TFSはいろんなソフトウェアの上に成り立っています。よって、スムースに運用するためにはいくつかほかのソフトについて知らなくてはならないことがあります。 そういう観点でまとめてみました。

1. TFSを支える技術
かめがわ かずし(id:kkamegawa/@kkamegawa)
Active
はじめに Directory
TFS
IIS SQL Server Programming
まとめ

2. 自己紹介
 亀川 和史(かめがわ かずし) / 会社員
 オンライン(@kkamegawa/id:kkamegawa)のIDはまず私です。
 最近は@ITさんでいくつか記事書いています。
Visual Studio デバッグ技法
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/chushin/vsdebug_index/index.ht
ml
アプリケーションのギアを上げよう
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/chushin/vsperf_index/index.html
 TFSは2005からのつきあい(TFS 2005は泣きながらセットアップ
したなぁ…)

4. TFS誰がメンテナンスしていますか？
 管理者がいる(もしくは私が管理者)
 開発者が片手間に共同で管理
 別会社がホスティングしているTFSを使って
いる
 その他

6. 前提
 既存のインフラに迷惑かけない。
 開発者が管理する、ネットワーク的に近
い拠点でのTFS運用
 どうしてもだめなとき、どうする？

7. まずTFSを支える技術
 Active Directory
認証のため
 IIS
Webサーバー(Webサービス提供)
 SQL Server
コンテンツ格納
 System Center Virtual Machine Manager
Lab Managementで評価用仮想環境管理
 SharePoint
コンテンツ管理(ドキュメントなど)

8. Active
IIS
Directory
TFS
SCVMM
SQL Server
SharePoint

10. TFSとActive Directory
 Active Directoryいるよね。
 三台以上のPC/アカウントがあればActive
Directoryないと管理したくない。
(なくても使えるけど大変)
→開発者はめんどくさがり(美徳)
 アカウント/コンピューターを一元管理

11. Active Directoryがない世界
PC-Aのuser1 PC-Bのuser1’ PC-Cのuser1’’
設定面倒
だなぁ…
一台ずつ人間が設定
ミスの可能性

12. Active Directoryがある世界
どのクライ
アントでも
同じ！
Domain Controllerに
あるポリシーに従って
自動設定

13. ユーザーの初期設定手助け
 グループポリシーですべてのアカウント
/PCおよびサーバーをらくらく設定。
 IEの特定の設定めんどくさい
→それグループポリシーで(略)
 Windows Updateで必ずこのパッチあてて
→それWSUSとグループポリシーで(略)
 問題のあるソフトを使わせたくない
→それAppLockerとグループポリシーで(略)

14. ほかにもうれしい追加機能
 証明書サービス使えばIISの通信も閉鎖
環境内でお手軽に暗号化通信！
もちろんSSLのHTTPの評価もOK。
Active Directoryと組み合わせれば安全
かつお手軽に配布！
もちろんAD外に配布しちゃだめだぞ！
 ポリシー+IPSec使ってネットワークを
分割すれば特定の人以外TFSにアクセス
できなくすることもできるよ。

15. IT管理のために-ネットワーク
 TFS用Active Directoryのために既存のDNS
を使わせてもらえるか？
(BINDなら9以降必須/たぶん今は問題ない)
 IPアドレスのポリシーは？
Hyper-V/SCVMMなどで仮想マシン作り始
めるといくらあっても足りない。
私はサーバーもDC以外DHCPv4使ってます。
(名前解決できていれば問題ない)

16. IT管理のために-ドメイン設計
 既存のActive Directoryと連携するか、別に
するか？
 サブドメイン
 別フォレスト/ドメインで信頼関係
 シングルドメインでがんばってみる
 Domain Controllerの台数はできれば二台。
小規模なデモ用環境以外1台はお勧めしな
い。Server Coreでメモリを節約
(Hyper-VのVMでDC動かすとちょっと面倒)

17. 注意点
 グループポリシーの設定やりすぎると開
発メンバーの反感を買う
(初期状態でほとんど使えない環境など)
 「開発環境構築手順書のGUIによる設定の
ページを削除する」くらいの緩いところ
から。
 手段が目的にならないように
(環境設定で燃え尽きないように)。
 既存インフラに迷惑かけないように

18. Team Foundation ServerとIIS
 TFSは結局のところWebサービス
 WebサービスをホストするのはIIS
 IISの設定もある程度知っておくとベター
 IISの設定はappcmdかPowerShellのコマンド
レットで可能。
どっちも一長一短(私はcase by caseで)

19. IIS運用(ログ)
 デフォルト採取されるIISのログファイル注意。
あっという間にCドライブが破裂する
特にSharePointと同じサーバーにいると悲惨
 毎日スクリプトなどで定期的に削除しよう。
(ほんとは不正アクセスとか分析した方がい
いけどね)

20. IISチューニング
 規模によってはWebサーバーの台数を
増やす。
 TFS Power ToolsのBest Practice Analyzer
を使って確認する。
http://msdn.microsoft.com/ja-
jp/library/ee248630.aspx (残念ながら英語)
http://d.hatena.ne.jp/kkamegawa/20111217/p
1
(Advent Calendarで使い方解説しました)

21. Webサービスチューニング
 基本的にやらなくてもいいはずだけど、
どうしてもというときだけ
(レジストリの修正になる)
 NLB環境ではすべてのノードを同一設定に
する必要がある。
http://blogs.msdn.com/b/girishp/archive/2012/01/21/
tfs-2010-application-tier-version-control-cache-configuration-details.aspx

22. SQL Server運用
 コンテンツは全部SQL Server内なので、バッ
クアップもSQL Serverをバックアップすれば
OK。
 バックアップはTFS PowerToolsで！
(四半期に一度更新されるらしい)
http://visualstudiogallery.msdn.microsoft.com/c
255a1e4-04ba-4f68-8f4e-cd473d6b971f
(TFS Power Tools 2010 December 2011)
 TFS以外のSQL Server使うソフトがある場合
はSQL Serverチューニングも気を付けて。

23. SQL Serverバックアップ
 デフォルトでは「完全」(SharePointも)
 「完全」はバックアップを行うまでトラ
ンザクションログがたまり続ける
→最終的にディスクがパンクする！
(SQL Serverでもっともよくあるトラブル)

24. 「完全」モデルでのバックアップ
 「完全」でのフルバックアップはそのタ
イミングでのバックアップ
 トランザクションバックアップで短時間
バックアップ＆消失データを最小化
(帰宅前に更新が多いはずなので考慮)
新規作成 バックアップ バックアップ バックアップ
ログ
バックアップ

25. SQL Serverメンテナンス例

26. 運用監視
 基本はWindowsのパフォーマンスモニター
 開発者が使うTFS向けならディスク容量監
視位しておけばOK
 閾値を超えたらメールで通知など
 それ以外は遅い状態が続いたときに調べ
るくらいでいいと思う。

27. TFSの資源にアクセスする方法いろいろ
 TFSが提供するクラスライブラリ経由
 TFSが提供するWebサービス経由
 TFS PowerToolsのPowerShellコマンドレット
経由Advent Calendarで解説しました。
(http://d.hatena.ne.jp/kkamegawa/20111224/p1)
 SQL Serverを直接見る
SQL Serverを直接参照するパターンで
BugSpotsを実装する

28. What’s Bugspots
 Googleが「バグが多いソースは頻繁に修
正が行われている」という論文を発表
 Git向けの実装をオープンソースで公開
→Bugspots
 Subversion向けのものもほかの人が作った。
 TFS向けのものを誰も作らないようなので、
作ってみた。
 MSも似たような論文出している(こちらは
退職者まで考慮)

29. Bugspots on TFS
 TFSの場合、SQL Serverにリポジトリが全
部入っているので、超高速(のはず)。
 Webサービス仕立てにすることにより、
いろいろ夢が広がる。
 Visual Studioの拡張にする
 サイドバーガジェットにする
 一定期間で実行してRSSを生成する

30. データ抽出
フルパス構築＆
ファイル単位で
チェックインした
日付を集計
ファイル単位でBugSpotsを計算

31. Bugspots on TFS 実行結果

32. まとめ
 Team Foundation Serverはいろんなソフト
の機能を使っているので、浅く広いこと
を知っておくといい(でも結局Windowsソ
フト作るときも使う技術だったりします)
 デフォルトのままで使っていると、ある
日突然「使えない」ということが起きる
ので、普段からディスク容量くらいは監
視しておこう
 状況が許せばTFS Azure行った方がいいか
も？

33. 参考リソース
 SQL Serverの完全バックアップ
http://msdn.microsoft.com/ja-
jp/library/ms190412.aspx
 Active Directory
http://technet.microsoft.com/ja-
jp/activedirectory/bb466131
 グーグルのバグ予測アルゴリズムを実装した
ツール「bugspots」、オープンソースで公開
http://www.publickey1.jp/blog/12/bugspots.html
 Hyper-V用TFS評価版(2012/4まで)
http://www.microsoft.com/download/en/details.
aspx?id=5363