2018/11/18子どもの声からはじめようプロジェクト プログラム①ベーシック・ナレッジ 『子どもの権利最前線 カナダ・オンタリオ州の挑戦』の購読 発表資料

1. 子どもたちの「声」とインクエスト
『子どもの権利最前線 カナダ・オンタリオ州の挑戦
―子どもの声を聴くコミュニティハブとアドボガシー事務所―』第3部第2章
畑千鶴乃＋大谷由紀子＋菊池幸工著 かもがわ出版 P 133-143
発表者 渡辺清美

2. 政府から独立したアドボガシー事務所
2007年 直接州議会に報告するように法律が変更
 オンタリオ州政府子ども青年サービス省は、
ユースに関わる決定をする場合には必ずユースの意見を聞くことを決めた
 州首相にアドバイスをするPremier’s Council for Youthができた
（ユースによる州首相直属諮問機関）

3. なぜ可能になったのか？
アドボガシー事務所が影響を与えた
ユースが主体となって声を発し、政府やサービス機関
が「権利ベースの文化」の重要性を認識したから
こそ可能になった

4. この動きをうけて
ユースを対象のサービスを提供している他
の機関も、ユースの声を独自に直接に聴く
ようになっていった

5. 日本の「権利ベースの文化」の度合いは？
「子どもの権利指数（2016年版）」
日本は163ヵ国中31位
子どもの権利の保護・改善に対する163カ国・地域の取り組みを評価
出典：https://zuuonline.com/archives/149315

6. 子どもの意見を尊重する「権利環境」は低い
「子どもの権利指数」は5つの主要領域（社会生活・健康・教育・保護・
子どもの権利環境）や23の指標など総合的に評価したもの
「社会生活」 「教育」世界1位
「保護」 6位
「健康」16位
「子どもの権利環境」101位から121位
出典：https://zuuonline.com/archives/149315
1位は
アイスランド

7. 子どもの権利環境とは？
子どもの権利環境を構成する7つの指標
1.非差別
2.子どもにとって最善の利益
3.子どもの意見の尊重
4.権利に対する法の履行
5.最適な予算
6.集約されたデータの収集と分析
7.国家や市民社会の協力 出典：https://zuuonline.com/archives/149315

8. ジェンダーギャップ指数も114位
「女子供」の意味
おんな‐こども〔をんな‐〕女と子供。
とるにたりない意や、足手まといになる意で引き合い
に出されることが多い。
「女子供にもできることだ」
出典：デジタル大辞泉（小学館）

9. 母子家庭と父子家庭の世帯数と年収
厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」をもとに作成
0
500000
1000000
1500000
2000000
2500000
3000000
3500000
4000000
4500000
父子 母子
数 年収
18万人
123万人
420万円
243万円
6割が
貧困

10. 問題提起１
「子どもの権利環境」向上
のため市民社会ができることは？

11. インケア―の子どもたちから語られたこと
 学校の先生は、学校の中で声を抑えられているため、先生も生徒の「声」を奪っている
 住み慣れた住環境から離れて暮らす苦悩を理解するものはあまりいない
 愛に飢えている
 「幸せな生活」をしているとはいえない
 市や教育委員会、市議会議員は、学校の対応に対し子どもたちの意見を聞こうとしない
 私たちの声を聴いてもらう機会が与えられたとき、自分の人生が意味あるものだと思える
2016年のリスニングツアーにて 注目

12. 幸福度1位のフィンランドの教育
 教師の指導法に厳しい基準がない、高い自由度がある
 教師という職業が尊敬されている
 教育費、給食は無料
 義務教育は公立だけ、エリート校はない
 教師は生徒の助言者、やる気を引き出す
 子どもが学習目標を決める
 学年と年齢が連動しない
 遊んで学ぶ
 学校で過ごす時間は短い
 宿題は少ない
差別が少なく
自由度が高い
「幸せな人間になること、他人を大事にし、
自分自身を大事にすることを教えたいのです」
マイケル・ムーア監督のフィンランド教育動画より

13. 著者の菊池幸工先生から若者へ贈る名言
• 知恵は思ってもみないところから得られる
• 知恵は本や学校からは学べない
• 学校が学ぶことを邪魔することがある

14. 「愛」が育まれる条件とは
声を出すことを支援する
権利を有する人間として尊ぶ
彼らを中心において意思決定する義務を大人が負う
彼らがいかなる差別からも自由であることを保障する
アドボガシー事務所所長アーウィン・エルマン氏

15. インクエスト
「インケアの子どもが死んだ原因を突き止める公聴会」
アドボガシーオフィスは、政府から独立した2007年以降、イ
ンクエストに積極的にかかわる
一般市民から選出された5名が、死亡に関する事実を突き止
め、同じような状況で死亡がおきないよう予防の勧告を出す
弱い立場にいる子どもたちのアドボガシーツールとして潜在
的な影響録がある

16. 予防の勧告先
勧告を実行できるすべての機関
例：政府省庁、警察庁、教育委員会、児童福祉機関

17. アドボガシーオフィスの役割
死亡した子どもや同じような状況の子どものた
ちを代弁する
精神科医や施設職員は自分たちの組織の文化、
考え方、価値観や利害をもとに限られた理解し
かしない

18. 子どもやユースの声で
制度に根付く悪しき文化や
古い官僚的な考え方を打ち破る必要がある

19. 目黒の結愛ちゃん事件など幼児虐待事件
子どもの立場で
防ぐためにどこに何を勧告しますか？
問題提起２