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私の営業スタイルと技術
IT 業界における 20 年以上の営業経験から、自己の営業スタイルと技術を確立してきました。
これまで、数多くの営業教育研修への参加や営業技術の啓発本も読んできましたが、結局、その場
限りの知識レベルに留まるものが殆どで、スキルとして身につけることが難しいことを十分理解
しています。なぜなら ”“分る ことを ”“出来る レベルまで昇華させるには、訓練-実践という経験な
しでは、到達できないからです。
私は、幸運にもシステムインテグレータ時代に、優れた営業技術に出会い、その営業教育講師も
数年間経験することで「コンサルテーションセールス技術」を習得致しました。これを基礎とし実
践することで、自らも、またチームとしても多くの重要案件獲得につなげてきました。
以下は、私の営業のスタイル・技術・考え方を「ソリューション・セールス」としてまとめたも
のです。同時に、主要な獲得実績も実例として付記致しております(提案書としてご紹介できる
のは、偶然にも手元にあるもののみになります)。
候補者としての御検討を頂く上で、ご参考としてご一読頂ければ幸いです。
1. ソリューション・セールスとは(私の定義)
• お客様の「個別の課題(問題) ”」に対する解決策を“共同 で作り上げ、問題解決策(ソリューシ
ョン)を提案することで、商談成功の確率を上げる営業スタイル
• 核となるのは、コンサルテーション型の営業技術(個別提案型商談技術)であり、これによ
って問題の発見と、共通課題の抽出・設定を実現する
• また、自社の製品・サービスを核としながらも、あくまでお客様の問題解決を図ることを目
的とするため、自社の製品・能力で補えない場合は、パートナーを巻き込んで問題解決策を
総合プロデュースする
• つまり、お客様にとっては、ハードウェアやパッケージ製品などは二義的なものであり、ソ
リューション・セールスに於いて売るものは ”“問題解決の知恵 である。
2.ソリューション・セールスに必要な要素
• 知識(Knowledge):
自社製品、業界、顧客の市場動向・ライバル企業の動向・業務知識
• 技術(Skill):
プロセスデザイン、インタビュー技術、説得技術、問題解決策をまとめる論理的思考力、プレ
ゼン技術、長期取引継続・拡大のためのリレーションシップ構築力
• 態度(Attitude):
お役立ちの精神、反対歓迎、個別意識、コンサルタント意識(警戒心から信頼へ導くため、相
手の心理を意識しながら商談をコントロールする)、コミュニケーションの難しさの意識
(嫌悪感を抱かれないマナーやトークスキルが重要)
1
3.営業技術
(1)対象ターゲットへの営業プロセスのデザイン
全体の流れは、次のようになります:
各段階での行動指針を下記に示します:
① ターゲティング:
業界動向、ニーズ、ポテンシャルによるターゲッティング、優先順位付け
② プランニング:
コンタクト企業の事業内容のみならず、取巻く環境分析と業界動向を把握し、ニーズを仮説する。
③ アプローチ:
必ず役立つソリューションを提案するという信念に基づき、立ち上がりから商談をコントロール
し心を開かせる。
④ リサーチ:
個別ニーズや悩みを聞きだしながら、問題を発見する(傾聴と質問による2 Way コミュニケー
ション)
⑤ プレゼンテーション:
共同で作り上げた問題解決策を、論理的かつ具体的に表現した提案書をもってプレゼンを行い、
お客様関係者の合意を取り付ける。
⑥ クロージング:
お客様の迷いを解消しながら(期待効果や他社成功事例、何もしない場合のリスク)決心のお手
伝いをする。
⑦ アフターフォロー:
運用開始後も、問題や満足度を把握するために定期訪問を実施。次の受注機会・紹介(ハッピー
コール)につなげる。
(2)インタビュー技法
①Input – Process – Output(何を提供し、どう商談をコントロールし、何を導くか/持ち帰るか)
を事前に設定し、本提案につながるようにヒアリング調査の成果を挙げる。
② 仮説を基に商談の土台を作る(「CRM・SFA を導入したものの効果が見られない→営業マン
の時間を拘束し、顧客折衝時間を失わせているのではないか?→顧客データのシステム間連携・
共有と自動更新が不可欠。そこで・・・」)
③ 傾聴、相槌、頷き、目線、質問でお客様に話させる。相談相手の姿勢で望み本音を聞きだす。
④ 社内事情を把握する(経営課題、戦略、組織構造、決定プロセス)。
⑤ 客様の競合企業の状況を聞きだす(あるいは情報提供する)。
2
ターゲティング   プランニン
グ
アプローチ リサーチ プレゼンテーシ
ョン
クロージング アフターフォロ
ー
⑥ 客様の心理状態を先取りした 2-Way コミュニケーションで場をコントロールする。(一般的に
は、・・が問題になっているようですね)
⑦ お客様の個別事情とセールスポイントとのつながりで問題提起する(その点ですが・・)
(3)説得技術(コンサルティング・セールストーク=CST)
■CST(コンサルティング・セールス・トーク)とは:
「個別提案型商談技術」です。なぜ、「個別商談型」かと申しますと、お客様毎に業務や組織など、独
自の文化があります。決して画一的なわけではありません。そしてその独自文化にディペンドし
た固有の問題を抱えているはずです。これを個別事情といいます。
その個別事情(問題)に対して、汎用的に直接解決に結びつく商品やサービスはまずありません
あったら売り込みにいかなくても宣伝さえしていれば相手から求めてくるでしょう。
ですから商談の中で問題点を引出し、自社製品・サービスのセールスポイントで解決をできる共
通課題を見出すことが最も重要となってきます。
「個別提案型商談技術」では個別事情の把握がなければ商談は空回りしてしまいます。
■CST 理論の要点:
• CST とは、買う気の無いお客様のよき相談相手になりながら、共通課題(問題解決策)の創
出を通じて、お客様に買う気を起こさせる商談技術。
• 次の「5つの行動理論(心の姿勢)」を基礎として、お客様の心理状態を先取りし、商談をコ
ントロールする技術です:
1 Y 理論(お役立ちの精神)
2 コントロールする意識を持つ
3 コミュニケーションの難しさを意識する
4 反対歓迎の精神
5 個別意識
3
何を :お客様の抱える問題
なぜ :このままいくとどうなる? 他では?
何のために:あるべき姿は?
いかに:セールスポイントによる問題解決( = 共通課題)
潜在ニーズ
(問題)
お客様
商品・サービス
(SP)
営業マン
商談技術による
問題解決のお手伝い
商談技術による
問題解決のお手伝い
共通課
題
■CST の流れ:
流れの具体例として、一部(リサーチの段階)を次に示します:
リサーチの目的は、「お客様の個別ニーズや悩みを聞き出しながら解決する問題を発見すること」
です。ここからが、お役立ちの第一歩です。
ここでは、気づき-提言―うちあけとうい3つの過程の流れです:
過程 目的 段階 留意点・説明 心理
気づき 問題提起を
行いこちら
の話を聞く
気にさせる
1 仕事上の悩みを聞き
出す
2 問題意識を引出す
・ お客様に話させ、何でも幅広く聞く
・ 相談相手の姿勢で望む(指摘ではなくお
客様の立場で考える)
・ お客様の事情とSPとのつながりで問題
提起する
ここで持つべき行動理論は個別意識
良く勉強しているな
→
問題があるかな、ほう
っておけないな
提言 的を絞って
山場を作り、
問題解決の
スタートを
切る
「その点ですが」
1 用具を活用してSP
を説明する
2 実例で証拠立てる
3 必要性を強調し具体
策を提案する
「いかがでしょうか」と
押す
・ SPは用具やジェスチャを活用して五感
に訴える
・ 力強く確信を与える話し方
・ メリット説明を具体的に
・ 相手の抱える問題や事情に結び付けるよ
うにする
ここで持つべき行動理論はお役立ちの精神
営業の言うことだし
本当かな →そんな事
例があるなら嘘では
ないな→でもうちで
は事情がちがう→こ
の営業になら話して
みるか
う ち あ
け
お客様に本
音を打ち明
けさせ本格
提案に繋げ
る
1 お客様の個別事情を
聞き出す
2 解決策のアイデアを
出し合いながら共通
課題で合意する
3 本提案への了承を得
る
・ 隠された本当のニーズを探り出すために
質問を準備しておく
・ 自分の意見の押付けたり逆に安易な迎合
をせず、お客様のアイデアを活用する方向で、とも
によりよい解決策を創るようにする
・ 本提案に対する相手の期待を高めるため
にも、共通課題を明確にする
ここで持つべき行動理論は反対歓迎、個別意識、お
役立ちの精神
この営業なら話して
みるか →
ここまでしゃべらし
てどうでるか →
よく悩みを分かって
くれたな
・ 個別事情が聞き出せたら解決策のアイデアを出し合いながら共通課題で合意します。
・ そして共通課題が明確にできたなら、本提案の了承を得ます。この約束が出来ないと、
お客様は共通課題をずっと考え続けてくれません。
・ この時、次回のアポイントとりやセッティングを必ず行わないといけません。キーマン
4
が他にいたら本格提案に同席してもらうことや、上司への報告をして頂く約束もしてしまいま
す。日時も決めてしまいます。
このリサーチの流れに付いて、お客様の心理の動きを先取りした、営業マンのコントロールを対
比したものを次に示します:
過程 お客様の心理の動き 営業マンのコントロール
「気づき」 「ウチではそんな問題があるのかな? 」 問題提起
「提言」 「ほっておけないな!」 その点ですが
「どんなものなの ?」 セールスポイント
「ほんとなのかな? 」 実例
「うちにとってのメリットは?」 具体策の提案「いかがでしょう
か」
「うちあけ」 「そうじゃないんだよ!」 個別事情の聴きだし
「ここまでしゃべらせてどうでるの?」 解決策のアイデア提示
「どうやったらいいの? 」 共通課題の明確化
「よく分ってくれたな!」 本格提案への了承
「警戒心」から「信頼」へと心理状態が変化していることに留意してください。CST とは、「営業マン
の働きかけに対するお客様の心理の流れを先取りして、営業マンが商談をコントロールする技
術」なのです。
(4)提案技術(プレゼンテーション・テクニック)
① 事前準備:
挨拶、プレゼンテータ、質疑応答、セッティングなどの役回りを決めておく。また、ここでも、
「Input – Process – Output」を事前に設定しておく。
② 提案書の構成(本提案時の一般的構成):
1. 提案の背景(はじめに)
2. 提案の骨子(目的)
3. 現状の問題(Why Tree より問題の構造を論理的に分析し、根本的な問題を導く)
4. 解決すべき課題(How Tree や3 C,4 P などの観点から対策として漏れがないように課
題を抽出する)
5. 解決策(全体システム構成や機能階層図などを図示)
6. 期待効果
7. スケジュール
5
8. 構築・運用費用
9. 参考資料(データ、事例など)
※その他留意事項:図解を多様/フォントとカラーの統一/的確な文章表現
③ プレゼンテーション:
• Wow!で心を掴む(エンターティナーになりきる)
• 声の抑揚(メリハリ)、目線で飽きさせない
• 必ず(山場を作る)
• QnA を、不安・疑念の払拭に活かす
• クロージングを迫る(期限を切る)
4.ソリューション・セールスのマインドセット(根本精神)
最後に、一番大事な部分である営業としてのマインドセットに関して考えを述べさせていただき
ます。樹に例えますと、営業技術は“枝葉”であり、行動理論は枝を支える ”“幹 と考えられます。そし
て、一番大事な ”“根 に当たる部分がマインドセット(思考様式、価値観、信念などの根本精神)な
のです、ここが誤っていると、いずれ樹は倒れてしまいます。ですので、商談スキル習得に先立っ
て、「根本精神」による意識改革を通じ「正しい行動理論」を身に付けることがより根幹であり重要
なのです。
6
7
知識・技術(枝・葉):
- 製品・業務知識
- 論理的思考法
- 営業技術
行動理論(幹):
- Y 理論(お客様賢者論、お役立ちの精神)
- コントロールする意識
- コミュニケーションの難しさの意識
- 反対歓迎の精神
- 個別意識
マインドセット(根):
- お役立ちの精神(誠実・正直)
- 業績魂(会社を生かすのは営業の使命)
- 自己責任意識(原因を徹底的に自己要因
に求める強さ・心の姿勢)

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  • 1. 私の営業スタイルと技術 IT 業界における 20 年以上の営業経験から、自己の営業スタイルと技術を確立してきました。 これまで、数多くの営業教育研修への参加や営業技術の啓発本も読んできましたが、結局、その場 限りの知識レベルに留まるものが殆どで、スキルとして身につけることが難しいことを十分理解 しています。なぜなら ”“分る ことを ”“出来る レベルまで昇華させるには、訓練-実践という経験な しでは、到達できないからです。 私は、幸運にもシステムインテグレータ時代に、優れた営業技術に出会い、その営業教育講師も 数年間経験することで「コンサルテーションセールス技術」を習得致しました。これを基礎とし実 践することで、自らも、またチームとしても多くの重要案件獲得につなげてきました。 以下は、私の営業のスタイル・技術・考え方を「ソリューション・セールス」としてまとめたも のです。同時に、主要な獲得実績も実例として付記致しております(提案書としてご紹介できる のは、偶然にも手元にあるもののみになります)。 候補者としての御検討を頂く上で、ご参考としてご一読頂ければ幸いです。 1. ソリューション・セールスとは(私の定義) • お客様の「個別の課題(問題) ”」に対する解決策を“共同 で作り上げ、問題解決策(ソリューシ ョン)を提案することで、商談成功の確率を上げる営業スタイル • 核となるのは、コンサルテーション型の営業技術(個別提案型商談技術)であり、これによ って問題の発見と、共通課題の抽出・設定を実現する • また、自社の製品・サービスを核としながらも、あくまでお客様の問題解決を図ることを目 的とするため、自社の製品・能力で補えない場合は、パートナーを巻き込んで問題解決策を 総合プロデュースする • つまり、お客様にとっては、ハードウェアやパッケージ製品などは二義的なものであり、ソ リューション・セールスに於いて売るものは ”“問題解決の知恵 である。 2.ソリューション・セールスに必要な要素 • 知識(Knowledge): 自社製品、業界、顧客の市場動向・ライバル企業の動向・業務知識 • 技術(Skill): プロセスデザイン、インタビュー技術、説得技術、問題解決策をまとめる論理的思考力、プレ ゼン技術、長期取引継続・拡大のためのリレーションシップ構築力 • 態度(Attitude): お役立ちの精神、反対歓迎、個別意識、コンサルタント意識(警戒心から信頼へ導くため、相 手の心理を意識しながら商談をコントロールする)、コミュニケーションの難しさの意識 (嫌悪感を抱かれないマナーやトークスキルが重要) 1
  • 2. 3.営業技術 (1)対象ターゲットへの営業プロセスのデザイン 全体の流れは、次のようになります: 各段階での行動指針を下記に示します: ① ターゲティング: 業界動向、ニーズ、ポテンシャルによるターゲッティング、優先順位付け ② プランニング: コンタクト企業の事業内容のみならず、取巻く環境分析と業界動向を把握し、ニーズを仮説する。 ③ アプローチ: 必ず役立つソリューションを提案するという信念に基づき、立ち上がりから商談をコントロール し心を開かせる。 ④ リサーチ: 個別ニーズや悩みを聞きだしながら、問題を発見する(傾聴と質問による2 Way コミュニケー ション) ⑤ プレゼンテーション: 共同で作り上げた問題解決策を、論理的かつ具体的に表現した提案書をもってプレゼンを行い、 お客様関係者の合意を取り付ける。 ⑥ クロージング: お客様の迷いを解消しながら(期待効果や他社成功事例、何もしない場合のリスク)決心のお手 伝いをする。 ⑦ アフターフォロー: 運用開始後も、問題や満足度を把握するために定期訪問を実施。次の受注機会・紹介(ハッピー コール)につなげる。 (2)インタビュー技法 ①Input – Process – Output(何を提供し、どう商談をコントロールし、何を導くか/持ち帰るか) を事前に設定し、本提案につながるようにヒアリング調査の成果を挙げる。 ② 仮説を基に商談の土台を作る(「CRM・SFA を導入したものの効果が見られない→営業マン の時間を拘束し、顧客折衝時間を失わせているのではないか?→顧客データのシステム間連携・ 共有と自動更新が不可欠。そこで・・・」) ③ 傾聴、相槌、頷き、目線、質問でお客様に話させる。相談相手の姿勢で望み本音を聞きだす。 ④ 社内事情を把握する(経営課題、戦略、組織構造、決定プロセス)。 ⑤ 客様の競合企業の状況を聞きだす(あるいは情報提供する)。 2 ターゲティング   プランニン グ アプローチ リサーチ プレゼンテーシ ョン クロージング アフターフォロ ー
  • 3. ⑥ 客様の心理状態を先取りした 2-Way コミュニケーションで場をコントロールする。(一般的に は、・・が問題になっているようですね) ⑦ お客様の個別事情とセールスポイントとのつながりで問題提起する(その点ですが・・) (3)説得技術(コンサルティング・セールストーク=CST) ■CST(コンサルティング・セールス・トーク)とは: 「個別提案型商談技術」です。なぜ、「個別商談型」かと申しますと、お客様毎に業務や組織など、独 自の文化があります。決して画一的なわけではありません。そしてその独自文化にディペンドし た固有の問題を抱えているはずです。これを個別事情といいます。 その個別事情(問題)に対して、汎用的に直接解決に結びつく商品やサービスはまずありません あったら売り込みにいかなくても宣伝さえしていれば相手から求めてくるでしょう。 ですから商談の中で問題点を引出し、自社製品・サービスのセールスポイントで解決をできる共 通課題を見出すことが最も重要となってきます。 「個別提案型商談技術」では個別事情の把握がなければ商談は空回りしてしまいます。 ■CST 理論の要点: • CST とは、買う気の無いお客様のよき相談相手になりながら、共通課題(問題解決策)の創 出を通じて、お客様に買う気を起こさせる商談技術。 • 次の「5つの行動理論(心の姿勢)」を基礎として、お客様の心理状態を先取りし、商談をコ ントロールする技術です: 1 Y 理論(お役立ちの精神) 2 コントロールする意識を持つ 3 コミュニケーションの難しさを意識する 4 反対歓迎の精神 5 個別意識 3 何を :お客様の抱える問題 なぜ :このままいくとどうなる? 他では? 何のために:あるべき姿は? いかに:セールスポイントによる問題解決( = 共通課題) 潜在ニーズ (問題) お客様 商品・サービス (SP) 営業マン 商談技術による 問題解決のお手伝い 商談技術による 問題解決のお手伝い 共通課 題
  • 4. ■CST の流れ: 流れの具体例として、一部(リサーチの段階)を次に示します: リサーチの目的は、「お客様の個別ニーズや悩みを聞き出しながら解決する問題を発見すること」 です。ここからが、お役立ちの第一歩です。 ここでは、気づき-提言―うちあけとうい3つの過程の流れです: 過程 目的 段階 留意点・説明 心理 気づき 問題提起を 行いこちら の話を聞く 気にさせる 1 仕事上の悩みを聞き 出す 2 問題意識を引出す ・ お客様に話させ、何でも幅広く聞く ・ 相談相手の姿勢で望む(指摘ではなくお 客様の立場で考える) ・ お客様の事情とSPとのつながりで問題 提起する ここで持つべき行動理論は個別意識 良く勉強しているな → 問題があるかな、ほう っておけないな 提言 的を絞って 山場を作り、 問題解決の スタートを 切る 「その点ですが」 1 用具を活用してSP を説明する 2 実例で証拠立てる 3 必要性を強調し具体 策を提案する 「いかがでしょうか」と 押す ・ SPは用具やジェスチャを活用して五感 に訴える ・ 力強く確信を与える話し方 ・ メリット説明を具体的に ・ 相手の抱える問題や事情に結び付けるよ うにする ここで持つべき行動理論はお役立ちの精神 営業の言うことだし 本当かな →そんな事 例があるなら嘘では ないな→でもうちで は事情がちがう→こ の営業になら話して みるか う ち あ け お客様に本 音を打ち明 けさせ本格 提案に繋げ る 1 お客様の個別事情を 聞き出す 2 解決策のアイデアを 出し合いながら共通 課題で合意する 3 本提案への了承を得 る ・ 隠された本当のニーズを探り出すために 質問を準備しておく ・ 自分の意見の押付けたり逆に安易な迎合 をせず、お客様のアイデアを活用する方向で、とも によりよい解決策を創るようにする ・ 本提案に対する相手の期待を高めるため にも、共通課題を明確にする ここで持つべき行動理論は反対歓迎、個別意識、お 役立ちの精神 この営業なら話して みるか → ここまでしゃべらし てどうでるか → よく悩みを分かって くれたな ・ 個別事情が聞き出せたら解決策のアイデアを出し合いながら共通課題で合意します。 ・ そして共通課題が明確にできたなら、本提案の了承を得ます。この約束が出来ないと、 お客様は共通課題をずっと考え続けてくれません。 ・ この時、次回のアポイントとりやセッティングを必ず行わないといけません。キーマン 4
  • 5. が他にいたら本格提案に同席してもらうことや、上司への報告をして頂く約束もしてしまいま す。日時も決めてしまいます。 このリサーチの流れに付いて、お客様の心理の動きを先取りした、営業マンのコントロールを対 比したものを次に示します: 過程 お客様の心理の動き 営業マンのコントロール 「気づき」 「ウチではそんな問題があるのかな? 」 問題提起 「提言」 「ほっておけないな!」 その点ですが 「どんなものなの ?」 セールスポイント 「ほんとなのかな? 」 実例 「うちにとってのメリットは?」 具体策の提案「いかがでしょう か」 「うちあけ」 「そうじゃないんだよ!」 個別事情の聴きだし 「ここまでしゃべらせてどうでるの?」 解決策のアイデア提示 「どうやったらいいの? 」 共通課題の明確化 「よく分ってくれたな!」 本格提案への了承 「警戒心」から「信頼」へと心理状態が変化していることに留意してください。CST とは、「営業マン の働きかけに対するお客様の心理の流れを先取りして、営業マンが商談をコントロールする技 術」なのです。 (4)提案技術(プレゼンテーション・テクニック) ① 事前準備: 挨拶、プレゼンテータ、質疑応答、セッティングなどの役回りを決めておく。また、ここでも、 「Input – Process – Output」を事前に設定しておく。 ② 提案書の構成(本提案時の一般的構成): 1. 提案の背景(はじめに) 2. 提案の骨子(目的) 3. 現状の問題(Why Tree より問題の構造を論理的に分析し、根本的な問題を導く) 4. 解決すべき課題(How Tree や3 C,4 P などの観点から対策として漏れがないように課 題を抽出する) 5. 解決策(全体システム構成や機能階層図などを図示) 6. 期待効果 7. スケジュール 5
  • 6. 8. 構築・運用費用 9. 参考資料(データ、事例など) ※その他留意事項:図解を多様/フォントとカラーの統一/的確な文章表現 ③ プレゼンテーション: • Wow!で心を掴む(エンターティナーになりきる) • 声の抑揚(メリハリ)、目線で飽きさせない • 必ず(山場を作る) • QnA を、不安・疑念の払拭に活かす • クロージングを迫る(期限を切る) 4.ソリューション・セールスのマインドセット(根本精神) 最後に、一番大事な部分である営業としてのマインドセットに関して考えを述べさせていただき ます。樹に例えますと、営業技術は“枝葉”であり、行動理論は枝を支える ”“幹 と考えられます。そし て、一番大事な ”“根 に当たる部分がマインドセット(思考様式、価値観、信念などの根本精神)な のです、ここが誤っていると、いずれ樹は倒れてしまいます。ですので、商談スキル習得に先立っ て、「根本精神」による意識改革を通じ「正しい行動理論」を身に付けることがより根幹であり重要 なのです。 6
  • 7. 7 知識・技術(枝・葉): - 製品・業務知識 - 論理的思考法 - 営業技術 行動理論(幹): - Y 理論(お客様賢者論、お役立ちの精神) - コントロールする意識 - コミュニケーションの難しさの意識 - 反対歓迎の精神 - 個別意識 マインドセット(根): - お役立ちの精神(誠実・正直) - 業績魂(会社を生かすのは営業の使命) - 自己責任意識(原因を徹底的に自己要因 に求める強さ・心の姿勢)