20130525 ドライアイ点眼薬の現在と未来 ＠第20回 視覚再生フロンティア
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20130525 ドライアイ点眼薬の現在と未来 ＠第20回 視覚再生フロンティア
- 1. 2013.5.25 第20回視覚再生フロンティア ドライアイ点眼薬の 現在と未来 京都府立医科大学眼科 加藤浩晃
- 2. 涙液の構造 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 油層 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 分泌型ムチン 液層 （ムチンゲル） （結膜杯細胞から分泌） MUC5AC ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 膜型ムチン ‐‐‐‐‐‐‐‐ マイクロビライ 表層上皮 MUC1 MUC4 MUC16 眼表面では涙液層の破綻と修復が拮抗している 涙液層の安定性↓⇒反射的に涙液量↑⇒安定性を回復
- 3. 涙液の構造 正常 破綻修復 ドライアイ 何らかのリスクファクターが存在する！ リスクファクターがあると… 上皮障害上皮の濡れ性↓ 涙液層の安定性×
- 4. 涙液の構造 正常 破綻修復 ドライアイ 何らかのリスクファクターが存在する！ リスクファクターがあると… 上皮障害上皮の濡れ性↓ 涙液層の安定性× 悪循環が生じる！
- 5. ドライアイ発症機序の考え方 涙液の異常 涙液の安定性 上皮の水濡れ性 上皮障害 炎症 悪循環 ◆日本 ⇒保水：ヒアルロン酸点眼 ◆アメリカ・諸外国 涙液の異常 マイボーム腺障害 涙液の安定性 杯細胞障害 上皮障害 炎症 浸透圧 悪循環 蒸発亢進涙液分泌 ⇒抗炎症：0.05％シクロスポリン （Restasis®） （横井則彦先生の発表を参考に作成）
- 6. ドライアイの治療 軽症 中等症 重症 ・涙点プラグ ・涙点閉鎖 ・適応外治療 血清点眼 アルブミン点眼 免疫抑制剤点眼 ・環境湿度 ・VDT指導 ・温罨法 ・OTC ・人工涙液点眼 ・ヒアルロン酸点眼 ・ムチン分泌促進点眼 PP FP-F SFP SEP コラーゲン 保水作用 ムチン 分泌作用 弱ステロイド点眼 抗炎症 作用
- 7. ジクアス点眼液3％ ◆作用機序 結膜上皮及び杯細胞膜上のP2Y₂受容体に作用 細胞内のカルシウム濃度を上昇 水分及びムチンの分泌↑ 水分泌
- 8. ジクアス点眼液3％ MUC1 MUC4 MUC16 MUC5AC
- 9. ムコスタ点眼液UD 2％ ①ムチン分泌作用 正常ウサギ結膜：用量反応検討 （方法） 各濃度1日6回×14日 ⇒インプレッションサイトロジー 0.3％以上で結膜ゴブレット細胞数が増加 N-アセチルシステイン障害ウサギ （方法） 6回Nアセチルシステイン投与（障害モデル作成） ↓ 1％レパミピド6回×14日 角膜・結膜ムチン量が有意に増加
- 10. ムコスタ点眼液UD 2％ ②角膜表面微細構造への変化 N-アセチルシステイン障害ウサギ 6回N‐アセチルシステイン投与（障害モデル作成） マイクロビライが消失、再形成しない （方法） （方法） 基剤のみvs 1％レパミピド1日6回×14日 マイクロビライの再形成がみられた
- 11. ムコスタ点眼液UD 2％ ③眼における抗炎症作用 直接的に酸化ラジカルが除去される 8OHｄG：DNA酸化損傷マーカーの検討 角膜DNAの酸化損傷を抑制 ヒドロキシラジカル消去作用 （ESRスピントラップ法） （Tanito M :IOVS 2003） （Yoshikawa T Arzneim Forsch 1993）
- 13. ドライアイ点眼薬開発の現状 Phase2 Phase3 申請中 抗炎症作用 AL-38583 （Alcon） シクロスポリンの改良 Durezol （Alcon） ジフルプレドナート Mapracorat （B＆L） DE-110 （Santen） 選択的GC受容体作動薬 CP-690,550 （Pfizer） Jak3チロシンキナーゼ阻害 ESBA105 （Alcon） TNF抗体 DE-101：Rivoglitazone （Santen） PPARアゴニスト バリア機能亢進作用 RX-10045 （Resolvyx） Resolvin類 ALTY-0501 （Alacrity） テトラサイクリン系製剤 Cyclokat （Novagali） ST-603 （Sirion） シクロスポリンの改良 EGP-437 （Eyegaate） DEX持続製剤 Remura （ISTA） ブロムフェナク CF-101 （CanFite） アデノシンA3R-agonist Lifitegrast （SARcode） LAF-1アンタゴニスト （各社HP＆米国での治験はhttp://clinicaltraials.govより引用）
- 14. ドライアイ点眼薬開発の現状 Phase2 Phase3 申請中 保水作用 AL-43546 （Alcon） ガラクトマナン SI-614 （生化学工業） 修飾ヒアルロン酸 Vismed ヒアルロン酸Na （River Plate Biotechnology） ムチン分泌 作用 Ecabet （ISTA） Rebamipid （大塚Acucela） ムコスタMD （大塚）：日本 INS365 ジクアホソルNa （Inspire） ★ドライアイ：角結膜上皮障害⇒創傷治癒促進で改善を期待 Phase2 Phase3 申請中 創傷治癒 RGN259 （Regenerx） thymosine 4 修復作用がある生体内ペプチド MIM-D3 （Mimetogen） nerve growth factor KCT-0809 （キッセイ/ テイカ） ：日本 オザグレルの点眼液トロンボキサンＡ２産生を抑制 血小板凝集抑制、気道収縮抑制 （各社HP＆米国での治験はhttp://clinicaltraials.govより引用）
- 16. Message ◆ジクアス点眼とムコスタ点眼の登場によりドライアイ治療が 劇的に変わり、治療の幅が広がった！ ◆ドライアイ点眼薬としては保水・ムチン分泌・抗炎症作用を あわせもつ薬剤が理想的！ 角膜創傷治癒作用も作用として注目されている。