日本熱傷学会東海地方会（2015.02.07 多治見）にて発表

1. サウナ熱傷10例の検討
JCHO 中京病院
救急科
黒木雄一 上山昌史 大須賀章倫 中島紳史
宮尾大樹 松浦裕司 大熊正剛 大西伸也
形成外科
浅井真太郎 林絵実 須藤大雅 寺嶋咲絵

3. 目的
• 当院におけるサウナ熱傷患者について
調査する．

4. 対象と方法
• 2007年から2014年の8年間で，当科に
入院した熱傷患者705例のうち，受傷原因
がサウナであった10例を対象とした．
• 診療録をもとに後方視調査を行った．

5. No. 受傷時期 場所 年齢 性別 既往歴 曝露時間
（推定）
飲酒
1 2007年1月 健康ランド 54 男 脳梗塞 不明 ＋
2 2007年6月 健康ランド 68 女 不明
3 2008年8月 温泉施設 75 女 脳梗塞 1時間
4 2009年10月 健康ランド 34 男 1時間 ＋
5 2010年6月 健康ランド 81 男 脳出血 1時間
6 2011年1月 健康ランド 65 男 胃癌 不明
7 2012年4月 温泉施設 71 女 糖尿病 1時間
8 2013年2月 健康ランド 62 男 高血圧 5分
9 2014年1月 温泉施設 78 男 慢性膵炎 50分 ＋
10 2014年4月 健康ランド 60 男 てんかん 10分

6. 頭：1例
耳：2例
胸：3例
腹：4例
背：7例
臀：4例
後頸：2例
大腿前面：5例 大腿後面：0例
手：1例
下腿：4例
熱傷面積：0～30%

7. 受傷当日 受傷7日後
受傷2日後 受傷8日後

8. 血漿交換・CHDF
n=3
死亡
n=2
サウナ熱傷
N=10
植皮術
n=6
再植皮術
n=4
軽快退院/転院
n=8
保存治療
n=2
輸液療法のみ
n=7
熱中症によるDIC/肝不全
生着不良

9. 凝固能の推移
0
5
10
15
20
25
0
20
40
60
80
100
120
Day 0 Day 1 Day 2 Day 3 Day 4 Day 5 Day 6 Day 7
死亡
生存
血小板
プロトロンビン時間%
×104/μL

10. 肝酵素・筋酵素の推移
0
2000
4000
6000
8000
10000
Day 0 Day 1 Day 2 Day 3 Day 4 Day 5 Day 6 Day 7
0
1000
2000
3000
4000
死亡
生存ALT
CKIU/L
IU/L

11. 腎機能・肝機能の推移
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
Day 0 Day 1 Day 2 Day 3 Day 4 Day 5 Day 6 Day 7
死亡
生存
クレアチニンmg/dL
ビリルビンmg/dL

12. 低温熱傷にかかわる3つの因子
＜温度×時間＞
・４４℃×６時間
⇒不可逆的表皮傷害
・１℃↑
⇒時間が半分に
＜血流低下＞
・圧迫
・脱水（←特に飲酒）
＜個体条件＞
・意識障害
（熱中症，飲酒など）
・糖尿病
・脳血管障害
・高齢者
低温熱傷の
深達

13. まとめ
• 当院におけるサウナ熱傷患者について調査した．
• 部位は背部が最多であった．
• 当初の見た目以上に深達していることが多かった．
• 熱中症によるDIC，肝障害，腎障害が予後
を左右した．