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法学学習につながる
「大学生活入門」を!
~若手教員が学生の伴走者となる本を書いた理由~
福岡大学法学部FD 2019/02/20
千葉大学 准教授 横田明美
本スライドも一部写真を除き公開予定です ↓
https://www.slideshare.net/akemiyokota83
Ⅰ はじめに
自己紹介
横田明美 博士(法学)
行政法→環境法・情報法・消費者法
2006卒 2008卒 2013年学位取得
法学部→法科大学院→ 博士課程
(*2005年~2008年1月:旧ブログ運営)
研究者としての専門分野:
『義務付け訴訟の機能』(弘文堂、2017年)
↓ 環境法・消費者法・情報法の架橋へ
「ロボット・AIの行政規制」
弥永真生・宍戸常寿(編)『ロボット・AIと法』
(有斐閣、2018年) など
p.2
本日のロードマップ
• 50分ほど:講演パート
– 〈内なる声〉もメモしておこう
• ちょっとした疑問や感想、?や☆だけでもOK!
• 10分:質問シートを書いてみよう
– 見出し(主張)+根拠(理由・証拠)を書こう
• 5分:~報告者による順序入れ替え~
• 残り:質疑応答
– 〈良い質問〉を心がけて、周りのみんなと疑問や
議論を共有しましょう!
p.3
質問シートの使い方
(本書・174頁Work6)
• <質問シートを使った質問のコツ>
• 1 .〈内なる声〉をメモしながら報告を聞く
• 2 .質問の内容について、質問シートにキーワー
ド(主張)と趣旨(理由・証拠)を書く
• 3 .手控えのために写真を撮り、報告者に提出
する。報告者は質問順を並び替える
• 4 .(質問者に当てる場合):
– 報告者(司会)に当てられたら、
質問者は質問の骨子→その理由→聞きたい内容、とな
るように質問する
p.4
『カフェパウゼで法学を』(弘文堂、2018年7月)
p.5
2013年12月~2017年3月
「アシタノレシピ」・対話形式
SNS・知的生産(レポート→卒論)
2015年4月~2016年3月
「弘文堂スクエア」・叙述形式
法学学習&進路
『法学学習Q&A』(有斐閣、2019年3月)
法学教室2018年4月号別冊付録を大幅に増補し書籍化
• 小谷昌子先生・堀田周吾先生と横田が3人で
1つの質問に答えるQ&A
• 豊富な「ブックガイド」
• 「ノートの取り方」に特化した特別ゼミ
– 一種のFD&ALを有斐閣会議室で行った
「答えは一つではない」こと、自分の学び方を見つ
けることを意識
p.6
本スライドの構成
• Ⅰ これまでの法学教育の問題点(確認)
• Ⅱ なぜ『カフェパウゼ~』を書いたのか?
• Ⅲ 自学を作ろう
• Ⅳ 「環境法」のAL(アクティブラーニング)化
• コメントシートの段階的活用と即興ディベート
• Ⅴ 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
• 〈オマケスライド〉質疑等で取り上げます
p.7
法学系教育の現状と課題
• 前提:すべての学生が法学「初修」
• 高校までの「法教育」とは異なる
• インプット多めの講義スタイル
– 大教室講義によるインプット
• 積み上げ式受講の必要性(後掲:カリキュラムツリー)
– 少人数ゼミ(演習科目)によるアウトプット
• 演習は任意受講のため、参加せず卒業する者も
• よく話す人とまったく発言しない人に分かれる傾向あり
• 卒論はないことが多い
結果として、アウトプットする機会が定期試験だけ、
ということも
p.8
参考:法学系科目の定期試験
• 定期試験のスタイル:論述式
– A)一行問題
• 「○○について論じなさい」
• 抽象的な法概念や原理・原則、特定の制度等のテー
マについての理解や、見解対立などを適切に答える
– B)事例問題
• 具体的な事例に対する解決の方法を問う問題
• 一行問題の要素に加えて、事例を分析する能力が必
要。結論を理由をつけて、条文との関係も指摘しなが
ら論じることになる
p.9
Ⅰ 講義設計の背景 法学系教育の現状と課題
• 論述式試験についてのよくある誤解
• 「覚えていることを吐き出す試験」
• 「六法が持ち込めるのだから勉強しなくて良い」
• 本当は:かなり高度な「即興レポート」(後述)
– 法体系が頭の中にインプットできている
– 問題に応じたかたちで頭から引き出せる
– 文章が適切な段落分けのもとで整理されている
– 時間内に長文を正確に書き切れる
p.10
Ⅰ 講義設計の背景 法学系教育の現状と課題
• 問題点まとめ
– 受動的な学生の場合、インプット過剰になりがち
– 難度の高いアウトプットを要求される「定期試験」
までの間に訓練する機会がない
• 実際に求められる能力
– 不確かな事案への対応
– 両方(場合によっては多数の)当事者からの立論
– 科目を横断した柔軟な思考能力
p.11
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
• コンセプト:「大学生向けの知的生産本を!」
– 倉下忠憲さん「大学生が目の前におらんから、オレには
書けないよ」
• 発想・整想・成果物、のネタ元の方。横田の「師匠」(COLUMN10)
• なぜ「知的生産」という話なのか?
– 知識以前の問題として、「知の取り扱い方」についての自
覚がばらばら(高校まででやってるか否かだけでなく、自
覚的かどうか(ただ勧められてやってるだけ、もある)
– うっかりすると:「本の読み方」の多様性もわからない
• 本書では〈鳥の目〉と〈虫の目〉を冒頭に提示→学習法で再掲
– 法学の前に、「大学生活」に入門してもらう必要がある
12
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
1 法学部生の戸惑いと「知的生産」の関係
(1)勉強のやり方がわからない
法学部での勉強法は手探り過ぎる
いきなりかなり長い文章を書く
+
文章の構成に必要な
要素がわからない
(根拠?証拠?)
13
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
1 法学部生の戸惑いと「知的生産」の関係
(2)アウトプットのかたちが見えない
答案ってどう書くの?・・・教えてもらえない
14
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
1 法学部生の戸惑いと「知的生産」の関係
(3)よくよく考えてみると根っこは同じ
自分自身の経験として:
答案=即興レポートじゃないか!
と気がついたことで、
ようやく
「どう手を動かしたら良いのか」が
わかった
*「手の動かし方」が重要(試行回数が増える)
15
レポートの基礎を示す:
〈問い〉と〈主張〉と〈論拠〉をそろえる
• 論文とは
〈問い〉と〈主張〉と〈論拠〉がそろった文章のこと
– 戸田山和久『新版論文の教室』(NHK 出版・2012 年)42 頁
• レポートとは
– 論文を書くためのステップを踏むための課題
– 「その問いは本当に答えるべきものか?」
p.16
17
アウトプットの段階を示す:
〈発想・整想・成果物〉を意識する
• 〈発想・整想・成果物〉を意識する
– 発想:頭の中から素材を出すこと
– 整想:伝わりやすさを意識して並び替え
• 重要度・順序・取捨選択の過程
– 成果物:対外的に提出する完成品
これらを一度にやろうとするとこんがらがる
「企画」と「編集」を分けよう
p.18
19
実はもうひとつ必要だったもの:
最強のライバル「悪魔の代言人」(ディベートの発想)
p.20
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
2 読者に「伴走」する本を作ろう
• (1)本書の大元:かつての自分/千葉大学の
学生/Twitter経由の質問
– その意味で、「ぼうけんのしょ」
– 自分が欲しかった本でもあるし、たぶん今の学生
にも、これからの学生にも欲しい本
– よくあるビジネス書とは違うものにしたい
• 自分の成功体験を書くだけでは、違う状況の人には自
慢話にしかみえない
p.21
22
23
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
2 読者に「伴走」する本を作ろう
• (2) 疑問や悩みがあるなら、どうすればいいか?
を試してみる(ように仕向ける)
– 「魚をあげる」でも、「魚の捕り方を教える」でもなく、
「魚の捕り方」のつくりかたを考えるための本
• そういう意味では「メタのメタ」
• 実は厳しい?
– 「『やり方がわからない』を許さないブログ」との評価
• 同期かつ元同僚の作内由子先生(獨協大学)から
– 実際に一年生ゼミでブログ版を読んで「実践せよ」との課題
を出していただいてました
p.24
Ⅱ なぜ『カフェパウゼで法学』を書いたのか?
2 読者に「伴走」する本を作ろう
• (3)結局は人それぞれ・・・自分の〈学び方〉は
自分で作ろう
– 自分に合わないやり方では続かない
– 家庭環境も、思考のクセもひとそれぞれ
– 非常に応用可能性が高く、「知」が陳腐化しない
ためにも重要な視点
• 合わなくなったら「作り直す」ことができるように
• 「教え込まれたもの」は直せないかもしれない
p.25
Ⅲ 自学を作ろう
1 〈自学〉と講義
〈内なる声〉のメモで講義・ゼミ・自学のトライアングルを繋ぐ
p.26
Ⅲ 自学を作ろう
1 〈自学〉と講義
〈内なる声〉のメモで講義・ゼミ・自学のトライアングルを繋ぐ
p.27
Ⅲ 自学を作ろう
1 〈自学〉と講義
〈内なる声〉のメモで講義・ゼミ・自学のトライアングルを繋ぐ
p.28
Ⅲ 自学を作ろう
2 レポートや答案を書くプロセス:〈発想・整想・成果物〉
書くための3つのステップ(66頁)
p.29
Ⅲ 自学を作ろう
3 応用:〈書き手目線〉と〈読み手目線〉:ボトムアップと
トップダウン(216頁)
p.30
Ⅲ 自学を作ろう
4 〈良い質問〉と〈読み手目線〉の答案構成
• Q:答案構成には型がある、といわれるのは
なぜか?
• A: 〈読み手目線〉の答案構成を意識するため
• 参考:〈良い質問〉の型は〈論文の型〉(not論述式答
案)を元に作りました
• 質問シートは、3つのステップを練習するためでもある
– 答案構成については『法学学習Q&A』において小
谷先生が解説(民法初年次向け問題(未成年者
取消)+横田が「判例の構造的読み」を指南
p.31
Ⅲ 自学を作ろう
5 授業内ノートと授業外ノート
• Q:講義ノートは何でとっていますか?
– ノート?パソコン?
– レジュメに書き込むだけ?
• Q:講義以外では、どんなノートをつくっています
か?
– 何のためにノートをつくるのか?
*『法学学習Q&A』の追加部分(Part3)は、「ノートの作
り方」をテーマに学生と教員とが議論する内容
p.32
Ⅳ 「環境法」のAL化
1 講義設計の背景 環境法科目の特殊性と立ち位置
• 千葉大学における「環境法」科目の特性
– 法学系の横断科目=3年生以上を対象
• 民法、行政法、民事訴訟法、(国際法)について概括
的な知識がないと理解できない
– 豊富な「環境系科目」のひとつとしての横断性
• 法政経学部の特徴:環境問題を複数の視点で教える
– 環境政策論1,2 環境経済学 ISOへの参加
• ほとんどの学生が初年次科目として環境関連科目を
受講しており、環境保護への関心は高い
p.33
Ⅳ 「環境法」のAL化
1 講義設計の背景 環境法科目の特殊性と立ち位置
• 環境法政策の特徴
– 多様な利害関係を調整する必要
• 「環境を守ろう」だけでは現実の問題に対応できない
– 不確実性のある問題を扱う
• 「よくわからないうちからどうするか」という発想は、既
存の法学観念からはかなり離れた発想
• 講義設計の目標
– 法学系カリキュラムに不足しがちなアウトプット訓
練を盛り込み、多様な利害関係に対応させる
p.34
参考:法政経学部のコース別カリキュラムツリー
• 法政経学部:2年次から4コースで選択
– 法学 経済学 経営・会計学 政治学・政策学
• 法学:積み上げ方式での学習が必須
– 環境法を受講する者が多い法学コースと政治学・政
策学コースを比較すると、3・4年次の授業設計が大
きく異なる
– 法学では多くの大学で卒論を課さない
• 横田自身は法経学部総合政策学科担当教員だったので卒
論指導経験はあるが、卒論を書いたことが無い・・・
p.35
日本公法史
日本私法史
法哲学I
法哲学II
憲法I
憲法II
民法I
民法II
家
族
法
刑法I
刑法II
民法III
会社法
民事手続法
入門基礎
法学
入門基礎
法史学
入門基礎マクロ経済学,入門基礎ミクロ経
済学、入門基礎経営・会計学,入門基礎政
治学、入門基礎政策形成論
入門
法政経学
基礎ゼミ
ナール
法
学
演
習
法
学
特
別
講
義
2
年
法
学
演
習
法学の応用
力 ・ 実 践 力
及び調査能
力 を つ け る
ための科目
法学コースカリキュラムツリー
 ミクロ・マクロ
経済学演習
 初級統計学
 簿記原理
 財務諸表論
など
水準100
水準200
水準300
水準400
社
会
科
学
の
理
解
の
幅
を
広
げ
る
科
目
1年
2年
3年
4年 法学の専門性の幅を広げる科目
インテンシブ
プログラム
法学の専門性を
深める科目
社会科学の基礎を固める科目
刑事手
続法
行政法I
行政法II
刑
事
政
策
、
少
年
法
経
済
法
Ⅰ
、
経
済
法
Ⅱ
労
働
法
Ⅰ
、
労
働
法
Ⅱ
、
商
取
引
法
、
保
険
法
、
民
事
執
行
法
、
倒
産
法
消
費
者
法
、
環
境
法
、
医
事
法
、
著
作
権
法
、
特
許
法社
会
保
障
法
国
際
法
Ⅰ
国
際
法
Ⅱ
英
米
法
Ⅰ
、
英
米
法
Ⅱ
、
法
社
会
学
Ⅰ
、
法
社
会
学
Ⅱ
法学の基礎を固める科目
応用憲法I
応用憲法II
応用民法I
応用民法II
応用民法III
応用刑法I
応用刑法II
応用行政法
応用商法I
応用商法II
応用民事訴訟法I
応用民事訴訟法II
応用刑事訴訟法
スポーツ・健康
教養コア
情報リテラシー
教養展開
外国語
 英語
 初修外国語
普
遍
教
育
科
目
ギ
ャ
ッ
プ
タ
ー
ム
(
)で
の
海
外
留
学
・社
会
経
験
T2
36
Ⅳ 「環境法」のAL化
2 講義の内容 1)学生への告知と段階的受容
• シラバス段階で特殊性を明示
• 他の法学科目とは定期試験も評価方法も異なる
• 初回講義でも強調
– コメントシートとディベートの狙いを話す
• 全体の30%配点、書いて提出することでほぼ満点
• 良いことが書いてあれば加点要素
• 負担感についてもコメント
– 「持ち込み可能な試験は甘くありません」
– 研究室図書貸し出しについても説明
• 途中回でディベートの説明
– ディベートアレルギー対応とフローシートの説明(後述)
p.37
(参考):シラバスの授業計画欄(一部)
– 定期試験においてはすべての紙媒体を持ち込み
可とする(各回の指定印刷物を持参してくることを
予定している)。定期試験までに、授業内容と社
会問題を結びつけて持ち込んだ紙媒体を活用し
ながら自分の見解をまとめることができるような
準備が必要となる。
p.38
(参考):シラバスの評価方法欄
– 各回のコメントペーパー(提出回数が7割未満の者に
は単位を付与しない。また、興味深い問題提起や見
解を含むものについては加点要素とする。)および
ディスカッションへの参画(ここまでを合計して30%)
及び期末試験(70%)による。
– 評価基準としては、環境法独自の法的枠組・考え方
を一度身につけた上で、それを反対からの意見とも
対話できる形で咀嚼し、表現することができるかを主
たる課題とする。そのために、講義でふれた情報等
を自分の目で取り扱えること(必要があれば適切に
情報を手に入れて知識を更新できること)も求められ
る。
p.39
Ⅳ 「環境法」のAL化
2 講義の内容 2)コメントシートの狙いと実施方法
• コメントシートへの記入
– 概要
• A5サイズ、最後の10分をあてる
• →次回冒頭5分で応答
– 課題の告知時点
• 原則:配布レジュメの冒頭に記載、講義でも冒頭に
• 例外:終了時(抜き打ちor講義進行が到達しなかった
とき)
p.40
Ⅳ 「環境法」のAL化
2 講義の内容 2)コメントシートの狙いと実施方法
– 課題告知時に、到達目標も共に説明
• 1)単なる感想(思いついたことを、できれば根拠付で)
• 2)今日の講義内容をまとめる(ミニテスト)
• 3)これまでの経験を総ざらえ(体験知と結びつける)
• 4)【発想→整想→成果物】という段階を踏んで、主張・
理由・証拠がそろった文章を書く(ミニレポート)
• 段階的アウトプットの練習
p.41
参考:出題例
詳細は 『カフェパウゼで法学を』work1(16頁以下)
• タイプ1 今日の講義についての感想や疑問
を(何を読んでそう思ったかも含めて)書き出
そう
– 今回の講義であなたが感じた感想や、質問を書
いてください。
できるだけ、何をどのように読んでそう思ったの
か、レジュメや教科書の箇所を明示してください。
p.42
参考:出題例
詳細は 『カフェパウゼで法学を』work1(16頁以下)
• タイプ2 今日の講義の内容からあるテーマ
にそってキーワードをピックアップしてみよう
– 環境基本法にはまだ不足しているものがあると
指摘されることがある。それは何か。環境基本法
の具体的な条文をあげながら、足りないと思われ
ることについて指摘せよ。
p.43
参考:出題例
詳細は 『カフェパウゼで法学を』work1(16頁以下)
• タイプ3 自分の過去の知見と結びつけてみ
よう
– あなたの周りで市民やNGO、企業が環境保全の
ために行っている取り組みを教えてください。特
に、それが法的にどのような意味をもつのかも、
わかる限りでいいので教えてください。
p.44
参考:出題例
詳細は 『カフェパウゼで法学を』work1(16頁以下)
• タイプ4 即興の【発想→整想→成果物】形式
で、ミニレポートを書いてみよう
– A)講義冒頭の課題~発想のフェイズ
あなたが知っている「市民に何かをしてもらうための方
策」について、国や地方自治体が
• 1)用いることができるもの/できそうなもの/できな
いものを、考えつくだけたくさんリストアップせよ。
• 2)上でリストアップしたもので、その過程のどこかに
「法」がかかわるものがあれば、具体例(できれば法の
名前や条文も)を挙げて示せ。
p.45
参考:出題例
詳細は 『カフェパウゼで法学を』work1(16頁以下)
• タイプ4 即興の【発想→整想→成果物】形式
で、ミニレポートを書いてみよう
– B)講義後のコメントシート~整想と成果物のフェ
イズ
• 「市民に何かをしてもらうための方策」として、国や地
方自治体が用いることができる手法を1つ以上、紹介
すること。
• その際、「法と政策」の関係を必ず示すこと。
p.46
2 講義の内容 3)ディベートの狙いと実施方法
• ディベートアレルギー問題への対応必須
– 誤解に基づく苦手意識
– 初回+途中回で丁寧に対応(受講忌避も!)
• これらは『カフェパウゼで法学を』9章で、いつもは気の
強いことを言っている男子学生に、弱音としてはかせ
ることで対応
– ちなみに:ALに力を入れているはずの千葉大学
でもディベートの講義が少ない
– ディスカッションは慣れているらしい
p.47
2 講義の内容 3)ディベートの狙いと実施方法
• ポイントをおさえた講義
– ディベートの重要な概念だけを講義
• 横田自身もサークル経験しかなく、プロではないため
– 詳細は配付資料に委ねる
• 昨年まで:後掲・松本&河野のディベート部分のコピーを年
内配布
• 今年から:『カフェパウゼで法学を』第9章を電子配布
– それらに加えて当日用資料を用意
• 詳細な時間配分
• 松本&河野+瀧本の要点まとめ
– とりあえずこれをみればなんとかできる「チートシート」
p.48
2 講義の内容 4) 最も重要な概念
• 「ジャッジを説得する」
– 相手を言い負かすのではない!
– 公平な第三者に対し、主張に理由と証拠をつけ
て説得する
• 普通のディベートではエビデンスのない議論は不採用
• 「悪魔の代言人」
– あえて「最強の反対者」の審問を受けること
• 本心とは違うことを、全力で言ってよい
• 肯定/否定/審判の振り分けはじゃんけんで決める
• 人格への評価と主張内容とを切り離そう
p.49
3 講義の内容 5)実施のための準備・資料
• 教員側の準備はかなり大変
– 論題設定は気を遣う
• 多数の利害関係で、「是非」になるよう明快に設定
• 素朴に両論が出てきそうなエビデンスを用意する
– 実際の論題
• 防潮堤建設の是非(何メートル級かも含め議論)
• ゴミ分別強化のために行政罰を科す条例改正
• シラスウナギの国内規制強化(漁業、種の保存)
p.50
3 講義の内容 6)当日の進行
• 即興ディベートまでの段階を踏む
– ひとりで一から議論を組み立てるのは不可能
• エビデンスとなる資料は教員が用意
– 段階を踏む
• 1)ひとりでもくもく考える【感想シート1】
• 2)5,6人でわいわい議論する【感想シート2】
• 3)全員でじゃんけん→肯定・否定・ジャッジに分かれる
• 4)各2名づつのチームで準備
• 5)ディベート(各フェイズ2分)【フローシート】
• 6)全体のまとめ→振り返って書く【感想シート3】
p.51
参考:当日進行資料の内容
詳細なスケジュール明示
• 第14回 ディベートを含むディスカッション
• 【講義のタイムスケジュール】
• ~早く来た人は、「感想シート」の前半(ひとりで書くところ)を書いてお待ちください~
• ①14:30~14:35 開始準備(5~6人組をつくって座ること。氏名等記入)
• ②14:35~14:40 今日の授業の進め方+フローシートの書き方説明
• ③11:40~10:45 感想シート(前半)に一人で感じたことを書く
• ④10:50~11:00 班員全員で記事の感想を交換。感想シート(中盤)に書き込む
• (賛成・反対のそれぞれの理由や根拠を色分けしておくと、この後やりやすいです)
• ⑤15:00 じゃんけんをしてチーム分けを確定(5人の場合、審判を1人にする)
• (ここで確定するので、遅刻しないで!これ以降遅れた人は、審判になってもらいます)
• ⑥15:00~15:20 賛成・反対・審判それぞれのチームに分かれて作戦会議
• ⑦15:20 ディベート(順調にいけば15:40まで)全員、フローシートを記入する
• A 肯定側立論(3分)→B否定側立論(3分)→C 作戦会議(4分)
• D否定側第一反駁(2分)→E肯定側第一反駁(2分)→F 作戦会議(2分)
• G否定側最終反駁(2分)→H肯定側最終反駁(2分)
• ⑧15:40~15:45 チーム内で反省会、班員全員でフローシートの穴を埋めつつ、感想シートの後
半を埋める(審判チームはジャッジを行う)
• ⑨全体で勝敗と理由を確認
• ⑩15:55~16:00 班員全員でフローシートの穴を埋めつつ、感想シートの後半を埋める
p.52
参考:「チートシート」(当日進行資料)の内容
進行上の注意事項(遅刻者対応、フェイズ毎の言い方等)
• 講義後にフローシートと感想シートを回収します。フローシートと感想シートとこの
レジュメは各自印刷してくること。(フローシート・感想シートは片面印刷でお願いし
ます)
• *否定側立論と否定側反駁1ではやることが違うことに注意。否定側立論は【プ
ランをとったらかえってヒドイことが起こる】、否定側反駁1は【プランは実現しない
or問題の解決にならない】が中心的なポイントです。
• *本レジュメ以外のエビデンスを持ち込んでもかまいませんが、その場合は④の
段階で班員全員と共有しておいてください。もちろん、本レジュメ以外のものはな
くてもかまいません。エビデンスのない主張は本来のディベートではダメですが、
今回は「そういうことありそうだな」と思わせるだけの理由があれば問題ないこと
にします。
• *⑤以降の遅刻者は、審判にまわること。審判も肯定・否定両方の検討が必要
なことに注意。肯定・否定班はジャッジにきかせるつもりで「彼らは~~と言ってい
るが、しかし・・・だ」ということば使いにしてください。
•
p.53
参考:当日進行資料の内容
~初心者ディベーターのために~1.のABCは2.の1)2)3)で置き換え可です。
• 1.ディベートの立論の骨格(松本 茂, 河野 哲也 『「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法 改訂第二版』玉川大
学出版会、2015年)参照)
• 【肯定側立論】
• 1)論題を採択すべきである、という立場を述べましょう。
• 2)論題を具体化するプランを立てましょう。どれくらいの大きさ?いつ?どのように?
• 3)プランが幾つかのメリットを持っていることを言いましょう。
• 4)各メリットのA、B、Cを説明します。エビデンスがあれば是非つけて!
• A 現状の問題分析
• B 論題との関連
• C 問題の解消/メリットの重要性
• 5)「以上、~~ということになるので、この論題を採択すべきである」と締めましょう。
• 【否定側立論】
• 1)論題を否定すべきである、という立場を述べましょう。
• 2)肯定側立論でのプランを手短に説明するか、現状のよさを手短にのべましょう。
• 3)プランを採択してしまうと、発生してしまうデメリットを述べましょう。
• 4)各デメリットのA、B、Cを説明します。エビデンスがあれば是非つけて!
• A プランの分析
• B デメリットが生じる過程・理由
• C デメリットの深刻さ
• 5)「以上、~~ということになるので、この論題を採択すべきではない」と締めましょう。
p.54
参考:当日進行資料の内容
~初心者ディベーターのために~1.のABCは2.の1)2)3)で置き換え可です。
• 2.突っ込みどころの探し方(参照:瀧本哲史『武器としての決断思考』2011年)
• 【賛成側立論】 【否定側反駁の視点】
• 1)内因性:何らかの問題があること ←そんな問題そもそもあるのか?
• 2)重要性:その問題が深刻であること ←たいした問題でもないのでは?
• 3)解決性:問題がその行動によって解決すること ←プランをとっても解決しないよ?
•
• 【否定側立論】 【賛成側反駁の視点】
• 1)発生過程:ほかの問題が発生してしまう過程←プランだけでは問題は発生しないよ?
• 2)深刻性:その問題が深刻であること ←問題が発生しても、深刻ではないよ?
• 3)固有性:プランをしなければその問題は起きないこと ←プランを採っても採らなく
• (現状では問題がないこと) てもその問題は発生するんだよ?
•
• 3.立論での心構え
• 肯定側は最初頑張らないとプランの説明とメリットの説明両方の時間が足りなくなります。否定側
はプランを幾つか予測しておかないと否定側立論が的外れになりがちに・・・。
p.55
前半(一人で読んでみてどう考えたか、気がついた点をメモしよ
う)
中盤(ディスカッション中に気がついたことをメモしてみよう。もし、
他の人が良いことをいっていたらそれもメモしよう。前半部で書い
たことが深まったなら、適宜→などを引いて関連をしめしてみよ
う)
後半(ディベート後、どのように考えたか、今回のフローシートだと
自分がジャッジならどっちが優勢と考えるかなどをメモしよう。ディ
ベート自体への感想も歓迎!)
感想シート 学籍番号: 氏名: 他の班員の氏名:
(三本線ノート類似にしました。指示に従ってメモをしてください。なお、ディベート作戦会議用のメモはこの裏面を使ってください。授業全体の感想はフローシート裏面にお願いします)
56
肯定側立論 否定側立論 否定側反駁1 肯定側反駁1 否定側反駁2 肯定側反駁2
フローシート 学籍番号: 氏名: 肯定・否定・審判 同じチームメンバー: 相
手:
57
4 ディベートと法学的思考の関係
• フローシートの効用
– フェイズを可視化
– 否認と抗弁を区別する(法学用語)
• 否認:相手の言うことは成り立たない
• 抗弁:相手の言うことは成り立つが、不具合がある
→それぞれ、否定側の以下に対応する!
否認:肯定側立論に対する否定側反駁
抗弁:否定側立論
p.58
59
• (参考):法科大学院の実務家教育における
要件事実論とブロックダイアグラム
– 私見:フローシートの書き方は要件事実論におけ
るブロックダイアグラムの書き方とよく似ている。
– ディベートをフローシートの書き方まで教えること
で、否認と抗弁の区別を体感的に体得させること
ができる。
p.60
5 学生側の反応と教員視点の所感
• 学生側の反応は上々
– 「意見をまとめる訓練をしたことがなかった」
– 「ディベートのためには準備がかなり要る」
– 「自分の意見と離れて議論する発想が新鮮」
– 「ジャッジが難しい」 ←評定とは関係ないことを強調
• 教員視点からの所感
– コメントシートは第4回から急にレベルが上がる
• 毎年同じ現象。ちなみに「ミニテスト」回
– ディベートの要点だけなら経験少なくても活用可能
– 論題設定は毎回苦労する
p.61
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
1 法学の授業と現実世界の関係を考えてみよう(確認)
• 法学の授業:体系を学ぶ
– 体系とは:「ものさし」
• 現実は:よくわからないものだらけ
– 「これは行政指導なの?行政処分なの?」
• 体系を覚えるときには
– 定義・典型例・異常例(判例)をあわせて覚えよう
p.62
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
1 法学の授業と現実世界の関係を考えてみよう(確認)
・法学的思考を育てるやり方は?
– 本書で何度も強調:
• 「基準を作る力」
• 「自分とは異なる立場・考えの利益も考える」
• 異なる立場にも目を向けるために
– 1)判例学説の背景の「なぜ」まで考える
– 2)他のケースや場面での応用まで想像する
– 3)日常的に「演じて」みる〈ディベートモード〉
• ゼミ(自主ゼミ含む)の効用
p.63
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
2 科目間のリンクを意識する~『対話で学ぶ行政法』か
ら見えてくること(252p以下)
p.64
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
3 法学科目同士の関係(256pの図及び脚註3)
p.65
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
4 他の社会科学分野との関係(260pの「ゼミイメージ」の図)
• 法学と経済学と政策学の関係は?
• 横田ゼミの「卒論」の多様さを示す図を、一つ前の図と
比べてみよう
p.66
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
5 法解釈学から法政策学へ
• 「法制度設計論」としての行政法
• (大橋洋一『行政法Ⅰ第三版』(有斐閣、2016年)1頁)
• 「法学は過去の人たちが決めたことに縛られ
ているからつまらない」?
– バックキャストとフォアキャスト
– 「いけいけどんどんな起業家」とコラボする法律家
に必要な視点は何か?
p.67
V 法学学習へ、キャリア教育へとつなぐ
6 研究と実務、自分の持ち味を考える
• (1) 研究者と実務家は何をしているのか?
– Q:皆さんの「研究者」・「実務家」のイメージは?どん
なキャリアを積みたいのか?
• (2) 「このパーティでは何担当?」スペシャリスト
とジェネラリストの関係
– 参照、岡野純「『わかる化漫画家』という役割~いか
に見つけて、活かしたか?~
• 横田明美のslideshareで公開しています
https://www.slideshare.net/akemiyokota83/180715kaffeepause2-
junokanover2
p.68
横田明美『カフェパウゼで法学を』22章扉絵より
p.69
自分の〈持ち味〉って何だろう
• どうやって自分の〈強み〉・〈持ち味〉をみつけ
たらいいんだろう?
– 1つの基準には縛られないで!
– 学生のうちに、〈仮設定〉してトライ&エラーを積
み重ねておこう
p.70
71
参考:本書作成時の「パーティ」と役割
p.72
出典:岡野純「『わかる化漫画家』という役割~いかに見つけて、活かしたか?」
2018年7月15日「カフェパウゼで法学を 読者の集い」報告資料
まとめ
• そもそも〈問い〉と〈主張〉と〈根拠〉を扱う能力
が無いと、法学学習としても行き詰まる
• 〈学び方〉を教え込むのではなく、作り上げる
ためのポイントを見せる+「みんなで作る」場
を与えるための授業
• いま学んでいることと、将来の進路とがどうつ
ながるのかを意識してもらうことでモチベー
ションを確保する
p.73
謝辞
ご静聴ありがとうございました。
横田明美 http://akmykt.net
akemi@chiba-u.jp
p.74

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Editor's Notes

  1. タイプ1 今日の講義についての感想や疑問を(何を読んでそう思ったかも含めて)書き出そう 最もスタンダードなお題は次の通りである。 今回の講義であなたが感じた感想や、質問を書いてください。 できるだけ、何をどのように読んでそう思ったのか、レジュメや教科書の箇所を明示してください。 疑問についても典拠を挙げるように、と求めているのは、実際には教科書の参照頁を示すためにもう一度読み返してみたら自己解決した、という事例が多いからである。また、こうすることで、第7回【前編】【後編】で紹介したゼミでの質問のように、質問も「主張・理由・証拠」の形で記述できるようになる。 実際のコメントシートでは、このお題を出すと、ちょっとした疑問であるとか、もっと勉強してみたいという意欲などが多く寄せられる。
  2. タイプ2 今日の講義の内容からあるテーマにそってキーワードをピックアップしてみよう この使い方は、ミニテストに近い。その日の講義のなかから、重要な項目を拾い上げてみることで、講義のまとめをしてみようというものである。 例えば、環境法の第3回講義「環境法の基本原則」のときには、環境基本法とそれに関連する条約等を紹介した講義のあとに次のお題を掲げた。 環境基本法にはまだ不足しているものがあると指摘されることがある。それは何か。環境基本法の具体的な条文をあげながら、足りないと思われることについて指摘せよ。 実際の講義では、「環境基本法の限界」については3、4箇所くらいの項目でバラバラに紹介された事柄を、ひとつの視点であとからまとめなおしてみよう、というものである。これは、講義後にまとめノートをつくるという自学の練習にもなるだろう。
  3. タイプ3 自分の過去の知見と結びつけてみよう 法学での学習は、今までの講義とのリンクを張りながら考えるとより「使える」ものになる。会社法の講義を受けていれば民法での講義を思い出すことがあるだろうし、行政法は民法や憲法、民事訴訟法との関連が多い科目である。そこで、今回の講義で学んだことを、今まで身につけた知識や経験と結びつけて考える時間をとると、もっと学習が楽しくなる。 環境法の講義では、社会に出る一歩手前の大学4年生が多く受講している科目であることも鑑みて、法学での学びとこれまでの社会経験とを結びつける訓練も意図している。そのため、第4回「環境保護の担い手」という回では、環境法を担うのは行政だけでなく、市民や企業もその主体になる、ということを述べた上で、次のお題を出した。 あなたの周りで市民やNGO、企業が環境保全のために行っている取り組みを教えてください。特に、それが法的にどのような意味をもつのかも、わかる限りでいいので教えてください。 このお題に対するコメントシートには、千葉大学の環境ISO委員会の話題や、自治体での補助金政策、ニュースで見聞した話題など、多様な意見が寄せられた。教科書を通じて学ぶことと、いまここで生きて得ている知見とを結びつけることができているようだ。
  4. タイプ4 即興の【発想→整想→成果物】形式で、ミニレポートを書いてみよう 一番難しく、しかしやってみると非常に力になるタイプの質問は、あたかもレポートを書くときのように、【発想→整想→成果物】の3つのステップ*3を踏んで、まとまった文章を書いてみることである。 A)事前課題~発想のフェイズ 第5回「環境保全の手法」では、電車が遅延したために授業開始を10分遅らせた。早く来た学生に申し訳ないので、講義開始まで、板書として次の課題を出した。 あなたが知っている「市民に何かをしてもらうための方策」について、国や地方自治体が 1)用いることができるもの/できそうなもの/できないものを、考えつくだけたくさんリストアップせよ。 2)上でリストアップしたもので、その過程のどこかに「法」がかかわるものがあれば、具体例(できれば法の名前や条文も)を挙げて示せ。 10分間この課題に取り組んでもらったあと、規制的手法や誘導的手法についての講義を行った。 B)コメントシート~整想と成果物作成のフェイズ 講義を終えた後に掲げたコメントシートのお題は次の通りである。 「市民に何かをしてもらうための方策」として、国や地方自治体が用いることができる手法を1つ以上、紹介すること。 その際、「法と政策」の関係を必ず示すこと。 このお題は、そのまま期末試験として使ってもよいくらいに難しいものである。そこで、まずは事前課題の1)において、発想、つまりとにかく書き出してみるという作業を行ってもらい、徐々にそれを選別する「整想」を行ってもらい、最後に成果物としてのコメントシートを出してもらう、ということを試みた。 このようなやりかたは、講義直後に試してみるには荷が重いかもしれない。しかし、毎回の講義から、予想問題を作ってみて、自分で解いてみるということは以前もオススメしたことがあるので、意欲がある方はぜひチャレンジして、アウトプット不足を解消していただきたい。 なお、タイプ1~3はお題を事前に予告していたが、最後のタイプ4はその場で考えて出題した。少し難しかったようだが、かなり熱いコメントが多数寄せられた。
  5. タイプ4 即興の【発想→整想→成果物】形式で、ミニレポートを書いてみよう 一番難しく、しかしやってみると非常に力になるタイプの質問は、あたかもレポートを書くときのように、【発想→整想→成果物】の3つのステップ*3を踏んで、まとまった文章を書いてみることである。 A)事前課題~発想のフェイズ 第5回「環境保全の手法」では、電車が遅延したために授業開始を10分遅らせた。早く来た学生に申し訳ないので、講義開始まで、板書として次の課題を出した。 あなたが知っている「市民に何かをしてもらうための方策」について、国や地方自治体が 1)用いることができるもの/できそうなもの/できないものを、考えつくだけたくさんリストアップせよ。 2)上でリストアップしたもので、その過程のどこかに「法」がかかわるものがあれば、具体例(できれば法の名前や条文も)を挙げて示せ。 10分間この課題に取り組んでもらったあと、規制的手法や誘導的手法についての講義を行った。 B)コメントシート~整想と成果物作成のフェイズ 講義を終えた後に掲げたコメントシートのお題は次の通りである。 「市民に何かをしてもらうための方策」として、国や地方自治体が用いることができる手法を1つ以上、紹介すること。 その際、「法と政策」の関係を必ず示すこと。 このお題は、そのまま期末試験として使ってもよいくらいに難しいものである。そこで、まずは事前課題の1)において、発想、つまりとにかく書き出してみるという作業を行ってもらい、徐々にそれを選別する「整想」を行ってもらい、最後に成果物としてのコメントシートを出してもらう、ということを試みた。 このようなやりかたは、講義直後に試してみるには荷が重いかもしれない。しかし、毎回の講義から、予想問題を作ってみて、自分で解いてみるということは以前もオススメしたことがあるので、意欲がある方はぜひチャレンジして、アウトプット不足を解消していただきたい。 なお、タイプ1~3はお題を事前に予告していたが、最後のタイプ4はその場で考えて出題した。少し難しかったようだが、かなり熱いコメントが多数寄せられた。