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セミナー講師をする際の心掛け
鍋嶌厚太
www.upard.org
本資料の経緯
• @payashimさんから、自分が最近セミナーで
講師をしているのに目をつけられ、大人数向
けの話し方のノウハウを公開・共有してほし
いと依頼があった
• あまりニーズがある話にも思えなかったが、
頭の整理も兼ねて公開・共有することにした
(本資料にセミナーの内容は含まれません)
なんで私がセミナー講師に?
• NEDO生活支援ロボット実用化プロジェクトで
CYBERDYNE社の業務管理者を担当
– ロボットスーツHAL福祉用&医療用の開発において、主に
リスクマネジメント、規制・規格への適合性評価を担当
(もちろん一人でやったわけではありません)
• HAL福祉用: 世界初のISO/DIS 13482認証取得
• HAL医療用: 世界初のロボット治療機器としてCEマーキング取得
– 標準化活動を担当
NEDO生活支援ロボット実用化プロジェクトの詳細は http://www.nedo.go.jp/activities/EP_00270.html をご覧ください
CYBERDYNE株式会社の詳細は http://www.cyberdyne.jp/ をご覧下さい
時代のタイミングもあり、リスクマネジメント、認証、標準化の実例について
CYBERDYNE社が講演依頼を受ける → 担当者の自分が講師を担当する
私が講師を担当したセミナーのリストは http://www.upard.org/cv/ja の“セミナー/招待講演” をご覧ください
セミナー講師をする際に心掛けていること1
• 資料を読む以上に聴講者に得るものがあるよう
にする
– 聴講者は時間とお金を掛けて勉強しに来る。
– 重要性の強弱、アドリブでの補足を入れる。
– 自分に実感が無い話や理解できていない話はしない。
• 聴講者のバックグラウンドを考え、不要な情報は
(少なくとも口頭では)省く
– 聴講者が知っている情報は省く。
– その日の他の人の講演で得られる情報は省く。
– 聴講者が知りたがっている情報を多めに。
– 時間に余裕があればパートを区切って、基本的な内
容も話す。
セミナー講師をする際に心掛けていること2
• 自分が講師をすることを聴講者に妥当と思わ
せる経歴や実績を話す
– セミナーのテーマに合った経歴や実績がないと、
聴講者はまじめに聞けなくなる。
– 会社概要、製品概要、自分の業務概要など。
• 講演内容の意義や位置づけが聴講者に理解
できるように話す
– 聴講者は、大テーマを見てセミナーに来ることが
多い。自分の担当する中テーマ、小テーマがなぜ
必要かを話す。
– セミナーに応じたストーリーを作る必要あり。
セミナー講師をする際に心掛けていること3
• 単なる自社の宣伝や自慢話にならないように
する
– 宣伝や自慢話は聴講者にとって得るものが少な
い。
– 極力、自社を突き放して分析する必要あり。
• 「この通りにやれば簡単にできます」とは言わ
ない
– これから取り組む人に対する誠実さを持つ。
– メリットばかりでなく、苦労する部分を正直に言う。
– どう考えれば良いか、どう取り組んでいけばよい
かを考えるきっかけを与えられるように。
セミナー講師をする際に心掛けていること4
• 聴講者の人数は気にしない
– 少ないほうが目を見て理解度を測りながら補足で
きるが、一定数以上になるとそもそも難しい。
• 楽しそうに話す
– 「どう取り組めばいいの?」という人が聴講者なの
で、暗く、つまらなそうに話すと取り組む意欲を削
ぐだけでなく、聞く気も無くしてしまう。
• セミナー後も少し残る
– 質疑の時間であふれた人、質問をまとめられな
かった人が質問できるように。
まとめ
• 自分が聴講者=初心者だとして、
自分が聞きたいセミナーにする

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