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第６回臨床工学技士養成教員学術研究会 発表資料
- 1. 岡山理科大学理学部応用物理学科臨床工学専攻 堀 純也 コロナ禍で試行錯誤している オンライン講義手法の紹介 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science 第６回臨床工学技士養成教員学術研究会 2020/12/05
- 2. コロナ禍における講義対応 大学としての動き，個人としての動き 学生の受講環境と配慮すべきこと 具体的な講義の方法紹介 ハードウェア，ソフトウェア 国家試験の模擬試験 非常勤講師としての経験 まとめ 本日のおはなしAgenda Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 3. コロナ禍における講義対応 大学としての動き 4月7日：「感染予防を考慮した上で対面授業を行うこととする」という方針 4月9日～：LMS，Zoom，VODを利用した講義に関する研修（3日間） 4月16日：緊急事態宣言 全国へ拡大 2020年度春１学期：（4月20日～講義開始） Zoom等のライブ配信とVODビデオ教材に限定した実施に方針修正 2020年度春2学期～現在：（春2学期：6月11日～，秋1学期：9月22日～講義開始） オンライン講義を推奨しつつ，許可が降りれば対面可 ※2021年1月：年明け後の1週間はオンライン限定になる予定 （状況によっては１月一杯オンライン講義限定の可能性もある） ＜参考＞臨床実習 一部を除いて病院で実施 時間数が足りない学生は 日臨工のVOD視聴＋学内実習 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 4. 3月20日：横浜創英大学の岡本華枝先生よりZoom勉強会の打診 畔柳 信吾 氏(公立西知多総合病院 臨床工学科)，杉下 辰雄 氏(鍼灸指圧 杉下治療院 Thumb‘z Space-) とともに週１でオンラインツールの勉強会＆イベント開催（現在も継続中） Facebookグループ： 「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきかについて知恵と情報を共有するグループ」等で情報収集 （現在：「新型コロナのインパクトを受け、大学教員は何をすべきか、何をしたいかについて知恵と情報を共有するグループ」に名称変更） 4月05日：ペンタブレット発注・オンライン講義対応用器材の準備 4月10日，13日，15日，16日，17日：Zoomの練習用ミーティングをオープン 4月20日：１回目の講義，Zoomの接続状況の確認，LMSの使い方等 春１学期：オンライン講義 春２学期～現在：ハイブリッド講義 研究室の隣のセミナー室に来るか自宅から参加 コロナ禍における講義対応 個人としての動き Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 5. できること • 課題の提示 • 資料の掲載 • アンケート • テスト など 本学のLMS：mylog 学生支援システム（UNIVERSAL PASSPORT） 資料準備だけでもかなりの時間を 費やされる Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 6. 学生の受講環境を確認してみると・・・ 通信環境・使用端末・プリンタの有無 光通信での Wi-Fi環境 77% ADSLでのWi-Fi 環境 7% スマートフォンで の接続 8% わからない 8% スマートフォン 69% ノートPC 15% デスクトップ PC 8% タブレット端末 8% なし 54% あり 46% 通信環境 接続端末 プリンタの有無 N = 13 ほぼ1年生 スマートフォンの契約だけの 学生はケアが必要 文字の大きさには配慮が必要 LMSへ資料をアップしても 講義と同時に見られない学生がいる Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 7. どのような方法が学生にとって負担が少ないか？ オンライン講義を行うに当たって まずはじめに考えたこと．．． 学 教 学 学 学 学 学 学 学 講義 課題 教員視点 教 教 学 講義 課題 教 講義 課題 講義 課題 ﾍ 教 講義 課題 ×× コロナ禍 Zoom? LMS？ 学生視点 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 8. これまで以上に毎回のゴールは明確にする 講義資料の文字は大きめに（状況に応じて拡大縮小する） 講義資料の印刷物を準備 大学で聴講・自宅から聴講を選べる形式 講義中にチャットや投票システムを利用して理解度を評価 講義の様子は録画して再確認できるようにする 課題の提出期限は毎週ではなく開講期の終わりまでとした オンライン講義を行うに当たって 他大学の情報等を参考に以下を検討 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 9. 基本的な流れ • 講義ノートおよびチェックリストの事前配布 • Zoomによるライブ配信 • 質問による形成的評価の実施 – チャットの利用 – 投票システムの利用，教室参加者はParticipollで投票 • 課題実施の指示 • 講義動画の編集とYoutube（限定公開）へのアップ • mylog上でのフィードバック Participollを利用した投票 ハイブリッドで実施 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science Participoll 各自のスマートフォンを使って クリッカーのように投票ができる PowerPoint用のPlug-in
- 10. 配信環境：ハードウェア • ノートパソコン＋液晶ペンタブレット • 有線接続 • iPadで別途接続して配信確認（Wi-Fi接続） 講義の方法 講義の配信環境 教室側（大学で受講したい人用） • iPadをプロジェクタに接続してスクリーンに投影 （Wi-Fi接続） ※研究室の隣のセミナー室 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 11. 使用器材と学生用の部屋の様子 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science 大学での受講を希望する学生用の部屋 使用器材： ノートPC ：NEC製 Lavie ペンタブレット ：Wacom Cintiq 16 Webカメラ ：Logicool HD Webcam C615n(マイクも兼ねる)
- 12. 配信環境：ソフトウェア • Microsoft OneNote（Windows10標準搭載） • 拡大・縮小が容易 • 手書き入力が可能 • 数式が使える • 過去の講義資料が容易に呼び出せる • iPadをペンタブレット代わりに利用することもできる × 使い勝手が悪い点 • 資料のPDF化が面倒（Print to PDFを利用） • 手書きした内容の移動が面倒 講義の方法 講義の配信環境 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 13. チェックリストと講義ノート ・One Noteで表示する内容を一部穴埋めにして 事前配布 ・1ページ目にはチェックリスト Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 14. 講義の方法：裏技編 クラウド上の 同じ講義資料 iPadで表示した講義資料にApple Pencilで書き込むとほぼ同時にノートPC上の資料にも 書き込まれるので，iPadが液晶ペンタブレット代わりに利用できる． Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 15. 春1学期： ◎コロナ禍以前に出席率が気になっていた学生が， 毎回ほぼ遅れることなくZoomにログイン．課題も全て提出． △医用機器安全管理学I：試験を実施せず課題評価で 成績判定（合否のみ） 医用機器安全管理学実習（秋1学期）の際に 春1学期の講義で扱った内容を質問 例年の学生であれば答えられる質問も答えられないことが多々・・・ ※秋2以降，試験を実施した科目の内容は例年通り答えられている． 対面での試験ができない場合でも試験に代わる評価を行うべきだった． オンライン講義の効果 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 16. 自分自身の振り返り 講義動画編集を通して，自分の講義の振り返りができている 良くなかった部分は，テロップ等を付与して補足 ◆フィードバックの際にポイントが指摘しやすい 課題で間違った部分のフィードバックに動画を利用 （例）「第●回目の動画の●●分付近を再度確認してください」 ◆前年度受講した学生にも動画のアクセスを許可 →気になるところは視聴している模様 オンライン講義の副次効果 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 17. Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science 講義動画は講義終了後も振り返りに利用されている． 昨年受講した学生にもURLを教えて復習に 利用してもらっている．
- 18. JAFCEの統一模試の過去問 ⇒ Google Formへ入力 当学科における国家試験の模試試験 11月中旬までオンラインで実施 試験実施日 09:20 午前の問題のURL配信 09:30 各自で解答開始 12:00 終了メール配信 12:50 午前の問題のURL配信 13:00 各自で解答開始 15:30 終了メール配信 ※カンニングしても意味が無いことが分かっているので真面目に解答している． ※遅れても無理はさせず，別日に自分で時間管理して解答するよう指示． Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 19. 玉野総合医療専門学校 保健看護学科 「看護に必要な物理学（８回）」 • ３回のオンデマンド講義＋５回の対面講義 • 動画は長くても30分以内．あとは課題に取り組む時間 九州保健福祉大学 臨床工学科 「応用数学(15回)・応用数学演習(15回) 」 • ８回分のGoogle Meet配信（録画機能×）＋22回の対面講義 非常勤講師としての対応 教育機関によって事情が異なる 使うシステムが異なると教員も混乱 複数の教育機関で受け持っている非常勤講師には配慮が必要 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science
- 20. 教員同士でオンライ講義の実験ができる環境をつくるとよい． 学生の通信環境，使用端末，プリンタの有無は確認すべき． 毎回の講義の到達目標は明確にするのがよい． 可能なら対面とオンラインのどちらか自由に選べるのがよい． Live配信するなら途中で質問して理解度を探る． （一方的にしゃべるだけならオンデマンドでよい） 動画はフィードバックや教員の振り返りにも使える． 出張があっても休講にせずに済むのがありがたい． 講義準備・課題チェックの負担は増加． （教員も無理をしないようにしたほうがよい） ま と め コロナ禍で半年以上講義を行ってみた個人的な感触 Jun’ya HORI, Department of Applied Physics, Okayama University of Science