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離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション（RSJ2016）
- 1. 離島地区特有の資源と課題を 考慮した科学コミュニケーション 槇田諭，前田貴信（佐世保工業高等専門学校） 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 1 本活動は国立研究開発法人科学技術振興機構（JST）平成27 年度科学技術コミュ ニケーション推進事業・問題解決型科学技術コミュニケーション支援・機関活動 支援型，および平成28 年度ネットワーク形成型の助成を受けたものです．
- 2. アウトリーチ活動（Out-reach） 「対象に手を伸ばす，裾野を広げる」 「研究者が社会一般の人々と直接対話し，相互に情報交換をして， 双方向のコミュニケーションを成立させる［室伏2008］」 社会（一般市民）に対して研究成果等を説明し，その理解を高めてもら う → 専門家と一般市民とを結ぶメディア，教育者，研究者・技術者の育成 → アウトリーチ活動は社会実装的側面をもつ 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 2
- 3. 活動・研究目的 • 居住区によらず，科学技術コミュニケーションをあまねく実 施する手法の模索（どこからでも参加） • ロボット技術，情報通信技術の積極的利用による，手段の定 着と心理的障壁の低減（当たり前のように使える） • 離島地区の共通課題の抽出と共有する，およびそれぞれの特 有の魅力を発信する（みんなでやろう） 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 3
- 4. アウトリーチ活動の動向 • 実体験型（双方向コミュニケーション） 講演会，実地体験，サイエンスカフェ • 情報発信型（一方通行的） プレスリリース，メディア露出， SNS，動画配信 （一般の方々に対して適切に届いているだろうか？） → 膨大な情報から抽出・整理するキュレーターの必要性 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 4
- 6. サイエンスコミュニケーションの留意点 • そもそも参加する層は科学技術に 関心が高い［内田2011］ 科学技術の理解の深化，強い動機付け • 一般市民の多くは情報や機会に 対して受動的［西川2005］ 関心の低い層を取り込まないと 裾野は広がらない → 関心の度合いに合わせた手段の選択 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 6 楽しい！ 聞いたことは ある なにそれ？ 興味と盛り上がりのピラミッド
- 7. 関心の度合いに合わせた情報・機会の提供 関心の程度 情報・機会の量 情報の質 提供の場 高い （少数派） 十分な情報と交流 の機会 比較的深い内容ま で 研究発表， セミナー， プレスリリース すこし高い きっかけを喪失し ないよう，必要な だけ過不足なく 初級から上級まで のステップアップ を明示 学校・大学の授業 博物館 低い （多数派） 一方的であっても 多量に広く提供 キャッチ―でわか りやすく 周囲（知人等）か ら変化させる マスメディア 新聞・広報誌 口コミ 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 7 難 易 度 の 上 昇
- 8. 離島地区（対馬市）における 科学コミュニケーション活動 2015年8月：サイエンスコミュニケーション～ヤマネコと科学しよう～ 2015年12月：ヤマネコ祭り with サイエンスカフェ 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 8
- 11. 離島地区の解決すべき課題 離島の固有資源（自然・文化）の保全 例）対馬市：ツシマヤマネコ（絶滅危惧種）， 韓国との国境のまち 生産人口と経済活動の維持 10～20代人口の流出，Uターン・Iターンの不足 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 11 ■紫色 ― 対馬市 ■緑色 ― 日本全国
- 13. 対馬市での科学コミュニケーション活動 • 小中学生を対象とする科学技術体験 総来場者数：53名 小学生が約半数 • 高校生以上を対象とする科学技術に 関するパネルディスカッション 児童向け科学体験を併催 ディスカッション参加数：20名 高校生4名 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 13
- 14. 科学技術に興味はあるが… （来場者アンケート結果） • 活動内容についてはおおむね高評価 • 科学技術に対する関心が高い：90%以上 科学技術について自分から調べるかどうか：半々 • 見つけられないことが多い：20～30% • 見つけられても難しい：40～50% 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 14
- 15. 科学技術に興味はあるが… （来場者アンケート結果） • 活動内容についてはおおむね高評価 • 科学技術に対する関心が高い：90%以上 科学技術について自分から調べるかどうか：半々 • 見つけられないことが多い：20～30% • 見つけられても難しい：40～50% 関心があっても情報を積極的に収集する割合はそう高くない 関心を持って調べても，理解の壁にぶつかることがある →必要な情報をわかりやすく提示し，かつ興味が深まり広がるよう なコミュニケーションを設計することが重要 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 15
- 17. 離島地区特有の課題も浮き彫りに • 集客の困難さ 交通網が限定される（保護者の車両送迎がないと会場に来れない） 他のスポーツイベント，部活動とのバッティング • 科学コミュニケーションへの 親しみの低さ 島外との交流が（本土と比較して） 極端に少ない 高等教育機関，経験の不在 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 17 科学イベントへの参加 初めて（10代以下） 初めて（20代以上） 2回目以上
- 18. 交通の不便さをICTで解決する • ビデオ会議システム • テレプレゼンスロボット →その場にいなくてもOK 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 18 本土， 都市部離島地区 ＜イベント会場＞ ＜研究会＞ presentation ＜観光地＞
- 19. 交通の不便さをICTで解決する • ビデオ会議システム • テレプレゼンスロボット →その場にいなくてもOK • ポータルウェブサイト 講演・講義の動画・写真の閲覧 掲示板によるディスカッション，情報交換 数多のポータルサイトの情報をまとめるキュレーションサイト →そのときにいなくてもOK 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 19 本土， 都市部離島地区 ＜イベント会場＞ ＜研究会＞ presentation ＜観光地＞
- 22. 9/9 13:00-17:00 OF ＠R室 2016/9/9 RSJ2016 槇田諭：離島地区特有の資源と課題を考慮した科学コミュニケーション 22