1. ハワイ研修 事前研修
日本と米国の医療
医療保健学部 医療情報学科
今泉 一哉

2. 医療は文化
• 米国「医療は権利？～市場原理～？」
• イギリス「ゆりかごから墓場まで？～医療国営
～？」
• 日本「国民皆保険？・フリーアクセス？」
• データをもとに鳥の目で（鳥瞰図）見ましょ
虫の目も
データは真実の一部を表す
う
大事！！
重要なのは解釈
自分で触れて自分で考える！！

3. 医療の急速な変化
先駆者への敬意
1820-1910 歴史・文化の考察

4. 基本情報を比較
米国
米国 項目
項目 日本
日本
約3億1千万人 人口
人口 約1億3千万人
960万km2 面積
面積 14万km2
14.6兆ドル 国内総生産（GDP・名目）
国内総生産（GDP・名目） 5.5兆ドル
16.2% 医療費（対GDP比）
医療費（対GDP比） 8.3%
76歳 平均寿命（男性）
平均寿命（男性） 78歳
81歳 平均寿命（女性）
平均寿命（女性） 86歳
12.6% 高齢化率
高齢化率 23.1%
7人 乳児死亡率（1000人あた
乳児死亡率（1000人あた 2人
り）
り）
5.6日 平均在院日数
平均在院日数 19.2日
2.7床 急性期病床数（1000人あた 8.2床

5. 一人当たり総医療費
米国
日本

6. 医療の質国際評価
主観的健康 死亡率
寿命 若年 循環器 糖尿病 精神 事故
がん 呼吸器 筋骨格 幼児
日本
米国
The conference board of Canada http://www.conferenceboard.ca/hcp/Details/Health.aspx#Indicators

7. 総合評価 日本 A
米国 D

8. 日本と米国を比較すると
• 医療費：医療費が安い
• 寿命：元気で長生き
• 主観的健康度：なぜか低い
• 死亡率：低い
米国は医療が高額で
日本は安くて良い医療が受けられる
健康度が低い？？

9. 日本の医療重点分野 五四疾患五事業
四疾患＝がん，糖尿病，脳卒中，心筋梗塞，精
神疾患）

10. 五事業
救急医療・災害医療・周産期医療・
小児救急医療・へき地医療

11. 日本の医療問題
• 医療費・介護費高騰
• 医師・医療者不足
• 老老介護
• 少子高齢化

12. アメリカの医療の問題点
• 平等性：無保険者
（4600万人/15%）
• 医療費高い：世界一
位
• Health care reform
– 医療保険義務化
– 無保険者3200万人減
– 95%保険加入

13. 日本の医療保険の仕組み
• 国民皆保険
• 保険組合
（職場・市町村単位）
• 保険料
• 互助

14. 介護保険制度
• 2000年開始
• ドイツの制度がモデル
• 市区町村が基本
• 被保険者：40才以上
• 65歳以上 介護・日常生活支援
（40〜64歳 特定疾病）
• 財源：保険料／公費
（国、都道府県、市区町村）
• 自己負担 1割

15. 米国の民間保険
• 基本的な考え方：民間保険に加入（会
員）
• 保険未加入⇒医療を受けられない
• 保険のプランによって受けられない治療
あり
• 従業員の福利厚生
• HMO
– 保険料＋自己負担
– 組織外の医療を受けられない
– 主治医を通す

16. 米国の公的保障
• 基本的な考え方：自己負担
• 公的保険：社会保障
• メディケア：高齢者・障害者
– 診療費負担（処方箋・薬は含まれない）
→薬も含まれるものもある
• メディケイド：低所得者

18. 医療保険制度改革
•無保険者 ４千万人超
→2019年５４００万人
•医療に伴う破産
•保険会社の支払い拒否
• 10年間 9400億ドル（約85兆
円）
• 中低所得層に税額控除や補助
• 国民の保険加入を事実上義務化

19. アメリカの医療の問題点
• 平等性：無保険者
（4000万人：人口
1/4）
• 医療費高い：医療費
GDP比＝世界一位
• Health care reform
– 医療保険義務化
– 無保険者3200万人減

20. 世界的に医療費は
年々上昇
理由は？
医療の進歩
長寿化・乳幼児死亡率減
少

22. 高齢化率と総医療費の関係

23. 公的支出
OECD諸国
医療費対GDP比率
（2008年）
OECD Health Data 2010より

24. 1965年 メディケア・メディケイド

25. 米国の医療費の使い道
• 処方薬剤
• 医療訴訟保険の掛け金
• 病院，医師への比較的高い診療報酬
• 民間健康保険会社の経費
• 多数の医療従事者
ハワイ大学 鈴木先生スライドより

26. ここまでのまとめ
• 米国の医療制度
• 医療保険 市場原理？
• 医療費高騰
• 医療制度改革
• 日本の問題点は？
– 医療費高騰
– 医師・医療者不足？
– 社会的入院？
– 在院日数？

27. 医療保険制度の現状

28. 病院数・病床数 日本多い
病院職員数 日本少ない

31. 病院＋長期療養病床数
高齢者人口千人あたり

37. 病院病床あたり臨床医師・病院従事者
数

38. 年間受診回数
1回あたり
医療費

40. 医療サービスの利用状況（
国際比較）
「ほぼ毎日」から「月に1回く
フ ンス
ラ 23.6 45.7 30.8
らい」までの合計
年に数回
アメ カ
リ 26.7 62.4 10.5
利用していない
ド ツ
イ 32.9 40.9 26.1
韓国 56.7 33.6 9.7
日本 56.8 17.7 25.4
0% 50% 100%
資料：
内閣府「
高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」平成18年）
（

41. 病院勤務医負担増の理由

42. チーム医療の推進

43. Data Analyst

44. 日本の課題
• 医療費高騰
• 病院数・病床数 多い
• 在院日数 長い
• 医師数・看護師数 少ない
• 医療者負担 大きい
• 医療体制の構築（分担）
• チーム医療の推進

45. 文化と医療
海外に行くもう一つの意味

46. NI-HON-SAN（ニホンサン）研究
• 日本，Hawaii，California
• 1965年～
• 日本人男子
• 冠動脈性心臓疾患・脳卒中
• 疫学的調査（縦断研究・横断研究）

47. 人口10万人あたりの年齢調整罹患
率（人口対10万）
黒木 登志夫 健康・老化・寿命―人といのちの文化誌

48. 日系３世になると
日経メディカルオンライン：2006. 11. 16

49. 身体観の影響？

50. やせの問題

51. 日本

52. 日米の医療の長所・短所
アメリカ 日本
• 長所 • 長所
– 医療の標準化 – 国民皆保険
– 予防接種予防医療の普及 – フリーアクセス
– 先進医療 – 平均寿命／乳幼児死亡率
• 短所
– 医療費高騰 • 短所
– 無保険者 – 医療費不足・医療者不足
– 医療訴訟 – 予防接種・予防医療の遅れ
– 肥満 – 喫煙率・飲酒率

53. まとめ
• 医療は文化
• 共通点と相違点
• 自分の意見や疑問を持ってハワイに行き
ましょう！！