決定を可能にする知識を要求するようになっている。
              リサーチャーは過去の出来事を確認するよりも、クライアントが将来を見据える
              ようなサポートの提供を求められている。(Insight + Foresight)

             MR会社はリサーチャーの業務を、より広いビジネスニーズ、ビジネス戦略やクラ
              イアントサービスと関連付けられるよう総合的な研修プログラムを行い、クライ
              アントの業界経験者や財務スキルのある人材の確保に努めている。




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8. テクノロジーの進歩がMR業界に変化をもたらしている。


             先進的なテクノロジーの急速な発展が新しい情報源や調査方法を拡げている。
                 e・エスノグラフィー、モバイル/スマートフォンによる調査
                 ブログ/SNSのテキストマイニング、MROC
                 クラウドソーシング(Crowd Sourcing)
                 ニューロサイエンス

             テクノロジーの進歩はMR会社にとり、
              Opportunities にも Threats にもなる。
                  ○   ビジネスのテリトリーを拡げるチャンス
                  ×   ニッチな調査会社/個人でもできる
                  ×   MR業界への参入障壁が低くなる

             コンピュータの処理能力の増大はマーケティング・サイエンス、リサーチサイエンス
              を変える。
              これまでにない緻密なモデルや予測ツールの活用が可能となる。
              (階層ベイズやコンジョイント分析関係、MaxDiffなど。)



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9. MR業界のリーダー達はMRの将来に自信を持っている。
             MR業界の強みは(あるいはMR業界だけができることは):

             データを本物のインサイトに変換する能力を備えているのはMR会社だけである。

             価値ある情報を提供するためには、信頼のあるデータ収集が基本。
              それができるのはMR会社だけ。

             MR会社だけが、誰もが信頼できる、正確で、独立した(第三者的な)情報を提供
              する。

             クライアントのニーズをよく把握し、クライアントの情報システムの中で、不可欠な
              一部とならなくてはいけない。

             クライアントは国際的な質が担保された、ローカルマーケットの知見に基づいたデ
              ータを必要としている。

             クライアントは彼等の固有のニーズと状況にカスタマイズした
              インサイトに満ちた解決策を望んでいる。
              また、それらが使いやすいツールで、早く、安く提供されることを
              望んでいる。


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10. 競争環境のまとめ(マイケル・ポーターの5 Forcesで)
              従来のフレームワークの中では生きていけない!
                              Ⅰ. 新規参入の脅威
                        • MR業界以外からのMR会社のM&A
                        • インターネットリサーチ専門会社
                        • コンサルティング会社の参入
                        • 企業戦略専門会社の参入
                        • IT分野のコンサルティング企業の参入
                        • いくつかの情報ソースや調査手法を組み
                          合わせた分析サービス



    Ⅴ. サプライヤーの交渉力       Ⅱ. 既存企業同士のポジション争い            Ⅳ. 顧客(クライアント)の交渉力
• オフショア                 • MR業界の成長が止まり、リステージの         • リサーチによるニーズの高度化・複雑化
• アウトソーシング                段階へ                          (コンサル、情報システム etc.)
  データ処理、プログラミング         • 業界内での統合/M&A                • クライアントの大量・一括購入
  レポート、チャート作成等          • クライアントとのインターフェイス改善         • クライアントのM&Aによる少数化/
  (スイッチングコストが安い)        • コンサルティング機能のアップ               巨大化
  業者間の競合関係強く、サプラ
( イヤーの交渉力は強くない      )   • システム統合機能のアップ
                        • 有能な人材の確保・教育
                                                     • クライアントのグローバライゼーション
                                                     • 取引先を変えるコストが安い
                        • 特定のセグメントへのフォーカス



                        Ⅲ. 代替製品や代替サービスの脅威
                        • フリーサーベイのサイト
                        • Webでの分析ツール
                        • 技術革新・人工知能
                        • 新しいテクノロジーによる従来とは違う
                          データの提供(Big data, MROCなど)
                        • 戦略コンサルタントの参入



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マーケティング・リサーチ業界: SWOT分析

                   Strengths                    Weaknesses
      Quality (品質):                Communicating research value
      正しいプロセスから信頼できる情報が収集され、それ      (調査の価値の伝達):
      を分析することで、真の問題解決に至り、正しい決断      調査の真の価値をクライアント(特に購買のプロ)に教育す
      を導く。                          る能力が不足。しばしば調査に“自信がない”とみられる。
      Reputation (評判):             Compromising on Quality (品質をおとしめる):
      MR業界はその手法が科学的根拠にもとづき、業界       時にスタンダードから外れる事があり、業務全体のイメージ
      のコードやガイドラインにより、一層確かなものとされ、    を落としている。特にサンプリング方法、長たらしい調査票、
      クライアントの信頼を導く。                 実査でのミス、レポートのミス等。トレーニング不足、調査
                                    予算のカット、時間の無さ等から問題が起きるのか?


                 Opportunities                     Threats
      Advances in Technology       DIY Research (DIYリサーチ):
      (テクノロジーの進化):                  リセッション中、クライアントは調査バジェットを減らすため
      テクノロジーの進化は、MR業界にとっては、更なる飛     に1つは(余剰)人員を増やし、代わりに外部への発注を
      躍のチャンス。新しい測定対象、調査アプローチの拡      減らしたり、あるいはフリーサーベイや、安いDIYリサーチ
      張、対象者との新しい関係、及び新しい人材を生み       を使い、内省化を進めている。
      出す。この変化はインターネットやモバイルの浸透、モ     Research as a commodity
      バイルのデバイスやオンラインプラットホームの進化に     (リサーチのコモディディ化):
      より加速される。
                                    長引く不況の影響から、リサーチに重きを置かなくなってき
      Social Media (ソーシャルメディア):    ている。結果、リサーチバイヤーは調査価格やタイミングで
      ソーシャルメディアのブームは対象者への接触の機会      プレッシャーをかけ、コモディティ化が進む。
      を増やし、観察調査を可能にしたり、消費者と共創す
      るプロセスを創る原動力となる。



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変るリサーチャーの仕事。
望まれるリサーチャーとは?
マーケティングのパラダイムシフト

                      今まで                                これから
           ピラミッド型人口構成                       少子多老型人口構成
           右上がり成長市場                         平行移動成熟市場
           マス・マーケティング                       パーソナル・マーケティング
           リアル市場                            リアル市場とサイバー市場の共存
           企業目線 (プロダクトアウト)                  生活者目線 (マーケットイン → 共創)
           企業ニーズの充足                         顧客ニーズの充足
           機能的価値の追求                         普遍的価値 (真に快適で幸せな生活)の追求
           取引主体のマーケティング                     関係性マーケティング
           資産の所有                            ブランドの所有
           マーケットシェアの追求                      顧客シェアの追求
           新規顧客の獲得                          顧客の維持・顧客満足
           マーケターからの一方通行型コミュニケーション           顧客対話型(双方向)コミュニケーション
           断続的マーケティングコミュニケーション              総合的マーケティングコミュニケーション(IMC)
           伝達はマスメディア                        伝達は多様なコンタクトポイント
           単一チャンネルマーケティング                   マルチ・チャンネル
           価格は原価主義で決定                       価格は消費者価値で決定
           販売データ                            顧客データ



                                     出典)   P・コトラー : 「コトラーのマーケティング講義」および
                                           上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)から
23
     23
調査テーマのシフト




                    今まで                     これから
            意識化された消費者の意見を聴取    + 無意識のニーズをインサイト
            仮説検証だけが科学的な調査      + 仮設の発見を重視
            言語反応               + ノンバーバルな行動を観察
            構成的な調査票            + 生活者の自発的な反応を解析




                               出典)   朝野照彦著書 : 「アンケート調査入門」を一部改編


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     24
クライアントのリサーチ部門の機能の変化

            企業におけるリサーチ部門の機能は、会社がリサーチ部門に何を
            期待するかによるが・・・

            一般的に期待されていることは・・・
                 トップマネジメントの意思決定システムへの参画
                 経営戦略、マーケティング戦略を支援する情報の収集と分析、報告
                 マーケティング活動の効果・効率の評価(マーケティングROI)
                 戦略内容を支援する発案能力
                 消費者・顧客の動向に関する分析力、洞察力
                 リサーチスペシャリスト集団としての研究開発力


            【最近の傾向】
                                         マーケティング・インテリジェンス部
                                         経営戦略本部 ビジネスナレッジ
                市場調査部
                                         コンシューマー ナレッジ&インサイツ
             マーケティングリサーチ部
                                         コンシューマー&マーケット インテリジェンス
                                         市場情報室



25
     25
リサーチャーの「気質」のシフト


                    今まで            現在・これから
           調査道を究める          情報の効率的収集を研究する
           作品を時間をかけて仕上げる    リアルタイムに情報を処理する
           一発必勝             連発で勝利
           仕事は格闘技           仕事はチームプレー
           師匠と弟子            コンピュータ&インターネットと自分
           調査計画は方法論から始める    調査計画はクライアント・ニーズから始める
           数値データを伝える        解決型のマーケティング情報・知恵を伝える
           品質至上主義           + 意思決定至上主義
           標本の代表性を重視        + ピンポイントセグメントの重視
           統計学の重視           + 認知科学の重視
           仮設の検証            + 課題の発見




26
     26
リサーチャーとしての心得
            リサーチャーは、建築家であり、大工であるべき。すなわち、広い視野に立つ調査の全体
             設計者であるとともに、個別作業の技術者でもあるべき。
            リサーチャーは、優れた調査をするため、少なくとも、マーケティング全般と統計の知識、
             生活者の視点をもつこと。
            消費者行動とマーケティングに関する知識、それらとマーケティング・リサーチの関係を理
             解することも重要。
            データのファイル屋にならず、意思決定への強力なサポーターになること。
            事実の単なる羅列より、結果のインサイトを重視すること。クライアントのニーズは調査を
             実施することではなく、インサイトとガイダンス。
            技法の選択より、マーケティング課題を理解し、的確な調査目的の決定を先に行うこと。

            科学的、論理的なアプローチをすること。

            企業内のリサーチャーは社内の関係部門をよく理解し、彼らと協働すること。

            新手法・新発想の導入に敏感なこと。実験魂を持つこと。

            プロジェクトを高品質に維持すること。

            経費に見合う情報価値の提供を心がけること。

            データの機密保持に徹すること。

                                   上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 を一部改編

27
     27
リサーチャーへの教訓

          1   リサーチャーは、信頼できるデータの提供を最優先に考えること。

              調査計画時の問題の定義づけが大切であって、それが終われば、問題の半分は解けた
          2   も同じと考えてよい。

          3   調査で解決すべき課題が完全にクリアになるまで、つぎのステップに移ってはいけない。

          4   マーケティング課題の解決が主眼であって、手段となる技法に目を奪われてはいけない。

          5   解決すべき課題に対してもっともシンプルなソリューションを探すこと。

          6   データをどういじっても集めたもの以外は出てこないことを承知すること。

          7   先人が残した知識と経験の上に立っていることを忘れてはならない。

          8   調査結果の要点を短時間に意思決定者に伝えられるよう努力すること。

          9   むずかしい調査用語を使って、相手を煙に巻いてはいけない。



                                   出典)   上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)

28
     28
リサーチャーの望ましい資質とは・・・
                    1   企業行動を理解しマーケティング視点に立脚している。

                    2   消費者の心理や行動に強い関心がある

                    3   論理的思考・科学的思考ができる。
             素養関係
                    4   一歩踏み出す勇気・チャレンジ精神が旺盛である。

                    5   サービス精神(情報提供の)がある

                    6   責任感が強い

                    7   調査の企画・設計に優れている

                    8   実査・集計業務に明るい。

             能力関係   9   分析力、要約力に優れている。(‘理由’をいえる)

                    10 文章表現が豊かである。

                    11 数字に明るい。

                    12 問題点を完全に解決しようとする気持ちが強い。
             態度関係
                    13 クライアント(社内・社外)を支援しようとする気持ちが強い

                            出典)   上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)を一部改編

29
     29
ビジネスインサイトを導く

               ビジネスインサイトが降りてくる
              新しい切り口の見える瞬間


           (個人・チームの引き出し) 知識・経験・感性



           消費者行動の   マーケティング      発想法
             知識       の知識




            調査・観察の実施。消費者インサイトを探る



                問題意識 (個人・チームの)


30
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  • 1. Global Marketing Research Landscape ESOMAR Industry Report 2011 Kantar Japan Inc. 2012
  • 2. 1. マーケティング・リサーチの市場規模(世界)のトレンド (単位: US million $) 2006 2007 2008 2009 2010 売上高 26,732 30,665 33,134 29,624 31,232 (Turnover) Net Growth Rate 3.5% 4.0% 0.4% -4.6% 2.8% (為替レート・インフレーションレート調整済) 地域別Net Growth Rate 2009 2010 世界 -4.6% 2.8% ヨーロッパ -5.9% 1.0% 北米 -3.5% 3.1% アジア・パシフィック -2.2% 3.5% ラテンアメリカ -4.6% 13.9% 中東・アフリカ -10.2% 4.3% 日本 -4.9% 2.3% 出所: ESOMAR 2011 2
  • 3. 2. マーケティング・リサーチの国別 市場規模 2010 2010 / 2009 対前年伸び率 % US$ million % (為替レート・インフ レーションレート調整済) 全世界合計 31,232 100% 2.8% 国 別 1. アメリカ合衆国 9,915 32% 3.1% 2. イギリス 3,185 10% -4.0% 3. ドイツ 2,889 9% 3.5% 4. フランス 2,533 8% 4.6% 5. 日本 1,916 6% 2.3% 6. 中国 1,114 4% 9.7% 7. ブラジル 815 3% 26.5% 8. イタリア 771 2% 5.2% 9. スペイン 736 2% -4.2% 10. カナダ 699 2% 3.3% 11. オーストラリア 657 2% -4.6% 12. メキシコ 429 1% 4.1% 13. スウェーデン 381 1% -3.0% 14. オランダ 359 1% 2.4% 15. 韓国 338 1% 0.7% ロシア 315 9.1% インド 197 4.8% 南アフリカ 219 16.4% 出所: ESOMAR 2011 3
  • 4. 3. マーケティング・リサーチの人口1人当たりの売上高 人口1人当たり上位20ヶ国 : 2010 (単位: US$) 1. イギリス 51.2 11. オランダ 21.6 2. スウェーデン 40.9 12. カナダ 20.5 3. フランス 40.2 13. オーストリア 20.2 4. ドイツ 35.4 14. アイルランド 19.3 5. アメリカ合衆国 32.0 15. ニュージーランド 19.3 6. ノルウェー 30.1 16. ベルギー 18.4 7. オーストラリア 29.6 17. スペイン 16.4 8. デンマーク 28.0 18. 日本 15.0 9. スイス 25.1 19. ルクセンブルグ 14.2 10. フィンランド 22.2 20. 韓国 6.9 (中国 0.8 ) 出所: ESOMAR 2011 4
  • 5. 4. マーケティング・リサーチの売上と広告費の割合(主要国) 広告費を100とした時のMRの売上の割合: 2010 (%) 1. フランス 15.8% カナダ 5.9% 2. イギリス 14.4% オーストラリア 5.4% 3. ドイツ 12.2% 中国 5.3% 4. スウェーデン 10.2% 日本 4.5% 5. スペイン 9.5% 6. ブラジル 7.7% 7. 韓国 7.2% 8. アメリカ合衆国 7.1% 9. オランダ 6.7% 10. イタリア 6.6% 出所: ESOMAR 2011 5
  • 6. 5. 調査アプローチの国別比較(主要国) 【金額ベース】 アメリカ オースト 全世界 日本 イギリス フランス ドイツ 中国 韓国 合衆国 ラリア % % % % % % % % % 量的調査 全体 76 85 75 79 40 92 61 77 80 訪問面接 12 15 0 16 11 19 7 33 60 郵送 4 11 2 9 1 6 2 1 0 電話 15 2 10 13 10 32 22 16 26 オンライン 22 40 20 23 16 35 29 5 1 その他の量的調査(含CLT) 23 17 43 18 2 0 1 22 1 質的調査 全体 17 13 25 10 10 7 32 23 18 グループインタビュー 13 7 24 NA 5 2 19 9 11 デプスインタビュー 2 4 0 NA 3 2 11 7 4 その他の質的調査 2 2 1 NA 2 3 2 7 3 その他 1 2 0 11 50 1 7 0 2 出所: ESOMAR 2011 6
  • 7. 6. マーケティング・リサーチの取引先:業種別・売上構成比 (主要国) アメリカ オースト (合計: 100%) 全世界 日本 イギリス フランス ドイツ 中国 韓国 合衆国 ラリア % % % % % % % % % 製造業 45 41 40 42 48 69 32 45 49 B to B 4 2 2 5 10 2 0 2 5 広告代理店 3 11 2 0 3 0 4 11 4 媒体・メディア 15 5 29 10 4 7 2 16 3 交通・電信・電話 7 5 3 12 7 9 8 6 5 卸・小売 5 3 6 4 8 1 4 3 4 金融・証券 5 2 3 8 7 2 13 4 7 行政・公益 9 7 9 16 6 2 26 2 14 調査会社 3 14 1 0 5 7 1 5 10 その他 5 10 5 3 2 1 10 6 10 2010 2009 2008 2006 2004 2002 2000 1995 日本 (JMRA調べ) 11% 17% 19% 17% 19% 21% 24% 21% 広告代理店 出所: ESOMAR 2011 7
  • 8. 7. 日本:JMRA会員社 海外取引状況  海外からの受注 (Source: JMRA) 2010 2009 2008 2006 2004 2002 2000 1995 取引社数 39社 32社 31社 32社 36社 35社 28社 18社 受注数(億円) 44.5 33.2 40 66.8 48.6 61.5 51.7 15.2 調査事業売上高に占める割合 3.3% 2.5% 2.9% 4.6% 3.8% 5.5% 5.2% 2.6%  海外への発注 (Source: JMRA) 2010 2009 2008 2006 2004 2002 2000 1995 取引社数 26社 22社 19社 27社 20社 26社 21社 13社 受注数(億円) 16 13.2 17.6 73.7 53 24.8 21.2 6.9 調査事業売上高に占める割合 1.2% 1.0% 1.3% 5.1% 3.6% 2.2% 2.1% 1.2%  海外からの受注の割合 日本 中国 韓国 ドイツ フランス インド ブラジル ロシア 南アフリカ (Source: ESOMAR 2011) 国内で受注 97% 87% 76% 71% 81% 73% 90% 70% 85% 海外からの受注 3% 13% 24% 29% 19% 27% 10% 30% 15% 8
  • 9. 8. 世界の調査会社 Top10 (2010) Organization 売上 (US $ millions) 母国以外からの売上 1. The Nielsen Company 4,958 52% 2. Kantar 3,184 75% 3. IMS Health 2,212 64% 4. Gfk 1,716 74% 5. IPSOS 1,513 91% 6. Synovate 885 88% 7. Symphony IRI 727 37% 8. Westat 455 - 9. Intage 416 3% 10. Arbitron 395 1% Video Research 212 - Macromill 115 - 出所: ESOMAR 2011 9
  • 10. 世界のマーケティング・リサーチ 業界の動向 ESOMAR (ヨーロッパ世論、市場調査協会) 発行の 「Global Market Research」 の 2008~2011年版の記事をベースに、“世界のMR業界 - 特に先進国のあいだで の最近のトレンド”、“今後の動向”についてまとめた。 Kantar Japan Inc. 2012
  • 11. 1. 順調な成長をとげていたMR業界は、2008年以降世界不 況の影響を受けていたが2010年以降回復基調。 特にBRICS。  2005~2007年の世界のMR業界の成長率は6.6% (実質成長率は4%前 後)。インターネット調査の普及による単価の下落があっても順調な成長。しか し、リーマンショックの影響は大きく、2009年は世界平均 -4.6%、北米 -3.5 %、ヨーロッパ -5.9%、日本は -4.6%。 ただし、2010年からは回復基調。南アメリカ (+13.9%) およびBRICSの伸 びは著しい。(日本は東日本大震災の影響で回復が遅れる)  世界のリサーチ業界のTopは将来にOptimistic.  クライアントは新しい情報を必要とする - 消費者・マーケットは変った!  何が消費者に影響を与えたか・どう変わったか について正確な情報とインサイトが必要  デジタル化の進展により一層スピーディで、 安価に、ソリューションが得られる  新しいテクノロジーが新たな市場を生む  ただし、Before - Afterは違う 11 11
  • 12. 2. 業界内での統合、M&Aが進んだ。 またこれからも再編が進む。  MR企業はスケールメリット実現のため、M&Aを行い、クライアントに対し、より広 範囲なサービス基盤と地域展開を提供。VNU(A.C Nielsen)、Ipsos、Gfk、 Kantarなどがグローバルネットワークを構築。 独立系もグローバルネットワークを構築する動き。  MR業界トップ10企業のシェアのトレンドは次のとおり。5年後には 3分の2程度と予測されている。 1991年 1998年 2007年 2010年 Top5社では 49% 36% 44% 50% 55% (2007年: 38%)  GfkのNOP、KantarのTNS、IPSOSのSynovateの買収等の大きな案件は 稀。多くのM&Aは特定の分野や調査方法にUSPを持つローカル企業が対象に なる。TOP25社の買収は2008年(32件)、2009年(19件:リーマンショックで減 少)、 2011年上半期(19件) N.B.) Top5社: Nielsen (16%), Kantar (12%), IPSOS (8%), IMS Health (7%), Gfk (6%) 12 12
  • 13. 3. M&AはMR業界内にとどまらない。  着実な成長を遂げる優良MR企業に対し、大手の情報サービス企業や総合的 なマーケティング企業、ベンチャーキャピタリスト達は、今まで以上に高い関心を 寄せつつある。 例:  McGraw Hill(国際的出版社であると共に、金融・情報・メ ディアのプロバイダー)による J.D.Powerの買収  ベンチャーキャピタリストによるVNU(現在のThe Nielsen Company)の買収(98億米ドル)  IMS Health: TPG Group / CPP Investboardに 買収される  クライアント間の合併もMR業界にとって問題。 ヘルスケア、テクノロジー、消費財各分野でクライアント間の合併が相次いだ。 クライアントの合併が進めばリサーチ・バジェットが縮小。 13 13
  • 14. 4. クライアントの取引条件での優位性は一層高まる。  クライアントのサプライヤーに対するコスト管理の要求はますます厳しくなり、 MR業界に対してもそれは例外ではない。  グローバル企業のクライアントはサプライヤーの数を減らすことでリサーチ支出を 一元化する傾向にある。  取引相手となるのはグローバル展開しているMR企業が中心となり、ボリューム ディスカウントや独占権を見返りとしたディスカウントが行われている。 14 14
  • 15. 5. オフショアリングとアウトソーシングが一層進み、 今後も進展する。  主力以外の事業を低コストの国へ移動(オフショアリング)、または外注(アウトソー シング)する傾向はMR業界においても例外ではない。同時に取引企業に値引き の圧力をかけられる。  コストセービングの他に、リサーチ企業はよりプロフィットを得られる製品やサービス の開発に重点をおくことができる。  時間短縮もキードライバー  オフショアリングやアウトソーシングの行き先は、中国、インド、東ヨーロッパ諸国、 南米。特にインドは知的水準の高さ、英語でのコミュニケーションで、とりわけ注目 されている。 アウトソーシングがすでに アウトソーシングの成長分野 未開拓の分野 確立されている分野  データエントリー  レポート/チャート・グラフ作成  プロジェクト・マネジメント  データ処理  パネル維持、管理  データマイニング  集計プログラミング  レポート作成の自動化  パネルサービス  CATI  分析機能  ITサポート 15 15
  • 16. 6. MR業界で成功するビジネスモデル: マーケットインテリジェンスと新分野の拡充  企業戦略やIT分野のコンサルティング企業が(マネジメントコンサルタント業の他に) MR業界に進出している一方、リサーチ企業はコンサルティング機能やシステム統合 機能を発展させている。  マーケティング・リサーチ業とコンサルタント業の一体化は大きなビジネス機会を生み 出す。クライアントが求めているのは、MRに基づいた戦略アドバイス。  これらのニューカマーと対抗するため、MR業界は :  企業内に戦略部門やITコンサルティング部門を設置  戦略、IT企業との連携、パートナーシップを検討/開始  必要とされるビジネスインテリジェンス能力のある人材を採用・研修  グローバルに展開するMR会社は、従来からの調査手法だけにではなく、自社の強 みを増す会社に投資したり、統合している。  ニューロサイエンスの会社  データ分析の会社  ブログ・バズ解析の会社 16 16
  • 17. 7. リサーチャーのスキルセットも変化している。  クライアントは単なるデータには満足せず、変化する経営環境においてビジネス 上の意思決定を可能にする知識を要求するようになっている。 リサーチャーは過去の出来事を確認するよりも、クライアントが将来を見据える ようなサポートの提供を求められている。(Insight + Foresight)  MR会社はリサーチャーの業務を、より広いビジネスニーズ、ビジネス戦略やクラ イアントサービスと関連付けられるよう総合的な研修プログラムを行い、クライ アントの業界経験者や財務スキルのある人材の確保に努めている。 17 17
  • 18. 8. テクノロジーの進歩がMR業界に変化をもたらしている。  先進的なテクノロジーの急速な発展が新しい情報源や調査方法を拡げている。  e・エスノグラフィー、モバイル/スマートフォンによる調査  ブログ/SNSのテキストマイニング、MROC  クラウドソーシング(Crowd Sourcing)  ニューロサイエンス  テクノロジーの進歩はMR会社にとり、 Opportunities にも Threats にもなる。 ○ ビジネスのテリトリーを拡げるチャンス × ニッチな調査会社/個人でもできる × MR業界への参入障壁が低くなる  コンピュータの処理能力の増大はマーケティング・サイエンス、リサーチサイエンス を変える。 これまでにない緻密なモデルや予測ツールの活用が可能となる。 (階層ベイズやコンジョイント分析関係、MaxDiffなど。) 18 18
  • 19. 9. MR業界のリーダー達はMRの将来に自信を持っている。 MR業界の強みは(あるいはMR業界だけができることは):  データを本物のインサイトに変換する能力を備えているのはMR会社だけである。  価値ある情報を提供するためには、信頼のあるデータ収集が基本。 それができるのはMR会社だけ。  MR会社だけが、誰もが信頼できる、正確で、独立した(第三者的な)情報を提供 する。  クライアントのニーズをよく把握し、クライアントの情報システムの中で、不可欠な 一部とならなくてはいけない。  クライアントは国際的な質が担保された、ローカルマーケットの知見に基づいたデ ータを必要としている。  クライアントは彼等の固有のニーズと状況にカスタマイズした インサイトに満ちた解決策を望んでいる。 また、それらが使いやすいツールで、早く、安く提供されることを 望んでいる。 19 19
  • 20. 10. 競争環境のまとめ(マイケル・ポーターの5 Forcesで) 従来のフレームワークの中では生きていけない! Ⅰ. 新規参入の脅威 • MR業界以外からのMR会社のM&A • インターネットリサーチ専門会社 • コンサルティング会社の参入 • 企業戦略専門会社の参入 • IT分野のコンサルティング企業の参入 • いくつかの情報ソースや調査手法を組み 合わせた分析サービス Ⅴ. サプライヤーの交渉力 Ⅱ. 既存企業同士のポジション争い Ⅳ. 顧客(クライアント)の交渉力 • オフショア • MR業界の成長が止まり、リステージの • リサーチによるニーズの高度化・複雑化 • アウトソーシング 段階へ (コンサル、情報システム etc.) データ処理、プログラミング • 業界内での統合/M&A • クライアントの大量・一括購入 レポート、チャート作成等 • クライアントとのインターフェイス改善 • クライアントのM&Aによる少数化/ (スイッチングコストが安い) • コンサルティング機能のアップ 巨大化 業者間の競合関係強く、サプラ ( イヤーの交渉力は強くない ) • システム統合機能のアップ • 有能な人材の確保・教育 • クライアントのグローバライゼーション • 取引先を変えるコストが安い • 特定のセグメントへのフォーカス Ⅲ. 代替製品や代替サービスの脅威 • フリーサーベイのサイト • Webでの分析ツール • 技術革新・人工知能 • 新しいテクノロジーによる従来とは違う データの提供(Big data, MROCなど) • 戦略コンサルタントの参入 20
  • 21. マーケティング・リサーチ業界: SWOT分析 Strengths Weaknesses  Quality (品質):  Communicating research value 正しいプロセスから信頼できる情報が収集され、それ (調査の価値の伝達): を分析することで、真の問題解決に至り、正しい決断 調査の真の価値をクライアント(特に購買のプロ)に教育す を導く。 る能力が不足。しばしば調査に“自信がない”とみられる。  Reputation (評判):  Compromising on Quality (品質をおとしめる): MR業界はその手法が科学的根拠にもとづき、業界 時にスタンダードから外れる事があり、業務全体のイメージ のコードやガイドラインにより、一層確かなものとされ、 を落としている。特にサンプリング方法、長たらしい調査票、 クライアントの信頼を導く。 実査でのミス、レポートのミス等。トレーニング不足、調査 予算のカット、時間の無さ等から問題が起きるのか? Opportunities Threats  Advances in Technology  DIY Research (DIYリサーチ): (テクノロジーの進化): リセッション中、クライアントは調査バジェットを減らすため テクノロジーの進化は、MR業界にとっては、更なる飛 に1つは(余剰)人員を増やし、代わりに外部への発注を 躍のチャンス。新しい測定対象、調査アプローチの拡 減らしたり、あるいはフリーサーベイや、安いDIYリサーチ 張、対象者との新しい関係、及び新しい人材を生み を使い、内省化を進めている。 出す。この変化はインターネットやモバイルの浸透、モ  Research as a commodity バイルのデバイスやオンラインプラットホームの進化に (リサーチのコモディディ化): より加速される。 長引く不況の影響から、リサーチに重きを置かなくなってき  Social Media (ソーシャルメディア): ている。結果、リサーチバイヤーは調査価格やタイミングで ソーシャルメディアのブームは対象者への接触の機会 プレッシャーをかけ、コモディティ化が進む。 を増やし、観察調査を可能にしたり、消費者と共創す るプロセスを創る原動力となる。 21
  • 23. マーケティングのパラダイムシフト 今まで これから  ピラミッド型人口構成  少子多老型人口構成  右上がり成長市場  平行移動成熟市場  マス・マーケティング  パーソナル・マーケティング  リアル市場  リアル市場とサイバー市場の共存  企業目線 (プロダクトアウト)  生活者目線 (マーケットイン → 共創)  企業ニーズの充足  顧客ニーズの充足  機能的価値の追求  普遍的価値 (真に快適で幸せな生活)の追求  取引主体のマーケティング  関係性マーケティング  資産の所有  ブランドの所有  マーケットシェアの追求  顧客シェアの追求  新規顧客の獲得  顧客の維持・顧客満足  マーケターからの一方通行型コミュニケーション  顧客対話型(双方向)コミュニケーション  断続的マーケティングコミュニケーション  総合的マーケティングコミュニケーション(IMC)  伝達はマスメディア  伝達は多様なコンタクトポイント  単一チャンネルマーケティング  マルチ・チャンネル  価格は原価主義で決定  価格は消費者価値で決定  販売データ  顧客データ 出典) P・コトラー : 「コトラーのマーケティング講義」および 上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)から 23 23
  • 24. 調査テーマのシフト 今まで これから  意識化された消費者の意見を聴取  + 無意識のニーズをインサイト  仮説検証だけが科学的な調査  + 仮設の発見を重視  言語反応  + ノンバーバルな行動を観察  構成的な調査票  + 生活者の自発的な反応を解析 出典) 朝野照彦著書 : 「アンケート調査入門」を一部改編 24 24
  • 25. クライアントのリサーチ部門の機能の変化 企業におけるリサーチ部門の機能は、会社がリサーチ部門に何を 期待するかによるが・・・ 一般的に期待されていることは・・・  トップマネジメントの意思決定システムへの参画  経営戦略、マーケティング戦略を支援する情報の収集と分析、報告  マーケティング活動の効果・効率の評価(マーケティングROI)  戦略内容を支援する発案能力  消費者・顧客の動向に関する分析力、洞察力  リサーチスペシャリスト集団としての研究開発力 【最近の傾向】  マーケティング・インテリジェンス部  経営戦略本部 ビジネスナレッジ 市場調査部  コンシューマー ナレッジ&インサイツ マーケティングリサーチ部  コンシューマー&マーケット インテリジェンス  市場情報室 25 25
  • 26. リサーチャーの「気質」のシフト 今まで 現在・これから  調査道を究める  情報の効率的収集を研究する  作品を時間をかけて仕上げる  リアルタイムに情報を処理する  一発必勝  連発で勝利  仕事は格闘技  仕事はチームプレー  師匠と弟子  コンピュータ&インターネットと自分  調査計画は方法論から始める  調査計画はクライアント・ニーズから始める  数値データを伝える  解決型のマーケティング情報・知恵を伝える  品質至上主義  + 意思決定至上主義  標本の代表性を重視  + ピンポイントセグメントの重視  統計学の重視  + 認知科学の重視  仮設の検証  + 課題の発見 26 26
  • 27. リサーチャーとしての心得  リサーチャーは、建築家であり、大工であるべき。すなわち、広い視野に立つ調査の全体 設計者であるとともに、個別作業の技術者でもあるべき。  リサーチャーは、優れた調査をするため、少なくとも、マーケティング全般と統計の知識、 生活者の視点をもつこと。  消費者行動とマーケティングに関する知識、それらとマーケティング・リサーチの関係を理 解することも重要。  データのファイル屋にならず、意思決定への強力なサポーターになること。  事実の単なる羅列より、結果のインサイトを重視すること。クライアントのニーズは調査を 実施することではなく、インサイトとガイダンス。  技法の選択より、マーケティング課題を理解し、的確な調査目的の決定を先に行うこと。  科学的、論理的なアプローチをすること。  企業内のリサーチャーは社内の関係部門をよく理解し、彼らと協働すること。  新手法・新発想の導入に敏感なこと。実験魂を持つこと。  プロジェクトを高品質に維持すること。  経費に見合う情報価値の提供を心がけること。  データの機密保持に徹すること。 上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 を一部改編 27 27
  • 28. リサーチャーへの教訓 1 リサーチャーは、信頼できるデータの提供を最優先に考えること。 調査計画時の問題の定義づけが大切であって、それが終われば、問題の半分は解けた 2 も同じと考えてよい。 3 調査で解決すべき課題が完全にクリアになるまで、つぎのステップに移ってはいけない。 4 マーケティング課題の解決が主眼であって、手段となる技法に目を奪われてはいけない。 5 解決すべき課題に対してもっともシンプルなソリューションを探すこと。 6 データをどういじっても集めたもの以外は出てこないことを承知すること。 7 先人が残した知識と経験の上に立っていることを忘れてはならない。 8 調査結果の要点を短時間に意思決定者に伝えられるよう努力すること。 9 むずかしい調査用語を使って、相手を煙に巻いてはいけない。 出典) 上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版) 28 28
  • 29. リサーチャーの望ましい資質とは・・・ 1 企業行動を理解しマーケティング視点に立脚している。 2 消費者の心理や行動に強い関心がある 3 論理的思考・科学的思考ができる。 素養関係 4 一歩踏み出す勇気・チャレンジ精神が旺盛である。 5 サービス精神(情報提供の)がある 6 責任感が強い 7 調査の企画・設計に優れている 8 実査・集計業務に明るい。 能力関係 9 分析力、要約力に優れている。(‘理由’をいえる) 10 文章表現が豊かである。 11 数字に明るい。 12 問題点を完全に解決しようとする気持ちが強い。 態度関係 13 クライアント(社内・社外)を支援しようとする気持ちが強い 出典) 上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)を一部改編 29 29
  • 30. ビジネスインサイトを導く ビジネスインサイトが降りてくる 新しい切り口の見える瞬間 (個人・チームの引き出し) 知識・経験・感性 消費者行動の マーケティング 発想法 知識 の知識 調査・観察の実施。消費者インサイトを探る 問題意識 (個人・チームの) 30
  • 31. 31 Presentation example to Kantar Companies