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エバンジェリストが語るパワーシ
    ステム特論

              第一回
    IBM オフコンはいかにして生き残れたのか ?

              日本 IBM 株式会社
                                安井賢克
               http://www.facebook.com/masakatsu.yasui
1                                                    © 2012 IBM Corporation
コンピュータの価値とは?
       システム構築が楽しい
       勉強になる
       周囲で使っている人が多い


       企業のコンピュータの導入目的は何か?
           ビジネスへの貢献
               コスト削減
               新規ビジネス開拓のための武器
2                                © 2012 IBM Corporation
価値基準の例~日経コンピュー
         タ顧客満足度調査より
         総合満足度
         継続意向度

           製品について                           サポートについて
               ハードの性能・機能                        導入時の支援
               ハードの信頼性                          問い合わせ対応
               ハードの価格                           トラブル対応
               運用管理の容易さ                         サービスの料金
    記事詳細 → http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110811/365085/
3                                                                 © 2012 IBM Corporation
コンピュータの黎明期
     ‘40                                   ‘50


               1942 ABC (Atanasoff-Berry Computer) 米
               1973 ミネアポリス連邦地方裁判所の判断では世界最初のコンピュータ
                   1943 Colossus 英
                   ドイツ軍の暗号解読用
1946 ENIAC (Electronic Numerical
          Integrator and Computer) 米 大砲の弾道計算用
            1948 The Baby (Small Scale
                          Experimental Machine) 英 初のプログラム内蔵式
      1949 EDSAC (Electronic Delay Storage
                Autonomic Calculator) 英 初のノイマン型コンピュータ
              ノイマン型コンピュータ: 主記憶装置、制御装置、演算装置、入力装置、出力装置により
4             構成され、内蔵したプログラムが処理を制御する方式のコンピュータ     © 2012 IBM Corporation
コンピュータのトレンド
           1952 年 IBM 701                • 統合型コンピューティング
           1964 年 S/360                    初期コスト + TCO重視
                                           インターネットの浸透
    集中型            1969年S/3
                            1978年 S/38
                                             - コンピューティングの集中化 
                                             - 地域・時間帯を超えたビジネス
                                  1988年 AS/400
     ‘50     ‘60      ‘70        ‘80     ‘90   2000



               1969 年 Unix
               1990 年代 PC サーバー                 • 仮想化の浸透
    分散型       • 分散型コンピューティング                     論理サーバー台数増加
                初期コスト重視                          物理サーバー伸び率鈍化
                LAN の浸透                          クラウド・コンピューティング
5               『オープン・システム』                               © 2012 IBM Corporation
汎用機の広がり~1
       System 360 ~ アーキテクチャーの確立
           1964年にIBMが開発した汎用機
               1 バイト = 8 ビット、1 ワード = 32 ビットと定義
               EBCDIC (Extended Binary Coded Decimal
                Interchange Code) の採用
                    BCD コード採用の周辺機器との互換性を重視
               マイクロ・プログラム方式の商用化
                    小型~大型モデルまで同じ命令セットが動作
                    プロセッサーの違いをマイクロコードで吸収
               バイト・アドレス方式
               セグメントとページングによるメモリ管理
               浮動小数点表記の標準化
6                                                © 2012 IBM Corporation
汎用機の広がり~2
       System 370 ~ System 360 の拡張
           1971年にIBMより出荷開始
               仮想記憶のサポート
               System 360 に対する上位互換性を実現
               Virtual Machine (VM) のサポート
                    実計算機 (Real Machine) のハードウェア資源を、時分
                     割 (Time Sharing) により割り当てて複数 VM を構成
               デュアル・プロセッサー対応
               128 ビット浮動小数点演算


7                                                © 2012 IBM Corporation
Unixの誕生
       1969年にベル研究所がPDP-7 (DEC製16
        ビット・ミニコンピュータ)用に開発
           アセンブリ言語使用
       1971年にPDP-11/20に移植し、マルチ・
        ユーザー対応を実現
       1973年にC言語に移植
           他システムへの広がり
           メディアのコピー代だけでソースコードが配布
8
            された
                              © 2012 IBM Corporation
Unixの広がり
       1977年にBSD (Berkeley Software
        Distribution) 誕生
           UCB (University of California, Berkelay) にて
            開発・配布された32ビット版Unix
           TCP/IPプロトコルの標準搭載
                米国防総省 DARPA (Defense Advanced Research
                 Projects Agency) の受託プロジェクト
                     冷戦の影響
                     軍事攻撃を受けても維持できる通信網の研究
                     ARPANET(インターネットの前進)
           仮想記憶、ジョブ制御、vi (テキスト・エディター)
9           の追加                                  © 2012 IBM Corporation
10
     http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Arpnet-map-march-1977.png   © 2012 IBM Corporation
Unixの現在
        2つの系統が存在(厳密な区分けではな
         い)
            BSD系 SunOS, Solaris (SUN), FreeBSD, , ,
            AT&T系 HP-UX (HP), AIX (IBM), , ,
        公式定義
            The Open Groupにより、Unix定義 (Single
             Unix Specification) を満たすと認証されたOS
            Unix 95 / 98 / 03
            Linux は認証を受けていない
                 Linux Standard Base により定義される
11                                               © 2012 IBM Corporation
マイクロ・プロセッサーの誕生
        1971年インテル社より4ビット・マイクロ・プ
         ロセッサー4004を発表
            日本のビジコン社プログラム電卓用の心臓部
             として開発
            専用LSIよりも、汎用LSI+プログラムにより製
             品開発の柔軟性を追及
            動作周波数 741KHz、搭載トランジスター数
             2,300個、回路の線幅10ミクロン
            4ビットにより、0~9、小数点、+- 符号を表現
12                                © 2012 IBM Corporation
8ビット・プロセッサーの広がり
        1974年インテル社より8080登場
            動作周波数 2MHz、搭載トランジスター数
             4,500個、回路の線幅6ミクロン
        1974年モトローラ社6800
            PDP-11を参考に設計された
        1976年ザイログ社Z80
            動作周波数 2.5MHz、搭載トランジスター数
             8,200個、8080に対してバイナリ互換を実現
            8ビット・プロセッサーで最大シェア
13                                © 2012 IBM Corporation
16ビットへの進化におけるメー
     カー戦略の違い
        8ビット・プロセッサーに対する互換性重視
            インテル 8080 → 8086 (1978)
                8ビット・アプリケーションが稼動
                16ビットから32ビット化でも同様に互換性重視
                    80286 → 80386
        互換性よりも使いやすさ重視
            ザイログ Z80 → Z8000 (1979)
            モトローラ 6809 → 68000 (1979)

14                                       © 2012 IBM Corporation
64ビット化の課題
        インテルの当初の戦略:32ビット Xeon
         (IA-32, x86)を 64ビット Itanium (IA-64)
         で置き換える
            32ビット・アプリケーションをコンパイルし直す
             必要がある (x86非互換)
            EPIC (Explicit Parallel Instruction
             Computing)
                専用コンパイラにより、命令実行の並列化を実現
                CICS / RISC プロセッサーでは命令実行中に並列
                 化を実現
15                                          © 2012 IBM Corporation
プロセッサー性能向上
        CISC   (Complex Instruction Set Computer)   の発想
            アプリケーション要件の高度化に伴って、高機能
             命令セットを拡充
            制御回路が複雑になり、クロックの高速化が困難
        RISC   (Reduced Instruction Set Computer)   の発想
            命令セットを単純にする並列処理化、大容量
             キャッシュ、多数のレジスタを搭載してRR(レジス
             タ間)演算を主体にサポート
            クロック高速化が容易
16                                                         © 2012 IBM Corporation
EPIC への発展
             Explicit Parallel Instruction Computing


        RISCの発展形
        命令処理の並列度を高める
             プロセッサー稼動中の並列化に限界
             コンパイル時に予め並列処理を定義する
        性能を引き出すためには、リコンパイルが必要
             市場の要件に合致しているか?
             【参考情報】  Itaniumファミリはなぜ速いのか?
               (1)
             http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/ITTOMORROW/20030716/1/
               (2)
             http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/ITTOMORROW/20030724/1/
17             (3)                                                              © 2012 IBM Corporation
AMD Opteron の躍進
        x86 互換
        Sun、HP、IBM、DELLという4大サーバメー
         カが採用
        Windowsが対応を発表
        インテルは EM64T (Extended Memory
         64 Technology) で後追い


18                               © 2012 IBM Corporation
1969 年 System/3(Automated
         Unit-Record Machine) 発表
        1950 年代に使用されていた、96 カラムのパンチ
         カードを処理するマシンが原型
        中小ビジネスに特化することを狙いとした
            S/360 ではカバーできない領域
        プログラマー不要システム
            長年 RPG(Report Program Generator) は「本当の」プロ
             グラム言語ではないとされた
        競合を避けるため、価格は S/360 最下位モデル以
         下になるよう設定された
        後続システム
19
            S/32(1975年)、S/34(1977年)、S/36(1983年)   © 2012 IBM Corporation
20   © 2012 IBM Corporation
先進的なコンピュータ(後の
         S/38)の開発
        IBM Rochester は、1975 年の発表を目指し
         て、1970 年に新プロジェクトを開始
        新システムの狙い
            お客様のアプリケーション資産を保護できる事
            将来のテクノロジーの変化を乗り越えられる長寿命
        TIMI と単一レベル記憶が構想として盛り込まれて
         いた
            ハードウェアに依存しない、柔軟性の高いインター
             フェースが必要とされた
            DB アクセスのように、アプリケーション以外の機能のサ
             ポートもできる必要があった
        不況のため要員確保ができず進捗が遅れた
21                                   © 2012 IBM Corporation
1970年代のIBM
        S/360 や後継の S/370 による、大手のお客様向けビ
         ジネスが中心にあった
        S/3 の発表により、中小以下のお客様向けビジネス
         の開拓が始まった
            1969 年に GSD(General Systems Division) 設立
                 開発・製造のみならず、マーケティングやサービスまでをカバーした
                 IBM 内にありながら独立した会社のように振舞った
            大手のお客様の部門システムとしても採用された
        1969 年 1 月 17 日に反トラスト法(独占禁止法)によ
         り、会社を分割するよう司法省から提訴された
22                                                      © 2012 IBM Corporation
IBM i プロセッサーの歴史
                    1990         1995                     2000               02     04     06       07         10
科学技術計算を主な用途として開発                                                                                         45 nm
浮動小数点演算パフォーマンスを重視                                                                                       4.25 GHz
                   POWER        POWER2           POWER3                                                POWER7

         1986                                                                180 nm
                            IBM, Apple, Motorola
                                                                             1.3 GHz
         ROMP               32 ビット版・64 ビット版を開発
         (PC-RT)
                           PowerPC                                     POWER4             130 nm
最初のRISC搭載マシ
                                         64ビット RISC(PowerPC                              1.65 GHz
ン
                                         AS)
            48ビットCISC                                                             POWER5
                                                                                                  90 nm
                                Muskie        Apache      Pulsar                                 2.3 GHz
商業計算向けにチューニング                        154MHz    125MHz     450MHz
                                                                                       POWER5+
命令セットの拡張                                                           S-Star
 同時使用ユーザーが多い
                                                                    600MHz                        65 nm
 OS提供のサービスを多用する
 ポインターによるデータ・アクセスが
                                 Cobra        Northstar   I-Star                                  5 GHz
多いため、整数演算を多用する                   50-77MHz       262MHz     540MHz
 浮動小数点演算はあまり使われない
                                                                                            POWER6
 ループ以外の分岐命令が多い                                     RS/6000でも採用
 ディスク全体にデータが散在している


    23                                                                                          © 2012 IBM Corporation
Global Technology Outlook
             ~創業者達の先見(?)の明
        I think there is a world market for maybe five computers.
            Thomas Watson, chairman of IBM, 1943
        There is no reason anyone would want a computer in
         their home.
            Ken Olson, president, chairman and founder of Digital Equipment
             Corp.,1977
        640K ought to be enough for anybody.
            Bill Gates, chairman and founder of Microsoft, 1981
        I predict the Internet will soon go spectacularly
         supernova and, in 1996, catastrophically collapse.
            Bob Metcalfe, co-inventor of Ethernet and founder of 3Com
             Corporation, 1995
24                 Supernova (超新星); 恒星が燃え尽きるとき、最後に大爆発をする現象
                                                                    © 2012 IBM Corporation
PCにおけるアプリケーション稼
     動の仕組み
        コンパイルによって、プロセッサー命令セッ
         トを生成する
              ソース・
             プログラム
                      稼動する?



            実行コード

25                        © 2012 IBM Corporation
ハードウェア・マシンの限界
        プロセッサーの互換性が失われると、実行
         コードは稼動しなくなる
        プロセッサーに互換性が保たれたとしても
         、新しいテクノロジーの恩恵を受けることは
         できない
            32ビット・プロセッサーにおける、16ビット互換
             モード など
            メモリにおけるアドレス境界の差異により、か
             えって負荷がかかる場合がある
26                                © 2012 IBM Corporation
ハイレベル・マシン・インター
           フェース (TIMI)

                                           OS, アプリケーションなど

               TIMI                           仮想マシン
Technology Independent Machine Interface


            SLIC                           プロセッサーと仮想マシンと
        マイクロコードに匹敵                          の間の緩衝域として機能



                     ハードウェア

27                                                    © 2012 IBM Corporation
TIMI の狙い
        アプリケーションを、ハードウェア・テクノロ
         ジー(プロセッサー)から独立させる
        テクノロジーの変化は、アプリケーションに
         影響を及ぼさない
        世代を超えたアプリケーション資産の継承
         が実現できる
            長期的にはコスト削減に大きく寄与する

28                            © 2012 IBM Corporation
ソフトウェア・マシンにおけるプロ
        グラム生成と実行
                ソース・
               プログラム
                              外部からは見えない
                              (カプセル化されている)



 TIMI          プログラム      ハードウェア依存
               テンプレート      実行コード

 SLIC    トランスレータ       組み込み             実行



     ハードウェア
29                                     © 2012 IBM Corporation
新しいハードウェア上でのプログ
        ラム実行 (1)
           実行コードは有効ではないことが判明


 TIMI          プログラム      ハードウェア依存
               テンプレート      旧実行コード


 SLIC
                           X
                        実行不可



                        テクノロジーの刷新
 ハードウェア
30                                   © 2012 IBM Corporation
新しいハードウェア上でのプログ
        ラム実行 (2)
           トランスレータが自動的に起動され、
            新実行コードを生成する
 TIMI          プログラム     ハードウェア依存
               テンプレート     旧実行コード

              トランスレータ
 SLIC


                        テクノロジーの刷新
 ハードウェア
31                                  © 2012 IBM Corporation
新しいハードウェア上でのプログ
        ラム実行 (3)
           新実行コードを組み込んでから、プロ
            グラムを実行
 TIMI          プログラム    ハードウェア依存
               テンプレート    新実行コード

                        組み込み   実行
 SLIC


              テクノロジーの刷新
 ハードウェア
32                                  © 2012 IBM Corporation
プロセス切り替えにおける負荷
        各プロセスにはそれぞれプライベートなメ
         モリ空間が割り当てられる
                        メモリ・アドレスはそれぞれ独
                         立している
                        プロセス切り替えは使用するメ
            プロセス毎の       モリー空間の切り替えを伴う
             メモリ空間      共用メモリがないので、プロセ
                         ス間通信に負荷がかかる
                        一般に1,000~1,200ステップ
                         のプログラムが必要
33                                    © 2012 IBM Corporation
単一化されたメモリ空間によるプ
     ロセス切り替えの高速化
        メモリ空間を単一化することで、プログラ
         ム・コール並みの負荷に抑える
                      メモリー空間の独立性は
                       低い
     プロセス毎の           プロセス切り替えの高速
     メモリ空間
                       化が期待できる
                      メモリー共用が可能なの
                       で、プロセス間通信の負
                       荷が小さい
                      二倍の性能を実測
34                            © 2012 IBM Corporation
単一レベル記憶
        仮想マシンよりも上位層では、ディスク空間を仮想化し
         て、全体をメモリとして扱う      ポインター B
                               ポインター A
         仮想アドレス空間
        OSは各オブジェクト
         の名前を扱う
        仮想マシンは各オブ                                264バイト
         ジェクトへのポイン
                                   仮想マシン
         ターを扱う
        ポインター長は128
         ビット 現在は64ビッ
         トのみ使用
     4KBページ      : プロセス A 空間
35
                 : プロセス B 空間               © 2012 IBM Corporation
ポインター保護
        全てのユーザーが同一のメモリ空間内にある
            ポインターの不正な変更は、データ漏洩・改ざん
             につながる可能性がある
        ポインター毎に、タグビットを設定
            タグビットが0ならば、不正アクセス
            OSより上位層でのポインター変更が発生すると、
             タグビットは常に0にセットされる
            マイクロコードだけがポインターを生成・変更でき
             、その場合タグビットは常に1にセットされる
36                               © 2012 IBM Corporation
よくある「レガシー・システム」に
     対する印象
        アプリケーションの見栄えが悪い
        エミュレータ搭載 PC が必要になり、クライアント
         の管理に手間がかかる
        ベンダー独自テクノロジーに依存しており将来が
         不安
        製品価格決定権がベンダーに握られているため
         、不当に高いコストを強いられる恐れがある
        技術者確保が困難になりそうである

37                            © 2012 IBM Corporation
「レガシー・システム」に対する冷
     静な観察
        アプリケーションの実績があり安定している
        別のテクノロジーに移行するリスクが不透明
        テクノロジーがビジネスを規定するという発想が
         そもそも妥当なのか
        例えば、Windows はオープンであると言えるか
        業務を知る JAVA 技術者は必ずしも多くはない


38                            © 2012 IBM Corporation
2010年
                                                    2008年        POWER7
     AS/400 から Power Systems へ                      IBM i 宣言
                                                                 2008年
                                                                 Power Systems
 アプリケーション資産を継
                                             2007年               新ブランド登場
 承しながら年率平均 69.0%
                                             POWER6
 で成長                                                   2006年
                                                       System i5
  CPU能力 102,826 倍 2 倍)
 ムーアの法則(18~24 ヶ月で処理能力          2005年                   Systems Agenda
     が示唆する年率 41~59% の成長率を凌ぐ    イノベーション宣言
                                                2004年
                                      2004年     eServer i5
               2001年    2002年搭載       POWER5    仮想化エンジン搭載
               POWER4   POWER4
                                      2000年
              2000年                   eServer iSeries
              業界初の SOI テクノロジー         eビジネス・オンデマンド対応

           1995年            1997年
           48 ビット CISC から   AS/400e シリーズ
           64 ビット RISC へ    インターネットをサポート

          1994年
          AS/400 アドバンスト・シリーズ
          クライアント・サーバー機                  アーキテクチャーは S/38 (1979 年)から
                                     TIMI による仮想マシンの実現
1988年
AS/400
                                     単一レベル記憶によるディスク・パフォーマンスの
オフコンとして登場                             最適化と管理の手間削減
39                                   オブジェクト指向によるセキュリティー © 2012 IBM Corporation
日本における「オフコン」
        高く評価されたメリット
            業務用途に的を絞りながら、必要機能一式を装備した
             使い勝手の良さ、アプリケーション開発生産性の高さ
             をメリットに多くのお客様に導入いただいた
        敬遠された理由
            ベンダー固有技術に囲い込まれる懸念
            「オープン」の時代にそぐわなくなった
        現在 IBM i を除いたほとんどの旧オフコンは市
         場から撤退しつつある

40                                © 2012 IBM Corporation
AS/400 とその後継機の成長
        テクノロジーの変化を乗り越えられる柔軟性
         を備えていた(仮想マシンとしての TIMI)
            アプリケーション資産が保護される
            新機能を柔軟に実装できる
        旧来のアーキテクチャーを前提に、最新テ
         クノロジーを実装する事で成長を続けてきた
            TIMI 上に実装された JVM
            SLS 上の AIX アプリケーション実行空間
             (PASE) を活かした OSS ・・・ など
41                                 © 2012 IBM Corporation
IBM i のお客様にとっての選択肢
        IBM i のレガシー環境に留まり続ける
            システム資産は保護される
        トレンドに乗って、IBM i からオープン系シ
         ステムに移行する
            システム資産は破棄される
        レガシーな資産を活かしながら、オープン
         なテクノロジーとの融合を図る

42                           © 2012 IBM Corporation

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  • 1. エバンジェリストが語るパワーシ ステム特論 第一回 IBM オフコンはいかにして生き残れたのか ? 日本 IBM 株式会社                   安井賢克 http://www.facebook.com/masakatsu.yasui 1 © 2012 IBM Corporation
  • 2. コンピュータの価値とは?  システム構築が楽しい  勉強になる  周囲で使っている人が多い  企業のコンピュータの導入目的は何か?  ビジネスへの貢献  コスト削減  新規ビジネス開拓のための武器 2 © 2012 IBM Corporation
  • 3. 価値基準の例~日経コンピュー タ顧客満足度調査より  総合満足度  継続意向度  製品について  サポートについて  ハードの性能・機能  導入時の支援  ハードの信頼性  問い合わせ対応  ハードの価格  トラブル対応  運用管理の容易さ  サービスの料金 記事詳細 → http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110811/365085/ 3 © 2012 IBM Corporation
  • 4. コンピュータの黎明期 ‘40 ‘50 1942 ABC (Atanasoff-Berry Computer) 米 1973 ミネアポリス連邦地方裁判所の判断では世界最初のコンピュータ 1943 Colossus 英 ドイツ軍の暗号解読用 1946 ENIAC (Electronic Numerical           Integrator and Computer) 米 大砲の弾道計算用 1948 The Baby (Small Scale           Experimental Machine) 英 初のプログラム内蔵式 1949 EDSAC (Electronic Delay Storage           Autonomic Calculator) 英 初のノイマン型コンピュータ ノイマン型コンピュータ: 主記憶装置、制御装置、演算装置、入力装置、出力装置により 4 構成され、内蔵したプログラムが処理を制御する方式のコンピュータ © 2012 IBM Corporation
  • 5. コンピュータのトレンド 1952 年 IBM 701 • 統合型コンピューティング 1964 年 S/360   初期コスト + TCO重視   インターネットの浸透 集中型 1969年S/3 1978年 S/38     - コンピューティングの集中化      - 地域・時間帯を超えたビジネス 1988年 AS/400 ‘50 ‘60 ‘70 ‘80 ‘90 2000 1969 年 Unix 1990 年代 PC サーバー • 仮想化の浸透 分散型 • 分散型コンピューティング   論理サーバー台数増加   初期コスト重視   物理サーバー伸び率鈍化   LAN の浸透   クラウド・コンピューティング 5   『オープン・システム』 © 2012 IBM Corporation
  • 6. 汎用機の広がり~1  System 360 ~ アーキテクチャーの確立  1964年にIBMが開発した汎用機  1 バイト = 8 ビット、1 ワード = 32 ビットと定義  EBCDIC (Extended Binary Coded Decimal Interchange Code) の採用  BCD コード採用の周辺機器との互換性を重視  マイクロ・プログラム方式の商用化  小型~大型モデルまで同じ命令セットが動作  プロセッサーの違いをマイクロコードで吸収  バイト・アドレス方式  セグメントとページングによるメモリ管理  浮動小数点表記の標準化 6 © 2012 IBM Corporation
  • 7. 汎用機の広がり~2  System 370 ~ System 360 の拡張  1971年にIBMより出荷開始  仮想記憶のサポート  System 360 に対する上位互換性を実現  Virtual Machine (VM) のサポート  実計算機 (Real Machine) のハードウェア資源を、時分 割 (Time Sharing) により割り当てて複数 VM を構成  デュアル・プロセッサー対応  128 ビット浮動小数点演算 7 © 2012 IBM Corporation
  • 8. Unixの誕生  1969年にベル研究所がPDP-7 (DEC製16 ビット・ミニコンピュータ)用に開発  アセンブリ言語使用  1971年にPDP-11/20に移植し、マルチ・ ユーザー対応を実現  1973年にC言語に移植  他システムへの広がり  メディアのコピー代だけでソースコードが配布 8 された © 2012 IBM Corporation
  • 9. Unixの広がり  1977年にBSD (Berkeley Software Distribution) 誕生  UCB (University of California, Berkelay) にて 開発・配布された32ビット版Unix  TCP/IPプロトコルの標準搭載  米国防総省 DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency) の受託プロジェクト  冷戦の影響  軍事攻撃を受けても維持できる通信網の研究  ARPANET(インターネットの前進)  仮想記憶、ジョブ制御、vi (テキスト・エディター) 9 の追加 © 2012 IBM Corporation
  • 10. 10 http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Arpnet-map-march-1977.png © 2012 IBM Corporation
  • 11. Unixの現在  2つの系統が存在(厳密な区分けではな い)  BSD系 SunOS, Solaris (SUN), FreeBSD, , ,  AT&T系 HP-UX (HP), AIX (IBM), , ,  公式定義  The Open Groupにより、Unix定義 (Single Unix Specification) を満たすと認証されたOS  Unix 95 / 98 / 03  Linux は認証を受けていない  Linux Standard Base により定義される 11 © 2012 IBM Corporation
  • 12. マイクロ・プロセッサーの誕生  1971年インテル社より4ビット・マイクロ・プ ロセッサー4004を発表  日本のビジコン社プログラム電卓用の心臓部 として開発  専用LSIよりも、汎用LSI+プログラムにより製 品開発の柔軟性を追及  動作周波数 741KHz、搭載トランジスター数 2,300個、回路の線幅10ミクロン  4ビットにより、0~9、小数点、+- 符号を表現 12 © 2012 IBM Corporation
  • 13. 8ビット・プロセッサーの広がり  1974年インテル社より8080登場  動作周波数 2MHz、搭載トランジスター数 4,500個、回路の線幅6ミクロン  1974年モトローラ社6800  PDP-11を参考に設計された  1976年ザイログ社Z80  動作周波数 2.5MHz、搭載トランジスター数 8,200個、8080に対してバイナリ互換を実現  8ビット・プロセッサーで最大シェア 13 © 2012 IBM Corporation
  • 14. 16ビットへの進化におけるメー カー戦略の違い  8ビット・プロセッサーに対する互換性重視  インテル 8080 → 8086 (1978)  8ビット・アプリケーションが稼動  16ビットから32ビット化でも同様に互換性重視  80286 → 80386  互換性よりも使いやすさ重視  ザイログ Z80 → Z8000 (1979)  モトローラ 6809 → 68000 (1979) 14 © 2012 IBM Corporation
  • 15. 64ビット化の課題  インテルの当初の戦略:32ビット Xeon (IA-32, x86)を 64ビット Itanium (IA-64) で置き換える  32ビット・アプリケーションをコンパイルし直す 必要がある (x86非互換)  EPIC (Explicit Parallel Instruction Computing)  専用コンパイラにより、命令実行の並列化を実現  CICS / RISC プロセッサーでは命令実行中に並列 化を実現 15 © 2012 IBM Corporation
  • 16. プロセッサー性能向上  CISC (Complex Instruction Set Computer) の発想  アプリケーション要件の高度化に伴って、高機能 命令セットを拡充  制御回路が複雑になり、クロックの高速化が困難  RISC (Reduced Instruction Set Computer) の発想  命令セットを単純にする並列処理化、大容量 キャッシュ、多数のレジスタを搭載してRR(レジス タ間)演算を主体にサポート  クロック高速化が容易 16 © 2012 IBM Corporation
  • 17. EPIC への発展 Explicit Parallel Instruction Computing  RISCの発展形  命令処理の並列度を高める  プロセッサー稼動中の並列化に限界  コンパイル時に予め並列処理を定義する  性能を引き出すためには、リコンパイルが必要  市場の要件に合致しているか? 【参考情報】  Itaniumファミリはなぜ速いのか?   (1) http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/ITTOMORROW/20030716/1/   (2) http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/ITTOMORROW/20030724/1/ 17   (3) © 2012 IBM Corporation
  • 18. AMD Opteron の躍進  x86 互換  Sun、HP、IBM、DELLという4大サーバメー カが採用  Windowsが対応を発表  インテルは EM64T (Extended Memory 64 Technology) で後追い 18 © 2012 IBM Corporation
  • 19. 1969 年 System/3(Automated Unit-Record Machine) 発表  1950 年代に使用されていた、96 カラムのパンチ カードを処理するマシンが原型  中小ビジネスに特化することを狙いとした  S/360 ではカバーできない領域  プログラマー不要システム  長年 RPG(Report Program Generator) は「本当の」プロ グラム言語ではないとされた  競合を避けるため、価格は S/360 最下位モデル以 下になるよう設定された  後続システム 19  S/32(1975年)、S/34(1977年)、S/36(1983年) © 2012 IBM Corporation
  • 20. 20 © 2012 IBM Corporation
  • 21. 先進的なコンピュータ(後の S/38)の開発  IBM Rochester は、1975 年の発表を目指し て、1970 年に新プロジェクトを開始  新システムの狙い  お客様のアプリケーション資産を保護できる事  将来のテクノロジーの変化を乗り越えられる長寿命  TIMI と単一レベル記憶が構想として盛り込まれて いた  ハードウェアに依存しない、柔軟性の高いインター フェースが必要とされた  DB アクセスのように、アプリケーション以外の機能のサ ポートもできる必要があった  不況のため要員確保ができず進捗が遅れた 21 © 2012 IBM Corporation
  • 22. 1970年代のIBM  S/360 や後継の S/370 による、大手のお客様向けビ ジネスが中心にあった  S/3 の発表により、中小以下のお客様向けビジネス の開拓が始まった  1969 年に GSD(General Systems Division) 設立  開発・製造のみならず、マーケティングやサービスまでをカバーした  IBM 内にありながら独立した会社のように振舞った  大手のお客様の部門システムとしても採用された  1969 年 1 月 17 日に反トラスト法(独占禁止法)によ り、会社を分割するよう司法省から提訴された 22 © 2012 IBM Corporation
  • 23. IBM i プロセッサーの歴史 1990 1995 2000 02 04 06 07 10 科学技術計算を主な用途として開発 45 nm 浮動小数点演算パフォーマンスを重視 4.25 GHz POWER POWER2 POWER3 POWER7 1986 180 nm IBM, Apple, Motorola 1.3 GHz ROMP 32 ビット版・64 ビット版を開発 (PC-RT) PowerPC POWER4 130 nm 最初のRISC搭載マシ 64ビット RISC(PowerPC 1.65 GHz ン AS) 48ビットCISC POWER5 90 nm Muskie Apache Pulsar 2.3 GHz 商業計算向けにチューニング 154MHz 125MHz 450MHz POWER5+ 命令セットの拡張 S-Star  同時使用ユーザーが多い 600MHz 65 nm  OS提供のサービスを多用する  ポインターによるデータ・アクセスが Cobra Northstar I-Star 5 GHz 多いため、整数演算を多用する 50-77MHz 262MHz 540MHz  浮動小数点演算はあまり使われない POWER6  ループ以外の分岐命令が多い RS/6000でも採用  ディスク全体にデータが散在している 23 © 2012 IBM Corporation
  • 24. Global Technology Outlook ~創業者達の先見(?)の明  I think there is a world market for maybe five computers.  Thomas Watson, chairman of IBM, 1943  There is no reason anyone would want a computer in their home.  Ken Olson, president, chairman and founder of Digital Equipment Corp.,1977  640K ought to be enough for anybody.  Bill Gates, chairman and founder of Microsoft, 1981  I predict the Internet will soon go spectacularly supernova and, in 1996, catastrophically collapse.  Bob Metcalfe, co-inventor of Ethernet and founder of 3Com Corporation, 1995 24 Supernova (超新星); 恒星が燃え尽きるとき、最後に大爆発をする現象 © 2012 IBM Corporation
  • 25. PCにおけるアプリケーション稼 動の仕組み  コンパイルによって、プロセッサー命令セッ トを生成する ソース・ プログラム 稼動する? 実行コード 25 © 2012 IBM Corporation
  • 26. ハードウェア・マシンの限界  プロセッサーの互換性が失われると、実行 コードは稼動しなくなる  プロセッサーに互換性が保たれたとしても 、新しいテクノロジーの恩恵を受けることは できない  32ビット・プロセッサーにおける、16ビット互換 モード など  メモリにおけるアドレス境界の差異により、か えって負荷がかかる場合がある 26 © 2012 IBM Corporation
  • 27. ハイレベル・マシン・インター フェース (TIMI) OS, アプリケーションなど TIMI 仮想マシン Technology Independent Machine Interface SLIC プロセッサーと仮想マシンと マイクロコードに匹敵 の間の緩衝域として機能 ハードウェア 27 © 2012 IBM Corporation
  • 28. TIMI の狙い  アプリケーションを、ハードウェア・テクノロ ジー(プロセッサー)から独立させる  テクノロジーの変化は、アプリケーションに 影響を及ぼさない  世代を超えたアプリケーション資産の継承 が実現できる  長期的にはコスト削減に大きく寄与する 28 © 2012 IBM Corporation
  • 29. ソフトウェア・マシンにおけるプロ グラム生成と実行 ソース・ プログラム 外部からは見えない (カプセル化されている) TIMI プログラム ハードウェア依存 テンプレート 実行コード SLIC トランスレータ 組み込み 実行 ハードウェア 29 © 2012 IBM Corporation
  • 30. 新しいハードウェア上でのプログ ラム実行 (1)  実行コードは有効ではないことが判明 TIMI プログラム ハードウェア依存 テンプレート 旧実行コード SLIC X 実行不可 テクノロジーの刷新 ハードウェア 30 © 2012 IBM Corporation
  • 31. 新しいハードウェア上でのプログ ラム実行 (2)  トランスレータが自動的に起動され、 新実行コードを生成する TIMI プログラム ハードウェア依存 テンプレート 旧実行コード トランスレータ SLIC テクノロジーの刷新 ハードウェア 31 © 2012 IBM Corporation
  • 32. 新しいハードウェア上でのプログ ラム実行 (3)  新実行コードを組み込んでから、プロ グラムを実行 TIMI プログラム ハードウェア依存 テンプレート 新実行コード 組み込み 実行 SLIC テクノロジーの刷新 ハードウェア 32 © 2012 IBM Corporation
  • 33. プロセス切り替えにおける負荷  各プロセスにはそれぞれプライベートなメ モリ空間が割り当てられる  メモリ・アドレスはそれぞれ独 立している  プロセス切り替えは使用するメ プロセス毎の モリー空間の切り替えを伴う メモリ空間  共用メモリがないので、プロセ ス間通信に負荷がかかる  一般に1,000~1,200ステップ のプログラムが必要 33 © 2012 IBM Corporation
  • 34. 単一化されたメモリ空間によるプ ロセス切り替えの高速化  メモリ空間を単一化することで、プログラ ム・コール並みの負荷に抑える  メモリー空間の独立性は 低い プロセス毎の  プロセス切り替えの高速 メモリ空間 化が期待できる  メモリー共用が可能なの で、プロセス間通信の負 荷が小さい  二倍の性能を実測 34 © 2012 IBM Corporation
  • 35. 単一レベル記憶  仮想マシンよりも上位層では、ディスク空間を仮想化し て、全体をメモリとして扱う ポインター B ポインター A 仮想アドレス空間  OSは各オブジェクト の名前を扱う  仮想マシンは各オブ 264バイト ジェクトへのポイン 仮想マシン ターを扱う  ポインター長は128 ビット 現在は64ビッ トのみ使用 4KBページ : プロセス A 空間 35 : プロセス B 空間 © 2012 IBM Corporation
  • 36. ポインター保護  全てのユーザーが同一のメモリ空間内にある  ポインターの不正な変更は、データ漏洩・改ざん につながる可能性がある  ポインター毎に、タグビットを設定  タグビットが0ならば、不正アクセス  OSより上位層でのポインター変更が発生すると、 タグビットは常に0にセットされる  マイクロコードだけがポインターを生成・変更でき 、その場合タグビットは常に1にセットされる 36 © 2012 IBM Corporation
  • 37. よくある「レガシー・システム」に 対する印象  アプリケーションの見栄えが悪い  エミュレータ搭載 PC が必要になり、クライアント の管理に手間がかかる  ベンダー独自テクノロジーに依存しており将来が 不安  製品価格決定権がベンダーに握られているため 、不当に高いコストを強いられる恐れがある  技術者確保が困難になりそうである 37 © 2012 IBM Corporation
  • 38. 「レガシー・システム」に対する冷 静な観察  アプリケーションの実績があり安定している  別のテクノロジーに移行するリスクが不透明  テクノロジーがビジネスを規定するという発想が そもそも妥当なのか  例えば、Windows はオープンであると言えるか  業務を知る JAVA 技術者は必ずしも多くはない 38 © 2012 IBM Corporation
  • 39. 2010年 2008年 POWER7 AS/400 から Power Systems へ IBM i 宣言 2008年 Power Systems アプリケーション資産を継 2007年 新ブランド登場 承しながら年率平均 69.0% POWER6 で成長 2006年 System i5  CPU能力 102,826 倍 2 倍) ムーアの法則(18~24 ヶ月で処理能力 2005年 Systems Agenda が示唆する年率 41~59% の成長率を凌ぐ イノベーション宣言 2004年 2004年 eServer i5 2001年 2002年搭載 POWER5 仮想化エンジン搭載 POWER4 POWER4 2000年 2000年 eServer iSeries 業界初の SOI テクノロジー eビジネス・オンデマンド対応 1995年 1997年 48 ビット CISC から AS/400e シリーズ 64 ビット RISC へ インターネットをサポート 1994年 AS/400 アドバンスト・シリーズ クライアント・サーバー機 アーキテクチャーは S/38 (1979 年)から  TIMI による仮想マシンの実現 1988年 AS/400  単一レベル記憶によるディスク・パフォーマンスの オフコンとして登場 最適化と管理の手間削減 39  オブジェクト指向によるセキュリティー © 2012 IBM Corporation
  • 40. 日本における「オフコン」  高く評価されたメリット  業務用途に的を絞りながら、必要機能一式を装備した 使い勝手の良さ、アプリケーション開発生産性の高さ をメリットに多くのお客様に導入いただいた  敬遠された理由  ベンダー固有技術に囲い込まれる懸念  「オープン」の時代にそぐわなくなった  現在 IBM i を除いたほとんどの旧オフコンは市 場から撤退しつつある 40 © 2012 IBM Corporation
  • 41. AS/400 とその後継機の成長  テクノロジーの変化を乗り越えられる柔軟性 を備えていた(仮想マシンとしての TIMI)  アプリケーション資産が保護される  新機能を柔軟に実装できる  旧来のアーキテクチャーを前提に、最新テ クノロジーを実装する事で成長を続けてきた  TIMI 上に実装された JVM  SLS 上の AIX アプリケーション実行空間 (PASE) を活かした OSS ・・・ など 41 © 2012 IBM Corporation
  • 42. IBM i のお客様にとっての選択肢  IBM i のレガシー環境に留まり続ける  システム資産は保護される  トレンドに乗って、IBM i からオープン系シ ステムに移行する  システム資産は破棄される  レガシーな資産を活かしながら、オープン なテクノロジーとの融合を図る 42 © 2012 IBM Corporation