日本建築学会大会2017(中国)

1. 土塗り小壁付木造軸組の復元力
特性への垂れ壁高さの影響
〇中治弘行・長瀬正・鈴木祥之

2. 土塗り小壁付木造軸組の復元力特性
𝑄 𝑊 ∝小壁高さ・壁厚???

3. 実大実験
2,940
1,820
2,730
2,325405
300
900
6002851,800
1,500
1,3501,050285
T300 T900 T1500
 垂れ壁の内法高さが300mm、900mm、1500mm
の試験体
 壁長さ2P、壁高さ3P

4. 実験方法
載荷式
桁から鋼製おもりをワイヤーで吊るす（約20kN）
計測荷重からおもりによるPΔ効果を差し引く→復元力
見かけの変形角で変形制御加力
1/480、1/240、…、1/10、1/7radを正負3回ずつ
各変形角での復元力を結んで骨格曲線を得る

5. 1500mm
↑鋼製おもり

6. T300の骨格曲線
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
load(kN)
deformation angle (rad)

7. T900の骨格曲線
0
1
2
3
4
5
6
7
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
load(kN)
deformation angle (rad)

8. T1500の骨格曲線
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
load(kN)
deformation angle (rad)

9. QWの逆算（試算）
骨格曲線の実線の復元力から
長ほぞ仕口のモーメント抵抗による水平抵抗力を
差し引き、
次式のQとする
𝑄 =
ℎ1
𝐻
𝑄 𝑊

10. 計算の仮定
垂れ壁下の横架材と柱の仕口の抜け量
小→柱が2本とも曲げ抵抗
中→柱が1.5本曲げ抵抗
大→柱が1本だけ曲げ抵抗
構面全体の変形は小壁のせん断変形と柱の曲げ
変形の和（図3）

11. 逆算されたQW
0
2
4
6
8
10
12
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
restoringforceofhangingwall(kN)
deformation angle (rad)
T300
T900
T1500
同じくらい
長ほぞ仕口の影響大?

12. QW/SV （小壁の縦断面積）
0
50
100
150
200
250
300
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
shearstressofhangingwall(kN/m2)
deformation angle (rad)
T300 T900 T1500 1P 2P

13. QW/SV （小壁の縦断面積）
0
50
100
150
200
250
300
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
shearstressofhangingwall(kN/m2)
deformation angle (rad)
T300 T900 T1500 1P 2P
なんかよくわからない！

14. 破壊モードの違いを考慮したQWの推定
全面壁の場合
1Pは隅角部の圧縮破壊が支配的→曲げ破壊
2Pは壁中央部のせん断破壊が支配的→せん断破壊
小壁ではどうか？

15. 岡本らの方法によると…
0
2
4
6
8
10
12
0 1/60 1/30 1/20 1/15 1/12 1/10
restoringforceofhangingwall(kN)
deformation angle (rad)
T300 T900 T1500 T300e T900e T1500e
QW

16. まとめ
土塗り垂れ壁の実大実験結果をもとに、設計用
復元力作成方法について再検討を行った
小壁部分のサイズ（アスペクト比?）による破壊
モードの違いを考慮する必要がある
小壁の縦断面積SVだけではない
せん断破壊先行ではよい一致が見られる一方、
曲げ破壊の場合には差が大きい
実験データが試験体1つずつなので、類似の実験を続
ける必要がある