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Dennoo presentation @Internet forum 2014
- 5. 広がる動画広告の活用
Evian
“Baby & Me”
Metro Trains
“Dumb ways to die”
Dove
“Dove Real Beauty Sketches”
昨年のカンヌライオンズ受賞作品
国内動画市場予測
3倍 132億円 → 640億円
Source : シードプランニング 2014 3月
2013 市場成長率
- 9. デジタルビデオ在庫
Source : US, ComScore 2012 より試算
プレミアムコンテンツホルダーの収益性確保
デイリーアクティブな動画ユーザーの増加
在庫が増える要素
急がれる動画在庫の開拓
米国規模になるのに何年?
- 11. 現時点で在庫が豊富に存在するディスプレイ枠
40 〜 50 倍
デジタルビデオ在庫
ディスプレイ在庫
120billion
5.3 Trillion
Source : US, ComScore 2012 より試算
Unit for display video, ディスプレイ = imps
- 28. 調査背景と目的
~消費者の行動プロセス~
28
Attention
(認知)
Interest → Desire → Memory
(興味) (欲求) (記憶)
Interest
(興味)
Action
(購買)
Attention
(認知)
Search → Action → Share
(検索) (購買) (情報共有)
認知段階 感情段階 行動段階
AIDMA
AISAS
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
クッリクしない、広告への興味関心が
“まだ”ないユーザーに対して
- 29. 調査背景と目的
~消費者の行動プロセス~
29
Attention
(認知)
Interest → Desire → Memory
(興味) (欲求) (記憶)
Interest
(興味)
Action
(購買)
Attention
(認知)
Search → Action → Share
(検索) (購買) (情報共有)
認知段階 感情段階 行動段階
AIDMA
AISAS
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
Attention
(注意)
クッリクしない、広告への興味関心が
“まだ”ないユーザーに対して
- 30. 調査背景と目的
~消費者の行動プロセス~
30
Attention
(認知)
Interest → Desire → Memory
(興味) (欲求) (記憶)
Interest
(興味)
Action
(購買)
Attention
(認知)
Search → Action → Share
(検索) (購買) (情報共有)
認知段階 感情段階 行動段階
AIDMA
AISAS
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
Attention
(注意)
注意とは、ある周囲の事物や事象の特定部分や、心的活動の特定の側面
に対し、選択的に反応したり注目したりするように仕向ける意識の働き
クッリクしない、広告への興味関心が
“まだ”ないユーザーに対して
- 31. 調査背景と目的
~消費者の行動プロセス~
31
AIDMA
AISAS
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
Attention
(注意)
空間的注意:
空間上にある特定の場所に向ける注意
選択的注意:
複数の情報から必要な情報を選び出す注意
集中的注意と分割的注意:
特定の対象に向ける注意、または複数の対象に同時に向ける注意
受動的注意と能動的注意:
思わず注意を向ける場合と、意識的に注意を向ける場合
注意とは、ある周囲の事物や事象の特定部分や、心的活動の特定の側面
に対し、選択的に反応したり注目したりするように仕向ける意識の働き
クッリクしない、広告への興味関心が
“まだ”ないユーザーに対して
- 32. 調査背景と目的
~消費者の行動プロセス~
32
AIDMA
AISAS
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
Attention
(注意)
空間的注意:
空間上にある特定の場所に向ける注意
選択的注意:
複数の情報から必要な情報を選び出す注意
集中的注意と分割的注意:
特定の対象に向ける注意、または複数の対象に同時に向ける注意
受動的注意と能動的注意:
思わず注意を向ける場合と、意識的に注意を向ける場合
ディスプレイ広告枠の配置位置に、
注意が向くか?
注意とは、ある周囲の事物や事象の特定部分や、心的活動の特定の側面
に対し、選択的に反応したり注目したりするように仕向ける意識の働き
クッリクしない、広告への興味関心が
“まだ”ないユーザーに対して
動きのある動画広告に、
より注意が向くか?
- 33. 調査背景と目的
~消費者の行動プロセス~
33
AIDMA
AISAS
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
Attention
(注意)
空間的注意:
空間上にある特定の場所に向ける注意
選択的注意:
複数の情報から必要な情報を選び出す注意
集中的注意と分割的注意:
特定の対象に向ける注意、または複数の対象に同時に向ける注意
受動的注意と能動的注意:
思わず注意を向ける場合と、意識的に注意を向ける場合
クッリクをしにくい90%以上の潜在層は、
ディスプレイ広告枠の動画広告を見るのか?
① 動画広告は静止画広告より見られるのか?
② 動画広告と静止画広告の見られ方に違いはあるのか?
クッリクしない、広告への興味関心が
“まだ”ないユーザーへ
ディスプレイ広告枠の配置位置に、
注意が向くか?
動きのある動画広告に、
より注意が向くか?
- 34. 調査設計
調査地: 東京都港区
調査手法: 視線測定による行動評価
対象者条件:
○ 一都三県在住の20-39歳男女各8名(計16名)
○ アンドロイドOSのスマートフォン利用者
かつインターネットエクスプローラー利用者
○ 提示する広告素材内容に関連したゲーム、飛行機、テレビ、映画に対
する拒絶、または強い興味関心を有する対象者を除外
調査素材と実機:
○ 実機: パソコンモニター(DELL 19インチ)、スマートフォン(Nexus 4)
○ 広告素材: 静止画・動画広告(各4種類、計8種類)
教示:
○ 自由にスクロールしてウェブサイトを閲覧
ただし、クリックしてリンク先への移動は不可
○ 時間制限なし
342014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
同一キャンペーンの同一訴求内容
の静止画広告と動画広告で比較
素材A:
静止画 動画
- 35. 実査パラダイム
35
調査素材は各1回提示
調査素材、使用実機の順番は参加者毎にランダムに提示
静止画A 動画B 静止画C 動画D
パソコン
参加者
スマートフォン
静止画・動画の配置位置、提示順序、メディア(動画/静止画)を
参加者ごとにランダムに入替えてテスト
パソコンとスマートフォンの順番を参加者ごとにランダムに入替えてテスト
パソコン
例:
静止画A動画B
パソコン
動画A静止画B
静止画・動画の提示順序を入れ替え
素材のメディア(静止画を動画、
動画を静止画へ)を入替え
2014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
- 37. 調査素材
372014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
素材C:TVドラマ番宣 素材D:テレビ局広告
静止画 動画 静止画 動画
調査素材の配置場所
①
②
AOI(Area of Interest:関心領域):丸数字の2か所
- 40. 調査結果
402014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
クッリクをしにくい90%以上の潜在層は、
ディスプレイ広告枠の動画広告を見るのか?
① 動画広告は静止画広告より見られるのか?
- 41. 調査結果
412014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
クッリクをしにくい90%以上の潜在層は、
ディスプレイ広告枠の動画広告を見るのか?
① 動画広告は静止画広告より見られるのか?
動画をより注視
静止画をより注視
2249.9 ms
3865.9 ms 3.73倍
2.14倍
→ 動画広告は、静止画広告より見られた
- 42. 調査結果
422014 ©KIMOCHI LAB, INC. All Rights Reserved. Confidential and Proprietary.
クッリクをしにくい90%以上の潜在層は、
ディスプレイ広告枠の動画広告を見るのか?
② 動画広告と静止画広告の見られ方に違いはあるのか?
2249.9 ms 2.6倍
6.5
同程度
3.73倍
3865.9 ms
684.7
2.25倍
同程度
同程度
2.14倍
総注視時間 = 平均注視時間 × 注視回数
(1回あたりの注視時間)
→ パソコン、スマートフォンで違いが認められた
Editor's Notes
- おはようございます。ただいまご紹介いただきました デンノーの菅野と申します。本日は朝早くのセッションにも関わらず、お越しいただきましてありがとうございます。
これから40分で、「その動画広告はどのくらい見られていますか?」というタイトルで、お話させていただければと思います。
- 最初に、簡単に会社の紹介をさせてください。
私どもデンノーという会社なのですが、創業2011年で、現行の動画配信プラットフォームは昨年末よりリリースさせていただいていまして、ディスプレイ広告枠への動画広告配信を行う事業を行っております。
特徴としては、「動画の表示時間」を計測し、最適化する配信技術を持っている点になります。こちらについては、後ほどデモをご覧頂きご説明できればと思っています。
- 早速、本日お話させていただくトピックですが、
まず、日米の各種の市場データから、日本での動画広告市場のトレンドをご紹介させていただきまして、
その後、皆さんご興味いただいている部分パートかもしれませんが、インバナーにおける動画広告が実際にどのくらい見られているのか?アイトラッキング調査の結果を「きもちラボ」の加藤様をお招きして共有いただく予定です。
- まずは動画広告を取り巻く環境の整理ですが、
- 昨年からかけて日本でも動画活用が本格化したというのは皆様ご存知のところだと思います。
実は私は昨年まで前職は YouTube のマーケティング担当をさせていただいていたのですが、実際に動画活用をはじめられる企業の数は劇的に増えたことを実感していました。
カンヌ受賞作品はことごとくオンラインビデオを有効に活用していましたし
数字で見た国内の動画市場も、昨年で3倍、2017年にかけて5倍の640億円という予測データも、皆さん何度もご覧になっている数字かと思います。ちなみに、米国市場は2017年で9000億円規模と、桁がひとつ違います。
- 皆さんが動画広告、と聞いたときに頭に浮かぶのはインストリームタイプのものかと思います。事実、先ほどのシード・プランニングさんの市場データも、インストリームのみでの集計とのことです。
このインストリームタイプは、動画広告の中心的な存在と言ってもよいかと思います。
動画を見に来ているユーザーへアプローチし、基本的にはスクリーンを占有する形で展開されます。また、バイラルすることによる二次的な広がりも期待することができます。
- しかしこのインストリームだけで動画広告が完結するわけではないと考えています。
その理由は、まずリーチです。すでに実施されている担当者の方も、特定のサイトや面に限定されているため、短期間で大きなリーチを得る事が難しかったり、時期によって単価が変動しがちな点があると伺う機会が多いです。
また、動画コンテンツ前に広告が挿入されるためフリクエンシーが重なるとネガティブに働く場合や
動画コンテンツの制作は顧客のインサイトとブランド課題を結びつける作業となるので、試行錯誤が必要とされる領域かと思います。
- 特に、リーチに関する部分、動画広告の在庫の問題はクリティカルです。
現在、動画広告在庫の不足が叫ばれていますが、それは短期間で大きなリーチを得ることが難しい状況であると言われています。TVCMを利用するようなリーチの目的で、オンラインで動画広告を活用するには少し時間がかかる状況であると言えます。
- この動画在庫が劇的に増えていくためには、新しい在庫源という意味ではテレビコンテンツのようなオンライン化されていなかったようなコンテンツが増えていく、あるいは既存の動画サイトでのデイリーアクティブなユーザーが増えていく、といった変化が必要です。
特に日本では、米国と比較すると権利上の問題やメディア環境の違いなどで、オンライン化されるプレミアムコンテンツが少ない状況なので、在庫の劇的な増加には少し時間がかかる見込みであると予測されています。
- そこで、他に動画広告を展開できる場所として
- ディスプレイ広告の在庫があります。Dennoo がこの領域でサービスを展開させていただいているのもも、これが理由となります。
インストリーム在庫が多い米国においても、インプレッション数とディスプレイの規模を比較すると、ご覧のとおり約40〜50倍の差があります。
桁がひとつ違う米国でもそうなのですから、日本ではこのディスプレイのユニットで動画を展開することがより重要なのではないかと考えられます。
- おそらく、現時点の日本では、インストリームをファーストチョイスとしながら、
リーチを効率よく得たいとき、また豊富な在庫を背景にターゲティングを利用するという形で、補完的にディスプレイ在庫を利用していくという考え方がが現実的と言えるのではないでしょうか。
- しかし、このディスプレイ広告枠にも、いくつか問題が存在しています。
- それは、広告が見えているか?という問題です。
よくよく考えてみると、動画広告を活用する場合、広告そのものがきちんとスクリーンに表示されないと意味をなさない訳ですが、現在のディスプレイ枠ではすべてのユニットが視聴可能な状態ではないのです。
- 事実、オンラインでのブランド構築や動画の活用が進むアメリカではこの問題はとても大きなトピックとして考えられていまして、
iab をはじめとする団体が、広告がきちんと見えている、ビューアブルである、ということを「1秒以上かつ広告枠の50%以上が表示」した状態、と定めています。
そして、この定義を満たしたインプレッションを、ビューアブルインプレッションと呼んでいたりします。
-
このビューアブルインプレッションについて、日本でも、コムスコアさんの昨年9月の調査結果を公表されていますが、インプレッションの半数は「見えていない」という調査結果が発表されています。
- http://dennoo.com/ja/
実は、この問題を、Dennoo は世界でも先駆けて取り組んできています。
ここでデモをご覧いただきたいと思います・・・
広告がご覧のようにビューアブル、インビュー状態かどうかを判定します。そして、動画は尺を持っていますから、実際に動画が何秒間再生されたかを計測する仕組みをご提供しています。これを、ビューアブルインプレッションの時間版、ビューアブルタイム、と呼んでいます。
- また、指標という観点では、現在のディスプレイ広告は「クリック」が基本指標として利用されていますが、
「クリック」という行為をするユーザーはそもそもごく一部であるということも考えなくてはなりません。
少し前に、個人的には衝撃を受けたのですが、なんと4% の「クリックをよくする人」が、全体の67% のクリック数を占めていたというデータです。また、84% のユーザーが、そもそもディスプレイ広告でクリックという行為そのものを行わない、とレポートされています。
このクリックをしない層に対して、適正な評価をする指標こそが、ビューアブルインプレッションであり、ビューアブルな時間であるとDennoo では考えています。
- すこしここまでを一度簡単にまとめさせていただきます。
インストリーム型の広告に加えて、ディスプレイでの動画活用を考えたときに
これまでは、インプレッション、クリックをベースにして、
ごく一部の顕在化した関心、つまりクリックを基準として考えてきました
- しかしながらこれからは、
枠が見えている状態、ビューアブルなときを狙って
クリックしないユーザーを動画で捉えるという考え方が重要なのではないかと考えています
- さて、少し長くなってしまいましたが、
現行のメインのフォーマットである静止画と比較して、このインバナーの動画が実際にどのように
今回アイトラッキングのスタディにご協力いただいたきもちラボの加藤様をお招きして、ここの部分についてお話いただきたいと思います。
それでは、加藤様、よろしくお願いします。
- 菅野様、ご紹介ありがとうございます。
おはようございます。
ただいまご紹介いただきました、株式会社きもちラボの加藤でございます。
本日は、ディスプレイ枠の動画広告の有効性の検証、
つまり、ディスプレイ枠に配置された動画広告はみられるのか?
という問いに対して、現状把握するための予備調査的なフレームで調査させていただきました。
- 本題の調査報告をお話しさせて戴く前に、自己紹介させてください
これまで脳と機械をつなぎ、知って、活かす研究開発を、
大学や、日本電信電話株式会社などの企業で、
その脳科学・脳工学の経験を活かし、前職ではニールセン サイエンスディレクターとして、
日本を中心とするアジア諸国でニューロマーケティングに従事しておりました
現在はニューロマーケティングに限定せず、脳科学、心理学、感性工学などの最先端の科学技術を駆使して、
きもちを知って活かすマーケティングコンサルティングを進めています。
本題では、これまで培った専門性を活かして、
自由にウェブサイトを閲覧しているときの、視線行動、目の動きから、
ディスプレイ枠の動画広告の有効性の検証させていただきましたので、
その一部をご報告、共有させて戴きます。
- はじめに調査背景と目的です。
一般的にはクリック率から捉えるターゲット層とは、ネット来訪者の数%であります。
- 他方、インプレッションを考慮すると、クリック率に反映されない、
その他90%以上の来訪者、いわゆる潜在層が重要となってきます。
- それは、彼ら彼女ら潜在層の多くは、広告への興味関心がないということではなく、
- まだない、という状態であるからです
- 消費者の行動プロセスを思い出してみましょう。
みなさまもよくご存じの、AIDMA(アイドマ)、AISAS(アイサス)のモデルです。
このなかの初期段階として、Attentionを認知とされておりますが、
実は、Attentionはもう一つの意味、注意としての役割もあります。
- この、認知の前の注意、目につくか、
は、大変重要な、無視できない行動プロセスなんです。
- Wikipediaを引用させていただきますと、
注意とは、ある周囲の事物や事象の特定部分や、
心的活動の特定の側面に対し、
選択的に反応したり注目したりするように仕向ける意識の働き、とあります。
- さらに、脳科学、心理学などのアカデミックでは、注意は、大きく4つに分類されており、
空間上にある特定の場所に向ける空間的注意
複数の情報から必要な情報を選び出す選択的注意、
カクテルパーティー効果などですね。
特定の対象に向ける集中的注意と、は複数の対象に同時に向ける分割的注意
カフェなどで周囲を気にすることなく、本を読んだり、仕事や勉強ができるのもこの注意の分類にあてはまります。
大好きなタイプの異性が視野に入ると、さっと目を向けたりする、思わず注意を向ける受動的注意と、
急ブレーキなど、危険を感知して振り向いたりする注意です、意識的に注意を向ける能動的注意、
- 本調査では、
ディスプレイ広告枠の配置位置に注意が向くか?
という、空間的注意と、
ディスプレイ枠の動画広告、つまり動きのある動画広告に、より注意が向くか?
受動的・能動的注意の検証となります。
- 言い換えますと、クリックしにくい90%以上の潜在層に対して、
ディスプレイ枠にある、動画広告は、静止画広告より見られているのか?
また、その動画広告と、静止画広告の見られ方に違いはあるのか?
について、検証させていただきました。
- 調査設計はこちらです。
対象者は、一都三県在住の20代30代の男女各8名、計16名とし、
19インチのパソコンモニターと、Nexus4のスマートフォンを利用して、
4種類のディスプレイ広告を、それぞれ静止画または動画広告で提示させて戴きました。
素材は、同一キャンペーンの同一訴求内容の静止画広告と動画広告で比較させて戴きました。
また、参加者は、クリックしてリンク先への移動はできませんが、
自由にスクロールして、望む時間だけウェブサイトを閲覧できると教示しました。
- 順序などのバイアスを小さくするため、
若干複雑ではありますが、こちらが実査パラダイムとなります
調査素材は、各1回のみ提示します。
パソコンとスマートフォンの両方でテストいたしますが、
どちらが先か後かは、ランダムです。
また、例えば、パソコンで閲覧する静止画、動画の素材、その順番もランダムに提示しております。
- ぼかしがあって見づらく恐縮でありますが、
パソコンモニターでの調査素材はこちらです。
- 同様に、スマートフォンでの素材はこちらです。
繰り返しますが、スクロールするなどして、普段通りに、自由に何度も閲覧できることを教示しました。
- こちらも、ぼかしがあって見づらく大変恐縮でありますが、
ほんとにごめんなさい、
パソコンモニターとスマートフォンでの実査の様子です。
自由な状況下での調査となりますので、
このようなメガネ型の視線計測装置を使用しました。
- 同様に、スマートフォンでは、
普段ご利用のように、指でスクロールして
自由に閲覧していただきました。
- 調査結果です。
まず、一つ目の問い、
ディスプレイ枠の動画広告は、静止画より、見られているのか?
に対する、結果は、
- 動画広告は静止画広告より、見られておりました。
軸の説明、
総注視時間とは、ウェブサイト閲覧時間のなかで、対象とする広告素材を見た総時間です。
対象広告素材への総注視時間は、
パソコンでは、3.73倍
スマートフォンでは、2.14倍、
と、動画広告は静止画広告より、より多く注視されていました。
- さらに、二つ目の問い、動画広告と静止画広告の見られ方に違いはあるのか?
に対する、結果は、パソコン、スマートフォンで、広告への見られ方に違いが観察されました
パソコンでは、初回、初めて目が奪われたときの注視時間と、
一回あたり、つまり注視時間の平均は、動画と静止画で同程度でありましたが、
動画広告における注視回数が、静止画より2.6倍増加したことにより、
総注視時間が増加するという傾向が認められました
総注視時間とは、平均注視時間 かける 注視回数 です。
スマートフォンでは、初回注視時間と注視回数は、動画と静止画で同程度でありましたが、
平均注視時間、つまり一回あたりの動画の注視時間が、静止画よりも2.2倍長かったことから、
総注視時間が増加するという傾向が認められました
- 簡単でありますが、パソコンと、スマートフォンでの特徴的なシーンをご紹介させて戴きます。
全体をみてから、記事を読みに戻ります、
静止画広告にはなかなか目がいきにくいところ、
動きのある動画広告に、目が奪われて注視します
そしてまた、気になる記事や天気、(前日の局所的豪雨)を見にもどる
- スマートフォンでは
この方の特性でしょうか。
上部で記事を読まれるようです。
読み終わると、一瞬記事を読み進めようとしますが、
動画に目を奪われ、動画を注視します。
枠の画面占有率が高いせいもあってか、
一回当たりの注視時間はパソコンと比較して長めの傾向がありました。
- 結果をまとめさせて戴きます。
ディスプレイ枠における動画広告は、静止画広告と比較して、
より長く注視される傾向が確認されました
理由として、動画広告が、パソコンでは注視頻度を高め、
スマートフォンでは一回あたりの注視時間を増加させたこと
が主要因だと考えられます
以上から、動きのある動画広告はディスプレイ枠においても、
空間的注意と受動的(能動的)注意を誘引して視線を集めることで、注視時間を増加させることが可能できる
有効な広告手法だと認められました
- 一部の方はすでにご存じのポイントもあるかと思いますが、
視線行動解析からのインサイト、ディスプレイ枠の動画広告をより効果的に活用するヒント です。
注視時間と注視頻度を高めるために、
強い訴求(メッセージ)と、わかりやすい初期画面 とすることが重要です
-> 最後まで見ないとわからない内容は、脱落しやすい からです
どのタイミングで動画を見ても、瞬時にわかる訴求ポイント とすることも重要です
-> 何かかが動いているだけ、と判断されないために です
動画とメッセージ部を枠内で分ける場合の統一感 が重要です
-> 枠内の動画とメッセージの境界が視線の壁とならないように するためです
パソコンサイトでは、スクロール後の枠も効果的 でした
-> インパクトの強いヘッドライン記事などが減少する
スクロール中部~下部こそ、動画がより注目 される傾向が観察されたからです
スマートフォンでは、動画の動き出しは早めのタイミングで 提示することも重要です
->動画要素が遅れ、静止画と判断されてスクロールアウトされないように するためです。
- 本調査の次のステップとして、
ディスプレイ枠における動画広告をより確かな技術にするために
注意のAttentionから、認知のAttentionの移行過程の検証、
つまり、ディスプレイ枠の動画広告に対する、単純接触効果の検証 が挙げられます。
学術分野のみならず、広告業界においても広く認知されております単純接触効果、
実は、まだまだよくわかっていないことがあります。
その一つが、ディスプレイ枠の動画広告における検証で、これが皆無であるということです。
単純接触効果により、バナー広告などの静止画広告の好意度(認知度、興味関心度)が高まることは確認されておりますが、
動画広告に関しては、報告がまだないようです。
本調査では、フリークエンシー1回で、注意を惹くという効果を確認しましたが、
その後、提示頻度を5回、10回、20回と増やしたときの、認知、好意度への影響は、未検証です。
今後、このようなポイントについても科学的検証も重要だと思います。