160204_修論発表

1. 1
シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの
性能改善・高機能化
水本・庄司研究室 修士2年
加藤 慶太

2. 2
研究背景
近距離間での光配線技術
・・・
光インターコネクション
• 石英ガラス
• Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体
• シリコンフォトニクス
小型化・高機能化
問題
• 通信トラフィック量増大
• 情報機器の消費電力増大
光導波路デバイス
5 μm
Rack to rack
Tokyo Inst. Tech.
On chip
IBM
Chip to chip
Intel
Board to board
Keio Univ.

3. 3
シリコン干渉導波路型光非相反デバイス
• 順方向を伝搬し、逆方向を遮断
• 光能動素子へ反射戻り光が
再入射するのを阻止
光アイソレータ
Si
SiO2
Ce:YIG相反移相器(RPS)
非相反移相器(NPS)
磁界
3 dB方向性結合器
順方向
逆方向
• 循環的な入出力動作を行う
• OADM、分散補償器などに利用
光サーキュレータ
Port2
Port1 Port4
Port3
Port1
Port4
Port2
Port3 Si
SiO2
Ce:YIG相反移相器(RPS)
非相反移相器(NPS)
磁界
3 dB方向性結合器
光能動素子の安定動作に必須！

4. 4
動作原理・透過率波長特性
NPSRPS
-π/2+π/2
Magnetic
field
Port1
+π/2+π/2
Port3 Port2
Port4
0 (Cross)
+π (Bar)
1530 1540 1550 1560 1570
-80
-60
-40
-20
Wavelength (nm)
Transmittance(dB)
Port 1 → Port 2
Port 2 → Port 1
33 dB • 最大33 dBのアイソレーション
• TMモードでのみ動作
T. Mizumoto, et al., Proc. SPIE, 8988, 89880C (2014).

5. 5
修士論文構成
第1章 序論
第2章 干渉導波路型光非相反デバイスの基本構造
第3章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの製作
第4章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの挿入損失低減
第5章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの温度無依存化
第6章 シリコン導波路型光アド・ドロップマルチプレクサ
第7章 結論
第1章 序論
第2章 干渉導波路型光非相反デバイスの基本構造
第3章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの製作
第4章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの挿入損失低減
第5章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの温度無依存化
第6章 シリコン導波路型光アド・ドロップマルチプレクサ
第7章 結論

6. 6
挿入損失要因内訳
A: 参照導波路(～20 dB)
ファイバ・導波路間損失
導波路伝搬損失
B: Ce:YIGの損失(～11 dB)
Ce:YIG吸収損失
モード不整合損失
C: その他(～3 dB)
3 dB方向性結合器
曲げ導波路
Si
Air
Ce:YIG
SiO2
SGGG
Ce:YIG吸収損失モード不整合損失

7. 7
シミュレーション結果・挿入損失低減構造
Ce:YIG吸収損失 モード不整合損失
導波路幅変化
Ce:YIG パターニング
3 dB 方向性結合器
Air クラッド設計
λ=1550 nmλ=1550 nm

8. 8
挿入損失低減見込
損失要因 現状 改善策 見込
・Ce:YIG吸収損失
吸収係数 3.1 dB/mm
伝搬長 2.0 mm
6.2 dB ・導波路幅500 nm→2 μm
⇒吸収係数 2.6 dB/mm
・Ce:YIGパターニング
⇒伝搬長 0.3 mm
0.8 dB
・モード不整合損失
4.0 dB/facet
8.0 dB ・導波路幅500 nm→2 μm
⇒1.2 dB/facet
2.4 dB
・3 dB方向性結合器
・曲げ導波路
3 dB ・設計最適化 0.5 dB
合計 17.2 dB 合計 3.7 dB

9. 9
導波路幅変化損失測定～測定方法～
Ce:YIG吸収損失 モード不整合損失
500 nm500 nm,2 μm
0,200,300,400,500 μm
100 μm 100 μm
×10 回 Ce:YIG
500 nm500 nm,2 μm
2.1 mm
100 μm 100 μm
×1,3,5 回
1.5 mm

10. 10
導波路幅変化損失測定～Ce:YIG吸収損失～
測定値 シミュレーション
導波路幅 500 nm 3.1 dB/mm 3.1 dB/mm
導波路幅 2 μm 1.3 dB/mm 2.6 dB/mm
• シミュレーションと整合した測定結果
λ=1550 nm
0 2 4 6 8 10
-60
-50
-40
-30
Waveguide length (mm)
Transmittance(dB)
y=-3.12x-33.6
y=-1.26x-37.2
導波路幅500 nm
導波路幅2 m

11. 11
導波路幅変化損失測定～モード不整合損失～
• 測定パターン1回=境界2 facet+伝搬長1.5 mm
• シミュレーションと整合した測定結果
※ 導波路幅500 nm(3回)で測定できなかったものは＞60 dBと換算
測定値 シミュレーション
導波路幅 500 nm ＞9.6 dB/回 ＞3.7 dB/facet 4.0 dB/facet
導波路幅 2 μm 3.8 dB/回 0.95 dB/fact 1.2 dB/facet
1 回
5 回
3 回
1.5 mm
0 1 2 3 4 5 6
-60
-50
-40
-30
-20
パターン繰り返し (回)
Transmittance(dB)
y=-9.61x-28.8
y=-3.79x-19.8
導波路幅2 m
導波路幅500 nm
λ=1550 nm

12. 12
1.Ce:YIG 基板 3. パターン露光 ・ 現像
5. リフトオフ 6.SiO2
エッチング (CF4
)
Ce:YIG
SGGG
2.SiO2
堆積 ・ レジスト塗布
S1805G
SiO2
4.Cr 堆積
Cr
7.Ce:YIG エッチング (Ar) 8.Cr エッチャント・HF
Ce:YIGパターニング
超音波(リフトオフ) Arエッチング Crマスク(7後) Ce:YIG表面(8後)
1回 80 min × ×
1回 70 min ○ ×
2回 70 min △ △
2回 60 min ○ △
• パターニングCe:YIGではボンディング成功せず
• HFによるSiO2マスク除去プロセスの影響だと特定

13. 13
修士論文構成
第1章 序論
第2章 干渉導波路型光非相反デバイスの基本構造
第3章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの製作
第4章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの挿入損失低減
第5章 シリコン干渉導波路型光非相反デバイスの温度無依存化
第6章 シリコン導波路型光アド・ドロップマルチプレクサ
第7章 結論

14. 14
シリコン導波路型ブラッグ反射器
光アド・ドロップマルチプレクサ(OADM)
＋光サーキュレータ
分布型 表面グレーティング型 側面グレーティング型
• TE・TMモード
• 製作誤差に弱い
• TEモード
• エッチング2回
• TMモード
• エッチング1回
特定の波長帯域の光信号を反射
ブラッグ反射器 Optical circulator
Bragg reflector

15. 15
Waveguide width
Waveguide height
Grating period
Groove depth
Groove length
184 nm
368 nm
70 nm
220 nm
550 nm
測定結果 ～ブラッグ反射器～
30 dBのブラッグ反射
(TMモード)
繰り返し回数 500回
220 nm
550 nm
Si
SiO2
Ce:YIG
1540 1560 1580 1600 1620
-70
-60
-50
-40
-30
-20
Wavelength (nm)
Transmittance(dB)
Ref w/o Ce:YIG
Bragg reflector
Ref w/ Ce:YIG

16. 16
シリコン導波路型OADM
波長多重化された光信号から特定の波長成分を挿入、分岐
OADM
Drop
Optical circulator
Bragg reflector
Through
Input
Add
1.5 mm
Bragg reflector
Through
Drop
Input
Add

17. 17
測定結果 ～OADM～
1520 1540 1560 1580 1600 1620
-80
-70
-60
-50
-40
-30
Wavelength (nm)
Transmittance(dB)
Input→Through
Input→Drop
Add→Through
B1 B2 B3 B4
OADM動作
- B3 band: Add/Drop
- Other bands: Through
理想特性
Input→Through
Add→Through
Input→Drop
Drop
Through
Input
Add
Circulator

18. 18
まとめ・今後の課題
1. Ce:YIGのパターニングプロセスの再検討
2. 導波路型光非相反デバイスの温度無依存・広帯域化
3. 導波路型OADMの波長特性改善
～まとめ～
～今後の課題～
1. 導波路型光非相反デバイスの挿入損失低減
- 導波路幅変化による損失低減
- Ce:YIGパターニングプロセスの検討
2. 導波路型光非相反デバイスの温度無依存化
- Ce:YIGの屈折率・ファラデー回転係数の温度依存係数特定
- 導波路型光アイソレータの逆方向伝搬特性の温度無依存化
3. 導波路型OADMの製作
- Ce:YIGクラッド導波路型ブラッグ反射器の製作
- 光サーキュレータとの一体集積によるOADMの動作実証