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輪講
6/8
B4 鉢木惇也
紹介する論文
“空気圧アクチュエータによる拮抗冗長ロボットアー
ムの手先位置制御”
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2014, 3P2-
K06(1)-"3P2-K06(3)", 2014-05-24
一般社団法人日本機械学会
冨永 毅, 井上 貴浩
論文の構成
1. 緒言
2. 3リンクアームのモデリング
3. 3リンクアームの制御性能比較
4. シミュレーション
5. 考察と緒言
1. 緒言
現在ロボットは幅広く普及しており, 人との接触が
不可避であり, 安全性が求められている.
空気圧アクチュエータは軽量で小型だが比較的大
きな出力を得られる.
1. 緒言
空気圧アクチュエータは電動アクチュエータと比較すると,
コンプライアンス制御が容易, 出力重量比が高いなどのメ
リットがある.
一方, 応答性が悪い, 高精度の位置制御が困難などのデメ
リットがある.
以上を踏まえて, 産業用途で多く利用されている電動モー
タを各関節軸に直接配置した駆動系と空気圧アクチュエー
タを各関節に拮抗配置した駆動系との運動性能評価をお
こなう.
2. 3リンクアームのモデリング
2.1 空気圧アクチュエータによる拮抗駆動機構
本研究で取り扱うロボットアームは3関節を有する xy平面を可
動領域とする構造.
関節1つに1対のアクチュエータを配置, 合計6個のアクチュ
エータを第1リンクに設置している.
2. 3リンクアームのモデリング
2.2 運動方程式の導出 第 リンク長を
各重心位置位置ベクトルを
各リンクの関節角度を
2. 3リンクアームのモデリング
2.2 運動方程式の導出
・各重心位置
ここで      とし, はそれぞれ
の略記とする.
2. 3リンクアームのモデリング
2.2 運動方程式の導出
・システム全体の運動エネルギーK
ここで  を各リンクの質量,  を各リンクの慣性モーメントとする.
2. 3リンクアームのモデリング
2.2 運動方程式の導出
・重力によるポテンシャルエネルギー
以上より, 3リンクアームにおけるラグランジアン は
2.3 3リンクアームのモデリング
2.2 運動方程式の導出
(6)式に各関節とアクチュエータ軸の粘性項を加えると, 以
下の運動方程式が得られる.
 は各アクチュエータへの制御入力で,  は粘性摩擦係数
3. 3リンクアームの制御性能比較
駆動系の異なるロボット制御系において手先位置
の軌道制御性能を比較検討する.
3. 3リンクアームの制御性能比較
3.1 制御方法
手先位置と目標値間で PID制御を行うが, 第1関節は x座
標に関して, 第2関節は y座標に関するフィードバックを行
う.
第3関節は 0°を保つように制御する
3. 3リンクアームの制御性能比較
3.1 制御方法
・DCモータによる直駆動の場合の制御式
は各座標における目標との偏差で
はそれぞれ比例, 微分, 積分ゲイン
は第3リンクの角度とし, は第3リンクの目標角
3 3リンクアームの制御性能比較
3.1 制御方法
・空気圧アクチュエータによる拮抗駆動での制御
は第 関節を反時計周りに回転させる側のアクチュエータへの制御圧力
拮抗する残り3つのアクチュエータには制御中一定の空気圧        を入力
4. シミュレーション
前述したシステム構成と制御方法で3リンクアーム
の制御をおこなう.
また, 重力を考慮した場合と無視した場合の比較
もおこなう.
4. シミュレーション
ロボットの初期手先位置 x=0.3m, y=-0.3√3m
からステップ入力として目標座標 =0.3m
 =0mを与えた.
4. シミュレーション
4.1 y座標の時間変化の比較
<拮抗駆動の特徴>
オーバーシュートが起きていない.
重力無しのほうが早く収束する.
<モータ直駆動の特徴>
重力の有無が過渡特性に影響がない.
4. シミュレーション
4.2 y座標の速度の比較
拮抗駆動とモータ直駆動の両方で定常特性に差はほとんど見られない
4. シミュレーション
4.2 y座標の速度の比較
拮抗駆動のほうが最高速度が大きい.
減速区間も変化率が大きく素早く目標値に収束している.
4. シミュレーション
4.3 ロボット手先のxy面内での軌跡
<拮抗駆動>
安定した直線を描いている.
重力の有無にあまり影響しない.
<モータ直駆動>
重力下においてx軸方向に大きく揺れている.
5. 考察と結言
・ステップ関数のようなシンプルな入力に対して,
xy平面内での軌道がほぼ直線的な軌跡を描い
た.
・重力の有無にほとんど影響しないことから, アク
チュエータを各関節周りに拮抗配置する駆動メカ
ニズムが上肢ロボットのリーチング運動に適してい
るとわかる.

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