えにわ0928shoulder01
- 1. 機能評価のポイント
1. 下部僧帽筋
腹臥位 肩関節135°外転位にて徒手抵抗に対して
上腕骨の外旋を保持することができる
〔機能障害〕
・他動的に保持できない ー 小胸筋短縮
・最終域の保持はできないが10〜15度肢位を変えると保持が可能
ー 下部線維の延長
・どの肢位でも徒手抵抗に抗することができない
ー 下部線維の弱化
・抵抗をかけると肩胛骨が挙上 ー 上部線維が優位
・肩胛骨が下方回旋もしくは肩関節内旋 ー 菱形筋優位
- 3. 機能評価のポイント
3. 腹臥位 上腕骨は肩胛骨面上を肩胛骨の不適当な運動や
上腕骨の前方すべりを伴うことなく、70°内旋が可能
※ 徒手抵抗もかける
〔機能障害〕
・上腕骨前方すべり ー 小円筋、棘下筋、三角筋後部線維の
硬化・短縮、前方関節包弛緩
・肩胛骨の前傾 ー 下部線維の延長、弱化、小胸筋の短縮
・肩胛骨の挙上 ー 上部線維が優位
・内旋制限70度以下 ー 小円筋、棘下筋、三角筋後部線維の
短縮
・内旋筋力 ー 肩胛下筋の延長、弱化
- 4. 機能評価のポイント
4. 腹臥位 肩関節外旋 : 肩90度外転位にて上腕骨は
肩胛骨面上を90度外旋できる。肩胛骨の外転/下制を伴わない
〔機能障害〕
・上腕骨頭の前方または上方すべり ー 前方関節包の弛緩
三角筋後部線維が優位
・肩胛骨の外転 ー 僧帽筋、菱形筋の弱化、延長
・肩胛骨下制 ー 僧帽筋下部線維または広背筋優位
・外旋制限90度以下 ー 大円筋、肩胛下筋の短縮
・外旋筋力弱化 ー 小円筋、棘下筋、三角筋後部線維の弱化
- 5. 機能評価のポイント
5.
小胸筋の筋長 ー 仰臥位、上肢は体側、肘伸展位
手掌は腹側、肩峰後端から台までの距離
〔正常〕 1.25cm以下。烏口突起を頭側、背側、外側に押して伸長
した場合、肩峰の後端は台に着く
※胸郭の挙上、胸椎の回旋は伴わない
〔機能障害〕
・2.5cm以上。肘屈曲位、肩軽度屈曲位で小胸筋を伸長しても台
につかない ー 小胸筋短縮
・肘屈曲位にて小胸筋の短縮が示唆されず、肘伸展位で同様の
テストで肩が台につかない ー 上腕二頭筋短頭の短縮
※小胸筋の硬さ・短縮は上肢の痛みの重要な因子。烏口突起
を前方に下制させ脈管等にインピンジメントを惹起する
- 6. 機能評価のポイント
6. 広背筋の筋長 ー 仰臥位。
〔正常〕 上肢最大挙上で180°まで肩屈曲可能。腰椎はフラット。
〔機能障害〕
・ 上腕骨の前方または上方すべり、内旋、肩胛骨の上方回旋が不十分であると
痛みを伴った可動域制限を生じる
・ 腰椎フラットで肩関節屈曲180度未満 ー 広背筋短縮
・ 肩関節屈曲に伴い腰椎が伸展する ー 広背筋の短縮・硬化、腹筋群は硬さが少なく
腰椎は伸展方向に柔軟
・ 肩胛骨下角が胸郭後外側縁から1.25cm以上突出 ー 大円筋短縮
rule
out
;
上腕骨内旋で可動域増大 ー 大円筋短縮
可動域が変化しない ー 肩胛骨〜上腕骨間筋群の短縮
※ ・腹筋上部線維が硬い場合、胸郭が下制し肩が腹側に引かれる。
・上部胸椎が後弯している場合がある。
・小胸筋が短縮していると肩胛骨が前方傾斜するため肩胛上腕関節は屈曲制限
があるようにみえる
- 14. 適応的短縮
・ 筋が短縮位で固定されると急速(2〜4時間)
に直列の筋節を失う
・ 長時間の構造的適応による短縮は、長期間の治療が必要
・ 短縮した筋をストレッチするだけでなく、伸長された筋が運動を代償している
場合は、それを短縮させることが重要
適応的延長
・姿勢の影響や筋が伸長位で長期間固定された場合
・筋節の数が増え、各々の筋節の長さが減り、新しい筋長で最大の張力を
生み出すようになる