下肢創外固定術後装具療法の試み
- 5. 症例②:60代女性
左下腿骨幹部開放骨折
除雪機に巻き込まれ受傷
前脛骨筋,足趾伸筋欠損
軟部組織再建後,足部挙上、安静を目的に
足関節中間位で創外固定
前方コンパートメント欠損
→ muscle imbalanceによるclaw toeのリスク
◆claw toe予防を目的
◆良肢位保持(足趾伸展位)
【装具作製】
- 10. 考察
拘縮治療は如何に拘縮を作らないか,
どれだけ最小限に癒着,瘢痕化を抑えることができるかが重要.
(林,2004)
Long term goalを見据え二次的なROM制限を
早期から予防する工夫が必要.(唐澤ら,2011)
予防的観点を持つことが重要.
拘縮,変形予防を目的に創外固定中の装具療法を実施
→ 報告した3例に変形は生じなかった.
※装具による良肢位保持が奏功したと考える
- 11. 装具療法施行時の注意点
褥瘡形成等の皮膚トラブル
褥瘡の予防には局所への圧集中を避ける必要がある.(亘理ら,2008)
装具fitting不良で局所に圧が集中すると褥瘡形成のリスクとなる.
患者本人,PTによる皮膚状態の観察を徹底.
基本的に1日中常時装着
関節構成体は不動4週以降にROM制限の責任病巣として関与する.
不良肢位で不動化されてしまうと関節拘縮を助長してしまう.
装具療法の主目的は良肢位保持.
(沖田,2010)
リハ,自主練習,入浴時以外は常に装着するよう指導.