Appropriate Mesh Density for the Optical Simulation of a Silver Nanoparticle with FDTD Method7. 株式会社科学技術研究所
ナノ学会第17回大会 2019/05/10
7
• 銀の波長分散性をDrude分散+Lorentz分散で表す。
4.3.誘電関数近似
εr ω =ε∞+
ωp1
2
ω(ω+jνc)
+∆ε
ωp2
2
ωp2
2 +jωδp2 −ω2
ε∞ 2.00
ωp1 1.30×1016 [rad/sec]
νc 7.36×1013 [rad/sec]
∆ε 1.00
ωp2 7.00×1015 [rad/sec]
δp2 2.10×1015 [rad/sec]
-40
-35
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
300 400 500 600 700 800 900
Dielectricproperty
Wavelength [nm]
Re (measured)
Im (measured)
Re (dispersion model)
Im (dispersion model)
10. 株式会社科学技術研究所
ナノ学会第17回大会 2019/05/10
10
5.計算時間
Mesh size Timestep Required time
10 mesh/D 6 nm 1.00×10-17 sec 2.5 min
20 mesh/D 3 nm 0.500×10-17 sec 8 min
40 mesh/D 1.5 nm 0.250×10-17 sec 73 min
80 mesh/D 0.75 nm 0.125×10-17 sec 373 min
Computational domain:120x120x1080 nm
Simulation time: 2.55×10-14 sec、CFL number=0.5
10 – 40 mesh/D:SMP parallel 4 core、80 mesh/D:SMP parallel 20 core
Editor's Notes 【タイトルスライド・1】
弊社株式会社科学技術研究所は電磁波シミュレーションソフトウェアを開発・販売する会社。 【スライド・2】
ナノ分野における電磁波シミュレーションの適用例は多い。
ナノ粒子の設計、フォトニックデバイスの構造検討、SERS現象の理解、等々...
これらは金属物性の波長分散性を考慮するためにRCーFDTD法を用いる。 【スライド・3】
RCーFDTD法のシミュレーション精度の決め手は3つのポイントに尽きる。
1つ目は空間精度で、解析条件のうちメッシュ幅と関係する。
2つ目は時間精度で、解析条件のうちタイムステップと関係する。
3つ目は物性の再現精度で、解析条件のうち誘電関数近似と関係する。
メッシュ幅とタイムステップステップについては、
一般に、より小さなメッシュ幅、より短いタイムステップにすることで精度が向上する。
解析目的が消光度などの定量化の場合、解析精度の向上につれ定量結果がある値に漸近する。 【スライド・4】
但し計算時間は、CFL数一定、立方体メッシュの場合、メッシュ幅の4乗に反比例する。
メッシュ幅を1/2倍すると、計算時間が16倍になる概算である。
現場の問題としていたずらに計算時間をかけられない事情に鑑み、
RC-FDTD法で妥当な結果を得る解析精度の理解はますます要請される。 【スライド・5】
本発表では、先ず球形銀ナノ粒子の光学特性シミュレーションについて
消光度スペクトルのピーク強度の精度と計算時間のトレードオフを確認した。
対象は粒径60nmの球形銀ナノ粒子で、エタノール溶媒に単分散した溶液である。
この溶液の消光度ピークは波長420nm前後に現れることが報告されている。 【スライド・6】
シミュレーションモデルは図の通り。
上方からガウシアンパルスを入射した系をシミュレートし、2つの青枠の位置で電界強度の時間領域データを取得。
これをフーリエ変換し、周波数領域データを取得。入射ー透過比から透過率スペクトルを取得。
1から透過率を差し引いて消光度スペクトルを取得。 【スライド・7】
銀の波長分散性をDrude分散+Lorentz分散で表し、この式を本発表では常に使用した。 【スライド・8】
様々な粒径のナノ粒子のシミュレーションに応用できるよう、
メッシュ幅ではなくメッシュ密度を変化させてその差異を検証する。
メッシュ密度は粒径あたりのメッシュ数で定義し、
10、20、40、80の4通りの解析を実行した。 【スライド・9】
シミュレーションで得られた消光度スペクトルを図に示す。
消光度スペクトルのピーク近傍でのみ、メッシュ密度による消光度の差異が見られた。
右の拡大図より、メッシュ密度を向上させるとピーク強度がある値に漸近する様子が見られた。 【スライド・10】
SMP並列計算で解析実行したその計算時間を先ず表に示す。
実際の計算では、計算規模によって並列計算の最適度が異なるため正確に反比例しないが、
メッシュ密度を2倍にすることで3~9倍の計算時間を要した。 【スライド・11】
トレードオフを検証するためにこの図を作成した。
橙プロットは各シミュレーションにおける誤差である。
誤差は、最も真値に近いと考えられる80mesh/Dの消光度ピーク値との差から導出した。
青プロットは、各シミュレーションにおける計算時間である。
【スライド・12】
シミュレーションモデルは図の通り。
上方からSin連続波を入射した系をシミュレートし、時間平均した電界分布を取得。
既報に示されたピーク波長420nmでシミュレーションを実行した。 【スライド・13】
<ピーク波長においては表面プラズモン共鳴が強く現れる>
ピーク波長に相当する正弦波を入射させたときの電界強度分布を図に示す。
入射波の電界振動方向であるX方向に強電界が現れる。
動径方向に中心距離と電界強度の関係をプロットすると、
高メッシュ密度において表面位置の電界強度が強い傾向がみられる。
このことから表面プラズモンが良く再現されたかどうかが解析結果の妥当性に結びついていると考えられる。 【スライド・14】
トレードオフを検証するためにこの図を作成した。
橙プロットは各シミュレーションにおける誤差である。
誤差は、最も真値に近いと考えられる80mesh/Dの表面位置の電界強度との差から導出した。
青プロットは、各シミュレーションにおける計算時間である。
【スライド・15】
ナノ分野のシミュレーションにおいてシミュレーション精度と計算時間のトレードオフを図示、検証した。
ナノ粒子の光学特性シミュレーションで2%精度を実現する場合40mesh/Dのメッシュ密度を要する。
局所表面の電界強度は40mesh/Dのメッシュ密度の場合5%精度で得られる。
トレードオフの図から、定量的解析を実行する場合その誤差を評価することも重要であることが分かる。