大阪湾臨海域における地形と表層地質（沖積層）の解析から，約6000～5000年前の縄文海進期の最高海面期の海岸線とその古環境（地形システム）を推定した． 表層地質の解析には，約1万本以上の高密度なボーリング地質柱状図データを用いて，高精度解析を行うことにより古環境を復元することができる．現在，GISを用いて地下地質から推定した古環境を面的（可視的）に表現することを試みている．

1. 地形と地下地質から復元した古環境： 大阪湾臨海域を例に 東京大学大学院新領域創成科学研究科 伊藤有加 1

2. 研究対象地域 芦屋市 西宮市 伊丹市尼崎市 大阪湾臨海域 2 Add, Osaka-bay Geo-information Council (2002)

3. 海水準変動 最高海面期 海退期 Sea level (m) 海進期 Linsley (1996) Sulu Sea (the western Pacific area) 3

4. 方法 （過去の地形システムを復元） Data: 関西圏地盤情報データベース （ボーリング柱状データ：5万本以上） CD-ROM ボーリング地点 芦屋 標高 灘 柱状図断面 断面線 大阪湾 水平距離 4

5. 堆積相層断面図の例 “岩相境界線”を描くと，地層の構造が読み取れる 夙川 E W 西宮 今津 津門川 久寿川 東川 デルタ（三角州） 天井川 浜堤 砂州 0 m 内湾底（Ma13） 古夙川 内湾底（Ma12） 扇状地 5

6. 堆積（地形）システム （例） 縄文海進期～最高海面期：砂嘴・砂州，潟湖 海退期：浜堤列平野 礫 砂 砂泥 浜堤列平野 潟湖 泥 砂嘴 海成 粘土層 Altitude (m) 海成粘土層 6