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アレルギー性鼻炎診療ガイドライン
2013年度版を中心とした花粉症治療の動向




         2013/03


                   Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
はじめに

 花粉症をもっと知ることで、賢く、楽に過ごすこと
  は、社会生活上の生産性と、生活の質を上げ、か
  つ、医療費を抑えることにも繋がる余地があるは
  ず

目次
 抗原(花粉)の除去・回避
 治療方法
 民間療法(≠治療)



                 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
花粉症対策の第一歩は、抗原の除去・回避

      鼻に入る抗原(花粉)の量を減らすことは、最優先

       ① 花粉情報に注意する
       ② 飛散の多い時の外出を控える、外出時にマスク・メガネ
         を着用する
       ③ 外出時、けばだった毛織物などのコートの使用は避ける
       ④ 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいを
         し、鼻をかむ
       ⑤ 飛散の多い時は、窓・戸を閉めておく
       ⑥ 飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける
       ⑦ 掃除を励行する。特に窓際を念入りに
出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版   Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①テレビ、インターネットで最新の花粉情報を

 気象協会やウェザーニューズの情報が分かりや
  すい




           日本気象協会                              ウェザーニューズ
http://season.tenki.jp/season/pollen/   http://weathernews.jp/pollen/
                                         Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①テレビ、インターネットで最新の花粉情報を

 環境省は精緻なのかもしれないが見づらい・重い




       環境省 http://kafun.taiki.go.jp/
                               Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①携帯コンテンツ、アプリも充実

      携帯で最新情報をこまめにチェックするのもオス
       スメ




ウェザーニューズ
http://weathernews.jp/door/html/pollen_contents/

                                                                                Apple Store iPhone App


                                                   Android Play Store
                                                   Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
②マスク、メガネは着用方法をしっかり守る

マスク
 「雨の後はぴったりフィット」
(出所:NHKためしてガッテン   http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20130213.html)

 立体型、プリーツ型、どちらも効果は同程度。家
  に帰ったら・室内に入ったら、捨てること(1日1回
  と言わず、こまめに)

メガネ
 花粉症対策メガネ、最
  近は、見た目もおしゃ
  れに
                                        http://www.jins-jp.com/functional/kafun/
                                       Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
花粉症治療は、薬と手術(レーザー等)

      即効性の高い治療と、そうでないものがあること
       を理解し、勝手な判断で治療を中断しない!

      ①薬物療法
      ②アレルゲン免疫療法
      ③手術療法
    ガイドラインで言及されているポイント
    • 抗原回避は必ず行う
    • レーザー手術、化学剤手術の翌年以後への効果の継続は確認されていない。
      シーズン中の手術は避けるべき
    • アレルゲン免疫療法も選択肢のひとつ。スギの抗原は日本で唯一標準化され
      ている
出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版   Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①薬物療法は、いつ始めるか、どんな薬を使うか、
     早めに医師に相談することが重要

      症状が出始める前に治療を始めると楽にシーズ
       ンを過ごせる
                                                         シーズン中
                 初期療法
                                       軽症                   中等症                         重症・最重症

                                            第2世代抗ヒスタミン薬
                                   必要に応じて
                                 鼻噴霧用ステロイド薬                        鼻噴霧用ステロイド薬
 くしゃみ・鼻水型、
   鼻づまり型
    共通          遊離抑制薬
                                            点眼用抗ヒスタミン薬または遊離抑制薬
                                                                                      またはステロイド薬

               抗LTs薬、抗PGD2・
               TXA2薬、Th2サイト
               カイン阻害薬のい
                                                             抗LTs薬または抗PGD2・TXA2薬
   鼻づまり型           ずれか

                           遊離抑制薬:ケミカルメディエーター遊離抑制薬                                    必要に応じて点鼻用血管
                           抗LTs薬:抗ロイコトリエン薬                                           収縮薬、経口ステロイド薬
                           抗PGD2・TXA2薬:抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬
出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版                                Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①市販されている第2世代抗ヒスタミン薬

     医療用と同じ成分が入っている薬は、ドラッグスト
      アでも売れ筋商品。CMがたくさん流れている




               似た名前で似た商品が多く売られているので、買うと
               きは必ず薬剤師に相談することをお勧めする
出所:各社ホームページ等           Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①鼻噴霧用ステロイド薬の普及

     鼻噴霧用ステロイド薬は、即効性はないものの、
      使い続けることで、症状を抑えることができる




出所:各社ホームページ等       Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①鼻噴霧用ステロイド薬の使い方ポイント

     ポイントを守ることで、かなり高い効果が期待でき
      る
       使い方を守る
          使うタイミングや量、噴霧方法をしっかり守らないと効果がきちんと表れな
          いばかりか、害になることも

       鼻をよくかんでから使う
          鼻がつまっているときや、鼻水がたまっているときに噴霧しても効果があ
          まり期待できません

       勝手に止めない
          即効性はないため、使ったあとに「効かない」と勝手に判断せず、医師の
          指示に従って継続して使用する

出所:弊社調査                       Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①新しく登場した薬「ディレグラ」

      成分だけで言えば、「アレグラ」+「エスタック鼻炎
       カプセル」




         くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つの症状を抑えることができるとのこと。
         ただ、発売したばかりということで、長期服用などの実績がない等、
         不安要素もあるため、良い事ずくめではなさそう




出所:サノフィ株式会社 ホームページ等           Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①2013年版診療ガイドラインでは、妊婦向けの情
     報等が充実している
      妊娠5ヶ月までは原則薬物を避け、それ以降も鼻噴霧用
       の薬の一部を最少量で使用することをすすめている
              表36 妊婦へのアレルギー性鼻炎用薬剤投与のリスク(1)




                  * デキサメタゾンシペンシル酸エステルについてはオーストラリア基準・FDA基準がなく,妊婦への投与については貼付文書中
                   に下記のような記載がある。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合
                   にのみ投与すること。[本剤は動物実験で胚・胎児死亡率の増加(ウサギ),生存胎児数減少(ウサギ),生存胎児体重の低
                   下(ラット,ウサギ),骨化進行度への影響(ラット,ウサギ)および流産(ウサギ)が報告されている。なお,本剤の動物
                   実験では催奇形性は認められていないが,一般に,グルココルチコイドは動物に対して催奇形性を有するとされている。]


出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版                                 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①2013年版診療ガイドラインでは、妊婦向けの情
     報等が充実している


             表36 妊婦へのアレルギー性鼻炎用薬剤投与のリスク(2)




                 オーストラリア医薬品評価委員会とFDA Pregnancy Categoryの分類基準は,どちらもA,B,C,D,Xの5段階に分類されている
                 ため類似している印象があるが,Cの定義が両者で全く異なる(詳細は表を参照).実際の症例において投与薬剤を選択する際
                 には,その薬剤が分類されるカテゴリーの定義を正確に把握すると同時に,その医薬品情報を個別に確認することが必要である。




出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版                                       Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
①2013年版診療ガイドラインでは、妊婦向けの情
     報等が充実している


             表36 妊婦へのアレルギー性鼻炎用薬剤投与のリスク (3)




出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版                     Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
②アレルゲン免疫療法(減感作療法)は今後の期待大

      今のところ、唯一の根治療法(完全に治る治療法)
      2,3年かけて治療を行う
      ただし、治らない人もいる点はあらかじめ頭に入れて
       おくべき
                                  特徴                    費用負担


                              効果が高い           保険適用される
         注射療法                   痛い        1回500円程度(3割負担額)
                              通院が必要          年1~1.5万円程度


                                                保険適用外
                         注射ほど効果が高くない
                                          (2013年中の保険適用を目
         舌下療法                痛くない
                                                指している)
                          通院の必要性が低い
                                              年5~10万円以上
出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版、弊社調査資料        Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
③手術療法の第一目的は鼻づまりの改善
     完治はしない!!
      鼻づまりが理由で薬が効かない人は手術の適応
       が検討される
      手術では完治しない点は十分理解を
      費用はレーザー手術で6,000円~1万円程度(3割
       負担)
                              レーザー手術法
             鼻粘膜の縮小と変調を目      電気凝固法
                的とした手術        超音波メス凝固法
                              80%トリクロール酢酸塗布法、等

                            粘膜下下鼻甲介切除術
            鼻腔の改善を目的とした鼻
                            鼻中隔矯正術
                腔修正術
                            下鼻甲介粘膜切除術、等

            鼻水の改善を目的とした手    Vidian神経切断術
                 術          後鼻神経切断術

出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版             Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
民間療法はガイドラインで一切言及されていない

      ガイドラインでは、甜茶もヨーグルトも、一切触れ
       られていない


      参考) PubMedで「pollen allergy」+キーワードで検索すると・・・

       ヨーグルト(yogurt)
         7件。すべての論文でAuthorに日本人が含まれている。L-55乳酸
         菌等のプロバイオティクスに関するものが多い
       茶(tea)
         8件。うち1件は独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
         野菜茶業研究所による「べにふうき」に関する論文
       鍼治療(acupuncture)
         51件。症状改善に効果的という論文も見られる


出所:PubMedによる弊社調査                   Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
民間療法の話題には注意が必要

     溢れている情報の中から、信頼出来るものを得る
      には、相当な注意が必要と思われる
    民間療法は信用しない方が賢明だ。プロバイオティクス効果を狙ったヨーグルトな
    どの乳製品を使う治療やアロマテラピーなどは、効いたと思わせることがある。し
    かし、実際の効果には疑問符が付くものもある。出所:日本経済新聞 2013年2月5日
    ⇒「効いた」のではなく、「効いたと思わせている」とのこと。プラセボ効果と言われても仕方ないレベルも多いに違いない



    すり潰したイチゴから抽出した液を加えると、アレルギーの引き金となる物質「I
    gE抗体」が減少し、イチゴの成分を分析した結果、「GAPDH」という酵素が
    作用していることがわかった。(中略)一日に「とよのか」(1個15グラム)を
    20個以上、1週間以上続けて食べる必要があるという。 出所:読売新聞 2012年
    6月22日
    ⇒イチゴをたくさん食べるだけなら、悪い影響も考えにくいが、1日20個は下手をするとお腹を壊しそう。そして懐にも優し
     くなさそう。


    口呼吸で花粉症が治る(南雲吉則氏著書「20歳若く見えるために私が実践している
    100の習慣」) ⇔ 鼻呼吸でアレルギー体質が改善(西原研究所・西原克成所長)
    ⇒真逆のことがどちらも効果的と言われている。どっちを信用するかは・・・あなた次第


出所:各種資料                                Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
民間療法の活用は「過信しないこと」

 花粉症は立派な「アレルギー疾患」。民間療法の
  前に、病院や薬局で、医師・薬剤師に相談すべき
 民間療法で、はっきりと効果があるもの(誰しもが
  効果を認められるもの)は無いに等しい
 花粉症の症状が悪化した場合、民間療法は即中
  断し、改善しない場合、医療機関に相談を
 インターネットや書籍、テレビの情報を鵜呑みにし
  ない。特に、個人の「効いた」「効かない」を信用す
  ることは危険(テレビであっても、個人の感想を紹
  介しているレベルのものが多い点では信頼性は
  低いと言わざるを得ない)

                Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
最新版ガイドラインを手元に

 医療者でもない限り、ガイドライン自体を手元に
  置く必要はないものの、ガイドラインを元にした一
  般向けガイドは参考になる




鼻アレルギー診療ガイドライン   鼻アレルギー診療ガイドライン              アレルギー性鼻炎ガイド
     2013年版        2013年版 ダイジェスト                2013年版
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問い合わせ先
 080-6559-1717
info@meditur.jp




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花粉症について(診療ガイドライン2013の動向)

  • 2. はじめに  花粉症をもっと知ることで、賢く、楽に過ごすこと は、社会生活上の生産性と、生活の質を上げ、か つ、医療費を抑えることにも繋がる余地があるは ず 目次  抗原(花粉)の除去・回避  治療方法  民間療法(≠治療) Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 3. 花粉症対策の第一歩は、抗原の除去・回避  鼻に入る抗原(花粉)の量を減らすことは、最優先 ① 花粉情報に注意する ② 飛散の多い時の外出を控える、外出時にマスク・メガネ を着用する ③ 外出時、けばだった毛織物などのコートの使用は避ける ④ 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいを し、鼻をかむ ⑤ 飛散の多い時は、窓・戸を閉めておく ⑥ 飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける ⑦ 掃除を励行する。特に窓際を念入りに 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 4. ①テレビ、インターネットで最新の花粉情報を  気象協会やウェザーニューズの情報が分かりや すい 日本気象協会 ウェザーニューズ http://season.tenki.jp/season/pollen/ http://weathernews.jp/pollen/ Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 5. ①テレビ、インターネットで最新の花粉情報を  環境省は精緻なのかもしれないが見づらい・重い 環境省 http://kafun.taiki.go.jp/ Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 6. ①携帯コンテンツ、アプリも充実  携帯で最新情報をこまめにチェックするのもオス スメ ウェザーニューズ http://weathernews.jp/door/html/pollen_contents/ Apple Store iPhone App Android Play Store Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 7. ②マスク、メガネは着用方法をしっかり守る マスク  「雨の後はぴったりフィット」 (出所:NHKためしてガッテン http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20130213.html)  立体型、プリーツ型、どちらも効果は同程度。家 に帰ったら・室内に入ったら、捨てること(1日1回 と言わず、こまめに) メガネ  花粉症対策メガネ、最 近は、見た目もおしゃ れに http://www.jins-jp.com/functional/kafun/ Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 8. 花粉症治療は、薬と手術(レーザー等)  即効性の高い治療と、そうでないものがあること を理解し、勝手な判断で治療を中断しない! ①薬物療法 ②アレルゲン免疫療法 ③手術療法 ガイドラインで言及されているポイント • 抗原回避は必ず行う • レーザー手術、化学剤手術の翌年以後への効果の継続は確認されていない。 シーズン中の手術は避けるべき • アレルゲン免疫療法も選択肢のひとつ。スギの抗原は日本で唯一標準化され ている 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 9. ①薬物療法は、いつ始めるか、どんな薬を使うか、 早めに医師に相談することが重要  症状が出始める前に治療を始めると楽にシーズ ンを過ごせる シーズン中 初期療法 軽症 中等症 重症・最重症 第2世代抗ヒスタミン薬 必要に応じて 鼻噴霧用ステロイド薬 鼻噴霧用ステロイド薬 くしゃみ・鼻水型、 鼻づまり型 共通 遊離抑制薬 点眼用抗ヒスタミン薬または遊離抑制薬 またはステロイド薬 抗LTs薬、抗PGD2・ TXA2薬、Th2サイト カイン阻害薬のい 抗LTs薬または抗PGD2・TXA2薬 鼻づまり型 ずれか 遊離抑制薬:ケミカルメディエーター遊離抑制薬 必要に応じて点鼻用血管 抗LTs薬:抗ロイコトリエン薬 収縮薬、経口ステロイド薬 抗PGD2・TXA2薬:抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 10. ①市販されている第2世代抗ヒスタミン薬  医療用と同じ成分が入っている薬は、ドラッグスト アでも売れ筋商品。CMがたくさん流れている 似た名前で似た商品が多く売られているので、買うと きは必ず薬剤師に相談することをお勧めする 出所:各社ホームページ等 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 11. ①鼻噴霧用ステロイド薬の普及  鼻噴霧用ステロイド薬は、即効性はないものの、 使い続けることで、症状を抑えることができる 出所:各社ホームページ等 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 12. ①鼻噴霧用ステロイド薬の使い方ポイント  ポイントを守ることで、かなり高い効果が期待でき る  使い方を守る 使うタイミングや量、噴霧方法をしっかり守らないと効果がきちんと表れな いばかりか、害になることも  鼻をよくかんでから使う 鼻がつまっているときや、鼻水がたまっているときに噴霧しても効果があ まり期待できません  勝手に止めない 即効性はないため、使ったあとに「効かない」と勝手に判断せず、医師の 指示に従って継続して使用する 出所:弊社調査 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 13. ①新しく登場した薬「ディレグラ」  成分だけで言えば、「アレグラ」+「エスタック鼻炎 カプセル」 くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つの症状を抑えることができるとのこと。 ただ、発売したばかりということで、長期服用などの実績がない等、 不安要素もあるため、良い事ずくめではなさそう 出所:サノフィ株式会社 ホームページ等 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 14. ①2013年版診療ガイドラインでは、妊婦向けの情 報等が充実している  妊娠5ヶ月までは原則薬物を避け、それ以降も鼻噴霧用 の薬の一部を最少量で使用することをすすめている 表36 妊婦へのアレルギー性鼻炎用薬剤投与のリスク(1) * デキサメタゾンシペンシル酸エステルについてはオーストラリア基準・FDA基準がなく,妊婦への投与については貼付文書中 に下記のような記載がある。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合 にのみ投与すること。[本剤は動物実験で胚・胎児死亡率の増加(ウサギ),生存胎児数減少(ウサギ),生存胎児体重の低 下(ラット,ウサギ),骨化進行度への影響(ラット,ウサギ)および流産(ウサギ)が報告されている。なお,本剤の動物 実験では催奇形性は認められていないが,一般に,グルココルチコイドは動物に対して催奇形性を有するとされている。] 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 15. ①2013年版診療ガイドラインでは、妊婦向けの情 報等が充実している 表36 妊婦へのアレルギー性鼻炎用薬剤投与のリスク(2) オーストラリア医薬品評価委員会とFDA Pregnancy Categoryの分類基準は,どちらもA,B,C,D,Xの5段階に分類されている ため類似している印象があるが,Cの定義が両者で全く異なる(詳細は表を参照).実際の症例において投与薬剤を選択する際 には,その薬剤が分類されるカテゴリーの定義を正確に把握すると同時に,その医薬品情報を個別に確認することが必要である。 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 16. ①2013年版診療ガイドラインでは、妊婦向けの情 報等が充実している 表36 妊婦へのアレルギー性鼻炎用薬剤投与のリスク (3) 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 17. ②アレルゲン免疫療法(減感作療法)は今後の期待大  今のところ、唯一の根治療法(完全に治る治療法)  2,3年かけて治療を行う  ただし、治らない人もいる点はあらかじめ頭に入れて おくべき 特徴 費用負担 効果が高い 保険適用される 注射療法 痛い 1回500円程度(3割負担額) 通院が必要 年1~1.5万円程度 保険適用外 注射ほど効果が高くない (2013年中の保険適用を目 舌下療法 痛くない 指している) 通院の必要性が低い 年5~10万円以上 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版、弊社調査資料 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 18. ③手術療法の第一目的は鼻づまりの改善 完治はしない!!  鼻づまりが理由で薬が効かない人は手術の適応 が検討される  手術では完治しない点は十分理解を  費用はレーザー手術で6,000円~1万円程度(3割 負担)  レーザー手術法 鼻粘膜の縮小と変調を目  電気凝固法 的とした手術  超音波メス凝固法  80%トリクロール酢酸塗布法、等  粘膜下下鼻甲介切除術 鼻腔の改善を目的とした鼻  鼻中隔矯正術 腔修正術  下鼻甲介粘膜切除術、等 鼻水の改善を目的とした手  Vidian神経切断術 術  後鼻神経切断術 出所:鼻アレルギー診療ガイドライン 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 19. 民間療法はガイドラインで一切言及されていない  ガイドラインでは、甜茶もヨーグルトも、一切触れ られていない 参考) PubMedで「pollen allergy」+キーワードで検索すると・・・  ヨーグルト(yogurt) 7件。すべての論文でAuthorに日本人が含まれている。L-55乳酸 菌等のプロバイオティクスに関するものが多い  茶(tea) 8件。うち1件は独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所による「べにふうき」に関する論文  鍼治療(acupuncture) 51件。症状改善に効果的という論文も見られる 出所:PubMedによる弊社調査 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 20. 民間療法の話題には注意が必要  溢れている情報の中から、信頼出来るものを得る には、相当な注意が必要と思われる 民間療法は信用しない方が賢明だ。プロバイオティクス効果を狙ったヨーグルトな どの乳製品を使う治療やアロマテラピーなどは、効いたと思わせることがある。し かし、実際の効果には疑問符が付くものもある。出所:日本経済新聞 2013年2月5日 ⇒「効いた」のではなく、「効いたと思わせている」とのこと。プラセボ効果と言われても仕方ないレベルも多いに違いない すり潰したイチゴから抽出した液を加えると、アレルギーの引き金となる物質「I gE抗体」が減少し、イチゴの成分を分析した結果、「GAPDH」という酵素が 作用していることがわかった。(中略)一日に「とよのか」(1個15グラム)を 20個以上、1週間以上続けて食べる必要があるという。 出所:読売新聞 2012年 6月22日 ⇒イチゴをたくさん食べるだけなら、悪い影響も考えにくいが、1日20個は下手をするとお腹を壊しそう。そして懐にも優し くなさそう。 口呼吸で花粉症が治る(南雲吉則氏著書「20歳若く見えるために私が実践している 100の習慣」) ⇔ 鼻呼吸でアレルギー体質が改善(西原研究所・西原克成所長) ⇒真逆のことがどちらも効果的と言われている。どっちを信用するかは・・・あなた次第 出所:各種資料 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 21. 民間療法の活用は「過信しないこと」  花粉症は立派な「アレルギー疾患」。民間療法の 前に、病院や薬局で、医師・薬剤師に相談すべき  民間療法で、はっきりと効果があるもの(誰しもが 効果を認められるもの)は無いに等しい  花粉症の症状が悪化した場合、民間療法は即中 断し、改善しない場合、医療機関に相談を  インターネットや書籍、テレビの情報を鵜呑みにし ない。特に、個人の「効いた」「効かない」を信用す ることは危険(テレビであっても、個人の感想を紹 介しているレベルのものが多い点では信頼性は 低いと言わざるを得ない) Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 22. 最新版ガイドラインを手元に  医療者でもない限り、ガイドライン自体を手元に 置く必要はないものの、ガイドラインを元にした一 般向けガイドは参考になる 鼻アレルギー診療ガイドライン 鼻アレルギー診療ガイドライン アレルギー性鼻炎ガイド 2013年版 2013年版 ダイジェスト 2013年版 Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.
  • 23. 問い合わせ先 080-6559-1717 info@meditur.jp Copyright (C) 2013 Meditur Co., Ltd. All Rights Reserved.