201306 cfc子どもと教育負担スライド

日本の子どもの教育費の現状
一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン
代表理事今井悠介
2013.6.29

教育費の国際比較（公的支出）
Copyright(C)2013 Chance for Children All rights reserved
日本の公的財政教育支出は対GDP比3.6％（OECD平均5.4％）
■国内総生産（GDP）に対する公財政教育支出の比率
出典：OECD (2012), Education at a Glance 2012
7.57.3
6.6
4.24.1
[値]
0
1
2
3
4
5
6
7
8
デ
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マ
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共
和
国
ス
ロ
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ア
共
…
日
本
OECD平均
5.4％
（％）
日本の公的な教育支出は､先進国中最低レベル
2

教育費の国際比較（私費負担）
日本はOECD各国中、教育費の家計負担割合ワースト4位
■教育費の公私負担割合の各国比較（家計負担順）
（％）
68.1
10.3
0 2.4 3.9
21.6
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
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共
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国
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共
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…
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ア
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キ
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コ
日
本
ア
メ
リ
カ
合
衆
国
韓
国
チ
リ
私費（家計）
私費（民間寄付等）
公財政
日本は教育費の私費（特に家計）負担の割合が多い
3

教育費の国際比較（私費負担）
日本は特に高等教育（大学等）の私費負担割合が高い
■教育費の公私負担割合（教育段階別）
合計
68.1
84
31.9
16
0
20
40
60
80
100
日本 OECD平均
私費
公財政
90.4 91.2
9.6 8.8
0
20
40
60
80
100
日本 OECD平均
35.4
70
64.7
30
0
20
40
60
80
100
日本 OECD平均
初等・中等・高等教育
以外の中等後教育高等教育
（％）（％）（％）
4

教育費の私費負担に対する意識
日本では「教育費は親が負担すべき」が当たり前の感覚
■子どもの教育費は親が負担すべきか？（保護者への意識調査）
出典：学術創成科研「保護者調査」2005年11月
3.0 4.7 4.2 4.8 9.5
40.8 41.8 40.8 45.8
45.3
51.6 50.5 52.7 47.3 43.5
4.6 3.0 2.3 2.2 1.6
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0
80.0
90.0
100.0
～400万～600万～800万～1000万 1000万～
強くそう思うそう思うそうは思わない全くそう思わない
5
（％）

■所得による教育格差に対する意見（小中高生の保護者意識調査）
Q：所得の多い家庭の子どもの方が、よりよい教育を受けられる傾向が
あると言われます。こうした傾向についてあなたはどう思いますか？
出典：ベネッセ・朝日新聞共同調査の結果（2012）
3.9
3.9
6.3
42.5
40.0
52.8
50.8
53.3
39.1
2.9
2.8
1.8
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0
2004年
2008年
2012年
当然だやむを得ない問題だ無回答・不明
約５０％の保護者が所得による教育格差を容認。
その割合は、年々高まっている
教育費の私費負担に対する意識
6
（％）

日本の教育費の支援制度動向
■国による支援制度の動向
開始時期施策概要
2010年4月～高校授業料無償化
公立高等学校の授業料を無償化。所得
制限なし。
2014年度～（予定）幼児教育の無償化
幼稚園児から小学３年までに、複数の
子どもがいる世帯のうち、園児が第２
子の場合は保育料の半額、第３子以降
は全額を補助。所得制限はなし。
（実施検討中）給付型奨学金（検討中）返済義務なしの奨学金制度
（その他の支援施策例）
○就学援助制度（地方自治体）：学校給食費、修学旅行費などの学校教育費を援助。所得制限あり。
■民間による支援例
○大学・大学院における学内奨学金・授業料等減免制度・徴収猶予制度
○民間による奨学金（例：独立行政法人日本学生支援機構、他多数）
7

家庭が負担する教育費の内訳
私立・公立では教育費に大きな差が生じる
出典：文部科学省「平成22年度子どもの学習費調査」
学習費総額
合計
幼稚園小学校中学校高校
幼～高すべて公立
662,340
(公立）
1,610,918
（私立）
1,821,397
（公立）
8,810,687
（私立）
1,379,518
（公立）
3,839,621
（私立）
1,175,267
（公立）
2,755,243
（私立）
5,038,522
幼：私立／小～高：公立 5,987,100
幼～中：公立／高：私立 6,618,498
幼・高：私立／小・中：公立 7,567,076
幼・中・高：公立／小：私立 10,027,179
幼～高すべて私立 17,016,469
単位：（円）
すべて公立でも高校卒業までに500万円の教育費がかかる
■幼稚園～高校3年生までの15年間の学習費総額（私費負担分）
8

家庭が負担する教育費の内訳
公立小中学生の教育費の60～70％を
学校外教育に支出している
単位：（円）
学校外教育費（塾・習い事等）の占めるウェイトが大きい
■１年間で家庭が負担する学習費の内訳（ 1人あたり）
小学校中学校高等学校
公立私立公立私立公立私立
学習費総額 304,093 1,465,323 459,511 1,278,690 393,464 922,716
（内訳）
学校教育費 54,929 18% 835,202 57% 131,501 29% 990,398 77% 237,669 60% 685,075 74%
学校給食費 42,227 14% 46,052 3% 35,448 8% 9,429 1% 0 0% 0 0%
学校外教育
費
206,937 68% 584,069 40% 292,562 64% 278,863 22% 155,795 40% 237,641 26%
9

学校外教育支出のウェイト
学校教
育費
18%
学校給
食費
14%[分類名]
[パーセ
ンテー
ジ]
公立小学校
学校教
育費
28%
学校給
食費
8%
[分類名]
[パーセン
テージ]
公立中学校■公立小学生の学習費内訳（比率） ■公立中学生の学習費内訳（比率）
10

78.9
0.2
20.9
1.8
4.6
5.1
10.0
10.4
12.5
62.2
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0
塾・習い事をしている（計）
無回答
塾や習い事はしていない
その他
英会話・珠算などの勉強の習い事
家庭教師
スポーツ
通信教育
絵画・音楽・習字などの芸術の習い事
学習塾・進学塾
■塾・習い事利用率（中学3年生／複数回答可／有償サービスに限る）
中学3年生の約8割が学校外教育サービスを利用
出典：内閣府平成23年度「親と子の生活意識に関する調
査」
11
（％）

■貧困家庭の子どもが塾や習い事をしていない理由（相対的貧困層中学3年生／複数回答可）
貧困世帯の子どもが学校外教育を利用しない
最大の理由は経済的事情
2.8
3.4
5.6
1.1
3.9
8.9
8.4
13.4
48.6
54.7
0 10 20 30 40 50 60
無回答
特に理由はない
その他
他の家族の理解が得れないから
家の近くに塾や習い事がないから
子どもが家などで過ごす自由時間が少なくなるから
学校のクラブ活動が忙しいから
必要性を感じないから
子どもがやりたがらないから
経済的に余裕がないから
査」
12
（％）

■教育費で負担が大きいと感じるもの（中学3年生／複数回答可）
学校外教育費の負担が圧倒的に大きい
査」
82.6
1.2
16.3
3.8
5.7
10.7
13.6
14.9
15.5
63.0
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0
負担大と感じるものがある（計）
無回答
負担が大きいと感じているものはない
その他
学校給食費
学用品日
クラブ活動費
授業料
修学旅行費
学校外教育費
13
（％）

学校外教育支出と学力は相関関係にある
■学校外教育費月間支出額別算数学力平均値
学校外教育費の多寡で2倍以上の学力差
出典：2003年基礎年次調査報告児童・生徒質問紙調査
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達科学専攻COE事務局（2004）
35.2
44.2
49.9
66.3
78.4
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
0円 1万円未満 1万～3万円 3万～5万円 5万円以上
算
数
学
力
平
均
値
学校外教育支出月額
学校外教育支出と学力の相関
14
（点）

貧困の世代間連鎖（所得格差⇒教育格
差）
所得格差が教育格差を生み、貧困は次世代に連鎖する
親の経済的貧困
低学力・低学歴
教育格差不安定な就労貧困の連鎖
15

予測し得る最悪の未来
2050年には、1人の15歳～64歳が高齢者1人分の
社会保障費等を支えなければいけない時代がやってくる
2000年 2010年 2020年 2030年 2040年 2050年
総人口 126,969,000 128,057,000 124,100,000 116,618,000 107,276,000 97,076,000
A 年少人口（0歳～14歳） 18,505,000 16,839,000 14,568,000 12,039,000 10,732,000 9,387,000
B 生産年齢人口（15歳～64歳） 86,380,000 81,735,000 73,408,000 67,730,000 57,866,000 50,013,000
C 高齢者人口（65歳以上） 22,041,000 29,484,000 36,124,000 36,849,000 38,678,000 37,676,000
D
高齢者1人を支える
生産年齢人口（C/B）
3.92 2.77 2.03 1.84 1.50 1.33
E
生産年齢人口のうち
生活保護受給者数
526,308 929,581 1,641,854 2,899,892 5,121,876 9,046,411
F
生産年齢人口の
生活保護受給者割合（E/B）
0.61% 1.14% 2.24% 4.28% 8.85% 18.09%
G
生産年齢人口
－生活保護受給者（B-E）
85,853,692 80,805,419 71,766,146 64,830,108 52,744,124 40,966,589
H
高齢者1人を支える
生産年齢人口（C/G）
3.90 2.74 1.99 1.76 1.36 1.09
解決策は子どもたちへの教育投資しかない
出典：総務省統計局人口推計（ 2011）／国立社会保障・人口問題研究所社会保障統計年報（2011）
※「F」の2020年以降の数値は過去の推移をもとに推計
16
（人）

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