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五次方程式が代数的に
解けないわけ
日曜数学者  辻 順平	
  
@tsujimotter	
  
http://tsujimotter.info
ax5
+ bx4
+ cx3
+ dx2
+ ex + f = 0
近況報告
日曜数学者 tsujimotter の
食べられるゼータ関数触れるゼータ関数
詳しくは http://tsujimotter.info	
  にて 2
ガロア理論
今日のテーマは
3
エヴァリスト・ガロア	
  
1811/10/25	
  –	
  1832/05/31
4
ガロアと言えば・・・
19世紀フランスが生んだ希代の数学者
論文が認められない => フランス国王が悪い
反政府活動に傾倒し、20歳で決闘で死んだ
決闘前夜に徹夜で数学論文を書きまとめ
「時間がない」
5
それなんて	
  
ラノベ?
6
私の
論文
通
ら
こくおう 7
今日	
  
考えたいのは8
五次方程式
9
ax5
+ bx4
+ cx3
+ dx2
+ ex + f = 0
が 10
なぜ	
  
解けない?
Why can't there be a quintic formula?
11
 
	
  
五次方程式	
  
との出会い 12
五次方程式は 解けない
一般の 代数的に
13
お品書き
解ける方程式	
  	
  (1):二次方程式(しっとり)
解ける方程式 (2):三次方程式(さくさく)
方程式が解ける条件・解けない条件(くらいまっくす)
五次方程式が解けないわけ(ごーる)
14
 
二次方程式
解ける方程式	
  (1):
15
二次方程式
ax2
+ bx + c = 0
の解   を求めよ↵,
16
↵ =
b +
p
b2 4ac
2a
=
b
p
b2 4ac
2a
頑張って変形すると・・・
17
別解
18
↵ =
↵ +
2
+
↵
2
=
↵ +
2
↵
2
α,βを交換しても値が変わらない数 α,βを交換すると値が 
     変わってしまう数
STEP1: 解についての「恒等式」をつくる
19
↵ + =
b
a
↵ =
c
a
STEP2: 「解と係数の関係」をつかって係数で表す
20
(x ↵)(x ) = 0 より,
x2
(↵ + )x + ↵ = 0
一方で, x2
+
b
a
x +
c
a
= 0 が成り立つ
↵ + =
b
a
↵ =
c
a 21
STEP2: 「解と係数の関係」をつかって係数で表す
解	
  α,	
  β	
  を交換しても	
  
不変な数
基本対称式	
  α+β,	
  αβ	
  の	
  
四則演算
	
  対称式の基本定理
(↵ + )2
2↵↵2
+ 2
方程式の係数	
  a,	
  b,	
  c	
 ...
「解を交換しても不変な数」
23
↵
↵
↵
↵
e
e(↵) = ↵
e( ) =
⌧
⌧(↵) =
⌧( ) = ↵
解   の交換として,考えられるパターンを列挙する↵,
S2 = {e, ⌧}ひとまとめにすると・・・
二次の置換群
24
↵
e
⌧
⌧( ) = ↵
⌧(↵) =
e(↵) = ↵ e( ) =
25
二次の置換群に対して不変	
  
	
  方程式の係数    で表せる a, b, c
↵ +
⌧(↵ + ) = + ↵
e(↵ + ) = ↵ +
26
e
⌧
↵ (↵ )
27
e
⌧
二次の置換群に対して不変	
  
	
  方程式の係数    で表せる 
(↵ )2
a, b, c
2乗すると・・・
28
e
⌧
=
✓
b
a
◆2
+ 4
⇣ c
a
⌘
(↵ )2
= (↵ + )2
4↵
=
b2
4ac
a2
29
STEP2: 「解と係数の関係」をつかって係数で表す
とすれば↵ >
STEP3: 「平方根」をとる
↵ =
p
b2 4ac
a
↵ =
p
b2 4ac
a
30
↵ =
↵ +
2
+
↵
2
=
b
2a
+
p
b2 4ac
2a
二次方程式が解けた!
先ほどの恒等式に代入すると・・・
31
解のすべての置換に対して不変な数は	
  
すべて係数の四則演算で書ける
ポイント!
↵
(↵ )2
32
⌧
e
{e}	
  に対して	
  
不変な数
↵
解き方のアウトライン
すべての置換に対して	
  
不変な数
2乗/平方根
(↵ )2
a
b c
(↵ )↵
恒等式 恒等式
解と係数の関係
33
↵
2乗/平方根
(↵ )2
ポイント!
(二次の)ラグランジュ・リゾルベント
34
 
三次方程式
解ける方程式	
  (2):
35
↵, ,
ax3
+ bx2
+ cx + d = 0
三次方程式
の解    を求めよ
36
{e}	
  に対して	
  
不変な数
すべての置換に対して	
  
不変な数
↵
解き方のアウトライン?
3乗/3乗根
a b c
恒等式
解と係数の関係
d
(a b)3
37
三次の置換群
↵
↵
e
e(↵) = ↵
e( ) =
e( ) =
↵
↵
⌧
↵
↵
(↵) =
( ) =
( ) = ↵
⌧(↵) = ↵
⌧( ) =
⌧( ) =
解     の交換として,考えられるパターンを列挙する↵, ,
38
↵
↵
↵
⌧
↵
↵
⌧
⌧( (↵)) = ⌧ (↵)
39
↵
↵
↵
↵
↵
2
( (↵)) = 2
(↵)
40
↵
↵
↵
⌧
↵
↵
↵
⌧( ( (↵))) = ⌧ 2
⌧( ( (↵))) = ⌧ 2
41
↵
↵
e
↵
↵
⌧
↵
↵
↵
↵
2
↵
↵
↵
↵
⌧ ⌧ 2
三次の置換群:	
   {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
42
=
↵ +
2
+
(↵ )
2
↵ =
↵ +
2
+
↵
2
参考:二次方程式の場合
43
↵ =
↵ + +
3
+
↵ + ! + !2
3
+
↵ + !2
+ !
3
=
↵ + +
3
+
!2
↵ + + !
3
+
!↵ + + !2
3
=
↵ + +
3
+
!↵ + !2
+
3
+
!2
↵ + ! +
3
R
...
=
↵ + +
3
+
!L
3
+
!2
R
3
=
↵ + +
3
+
!2
L
3
+
!R
3
↵ =
↵ + +
3
+
L
3
+
R
3
45
e(L) = ↵ + ! + !2
= L
(L) = + ! + !2
↵ = !2
L
2
(L) = + !↵ + !2
= !L
不変
不変ではない
不変ではない
不変ではない
不変ではない
不変ではない⌧(L) = ↵ + ! + !...
不変
不変
不変
不変ではない
不変ではない
不変ではない
e(L3
) = (↵ + ! + !2
)3
= L3
(L3
) = ( + ! + !2
↵)3
= L3
2
(L3
) = ( + !↵ + !2
)3
= L3
⌧ 2
(...
2
⌧
e
L
!L
!2
L !2
R
!R
R
⌧ ⌧ 2
48
2
e
L3
R3
⌧ ⌧ ⌧ 2
この形,どこかで見覚えがありませんか?
3乗すると・・・
49
L3
=
L3
+ R3
2
+
L3
R3
2
R3
=
L3
+ R3
2
+
(L3
R3
)
2
2次のラグランジュ・リゾルベントをつくる
50
L3
R3
(L3
R3
)
51
2
e
⌧ ⌧ ⌧ 2
(L3
R3
)2
三次の置換群に対し不変	
  
	
  方程式の係数     で表せる a, b, c, d
2乗すると・・・
52
2
e
⌧ ⌧ ⌧ 2
L
!L
!2
L !2
R
!R
R
2
e
↵
解き方のアウトライン
⌧ ⌧ ⌧ 2
{e}	
  に対して	
  
不変な数
恒等式 恒等式
53
L
!L
!2
L !2
R
!R
R
↵
解き方のアウトライン
2
e
⌧ ⌧ ⌧ 2
L3
R3
3乗 3乗
(L3
R3
)L3
R3
恒等式 恒等式
{e}	
  に対して	
  
不変な数
{e,	
  σ,	
  σ2}	
  に対...
L
!L
!2
L !2
R
!R
R
↵
解き方のアウトライン
(L3
R3
)L3
R3
{e}	
  に対して	
  
不変な数
{e,	
  σ,	
  σ2}	
  に対して	
  
不変な数
(L3
R3
)2
a b c
2乗 2...
H = {e, , 2
}
{e}
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}(L3
R3
)2a b
c d
L3
R3
L3
R3
L ↵R
2乗/平方根
3乗/3乗根
6/3=2
3/1=3
不変な数
不変な数
不変な数
「置換...
∼	
  ラグランジュ
「ラグランジュ・リゾルベント」という都合の良い数を	
  
見つけることが出来れば,方程式は解ける	
  
ラグランジュ・リゾルベントをどうやって探すか
見つからなかったからといって
方程式が解けないとは言い切れない
57
ガロアの着想
「置換群」の持つ「構造」から,	
  
方程式が解けるための条件を	
  
導けないか?
有限個
58
方程式が解ける条件・	
  
解けない条件
59
以下の公理を満たす集合を「群」と呼ぶ
1.群の定義
2.	
  	
  任意の元(要素)に対して,結合法則が成り立つ
1.	
  	
  	
  演算に対して閉じている
3.	
  	
  単位元が存在する
4.	
  	
  任意の元に対して...
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
×
1.	
  	
  演算に対して閉じている3.	
  単位元が存在する
4.	
  	
  	
  任意の元に対してその元に対する
  逆元が存在する
×
G	
  が「群」であることの...
H = {e, , 2
}
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
1.	
  	
  演算に対して閉じている
3.	
  単位元が	
  
 存在する
4.	
  	
  	
  任意の元に対してその元に対する	
  
  逆元...
H = {e, , 2
}
G/H = e{e, , 2
}, ⌧{e, , 2
} = {eH, ⌧H}
6個
3個
6個/3個 = 2個
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
3.部分群による割り算 G/H
63
H = {e, , 2
}
G/H = e{e, , 2
}, ⌧{e, , 2
} = {eH, ⌧H}
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
4.正規部分群 H
この集合が群であるとき
H を「G の正規部分群」という
64
が群であることの確認(一部)G/H = {eH, ⌧H}
eH · ⌧H = · ⌧e
2
e e
· ⌧e e
· ⌧e e
· ⌧e
2
e
· ⌧e
· ⌧e
· ⌧e
2
e
· ⌧e
· ⌧e
2
2
2
= e
e
e
e
e
e
...
が群であることの確認(一部)G/H = {eH, ⌧H}
eH · ⌧H = · ⌧e
2
e e
· ⌧e e
· ⌧e e
· ⌧e
2
e
· ⌧e
· ⌧e
· ⌧e
2
e
· ⌧e
· ⌧e
2
2
2
= e
e
e
e
e
e
...
H = {e, , 2
}
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
G/H = e{e, , 2
}, ⌧{e, , 2
} = {eH, ⌧H = e{e, , 2
}, ⌧{e, , 2
} = {eH, ⌧H}
E = {e...
・・・単一の元により生成される群
{e, ⌧} = {⌧, ⌧2
} = h⌧i {e, , 2
} = { , 2
, 3
} =
⌧(↵)↵
(↵)
2
(↵)
↵
⌧
⌧
5.巡回群
68
H = {e, , 2
}
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ ,
○乗/○乗根
○乗/○乗根
E = {e}
G/H = e{e, , 2
},
H/E = {e, , 2
}
方程式が解ける条件
解で表せる数
係数で表せる数
= 巡回群	...
H = {e, , 2
}
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ ,
○乗/○乗根
○乗/○乗根
E = {e}
G/H = e{e, , 2
},
H/E = {e, , 2
}
方程式が解けない条件
解で表せる数
係数で表せる数
= 巡回群...
五次方程式が	
  
解けないわけ
71
60個の置換群
120個の置換群
2乗/2乗根
○乗/○乗根
E = {e}
G/H = e{e, , 2
},
H/E = {e, , 2
}
五次方程式の場合
解で表せる数
係数で表せる数
= 巡回群	
  
= 巡回群	
  
正規部分群...
五次の置換群
α	
  	
  β	
  	
  γ	
  	
  δ	
  	
  ε
α	
  	
  β	
  	
  γ	
  	
  δ	
  	
  ε
[αβγδε]
α	
  	
  β	
  	
  γ	
  	
  δ	
 ...
G	
  =	
  { 	
  [αβγδε],	
  [αβδεγ],	
  [αβεγδ],	
  [αγβεδ],	
  [αγδβε],	
  [αγεδβ],	
  [αδβγε],	
  [αδγεβ],	
  [αδεβγ],	
...
まとめ
Q.	
   	
  五次方程式が代数的に解けないのはなぜ?	
  
A.  五次の置換群の正規列に「これ以上分解できない巡回群ではない群」が	
  
	
  含まれるから	
  
「方程式の解の置換群」     「不変な数の集合」	
...
おまけ
H	
  =	
  {	
  [αβγδε],	
  [αβδεγ],	
  [αβεγδ],	
  [αγβεδ],	
  
	
  [αγδβε],	
  [αγεδβ],	
  [αδβγε],	
  [αδγεβ],	
  
	...
Thank	
  You!!
77
日曜数学者  辻 順平
@tsujimotter	
  
ウェブサイト:http://tsujimotter.info	
  
ブログ:http://tsujimotter.hatenablog.com	
  
参考文献
•  結城 浩 著「数学ガール/ガロア理論」SoftBank	
  Creative	
  
(1,900	
  円).	
  
•  小島 寛之 著「天才ガロアの発想力 対称性と群が明かす方程
式の秘密」技術評論社	
  (1,58...
以降,補足スライド
79
一般に置換の合成は「非可換」である
↵
↵
↵
⌧
↵
↵
↵
⌧
80
三次方程式の解き方(概略)
方程式の係数
L3
R3
=
p
D
(L3
R3
)2
= D
L3
+ R3
= A
L3
=
A
2
+
p
D
2
R3
=
A
2
p
D
2
R =
3
s
A
2
p
D
2
L =
3
s
A
2
+...
「三次の置換群 G	
  」のすべての部分群
H = {e, , 2
} {e, ⌧ }{e, ⌧} {e, ⌧ 2
}
{e}
G	
  の正規部分群
G = {e, , 2
, ⌧, ⌧ , ⌧ 2
}
G	
  の正規部分群ではない
82
四次方程式の場合
12個の置換群
4個の
置換群
24個の置換群
2乗/2乗根
3乗/3乗根
係数で表せる数
2次巡回群
2個の
置換群
解で表せる数
2乗/2乗根
2乗/2乗根
E = {e}
83
3次巡回群
2次巡回群
2次巡回群
巡回群とラグランジュ・リゾルベント
G/H	
  が巡回群であれば,	
  
ラグランジュ・リゾルベントが作れることを示す
84
•  L2	
  =	
  α	
  –	
  τH(α)
•  L3	
  =	
  α	
  +	
  ωσH...
G/H	
  が	
  2次の巡回群	
  {eH,	
  τH}	
  
85
H	
  に対して	
  
不変な数
G	
  に対して	
  
不変な数
eH
τH
α τH(α)
α	
  –	
  τH(α) –	
  (α	
  –	...
巡回群	
  G/H	
  =	
  {eH,	
  τH}	
  を	
  
2次のラグランジュ・リゾルベント	
  L2	
  に作用させると・・・
不変
2乗
86
L2	
  =	
  α	
  –	
  τH(α)
τH(L2)	
 ...
G/H	
  が	
  3	
  次の巡回群	
  {eH,	
  σH,	
  σ2H}	
  
87
H	
  に対して	
  
不変な数
G	
  に対して	
  
不変な数
eH
σH
α
σH(α)
L3	
   ωL3
L33
3乗...
巡回群	
  G/H	
  =	
  {eH,	
  σH,	
  σ2H}	
  を	
  
3次のラグランジュ・リゾルベント	
  L3	
  に作用させると・・・
不変
3乗
88
L3	
  =	
  α	
  +	
  ωσH(α)	...
正十二面体の中には	
  
正六面体がある
89
正六面体の置換(12通り)
180°
180° 180°
180°回転	
  ×	
  3
120°,	
  240°
120°,	
  
240°
120°,	
  
240°
120°,240°
120°	
  回転	
  ×	
  4	
...
“代数的でない”	
  五次方程式の解き方
91
•  モジュラー方程式の解を用いる方法(エルミート)	
  
•  超幾何級数を用いる方法(クライン)	
  
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「五次方程式が代数的に解けないわけ」第3回プログラマのための数学勉強会 #maths4pg

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「第3回 プログラマのための数学勉強会」で @tsujimotter が発表したスライドです。
ガロアやばい。

勉強会のページはこちら-> http://maths4pg.connpass.com/event/14367/
発表動画-> https://www.youtube.com/watch?v=qwYyXtttns0

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「五次方程式が代数的に解けないわけ」第3回プログラマのための数学勉強会 #maths4pg

  1. 1. 五次方程式が代数的に 解けないわけ 日曜数学者  辻 順平   @tsujimotter   http://tsujimotter.info ax5 + bx4 + cx3 + dx2 + ex + f = 0
  2. 2. 近況報告 日曜数学者 tsujimotter の 食べられるゼータ関数触れるゼータ関数 詳しくは http://tsujimotter.info  にて 2
  3. 3. ガロア理論 今日のテーマは 3
  4. 4. エヴァリスト・ガロア   1811/10/25  –  1832/05/31 4
  5. 5. ガロアと言えば・・・ 19世紀フランスが生んだ希代の数学者 論文が認められない => フランス国王が悪い 反政府活動に傾倒し、20歳で決闘で死んだ 決闘前夜に徹夜で数学論文を書きまとめ 「時間がない」 5
  6. 6. それなんて   ラノベ? 6
  7. 7. 私の 論文 通 ら こくおう 7
  8. 8. 今日   考えたいのは8
  9. 9. 五次方程式 9 ax5 + bx4 + cx3 + dx2 + ex + f = 0
  10. 10. が 10
  11. 11. なぜ   解けない? Why can't there be a quintic formula? 11
  12. 12.     五次方程式   との出会い 12
  13. 13. 五次方程式は 解けない 一般の 代数的に 13
  14. 14. お品書き 解ける方程式    (1):二次方程式(しっとり) 解ける方程式 (2):三次方程式(さくさく) 方程式が解ける条件・解けない条件(くらいまっくす) 五次方程式が解けないわけ(ごーる) 14
  15. 15.   二次方程式 解ける方程式  (1): 15
  16. 16. 二次方程式 ax2 + bx + c = 0 の解   を求めよ↵, 16
  17. 17. ↵ = b + p b2 4ac 2a = b p b2 4ac 2a 頑張って変形すると・・・ 17
  18. 18. 別解 18
  19. 19. ↵ = ↵ + 2 + ↵ 2 = ↵ + 2 ↵ 2 α,βを交換しても値が変わらない数 α,βを交換すると値が       変わってしまう数 STEP1: 解についての「恒等式」をつくる 19
  20. 20. ↵ + = b a ↵ = c a STEP2: 「解と係数の関係」をつかって係数で表す 20
  21. 21. (x ↵)(x ) = 0 より, x2 (↵ + )x + ↵ = 0 一方で, x2 + b a x + c a = 0 が成り立つ ↵ + = b a ↵ = c a 21 STEP2: 「解と係数の関係」をつかって係数で表す
  22. 22. 解  α,  β  を交換しても   不変な数 基本対称式  α+β,  αβ  の   四則演算  対称式の基本定理 (↵ + )2 2↵↵2 + 2 方程式の係数  a,  b,  c  の   四則演算  解と係数の関係 ✓ b a ◆2 c a 22 「解を交換しても不変な数」は係数    の四則演算で書ける結論 a, b, c
  23. 23. 「解を交換しても不変な数」 23
  24. 24. ↵ ↵ ↵ ↵ e e(↵) = ↵ e( ) = ⌧ ⌧(↵) = ⌧( ) = ↵ 解   の交換として,考えられるパターンを列挙する↵, S2 = {e, ⌧}ひとまとめにすると・・・ 二次の置換群 24
  25. 25. ↵ e ⌧ ⌧( ) = ↵ ⌧(↵) = e(↵) = ↵ e( ) = 25
  26. 26. 二次の置換群に対して不変    方程式の係数    で表せる a, b, c ↵ + ⌧(↵ + ) = + ↵ e(↵ + ) = ↵ + 26 e ⌧
  27. 27. ↵ (↵ ) 27 e ⌧
  28. 28. 二次の置換群に対して不変    方程式の係数    で表せる  (↵ )2 a, b, c 2乗すると・・・ 28 e ⌧
  29. 29. = ✓ b a ◆2 + 4 ⇣ c a ⌘ (↵ )2 = (↵ + )2 4↵ = b2 4ac a2 29 STEP2: 「解と係数の関係」をつかって係数で表す
  30. 30. とすれば↵ > STEP3: 「平方根」をとる ↵ = p b2 4ac a ↵ = p b2 4ac a 30
  31. 31. ↵ = ↵ + 2 + ↵ 2 = b 2a + p b2 4ac 2a 二次方程式が解けた! 先ほどの恒等式に代入すると・・・ 31
  32. 32. 解のすべての置換に対して不変な数は   すべて係数の四則演算で書ける ポイント! ↵ (↵ )2 32
  33. 33. ⌧ e {e}  に対して   不変な数 ↵ 解き方のアウトライン すべての置換に対して   不変な数 2乗/平方根 (↵ )2 a b c (↵ )↵ 恒等式 恒等式 解と係数の関係 33
  34. 34. ↵ 2乗/平方根 (↵ )2 ポイント! (二次の)ラグランジュ・リゾルベント 34
  35. 35.   三次方程式 解ける方程式  (2): 35
  36. 36. ↵, , ax3 + bx2 + cx + d = 0 三次方程式 の解    を求めよ 36
  37. 37. {e}  に対して   不変な数 すべての置換に対して   不変な数 ↵ 解き方のアウトライン? 3乗/3乗根 a b c 恒等式 解と係数の関係 d (a b)3 37
  38. 38. 三次の置換群 ↵ ↵ e e(↵) = ↵ e( ) = e( ) = ↵ ↵ ⌧ ↵ ↵ (↵) = ( ) = ( ) = ↵ ⌧(↵) = ↵ ⌧( ) = ⌧( ) = 解     の交換として,考えられるパターンを列挙する↵, , 38
  39. 39. ↵ ↵ ↵ ⌧ ↵ ↵ ⌧ ⌧( (↵)) = ⌧ (↵) 39
  40. 40. ↵ ↵ ↵ ↵ ↵ 2 ( (↵)) = 2 (↵) 40
  41. 41. ↵ ↵ ↵ ⌧ ↵ ↵ ↵ ⌧( ( (↵))) = ⌧ 2 ⌧( ( (↵))) = ⌧ 2 41
  42. 42. ↵ ↵ e ↵ ↵ ⌧ ↵ ↵ ↵ ↵ 2 ↵ ↵ ↵ ↵ ⌧ ⌧ 2 三次の置換群:   {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } 42
  43. 43. = ↵ + 2 + (↵ ) 2 ↵ = ↵ + 2 + ↵ 2 参考:二次方程式の場合 43
  44. 44. ↵ = ↵ + + 3 + ↵ + ! + !2 3 + ↵ + !2 + ! 3 = ↵ + + 3 + !2 ↵ + + ! 3 + !↵ + + !2 3 = ↵ + + 3 + !↵ + !2 + 3 + !2 ↵ + ! + 3 R (三次の)ラグランジュ・リゾルベント L ただし ω  は,  ω3  =  1    を満たす  1  の原始三乗根 三次方程式の場合 44 ⇥!2 ⇥! ⇥! ⇥!2
  45. 45. = ↵ + + 3 + !L 3 + !2 R 3 = ↵ + + 3 + !2 L 3 + !R 3 ↵ = ↵ + + 3 + L 3 + R 3 45
  46. 46. e(L) = ↵ + ! + !2 = L (L) = + ! + !2 ↵ = !2 L 2 (L) = + !↵ + !2 = !L 不変 不変ではない 不変ではない 不変ではない 不変ではない 不変ではない⌧(L) = ↵ + ! + !2 = R ⌧ (L) = + ! + !2 ↵ = !2 R ⌧ 2 (L) = + !↵ + !2 = !R L に三次の置換群を作用させると・・・ 46
  47. 47. 不変 不変 不変 不変ではない 不変ではない 不変ではない e(L3 ) = (↵ + ! + !2 )3 = L3 (L3 ) = ( + ! + !2 ↵)3 = L3 2 (L3 ) = ( + !↵ + !2 )3 = L3 ⌧ 2 (L3 ) = ( + !↵ + !2 )3 = R3 ⌧ (L3 ) = ( + ! + !2 ↵)3 = R3 ⌧(L3 ) = (↵ + ! + !2 )3 = R3 L3 に三次の置換群を作用させると・・・ 47
  48. 48. 2 ⌧ e L !L !2 L !2 R !R R ⌧ ⌧ 2 48
  49. 49. 2 e L3 R3 ⌧ ⌧ ⌧ 2 この形,どこかで見覚えがありませんか? 3乗すると・・・ 49
  50. 50. L3 = L3 + R3 2 + L3 R3 2 R3 = L3 + R3 2 + (L3 R3 ) 2 2次のラグランジュ・リゾルベントをつくる 50
  51. 51. L3 R3 (L3 R3 ) 51 2 e ⌧ ⌧ ⌧ 2
  52. 52. (L3 R3 )2 三次の置換群に対し不変    方程式の係数     で表せる a, b, c, d 2乗すると・・・ 52 2 e ⌧ ⌧ ⌧ 2
  53. 53. L !L !2 L !2 R !R R 2 e ↵ 解き方のアウトライン ⌧ ⌧ ⌧ 2 {e}  に対して   不変な数 恒等式 恒等式 53
  54. 54. L !L !2 L !2 R !R R ↵ 解き方のアウトライン 2 e ⌧ ⌧ ⌧ 2 L3 R3 3乗 3乗 (L3 R3 )L3 R3 恒等式 恒等式 {e}  に対して   不変な数 {e,  σ,  σ2}  に対して   不変な数 54
  55. 55. L !L !2 L !2 R !R R ↵ 解き方のアウトライン (L3 R3 )L3 R3 {e}  に対して   不変な数 {e,  σ,  σ2}  に対して   不変な数 (L3 R3 )2 a b c 2乗 2乗 d 解と係数の関係 2 e ⌧ ⌧ ⌧ 2 すべての置換に対して   不変な数 L3 R3 55
  56. 56. H = {e, , 2 } {e} G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 }(L3 R3 )2a b c d L3 R3 L3 R3 L ↵R 2乗/平方根 3乗/3乗根 6/3=2 3/1=3 不変な数 不変な数 不変な数 「置換によって不変な数」 「置換群」 方程式の係数 方程式の解
  57. 57. ∼  ラグランジュ 「ラグランジュ・リゾルベント」という都合の良い数を   見つけることが出来れば,方程式は解ける   ラグランジュ・リゾルベントをどうやって探すか 見つからなかったからといって 方程式が解けないとは言い切れない 57
  58. 58. ガロアの着想 「置換群」の持つ「構造」から,   方程式が解けるための条件を   導けないか? 有限個 58
  59. 59. 方程式が解ける条件・   解けない条件 59
  60. 60. 以下の公理を満たす集合を「群」と呼ぶ 1.群の定義 2.    任意の元(要素)に対して,結合法則が成り立つ 1.      演算に対して閉じている 3.    単位元が存在する 4.    任意の元に対して,その元に対する逆元が存在する 「置換群」の場合  自動的に成り立つ 結城 浩 著「数学ガール/ガロア理論」より引用(一部改変) 60
  61. 61. G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } × 1.    演算に対して閉じている3.  単位元が存在する 4.      任意の元に対してその元に対する   逆元が存在する × G  が「群」であることの確認 61
  62. 62. H = {e, , 2 } G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } 1.    演算に対して閉じている 3.  単位元が    存在する 4.      任意の元に対してその元に対する     逆元が存在する × × 部分集合 2.部分群 ・・・G  の部分集合で,それ自体群であるもの 62
  63. 63. H = {e, , 2 } G/H = e{e, , 2 }, ⌧{e, , 2 } = {eH, ⌧H} 6個 3個 6個/3個 = 2個 G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } 3.部分群による割り算 G/H 63
  64. 64. H = {e, , 2 } G/H = e{e, , 2 }, ⌧{e, , 2 } = {eH, ⌧H} G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } 4.正規部分群 H この集合が群であるとき H を「G の正規部分群」という 64
  65. 65. が群であることの確認(一部)G/H = {eH, ⌧H} eH · ⌧H = · ⌧e 2 e e · ⌧e e · ⌧e e · ⌧e 2 e · ⌧e · ⌧e · ⌧e 2 e · ⌧e · ⌧e 2 2 2 = e e e e e e e e e e e e 2 2 2 ( )⌧ e ( )⌧ ( )⌧ 2 ( )⌧ e ( )⌧ ( )⌧ 2 ( )⌧ e ( )⌧ ( )⌧ 2 ⌧ · e = = = = = = = = = = = = = = = = = ⌧ · 2 ⌧ · ⌧ · ⌧ · 2 ⌧ · ⌧ · e ⌧ · 2 ⌧ · e 2 ⌧H= と変形できることが正規部分群の条件τ  HH  τ 65
  66. 66. が群であることの確認(一部)G/H = {eH, ⌧H} eH · ⌧H = · ⌧e 2 e e · ⌧e e · ⌧e e · ⌧e 2 e · ⌧e · ⌧e · ⌧e 2 e · ⌧e · ⌧e 2 2 2 = e e e e e e e e e e e e 2 2 2 ( )⌧ e ( )⌧ ( )⌧ 2 ( )⌧ e ( )⌧ ( )⌧ 2 ( )⌧ e ( )⌧ ( )⌧ 2 ⌧ · e = = = = = = = = = = = = = = = = = ⌧ · 2 ⌧ · ⌧ · ⌧ · 2 ⌧ · ⌧ · e ⌧ · 2 ⌧ · e 2 ⌧H= と変形できることが正規部分群の条件τ  HH  τ 時間がない 66
  67. 67. H = {e, , 2 } G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } G/H = e{e, , 2 }, ⌧{e, , 2 } = {eH, ⌧H = e{e, , 2 }, ⌧{e, , 2 } = {eH, ⌧H} E = {e} H/E = {e, , 2 } 正規部分群の列 (正規列) 正規部分群で 割ってできた群 67
  68. 68. ・・・単一の元により生成される群 {e, ⌧} = {⌧, ⌧2 } = h⌧i {e, , 2 } = { , 2 , 3 } = ⌧(↵)↵ (↵) 2 (↵) ↵ ⌧ ⌧ 5.巡回群 68
  69. 69. H = {e, , 2 } G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ○乗/○乗根 ○乗/○乗根 E = {e} G/H = e{e, , 2 }, H/E = {e, , 2 } 方程式が解ける条件 解で表せる数 係数で表せる数 = 巡回群   = 巡回群   正規部分群で割ってできた群がすべて巡回群 69
  70. 70. H = {e, , 2 } G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ○乗/○乗根 ○乗/○乗根 E = {e} G/H = e{e, , 2 }, H/E = {e, , 2 } 方程式が解けない条件 解で表せる数 係数で表せる数 = 巡回群   = 巡回群   正規部分群で割ってできた群の中に       巡回群でない群が存在する 70
  71. 71. 五次方程式が   解けないわけ 71
  72. 72. 60個の置換群 120個の置換群 2乗/2乗根 ○乗/○乗根 E = {e} G/H = e{e, , 2 }, H/E = {e, , 2 } 五次方程式の場合 解で表せる数 係数で表せる数 = 巡回群   = 巡回群   正規部分群で割ってできた群の中に       巡回群でない群が存在する 72
  73. 73. 五次の置換群 α    β    γ    δ    ε α    β    γ    δ    ε [αβγδε] α    β    γ    δ    ε α    β    γ    δ    ε [βγδεα] 73 ・・・ 120通り
  74. 74. G  =  {  [αβγδε],  [αβδεγ],  [αβεγδ],  [αγβεδ],  [αγδβε],  [αγεδβ],  [αδβγε],  [αδγεβ],  [αδεβγ],  [αεβδγ],  [αεγβδ],  [αεδγβ],  [βαγεδ],  [βαδγε],  [βαεδγ],  [βγαδε],  [βγδεα],  [βγεαδ],  [βδαεγ],  [βδγαε],  [βδεγα],  [βεαγδ],    [βεγδα],  [βεδαγ],  [γαβδε],  [γαδεβ],  [γαεβδ],  [γβαεδ],  [γβδαε],  [γβεδα],  [γδαβε],  [γδβεα],  [γδεαβ],    [γεαδβ],  [γεβαδ],  [γεδβα],  [δαβεγ],  [δαγβε],  [δαεγβ],  [δβαγε],  [δβγεα],  [δβεαγ],  [δγαεβ],  [δγβαε],    [δγεβα],  [δεαβγ],  [δεβγα],  [δεγαβ],  [εαβγδ],  [εαγδβ],  [εαδβγ],  [εβαδγ],  [εβγαδ],  [εβδγα],  [εγαβδ],    [εγβδα],  [εγδαβ],  [εδαγβ],  [εδβαγ],  [εδγβα],      [γβδεα],  [γβεαδ],  [γβαδε],  [γδβαε],  [γδεβα],  [γδαεβ],  [γεβδα],  [γεδαβ],  [γεαβδ],  [γαβεδ],  [γαδβε],    [γαεδβ],  [βγδαε],  [βγεδα],  [βγαεδ],  [βδγεα],  [βδεαγ],  [βδαγε],  [βεγαδ],  [βεδγα],  [βεαδγ],  [βαγδε],    [βαδεγ],  [βαεγδ],  [δγβεα],  [δγεαβ],  [δγαβε],  [δβγαε],  [δβεγα],  [δβαεγ],  [δεγβα],  [δεβαγ],  [δεαγβ],    [δαγεβ],  [δαβγε],  [δαεβγ],  [εγβαδ],  [εγδβα],  [εγαδβ],  [εβγδα],  [εβδαγ],  [εβαγδ],  [εδγαβ],  [εδβγα],    [εδαβγ],  [εαγβδ],  [εαβδγ],  [εαδγβ],  [αγβδε],  [αγδεβ],  [αγεβδ],  [αβγεδ],  [αβδγε],  [αβεδγ],  [αδγβε],    [αδβεγ],  [αδεγβ],  [αεγδβ],  [αεβγδ],  [αεδβγ]      }                     H  =  {    [αβγδε],  [αβδεγ],  [αβεγδ],  [αγβεδ],  [αγδβε],  [αγεδβ],  [αδβγε],  [αδγεβ],  [αδεβγ],  [αεβδγ],  [αεγβδ],    [αεδγβ],  [βαγεδ],  [βαδγε],  [βαεδγ],  [βγαδε],  [βγδεα],  [βγεαδ],  [βδαεγ],  [βδγαε],  [βδεγα],  [βεαγδ],    [βεγδα],  [βεδαγ],  [γαβδε],  [γαδεβ],  [γαεβδ],  [γβαεδ],  [γβδαε],  [γβεδα],  [γδαβε],  [γδβεα],  [γδεαβ],    [γεαδβ],  [γεβαδ],  [γεδβα],  [δαβεγ],  [δαγβε],  [δαεγβ],  [δβαγε],  [δβγεα],  [δβεαγ],  [δγαεβ],  [δγβαε],    [δγεβα],  [δεαβγ],  [δεβγα],  [δεγαβ],  [εαβγδ],  [εαγδβ],  [εαδβγ],  [εβαδγ],  [εβγαδ],  [εβδγα],  [εγαβδ],    [εγβδα],  [εγδαβ],  [εδαγβ],  [εδβαγ],  [εδγβα]      }     E  =  {  [αβγδε]  } 五次方程式の群の正規列 74
  75. 75. まとめ Q.    五次方程式が代数的に解けないのはなぜ?   A.  五次の置換群の正規列に「これ以上分解できない巡回群ではない群」が    含まれるから   「方程式の解の置換群」     「不変な数の集合」   「方程式が解けるかどうか」を「群」に対応づけることで,   「無限の可能性」を「有限集合の数え上げ」に落とし込むことができた   キーアイデア ガロア対応 75
  76. 76. おまけ H  =  {  [αβγδε],  [αβδεγ],  [αβεγδ],  [αγβεδ],    [αγδβε],  [αγεδβ],  [αδβγε],  [αδγεβ],    [αδεβγ],  [αεβδγ],  [αεγβδ],  [αεδγβ],    [βαγεδ],  [βαδγε],  [βαεδγ],  [βγαδε],    [βγδεα],  [βγεαδ],  [βδαεγ],  [βδγαε],    [βδεγα],  [βεαγδ],  [βεγδα],  [βεδαγ],    [γαβδε],  [γαδεβ],  [γαεβδ],  [γβαεδ],    [γβδαε],  [γβεδα],  [γδαβε],  [γδβεα],      [γδεαβ],  [γεαδβ],  [γεβαδ],  [γεδβα],    [δαβεγ],  [δαγβε],  [δαεγβ],  [δβαγε],    [δβγεα],  [δβεαγ],  [δγαεβ],  [δγβαε],    [δγεβα],  [δεαβγ],  [δεβγα],  [δεγαβ],    [εαβγδ],  [εαγδβ],  [εαδβγ],  [εβαδγ],    [εβγαδ],  [εβδγα],  [εγαβδ],  [εγβδα],    [εγδαβ],  [εδαγβ],  [εδβαγ],  [εδγβα]  }   ' 同型 76
  77. 77. Thank  You!! 77 日曜数学者  辻 順平 @tsujimotter   ウェブサイト:http://tsujimotter.info   ブログ:http://tsujimotter.hatenablog.com  
  78. 78. 参考文献 •  結城 浩 著「数学ガール/ガロア理論」SoftBank  Creative   (1,900  円).   •  小島 寛之 著「天才ガロアの発想力 対称性と群が明かす方程 式の秘密」技術評論社  (1,580  円).   •  デイヴィッド・コックス 著,梶原 健 訳「ガロワ理論(上・ 下)」日本評論社  (上  3,500  円/下  4,200  円).   •  石井 俊全 著「ガロア理論の頂を踏む」ペレ出版  (3,000  円). 78
  79. 79. 以降,補足スライド 79
  80. 80. 一般に置換の合成は「非可換」である ↵ ↵ ↵ ⌧ ↵ ↵ ↵ ⌧ 80
  81. 81. 三次方程式の解き方(概略) 方程式の係数 L3 R3 = p D (L3 R3 )2 = D L3 + R3 = A L3 = A 2 + p D 2 R3 = A 2 p D 2 R = 3 s A 2 p D 2 L = 3 s A 2 + p D 2 ↵ = ↵ + + 3 + L 3 + R 3 ,(   についても同様) a, b, c, d 3乗/立方根 2乗/平方根
  82. 82. 「三次の置換群 G  」のすべての部分群 H = {e, , 2 } {e, ⌧ }{e, ⌧} {e, ⌧ 2 } {e} G  の正規部分群 G = {e, , 2 , ⌧, ⌧ , ⌧ 2 } G  の正規部分群ではない 82
  83. 83. 四次方程式の場合 12個の置換群 4個の 置換群 24個の置換群 2乗/2乗根 3乗/3乗根 係数で表せる数 2次巡回群 2個の 置換群 解で表せる数 2乗/2乗根 2乗/2乗根 E = {e} 83 3次巡回群 2次巡回群 2次巡回群
  84. 84. 巡回群とラグランジュ・リゾルベント G/H  が巡回群であれば,   ラグランジュ・リゾルベントが作れることを示す 84 •  L2  =  α  –  τH(α) •  L3  =  α  +  ωσH(α)  +  ω2σ2H(α) 二次の場合 三次の場合
  85. 85. G/H  が  2次の巡回群  {eH,  τH}   85 H  に対して   不変な数 G  に対して   不変な数 eH τH α τH(α) α  –  τH(α) –  (α  –  τH(α)) (α  –  τH(α))2 2乗/平方根
  86. 86. 巡回群  G/H  =  {eH,  τH}  を   2次のラグランジュ・リゾルベント  L2  に作用させると・・・ 不変 2乗 86 L2  =  α  –  τH(α) τH(L2)  =  τH(α)  –  α  =  –  (α  –  τH(α))  =  –  L2       τH τH(L22)  =  τH(α)2  =    (  –  L2)2  =  L22       不変ではない
  87. 87. G/H  が  3  次の巡回群  {eH,  σH,  σ2H}   87 H  に対して   不変な数 G  に対して   不変な数 eH σH α σH(α) L3   ωL3 L33 3乗/立方根 σ2H(α) σ2H ω2L3
  88. 88. 巡回群  G/H  =  {eH,  σH,  σ2H}  を   3次のラグランジュ・リゾルベント  L3  に作用させると・・・ 不変 3乗 88 L3  =  α  +  ωσH(α)  +  ω2σ2H(α) σH(L3)  =  σH(α)  +  ωσ2H(α)  +  ω2α  =  ω2  L3 σH σH(L33)  =  σH(α)3  =    (  ω2  L3  )3  =  L33       不変ではない
  89. 89. 正十二面体の中には   正六面体がある 89
  90. 90. 正六面体の置換(12通り) 180° 180° 180° 180°回転  ×  3 120°,  240° 120°,   240° 120°,   240° 120°,240° 120°  回転  ×  4   240°  回転  x  4 動かさない ×  1 90
  91. 91. “代数的でない”  五次方程式の解き方 91 •  モジュラー方程式の解を用いる方法(エルミート)   •  超幾何級数を用いる方法(クライン)  

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