Reference I experienced at ER department #1 : Hives

1. #1 土橋 哉仁

2. AM2時
30歳女性
蕁麻疹で来ます！

3. 30歳女性 蕁麻疹
• アレルギー：薬物・食物・アレルゲンの吸入や接触
• 輸血反応
• 感染症
• 昆虫
• 自己免疫疾患
• 悪性疾患
• 物理的刺激：皮膚描記法、寒冷、コリン作動性
• 肥満細胞症
• 遺伝
• 特発性

4. お昼に息子のお宮参りに行って、お膳を食べた
→卵、エビ、そばを食べた
夜はうどんと天ぷら
その後運動などはしていない
深夜にお腹がゆるい感じ＋息苦しさを自覚し、トイレへ
→蕁麻疹の出現
現在服薬はしていない
既往歴：甲状腺機能低下症、アトピー性皮膚炎
アレルギー：卵（幼少期）

5. 蕁麻疹
全身に分布
特に著名なのは、下腹部～足甲 ←島状の膨疹
バイタルサイン
(救急車内）
BP：114／80mmHg HR：110/分 BT：37.0℃
SpO2：93％→95％(酸素 2L/分)
(来院時)
BP：113／81mmHg HR：92/分 BT：37.0℃
SpO2：96％（酸素 2L/分投与） RR：20回/分
アナフィラキシーショック

6. アナフィラキシー症状
皮膚・粘膜症状(80~90%)
蕁麻疹、血管浮腫、紅潮、瘙痒感
呼吸症状(70%)
鼻汁、結膜浮腫、いびき、stridor、発声困難、低酸素血症、喘鳴
心血管症状(45%)
共通、頻脈、徐脈、低血圧、心停止
消化器症状(45%)
腹痛、悪心嘔吐、下痢
中枢神経症状(15%)
危機感、意識障害、昏迷、めまい、頭痛、失神

7. アナフィラキシーのパターン
・アレルゲンが不明＋急性経過の皮膚・粘膜症状
＋以下の１つ以上
呼吸症状
血圧低下、それに起因する症状（失神、失禁など）
・アレルゲンの可能性があるものへの曝露
＋以下の２つ以上
皮膚・粘膜症状
呼吸症状
血圧低下
持続性の消化器症状
・既知のアレルゲンへの曝露＋急性の血圧低下

8. アナフィラキシー
患者を臥位にしてモニタリング
ABCの確認 バイタルサインの評価 酸素投与 ルート確保 補液負荷
アドレナリン(0.1%) 0.3~0.5mLを
大腿外側に筋肉注射
SABA吸入
アドレナリン持続投与
グルカゴン投与
気管挿管 集中治療
H1受容体拮抗薬,
H2受容体拮抗薬の投与
ステロイド
8~24時間以上の経過観察
血圧低下、呼吸不全持続
血圧低下、呼吸不全持続
血圧、呼吸安定

9. ２相性反応
アナフィラキシー症状改善後、数時間～数日以内に再度
アレルギー反応が出現すること
90%が初期反応改善後、4-12時間以内に生じるが、症例
報告では72時間後の発症症例も報告されているため注意
が必要

10. アナフィラキシーを疑ったら…
抗原除去
高濃度O2 ＆ 気道確保
緊急薬剤の投与
ボスミン筋注 0.3ｍL
外液全開
H1, H2ブロッカー、ステロイド
1mLシリンジ ＋ 21 or 23G

11. 補足１ 血管性浮腫(Quincke浮腫)
蕁麻疹の一種
搔痒を伴わない真皮下層 or 皮下組織の限局性浮腫
＜原因＞
・非遺伝性（蕁麻疹と同様）
・遺伝性：C1インヒビター欠損症
＜治療＞
・非遺伝性：蕁麻疹と同様（原因除去、抗ヒスタミン薬）
・遺伝性：アンドロゲン製剤投与、トラネキサム酸投与、精製C1インヒビター投与
喉頭浮腫による気道閉塞に注意！

12. 補足２ アドレナリン投与のタイミング
蕁
麻
疹
喉頭浮腫 喘鳴
下痢/腹痛
血圧低下
Airway Breathing
Circulation Diarrhea
1つでもあれば、迷わず筋注を！
抗原曝露

13. 補足３
1回のアドレナリンで効果不十分の場合
5-15分空けて再投与
改善に乏しいときは…
・アドレナリン持続静注
アドレナリン注0.1% 1A(1mL)を生食 or 5%ブドウ糖液1Lに溶解
60mL/hで開始、血圧安定まで5-10分毎に増量(最大：600mL/h)
・グルカゴン持続静注
グルカゴン1-5mgを5分で静注し、その後5-15μg/minで持続投与