#4 pulpitaion

1. #4 土橋 哉仁

2. AM1時
60台男性
動悸で来ます！

3. 動悸
＜循環器系＞
• 心房細動
• 完全房室ブロック
• 急性冠症候群
• 心不全、弁膜症
• 心タンポナーデ
• 心筋炎
• 期外収縮
• 発作性上室頻拍
＜内分泌・代謝系＞
• 甲状腺機能亢進症
• 褐色細胞腫
• 低血糖
＜外因性・心因性＞
• アトロピン・カテコラミン
• アルコール・カフェイン
• 過換気症候群
• 精神的な不安・興奮
＜その他＞
• 発熱
• 脱水
• 貧血

4. バイタルサイン
体温 36.8℃、呼吸数 20回/分、酸素飽和度 96%(room air)
血圧 149/96mmHg
脈拍 110-130/分、不整
意識 清明
眼球結膜 黄染なし
眼瞼結膜 蒼白なし
頸動脈 座位で拡張を認めない、呼吸性変動なし
見た目元気そうやな…
心音の聴診
甲状腺の触診
家族歴、飲食物摂取歴、服薬歴、症状出現時の様子 聴取しよかな
検査はひとまず心電図と採血か

5. 22時ごろ入浴中に動悸出現
自分で脈拍測定したところ、脈が乱れていたためお風呂から出た
血圧（手首で測るタイプ）で何回か測定し、血圧の変動が大きかったた
め救急要請
薬歴：アバプロ錠(高血圧)、フェブリク錠(高尿酸血症)、アレグラ錠
飲酒：18時にビール350mL×1缶、焼酎(お湯割り)×1杯
昨日はワイン2杯
最近あまり水分摂ってない気がする
入浴直前に紅茶を1杯飲んだ
家族歴：母 不整脈、脳梗塞
父 ペースメーカー植込み

6. 心音
Ⅰ, Ⅱ音正常 過剰心音を聴取しない
甲状腺
腫大、圧痛なし
心電図

7. 血液検査
カルテ参照

8. 動悸
＜循環器系＞
• 心房細動
• 完全房室ブロック
• 急性冠症候群
• 心不全、弁膜症
• 心タンポナーデ
• 心筋炎
• 期外収縮
• 発作性上室頻拍
＜内分泌・代謝系＞
• 甲状腺機能亢進症
• 褐色細胞腫
• 低血糖
＜外因性・心因性＞
• アトロピン・カテコラミン
• アルコール・カフェイン
• 過換気症候群
• 精神的な不安・興奮
＜その他＞
• 発熱
• 脱水
• 貧血

9. 脱水による心房細動
→輸液を行えばいい
生食投与したが、改善は認められず
不整脈に対してのマネジメントが必要！！
リズムコントロール？ レートコントロール？

10. Rhythm vs Rate
リズムコントロールが適する
・不整脈による症状が強い
・＜65歳
・新規発症の孤立性心房細動
・高血圧なし
・心房細動により心不全を生じる
・抗不整脈薬が使用可能
・治療可能な原因や誘因がある心房細動
レートコントロールが適する
・＞65歳
・心不全の既往歴なし
・抗不整脈薬の禁忌
・高血圧
・患者の希望
・冠動脈疾患
救急外来での対応
＆
心不全を示唆する症状なし
まずは心拍数のコントロールを！

11. 循環動態が安定している心房細動
ジゴキシン
ジゴシン注(0.25mg/1mL/A) 1A
＋生食20mL
5分かけて静脈投与
※WPW、HOCMでは禁忌！
ベラパミル
ワソラン注(5mg/2mL/A) 1A
＋生食20mL
5分かけて静脈投与
※WPW syndromeでは禁忌！
ジルチアゼム
ヘルベッサー注(10mg/A) 1A
＋生食20mL
5分かけて静脈投与
プロプラノロール
インデラル注(2mg/2mL/A) ½～1A
＋生食20mL
5分かけて静脈投与
※気管支喘息では禁忌！

12. 動悸を訴える患者さん＠救急外来
１にバイタル、２にバイタル、３にバイタル
循環動態が安定していればレートコントロールを
心臓 or メンタルと思い込まず、
甲状腺や生活習慣（環境）も確認しよう

13. (補足1)
動悸とは
普通には自覚されない心臓の鼓動を前胸部に感じる不快感
背景に疾患がある可能性はもちろんあるが
あくまで「主観的な」症候であることに注意が必要
動悸≠疾患

14. (補足2)
WPW症候群の心電図
113F30より引用

15. せっかくなので113F30を供覧
頻脈発作時の心電図(A)と電気ショックにより洞調律に復帰した後の心電図(B)を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
A B
a. ベラパミル経口投与
b. ジギタリス経口投与
c. 植込み型除細動器の植込み
d. カテーテルアブレーション
e. 両室ペーシングによる心臓再同期療法 みんコレ！ より
https://minkore.com/bbs_view/113_6_30

16. (補足3)
CQ: 入浴は心房細動の起因となりうるのか？
冬に高齢者がヒートショックを起こす、という話を聞いたことはあるが、、、
合併症のない高血圧患者が、入浴により心房細動を引き起こした
という調査結果も発見した(1)。
漸温浴：38-42℃ 10分間
微温浴：39-40℃ 20分間

17. ＋α 温浴と健康
45-59歳の日本人61,000人を追跡したコホート研究では
毎日熱い風呂に入る人は、週に0-2回しか湯船に浸からない人
に比べて
循環器疾患のリスクが28%低く
脳卒中のリスクが26%低い
という報告もあった(2)。
では、温浴は循環器疾患のリスクなのか？

18. 参考文献
(1)石井靖夫 循環器疾患と温浴 昭和医学会雑誌第30巻第11号 1970年
(2) Andrew Felix Burden. Tub bathing and heart disease. Heart, 2020; heartjnl-2019-
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