外資系企業で働く人、外人がボスになった人が参考にできるヒントのいろいろ

1. 外資で生き残るために
宗 邦弘

2. なぜ外資系企業は日本で失敗するか
 その国独自の流通を無視する
 他の国での経験を重視し、その国の独自性を軽視する
 3年から5年での社長の交代
 投下資本の回収を急ぎすぎる（短期的な視野）
 雇用および賃金面での柔軟性の無さ

3. 日本企業との違い
 株主の発言力が非常に強い
 株価・配当に対する配慮が強い
 本社の経営陣は発行済みの株価総額を上げることが大きな経営
目的のひとつ
 Affiliate（子会社）は約束した販売と利益を達成することを強く期待
される
 Think Globally, Act Locally

4. 外資系企業の利点
 グローバルな資源を活用することができる
 原材料の一括購入
 集約された生産拠点での効率的な生産
 資金、人材を集中しての研究・開発
 マーケティング・ノウハウ
 効率的な組織
 海外よりの資金調達が容易
 日本的な制約（しがらみ）に縛られることが少ない

5. 多国籍企業での共通言語
 英語ではなく
 論理（ロジック）
 数字
 英語は Common Languageではなく
単なるConvenient Languageである

6. 多国籍企業でのコミュニケーションの重要性
エクスパットとのコミュニケーションで気をつけること
 日本の商慣習に慣れていない
 流通・販売・顧客情報
 法規・自主規制・業界の慣習（横並び、抜駆け禁止）
 短期的見地からビジネスを捉えることが多く、中長期ビジョンにかけること
が多い
 段階的でなく急激な改革を志向する(Quantum Leap > Kaizenn)
 上記を知らしめるために日本人スタッフの口頭および文書による簡潔で明
瞭なコミュニケーションとプレゼンテーションは必須である（Sudden
Surpriseがもっともまずい、黙っているのはもっとまずい）

7. まず”敵（パートナー）”を知る
彼らが考える外資における良いマネジャーとは
 A successful manager
 does not require constant supervision
 is well organized
 is relatively creative person
 is interested not in who is right, but what is right
 is a good communicator (oral and written)
 takes a great deal of pride in executing his/her
responsibilities to the utmost of his/her capabilities

8. 敵を知る ‐ 続き
 A successful manager
 demonstrates leadership in
 Initiative, Motivation, Training, Delegation
 demonstrates disciplined work habits in
 Works on priorities
 Performs on promises
 Deliver on time
 Can work under pressure against time
 Follow through on what he/she starts
 Realistic in planning
 Is team player
 Is a hard worker

9. 彼らこんなふうに仕事をする
学ぶに値する項目
 時間を有効に使う（Time Slippageを減らす）
 朝一番の時間を重要なプロジェクトに充てる
 プライオリティの高い仕事から片づける
 電話、来客、私事、喫煙などに不要の時間を使わない
 書類を要領よく読む、書く、整理する
 作業日誌（メモ）をつけて、作業確認をする
 一日の終わりに翌日の作業項目をリストアップする
 予定外の来客、作業に時間を割かない
 部下に仕事を任せる（権限の委譲）
 秘書（業務担当）を活用する

10. 彼らはこんなふうに仕事をする - 続き
 デッドラインを設定する
 はじめた仕事は必ず終える
 自分の集中して没頭できる時間・ベストタイム（高い作業効率で、集中
できる時間）を知る
 そして、他の人に自分のベストタイム中はいつで、その間は集中したい
ことを知らしめる（その間は部屋のドアを閉める）
 書類を全部完璧に読もうとはしない
 明確な目的がある時、本当に必要な時のみ会議を開く
 議長と書記を任命（事前のアジェンダ、事後の議事録）
 冒頭に目的は議論か決定か情報共有かを明確にする
 議事録には必ず結論と次のステップを（誰が、いつ、何を）含める

11. 口頭でのプレゼンテーション（１）
 十分な事前の準備をする
 プレゼン目的を明確にしておく
 プレゼンマテリアルをチェックする
 聴衆を説得する材料・根拠をそろえておく（EEEFAS）
 相手の知識、反応を予測する
 リハーサルを行う
 プレゼンテーション技術
 まずプレゼンの目的を相手に伝える
 アイコンタクトに留意
 簡潔で、順序を踏んだプレゼンテーション
 必要な個所でのサマリー

12. 聞き手を説得するための EEEFAS
 Experience 経験・実体験
 Expert opinions 専門家やOL,権威の意見・文献
 Examples 具体的な実例
 Facts 客観的事実
 Analogies 類似例・類推・たとえ
 Statistics 統計的事実・数字

13. 口頭でのプレゼンテーション（２）
 プレゼンテーション技術（続き）
 相手が納得・理解しているか時々質問して確認する
 相手の表情、動き、ジェスチャーからプレゼンやペースを変えること
も必要である
 リラックスし、声のトーン、間、緩急に気をつけて話す
 グループへのプレゼンテーション
 アイコンタクト
 ビジュアルエイズ（マテリアル）
 QアンドA
 次のプレゼンをより良くするためにフィードバックをもらう

14. Secrets of Successful Presentations
 Know your objective - 今日何を伝えたいのか明確に
 Analyze your audience - 分析して説得する(EEEFAS)
 Organize - 十分な準備をしてストーリーを死守する
 Grab the audience - まず冒頭で聴衆を引き付ける
 Talk louder than you think you should - 声は大きく
 Pause for effect - テンポや間を置くことも大切
 Use gestures - 強調するのに有効、リラックスもできる
 Make eye contact - 聴衆の目を見る（全体的に）
 Questions and answers - 答えにくい質問は”今のご質問は
…”と質問を繰り返しながら考える。ない時は”よくある質問は
…”と自ら切り出す。さっと切り上げて終えるのが大事

15. 文書によるコミュニケーション
 誰に、何を伝えたいのか、どんなアクションを起こしてもらいたいのか
 読み手が行動を起こすためのキーファクターは何なのか
 そのキーファクターに関する情報を事前に集める
 それらをロジカルに並び替え、結論を論理的に引き出す
 書き出す前に、下記の点を考慮する
 以前にうまく書かれた同様な書類があったら参考とする
 メモの目的を簡単・明瞭に述べた文を最初に書く
 読み手が分かるように、必要最低限の背景を述べる
 どのようなアクションをとろうとしているかを強調する
 結論、根拠、判明した事実などを重要さの順に述べる
 リコメンデーションをサポートするデータをつける
 文頭から文末までロジカルに組み立てる

16. 良いレポート・メモの書き方
 第一パラグラフですべてが（概要）が分かるように書く
 バックグラウンド情報を必要に応じて加える
 提案する内容の詳細
 提案の根拠・ラショネール
 数量、コスト、期間などの情報
 他に考慮された選択肢、それらが採用されなかった理由
 もしあれば考えられるリスク
 ネクストステップ（誰が、いつまでに、何をするのか）
 事実と自分の解釈・判断はきちんと分けて（読み手に分かるように）
 書いたら出す前にもう一度読み直す（特にE-mailの時）

17. 参考になるかもしれないヒント
 言葉･用語の定義を事前にする
 日本語はあいまい
 不明だったら定義を質問して確認する
 和製英語には注意
 英文では受身型をうまく使う （一種の逃げ）
 できればプレゼンにユーモアを盛り込む