Recommended
Recommended
More Related Content
Featured
Featured (20)
Vascular access sound analysis
- 2. 2 日本臨床工学会 COI 開示 筆頭発表者 ： 古山 博規 演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業などはありません。
- 3. 研究背景 • 超音波エコー • 透析毎に全患者に行う事は困難 • 自宅で行う事は困難 • シャント音 • 定量評価が困難 • 個人差が大きく許容範囲の閾値が異なる シャント音に関する先行研究１（狭窄時の周波数解析） • 西谷らは狭窄部を基準として上下、狭窄部と3地点での周波数分布を比較 • 聴取部位によって変化する周波数帯が異なる • 藤堂らは血管抵抗指数と血流量で層別化し周波数分布を比較 • 狭窄に伴い周波数分布が変化 3 ・西谷，他, 2010「シャント狭窄に伴うシャント音周波数特性変化の解析 」 ・Atsu Todo, et al, 2012 「 Frequency analysis of shunt sounds in the arteriovenous fistula on hemodialysis patients 」 透析療法におけるシャント管理の問題点
- 4. 研究背景 シャント音に関する先行研究2 (機械学習を用いた狭窄予測) 4 • Yutaka Suzuki らは周波数解析とニューラルネットワークを組み合わせて狭窄を予測 • 86%の正解率（n=21） ・Yutaka Suzuki , et al. 2010「Elemental Study on Auscultaiting Diagnosis Support System of Hemodialysis Shunt Stenosis by ANN」 • シャント音の許容範囲は個人差が大きく周波数閾値で一概に判断は困難 • 一般的に異常（狭窄）データは絶対量が少なく収集が困難 シャント音から狭窄予測の問題点 個人性を考慮し、正常データだけで狭窄を予測したい 正常データのみで学習が可能な 敵対的生成ネットワーク（GAN）を用いてシャント音の変化検知法を提案
- 5. 敵対的生成ネットワーク （GAN : Generative Adversarial Networks ） ・Ian J.Goodfellow, et al, 2014 「Generative Adversarial Networks」 ＜GANとは＞ 2つのニューラルネットワークを使用した教師なし生成モデル 入力データの特徴を学習し乱数からそれを再現（創生） 5 刑事 Real Image（Dataset） z Generator Discriminator Fake Image Valid ＜GANの基本構造＞ 偽札製 造者 乱数
- 6. 提案アルゴリズムの概要 6 前処理 前処理正常シャント音 スペクログラム画像 学習済みGAN GAN学習 Raw シャント音 スペクトログラ画像 変化度の算出 推論（変化度の算出） 訓練（学習） Thomas Schlegl, et.al, 2017,「Unsupervised Anomaly Detection with Generative Adversarial Networks to Guide Marker Discovery」 AnoGAN 正常データのみでGANを学習 GANは正常データの潜在空間を獲得 潜在空間上のZから正常データ以外を上 手く生成できない AnoGAN（Anomaly GAN）とは GANを用いた異常検知手法 ＜基本概念＞
- 7. 提案アルゴリズム シャント音の録音方法 • 使用機器：Iphone （PCMレコーダ） • サンプリング周波数：44.1kHz • 量子化ビット：16bit 録音イメージ 解析区間を指定 • 録音前後の不要区間削除 解析区間 シャント音を録音 解析区間を指定 スペクトログラムへ変換 GANの学習 AnoGANにより 変化度を算出 7
- 8. 提案アルゴリズム シャント音を録音 解析区間を指定 スペクトログラムへ変換 GANの学習 AnoGANにより 変化度を算出 短時間フーリエ変換によりスペクトログラムを算出 各窓のパワースペクトル窓関数処理 （hamming window） スペクトログラム STFT 8 Range of Frequency: 30Hz – 1kHzWindow length : 1 sec Overlap length : 0.08 sec
- 9. 提案アルゴリズム シャント音を録音 解析区間を指定 スペクトログラムへ変換 GANの学習 AnoGANにより 変化度を算出 Real Image （Spectrogram） z Generator Discriminator Fake Image （Fake Spectrogram） Valid GANの学習 (Discriminatorの学習) 正解ラベル True:1 False:0 2値分類問題 9 Loss Function − 𝑖−1 𝑀 [𝑙𝑖 log 𝑦𝑖 + (1 − 𝑙𝑖) log(1 − 𝑙𝑖)]
- 10. 提案アルゴリズム シャント音を録音 解析区間を指定 スペクトログラムへ変換 GANの学習 AnoGANにより 変化度を算出 Real Image （Spectrogram） z Generator Discriminator Fake Image （Fake Spectrogram） Valid GANの学習 (Generatorの学習) 正解ラベル True:1 重み固定 （学習させない） 10 Loss Function − 𝑖−1 𝑀 log 𝐷(𝐺(𝑧𝑖))
- 11. 提案アルゴリズム シャント音を録音 解析区間を指定 スペクトログラムへ変換 GANの学習 AnoGANにより 変化度を算出 11 Loss function = Anomaly Score 𝐴(𝑥) = (1 − 𝜆)𝑅(𝑥) + 𝜆𝐷(𝑥) ただし 𝑅 𝑥 = Σ 𝑥 − 𝐺 𝑥 𝐷(𝑥) = Σ|𝑓(𝑥) − 𝑓(𝐺(𝑍𝑛))|学習済みモデル Real Image （Spectrogram） z Generator Discriminator Fake Image （Fake Spectrogram） Valid 変化度の算出 最適なZを検索 Thomas Schlegl, et.al, 2017,「Unsupervised Anomaly Detection with Generative Adversarial Networks to Guide Marker Discovery」 学習データからの変化が大きい時 Generatorは上手く画像を生成できない シャント音の変化が検知可能 変化大 ＝ スコア大
- 12. 提案アルゴリズムの検証実験 12 前処理 前処理正常シャント音 スペクログラム 1280枚 学習済みGAN GAN学習 Raw 正常シャント音 擬似狭窄音 スペクトログラム 正常:100枚 擬似狭窄：5枚 変化度の算出 推論 訓練 ＜証実験のフローチャート＞ 人数 １名 性別 男性 年齢 60代 原疾患 IgA腎症 シャント状態 良好 録音期間 2ヶ月 ＜被験者情報＞正常音に狭窄時に増加が報告され ている周波数帯域を合成
- 13. 提案アルゴリズムの検証実験 13 ＜検証実験結果＞ 変化度（Anomaly score）：最小3636（ノイズ小），最大4986 （ノイズ大） 擬似狭窄音 GAN生成画像実際の画像 実際の画像GAN生成画像 正常音 変化度（Anomaly score）:100枚の平均1669±229（SD） Padding部 再現不能 ノイズ合成部 提案手法によりシャント音の変化検出が可能
- 14. まとめと今後の課題 まとめ シャント音のスペクトログラムにAnoGANを適応しシャント音の変化を検知する手法を提案 正常音源に帯域ノイズを合成することで擬似窄音を作成し提案手法を検証 正常音の平均Anomaly scoere1669、擬似狭窄音のAnomaly score 3636-4986 混入ノイズ量とAnomaly scoreが線形に増加 提案手法によりシャント音の変化検知が可能であることを確認 今後の課題 実際の狭窄音に適応 良い変化と、悪い変化の識別 14
- 15. 15 最後に https://github.com/HirokiFuyama/vascular_access https://www.kaggle.com/dataset/f65ae7ac8c299607428b2c200204a546869a049c6c76e29f6eaf6a5529e46214 • ソースコード • データセット 本研究で使用したソースコード ・ データセットの公開 • CEML （Clinical Engineer Machine Learning研究会） https://ce-machinelearning.com/ • E-mail hirokifuruyama.1234@gmail.com
Editor's Notes
- シャント音の周波数解析は，たくさんの先行研究があります． これらのから，狭窄時は正常時と周波数分布が異なることや，狭窄部位と聴取部位の関係によってもその分布が異なる事は明らかとなっています．
- anoganはanomaly gan の略で2017年に下記の論文で発表されました． 詳細は論文を参照していただければと思います。 GANの基本アイディア GANを正常データのみで学習させることによって，GANは正常データの潜在空間を獲得します． そうすると正常データから変化の大きい画像は，その潜在空間からは上手く生成できないであろう
- 最後に変化度の算出方法についてです． ここではジェネーターが作成するフェイクイメージを，変化度を算出したいリアルイメージに，入力変数zを最適化することで近づけるという操作を行います。 この時のロスファンクションがanomaly scoreとなります。 anomaly scoreのラムダは定数で今回は0.1としています． R(x)はフェイクイメージとリアルイメージのピクセル差分の和． D(x)はdiscriminatorの最終出力手前の全結合層の特徴量のフェイクイメージとリアルイメージの差分になります。 もしジェネーターがリアルイメージを完全に再現できた場合anomaly scoreは０となります． 学習データから変化が大きい場合，zをいくら調整してもジェネーターの潜在空間からは上手くそれを表現できないため、スコアが大きくなり，変化度の検知が可能になると考えられます。
- 左が正常音，右が擬似狭窄音の結果になります． 正常音の方は目視でも実際の画像をある程度再現できている事がわかります． しかし
- 最後になりますが，以下のURLに本研究で使用したソースコート並びにデータセットを公開しております。 また私が所属している研究会と個人のメールアドレスも掲載しておりますので，ご質問等ありましたら，ご気軽にご連絡ください． 本日はご静聴いただきありがとうございました．