著者：松尾豊「人工知能は人間を超えるか」を読んでポイントをまとめました。 人工知能の過去のムーブメントと学問的要素が解説され、2012年以降の第3次AIブームは何が違い、今後への期待と課題がわかりやすく書かれています。 人工知能（AI）の概要を知りたい。機械学習やディープラーニングの基本を抑えたい方には必読の書籍です。詳しく知りたい方は書籍の購入をおすすめします。

1. ざっくりおさえる
「人工知能は人間を超えるか（松尾 豊）」
田中 正太郎
twitter：@SH0_TA_R0

2. 人工知能は人間を超えるか
ディープラーニングの先にあるもの
松尾豊｜2015｜株式会社KADOKAWA

3. 人工知能 第1次ブーム：探索による最適推論
推論：基地の知識をもとに、道の事柄を推し量り答えを導くこと
探索：最初に与えれらた状態から目的の状態に至るまでの
状態の変化を場合分けを行いながら探し出すこと
探索木＝場合分け：やり方によって効率の良し悪しがある
ex:
● 迷路（最適経路）
● ハノイの塔
● ロボットの行動計画（プランニング）
→STRIPS（Stanford Reserch Insutitute Program Solver）
● 特徴量評価：ミニマックス法、モンテカルロ法
プランニング
前提
条件
行動
結果

4. 人工知能 第2次ブーム：知識の集積と対話
知識：大量の知識（情報）をインプットとして最適な推論を示す
→課題は“知識”の記述が難しいこと
ex:
● エキスパートシステム
○ 知識を専門家から引き出してインプットする必要がある →コストが掛かる
○ 知識量が増え、ルールが増えるとルール間に矛盾や一貫性の欠如が起こる →知識の維持が
困難
● 意味ネットワーク：Cycプロジェクトで進められたが何十年立っても書き終わらない
● オントロジー：ヘビーウェイト／ライトウェイト
フレーム問題やシンボルグラウンディング問題の存在によって人工知能の実現
に大きな疑問符がついた

5. 人工知能 第3次ブーム：自身で学習する仕組み
機械学習（Machine Learning）：プログラム自身が学習する仕組み。
“学習”とは･･･「分ける」→「判断する」→「認識する」（→行動する）
● 分類
● 回帰
機械学習
教師なし
学習
教師あり
学習
入力と正しい出力がセットになった訓練データが有る
入力用データのみを与え、データに内在する構造を掴ん
で、データ内のパターンやルールを抽出する
ex:クラスタリング
※機械学習では、(エムニス
トのような)共通のデータセッ
トを使って学習。学習やテス
トの方法にも標準的なやり
方がある

6. 機械学習の代表的な分類方法
最近傍法
Nearest neighbor
一番近いデータに分類する
→単純な分ノイズに影響されやすい
ナイーブベイズ法
Naive Bayes
「ベイズの定理」データの特徴ごとにどのカテゴリに当てはめるのかを足し合わせていく。カテゴリ
の記事に含まれる確率から算定した得点を足し合わせてカテゴリを決める
→属性に応じて評価する方法で合理的でわかりやすい
決定木 ある属性がある値に入っているかどうかで線引きをする。質問のツリーを自動的に作り分類する
→複数の属性を組み合わせた条件を作ることができないので精度は高くない
サポートベクターマシン
Support Vector Machine
マージン（空白）を最大にするように分類する
→精度が高くよく用いられるが、計算に時間がかかる
ニューラルネットワーク
Neural Network
人間の脳神経回路をマネすることによって分類する。肝となるのは重みづけ。重みづけを変化さ
せ、最適な値を出力するように調整することで精度を高めていく
→詳細は次項

7. ニューラルネットワーク
入力
0.8
0.2
1.0
0.0
0.1
0.5
1.0
4.0
-2.6
重みづけ
出力
あるニューロンが他のニューロ
ンから0か1の値を受け取り、そ
の値に何らかの重みをかけて足
し合わせる。
それがある一定の閾値を超える
と1になり、超えなければ0にな
る。それがまた次のニューロン
に受け渡される

8. 機械学習の弱点｜特徴量設計
特徴量設計（Feature engineering）：特徴量を何にするか（どんな変数を読み込
ませるか）によって、予測精度が大きく変化する
機械学習の精度は「どんな特徴量を入れるか」によってしまい、機械にはできなかった。人間が考えるし
かなかったため、機械学習にとって特徴量の設計は機械学習にとっての課題であった
人間は特徴量を掴むことに長けている

9. ディープラーニング
ディープラーニング（Deep learning）：特徴表現をコンピュータムズからが獲得す
る
● 多階層ニューラルネットワーク
○ 1階層ごとに学習する
○ 自己符号器（オートエンコーダー）を用いる
入力と出力を同じにすると隠れそうに特徴量が生成される
マシンパワーが飛躍的に向上したことで、頑健性が高まり、実現可能になった

10. ディープラーニングの先の研究
①画像からの特
徴表現と概念の
獲得
②マルチモーダ
ルな特徴表現と
概念の獲得
③「行動と結果」
の特徴表現と概
念の獲得
④一連の行動を
通じた現実世界
からの特徴量の
取り出し
⑤言語と概念の
グラウンティング
⑥言語を通じて
の知識獲得（人
間を超える？）
画像データ
観測データ
（動画+音声+圧力
など）
自分の行動データ
+観測データ
試行錯誤の連続的
な行動データ
言語データ
人類が蓄積してきた
大量の言語データ
獲得する
能力
入力
データ
画像認識精度の向
上
環境認識
行動予測
プランニング
フレーム問題の解
決
推敲・オントロジー
高度な状況の認識
シンボルグラウン
ディング問題、言語
理解
知識獲得のボトル
ネック解消
高次社会予測
関連領域

11. 今後の人工知能
（今の）人工知能には「人間と同じ身体」「文法（人なりのルール）」「本能（快／不快）」がないが、技
術発展とともに社会への影響も発生する。日本においては、データ利用に対する社会の許容性や
ルールづくり、技術理解に対する投資などの課題がある
認識精度向上
感情理解
行動予測
環境認識
自律的な行動計画
環境認識能力
の大幅向上
言語理解 大規模知識理解
画像認識
マルチモーダルな
抽象化
行動と
プランニング
行動に基づく
抽象化
言語との紐付け さらなる知識獲得
広告
画像からの診断
ペッパー
ビッグデータ
防犯・監視
自動運転、農業の
自動化、物流（ラス
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