1. 鳥取県産スギ材を用いた
面格子壁の水平加力実験
中治弘行・倉恒俊一

2. 実験の目的
• 2008年度に行った鳥取県東伯郡湯梨浜町
にある浄土真宗本願寺派勝福寺本堂の耐
震性能評価の結果、ごくまれに発生する
地震の際に応答が大きくなることが予想
され、
• 耐震補強が必要となったので、
• 県産材と県内技術者による補強方法の性
能検証を行うこととした
– 面格子補強そのものは、利用実績もあり

3. 試験体概要
• 鳥取県東伯郡湯梨浜町にある浄土真宗本願寺派勝福寺本
堂の主要な軸組
• これに格子壁を追加した軸組→耐震補強を想定
面格子
2010 2010
3650
1810

4. 試験体概要
• 軸組には鳥取県産のスギ材を用いた
– 柱断面は195mm×195mm
– 桁と土台は240mm×240mm
• 柱と土台、桁との仕口は長ほぞ込栓接合
• 足固め材は180mm×180mm
– 柱との接合は一方を長ほぞ込栓、他方を雇い
ほぞ
• 垂れ壁には、荒壁パネルを両面張り
• 格子壁は80mm×80mmのスギ材を相欠き

5. 試験体設置状況
2010
3650

6. 実験方法
• 載荷式
– 外側の各柱に約10kN作用するように
• 変形制御
– 見かけの変形角が1/480radから1/10radまで
• 6～7秒間隔でインターバル計測
– 計測の都度、全景写真撮影

7. 荷重と変形の関係
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
25
30
- 3/20 - 1/10 - 1/20 0 1/20 1/10 3/20
見かけの変形角 (rad)
荷重(kN)
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
25
30
- 3/20 - 1/10 - 1/20 0 1/20 1/10 3/20
見かけの変形角 (rad)
荷重(kN)
補強なし 格子補強
軸組に損傷
耐力は向上 土台の割裂

8. 1/10rad近くで土台の割裂

9. 補強なし試験体では足固め材の損
傷
長ほぞ込栓接合側 雇いほぞ接合側

10. まとめ
• 面格子壁のない軸組の最大耐力は11.6kN、
面格子壁で補強すると25.2kNに耐力が増加
するが、
• 大幅な耐力増加に元々の軸組が追随でき
ず、軸組に重大な損傷を生じる恐れがあ
るので、
• 変形性能を維持しつつ、軸組に重大な損
傷を生じさせない程度に耐力の増加を見
込むことのできる補強方法が必要

11. 2間幅の軸組の実験
• 補強なし試験体と同様だが、柱スパンが
4000mmの試験体の実験を2011年4月29日
に行った

12. ①
③ ④
②⑤⑥ ⑦⑧
⑨⑩ ⑪⑫
⑬
⑭
⑮
⑯
⑰
⑱
⑲
⑳
21
22
23
24
25
30 31
32 33
34 35
36 37
38 39
40 41
42 43
44 45
150mm
SFN-2計測概要
4000mm
3650mm

13. 荷重と変形の関係
-30
-20
-10
0
10
20
30
- 3/20 - 1/10 - 1/20 0 1/20 1/10 3/20
荷重(kN)
見かけの変形角(rad)
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
25
30
- 3/20 - 1/10 - 1/20 0 1/20 1/10 3/20
見かけの変形角 (rad)
荷重(kN)

14. 柱の折損(1/10rad)

15. さらに(-1/10rad)