More Related Content More from Yasushi Hara (20) 神奈川大学 経営学総論 A 2014 05_075. 講義スケジュール前期前半
(1) 4/9 イントロダクション: 「経営」ってなんだろう? 授業計画、評価方法
について
(2) 4/16 「経営学」とは? 経営学と経済学の違い
(3) 4/23 「組織」と「戦略」: ヒト、モノ、カネ、情報で読み解く企業
[以上、教科書第一章]
(4) 4/30 組織 (1) : 個人行動と集団行動
(5) 5/7 組織 (2) : リーダーシップ
[以上、教科書第二章]
(6) 5/14 組織 (3) : 組織構造
(7) 5/21 組織 (4) : 組織のデザイン
[以上、教科書第三章]
(8) 5/28 中間テスト
6. 講義スケジュール前期後半
(9) 6/4 戦略 (1) : 資源戦略
(10) 6/11 戦略 (2) : 競争戦略
(11) 6/18 戦略 (3) : ドメイン戦略
[以上、教科書第四章]
(12) 6/25 組織と戦略 : 組織論と戦略論の変遷
(教科書下巻 pp.137-151)
(13) 7/2 組織と戦略 : イノベーションと企業組織、戦略
(『イノベーション・マネジメント』, 配布資料)
(14) 7/9 企業倫理/コーポレート・ガバナンス
(配布資料)
(15) 7/16 期末試験
• 公式な試験日は7/30 ですが、国際学会@ドイツ に出席する必要があるため講義
内に期末試験を行います.
11. リーダーシップとは?
• 1. 経営理念 (ミッション)
• 2. ビジョン構築
• 「今を越えたものの見方」、独創性と野心、そして自組織の能力をよりどころとして、未来を創造
的に見ること
• 組織の変化 (変革) について、あるべき姿を明示する
• 組織のメンバーが共鳴できる「未来予想図」
• 3. 組織を動かすコミュニケーションの実現
• 組織を動かしていくべき方向について、構成員とコミュニケーションを取る
• 相互理解、相互信頼を実現する
• 組織を変化させビジョンを実現するには、抵抗勢力と戦う必要がある
• 威嚇するのではなく、コミュニケーションによって変化を生み出す
• Ex.) 組織内での優先順位を伝える、実践的な言葉で伝える
• 4. 組織メンバーによる実行
• リーダーの言葉を基に、個々の業務を実行し経営理念の実現に繋げる
12. リーダーシップに係わる誤解
• 1.) リーダーシップを階層と結びつけて考える => No!
• 偉い人がリーダーというわけではなく、業務の改善に主体的に取り組んだ時
点でそのひとにはリーダーの能力がある
• 2.) リーダーシップは天賦の才能を持つか否かに左右される => No!
• リーダーはカリスマである必要はない
• リーダーには訓練すればなれる(かもしれない)
• 3.) リーダーシップを発揮するには、特定の有名人のモノマネをすれ
ばよい => No!
• みんなが本田宗一郎やカルロスゴーンやホリエモンになれるわけではない
• リーダーシップスタイルは個人に特有のもの (自分なりのスタイルを見つける
必要がある)
18. ケースミッドウェー海戦
• 日本軍の敗因
• 山本五十六と南雲忠一中将とのコ
ミュニケーション不足
• 山本が考えた作戦の目的
• 「敵の太平洋艦隊の空母を根こそぎ轟
沈させる」
• 「ミッドウェーの占領そのものは目的で
はなく、それによって空母を誘い出し、
航空決戦を仕掛けることが目的」
• 南雲が受け止めた作戦の目的
• 「作戦目的はミッドウェーの攻略にあり、
アメリカ軍の機動部隊はミッドウェー陥
落後に行動を開始するので重視する
必要はない」
• 目的と手段が入れ違う
• アメリカ軍の勝因
• チェスターW ミニッツとレイモンド・A・
スプルーアンスの綿密なコミュニケー
ション
• 戦略における微妙なニュアンス (暗黙
知) を共有できた
• 急な組織変更にも対応できた
• “ミッドウェー海戦が始まる直前、病の
ウイリアム・F・ハルゼー提督にかわっ
て空母二隻を主力とする第16任務部
隊司令官に抜擢されても、抜群の働き
ができた”
19. フロネシスリーダー
• フロネティックリーダー5つの条
件
1. 「善い」目的をつくる能力
2. 場をタイムリーに作る能力
3. ありのままの現実を直感する能
力
4. 直感の本質を概念化する能力
5. 概念を実現する政治力
6. 実践知を組織化する能力
• アリストテレスの5つの知
フロネシス
(実践的知恵)
テクネ
(実践的知識)
エピステーメ
(客観的知識)
ヌース(知性)
ソフィア(真理を見
極める能力)
フロネシス: 豊かな思慮
分別を持ち、一刻ごとに
変わるそのつどの文脈
に応じた最適な判断や
行為を行うこと
20. チャーチル
• チャーチル (イギリス首相)
• 1. 民主主義という公共善を守るた
め、対ドイツ戦を決意する
• 2. 「見える首相」であることに気を
配り、共感のための場作りを行う
• 3. 頻繁に現場に足を運び、軍司
令官と対話する
• 4. 歴史という大きな物語のなかに
自分を位置づける
• 5. 国防相を兼務しつつ、たえず現
場との対話を重ねる
• 6. 人材抜擢を積極的に行う
A pessimist sees the difficulty in every
opportunity; an optimist sees the
opportunity in every difficulty.
Winston Churchill
21. • 中間試験
• マークシート方式
• 期末試験
• 定期試験時にヨーロッパ出張がはいりそうなので、15回目で実施します。
• 講義資料のアップロード先
• Facebook Page
• http://www.facebook.com/businesstheoryk2014
• SlideShare
• http://www.slideshare.net/yasushihara/presentations
• DotCampus
• 講義人数が固まりつつあるので、利用を開始します
22. テスト対策
• 中間試験
• 水2: 10:50-11:50 [60分] (10:30 –
12:00)
• 水3: 13:20-14:20 [60分] (13:00 –
14:30)
• 試験範囲
• 教科書 pp.1-140
• スライド(いままでに配ったもの)
• 問題の形式
• マークシート
• 持ち込み不可
• 教科書は読んでおくこと
• 具体的な例を挙げられるようにす
ること
• 用語とその意味が対応付けられ
るようにしておくこと
• Ex. 「ドメイン戦略」ってどういう意
味?
• 考える問題 (応用問題) もちょっ
とだけ
• 期末は応用問題のみ
27. フィードラーのコンティジェンシー理論
• A. (1) 仕事志向のリーダーシップ, (2) 関係性志向のリーダーシップ
の2つに分類
• B. 状況好意性: リーダーシップの有効性に係わる条件
• A.とB. にもとづき,
• リーダー=メンバー関係
• タスク構造
• 地位パワー
で分類する (教科書p.77-78)
29. パワーの源泉
• リーダーは組織内で影響力を行
使する
• 「A がB に依存しているとき、Bは
A に対してパワーを持っている」
• 例1. 上島が肥後リーダーに(ネタ
のオチを付けるため)依存してい
るとき、肥後は上島に対してパ
ワーを持っている
• 例2. ピッチャー澤村は打者を抑え
るためにはキャッチャー阿部の
リードを必要としている。このとき、
阿部は澤村に対してパワーを
持っている。
30. パワーの源泉
• 強制的パワー
• 恐怖に基づくパワー
• 他人による処罰を恐れる場合、その人に対する依存性が高くなる
• 例.) 上司の評価が悪くなると給料が低くなる可能性があるので、部下は上司の言う
ことをきく
• 例2.) 先生からの印象が悪くなると単位が貰えない可能性があるので、授業中は先
生のよくわからない話をきく(?)
• 報償的パワー
• プラスの期待便益に基づくパワー
• プラスの期待便益: 昇給, 昇進, 高い評価, (期待している場所への)配置転換、集
団への受容
※. インフォーマルなリーダーがこれらのパワーを発揮する場合もある
31. パワーの源泉
• 正統的パワー
• 組織階層の上にいる人間からのパワー
• 上長が部下に対して保持するパワー
• 肩書きにもとづき発揮されるもの
• 専門的パワー
• 専門家が保持するパワー
• 専門知識や特殊なスキル、情報に基づくパワー
• 同一的パワー
• “I wanna be adored”
• 尊敬すべき特定個人に対してその人に同一化したいという個人の欲求に基
づくパワー
32. コンフリクト解消
• コンフリクト (conflict) : 目標の不一致、意見や解釈の違い、利害の
対立、紛争あるいは戦争
• コンフリクトに対する3つの解釈
• 否定派: コンフリクトは事前に防止すべき
• 中立派: コンフリクトは自然に発生するもの
• 営業と生産部門では諍いが起きるもの
• 肯定派: コンフリクトがあるからこそ新しいものは生まれる
• 「意見の齟齬や対立があってはじめて想像が生まれる」
• ただの仲良しグループからは新しいものは生まれない
• でも、対立させるだけではなくそれを解消する方法を見つける必要がある
35. 管理者のスキル
• 管理者 (マネージャー) : 人々の努力を結集して目標遂行を
はかるひと
• 管理者の機能 (ファヨール)
• 1. 計画: 目標を決め, 戦略を立て, 実行計画の体系をつくる
• 2. 組織: タスクとその担当者を決め, 関係性を設定する
• 3. 指揮: 一定の方向に人々を導き, 活動の調整をする
• 4. 統制: 設定された目標に沿っているかどうか, 活動結果を評価
し調整すること
36. 管理者のスキル
• 管理者の役割 (ミンツバーグ 1973)
• 対人関係の処理: メンバーの説得や
会議の主導, 内外のひとと関係を持
つ
• 情報の管理: 情報の監視, 収集と解
析, 情報発信
• 意思決定: 新企画のスタート, トラブ
ル解決
• 管理者のスキルや技能 (Katz)
• テクニカル・スキル: 技術的な問題の
解決能力
• 特定の所与の問題について、答えを
導き出す能力
• 知識ベースの適用能力
• ヒューマン・スキル: 人間関係の能力
• 与えられた問題を、組織を活用して解
決していく能力
• 社会的経験が必要
• コンセプチュアル・スキル: 構想力
• 問題発見・解決能力
• (問題を与えられるのではなく) 自分で
問題を設定して、それを解くための仮
説を立て、解くための能力
38. 組織文化の類型
• 組織文化 (ディールとケネディ)
マッチョ文化
主な産業: 出版, 広告代理店, 映画会社
・個人主義
・スピード重視
・ギャンブル性 (がんがんいこうぜ)
・競争を重視
会社を賭ける文化
主な産業: エネルギー、素材メーカー
・慎重な気風 (いのちだいじに)
・集団による会議を通じた分析的決定
・情報重視
・熟練
「よく働きよく遊ぶ」文化
主な産業: 販売会社
・努力することが大切
・集団の一体感を重視 (みんななかよく)
・スタミナ重視
手続き文化
主な産業: 電力、ガス、銀行、保険
・手続き
・慣例
・技術的な完璧さ
仕事の成果をすぐに得られる 仕事の成果を得るまでに時間がかかる
高リスク低リスク
42. 今月の予定
• 次回 5/14
• 組織の構造
• 教科書 pp.97-121 を読んでおくこと
• 次々回 5/21
• 組織のデザイン
• 教科書 pp.122-140 を読んでおくこと
• 中間試験 5/28
43. 連絡方法
• 神奈川大には 10:30-14:30 しかいません
• 非常勤のためオフィスアワーを設定できませんので、以下の手段で
ご連絡ください。
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