VRの労働災害教材への応用事例について

1. VRの労働災害教材への
応⽤事例の紹介
伐⽊現場の労働災害をなくしたい︕
株式会社 森林環境リアライズ 谷津繁芳
株式会社 デッドロック 大山 環
2028/00/10

2. コンテンツ
産業でのＶＲ利⽤事例
VRの林業労働災害への応⽤事例のご紹介
開発の経緯など

3. 普段のお仕事

4. 普段のお仕事

5. 普段のお仕事

6. 普段のお仕事

7. 各産業におけるVRの応⽤事例
ＶＲ技術と⽤いた機械シミュレータ
の開発（コマツ建機他）
重機の無人遠隔操作技術の開発
⻄部建設株式会社と株式会社岩崎による「建設現場
におけるVRシステム」
・転落災害 ・バックホウ災害 ・クレーン災害
ヨーロッパの森林作業員専門学校では
ＶＲによる林業機械操作訓練を試⾏
VR上での触覚（主に重さ）を感じるデバイスの開発
（腕の動きのトラッキング、指の動きを検出、筋肉
を刺激して疑似的に触覚を与える）⇒まだ試験的︖

8. 既に地球でも量産化される
近頃はおしゃれ
エプソン︓スマートグラス
MOVERIO
製造業、特に建築・建設業向け
DAQRI Smart Helmet
そのうちこうなるか︕︖
宇宙では標準装備品
ＶＲっていうか、ＭＲですね

9. ところで、林業って︖

10. 林業とは︖
林業（りんぎょう、英語: forestry）とは、森林に入り、主
として樹⽊を伐採することにより⽊材を生産する産業。第一
次産業の一つ。
世界農林業センサスの定義によると、林業事業体のうち、
1ha以上を所有する世帯を林家（りんか）と呼ぶ。⽇本の場
合、林家以外の林業事業体として、会社、社寺、共同、各種
団体・組合、財産区、慣⾏共有、市区町村、地⽅公共団体の
組合、都道府県、国及び特殊法人がある。林業事業体が必ず
しも施業を⾏っているとは限らない（森林組合に作業を委託
するなど）。
森林による生産物は⽊材のほか、薪、⽊炭、漆、竹、椎茸な
どの特⽤林産物なども含む。また、その産業活動に付随して、
森林資源を育成したり、森林の持つ公益的機能を保持する役
割も担っている。
wikipediaより抜粋

11. 林業ってこんな感じ︖

12. 林業ってこんな感じ︖

13. 絵にするとこんな感じ

14. ところで、
産業別死亡災害発生状況まとめ
製造業, 177
鉱業, 7
建設業, 290
交通運輸事業,
16
陸上貨物運送事業,…
港湾運送業, 10
林業, 01
農業、畜産・水産業,…
第三次産業, 208
平成28年度産業別の労働災害死亡者数(人)

15. 林業は、全産業のなかでも
死亡災害割合が⾼い︕

16. ○どんなタイプの災害が多いか
内 訳 H18～27年件数 27年件数
伐倒時の災害 267（59.9％） 27(71.1%)
自分が被災者 174 21
他が伐倒したものを受けて 57 5
その他 36 １
造材中の（枝払い、玉切り）災害 22(4.9％） 0
集材中の災害 79(17.7%) 5(13.2%)
輸送 9(2.0%) 2(5.3%)
造林作業での災害 27(6.1%) 1(2.6%)
その他の作業 42(9.4%) 3(7.9%)
計 446(100%) 38(100%)
出典：林業・木材製造業労働災害防止協会災害統計資料改変
平成18～27年の死亡災害の内訳
◎不適切な「かかり木」処理中の
災害
◎接近作業による災害
災害状況 H18～27年
件数
かかり木処理 81(30%)
倒れる方向の変化 43(16%)
待避の誤り 26(10%)
ものの飛来落下 15( 6%)
隣接木に接触 11( 4%)
○伐倒時の多い災害
林業労働災害の状況

17. 安全装備（防護衣）【ガイドライン】
●防護衣
・前面にソーチェーンによる損傷を防ぐ保護部材が入る
防護ズボン又は同等以上の性能を有するものを使用する。
・なお、既に刃が当たって繊維が引き出されたものなど、保
護性能が低下しているものは使用しない｡（洗濯脱水に注意）
・チャップスは「ガイドラインに適合するものとは認められ
ない」とし、あくまでも防護ズボンの着用を推奨。
●安全靴
・つま先、足の甲部、足首及び下腿の前側半分に、ソー
チェーンによる損傷を防ぐ保護部材が入っているものを
使用する。
●安全な林業作業の基本は、服装および保護具の装備着用を正しく行う
●伐木等作業における保護具等の選定は、

18. 安全装備
エプロン型防護カバーで股・脛の被災を防備
しているが、足首～爪先（20％）は無防備
地下足袋、
チェーンソー
用防護カバー
（右）
受傷部の図
受傷部は下半身が多く、足首から爪先も受傷
防護カバーの防
護範囲内での受
傷が６０％
地下足袋
（布製）
エプロン型は
プロテクター
の刃が当ると
ずれて受傷す
る

21. 林業の労働災害は、
新規就労者の割合が⾼い︕

22. 新規就労者の労働災害
現場への「慣れ」
経験不足で、何が重要か即断できない
・・・だろう・何とかなる。 不確実性が高い
忙しい状況に慌ててしまう
結果の危険を予測出来ない（考えられない）
現場に対応した体力がない

23. 現在の労働災害
未然防止の教材は...

24. 紙ベースのテキストが主流。

25. これって・・・
記憶に残る︖

26. テキストの内容を
現場で思い出すことは
少ないような気がする。

27. なんか記憶に残る⽅法ないかなー

28. ふぉ︕ これか︕
Unnn…
VR ＋ チェーンソー

29. このシステムは・・・
バーチャルリアリティの空間で
伐木に伴う労働災害を疑似体験して
その体験を現場で⽣かす︕
を目的に作りました。

30. もともとは。。。
2016年9⽉に開催された、林業×ITハッカソンで
チーム段取り八分が作ったVRチェーンソー

31. これを、労働災害の教材として
応⽤したらインパクトあるのでは︖

32. 若い人も、興味を持ってくれそう︕

33. というわけで
バーチャルリアリティの空間で伐木に伴う労働災
害を疑似体験して、その体験を現場で生かすこと
で、労働災害の未然防⽌をはかる︕

34. 災害事例は現在３事例を作成︕
実際に起こった死亡災害事例を基に、
その時の現場状況を再現︕
今後、体験できる災害事例を増やす予定︕

35. メニュー画⾯から災害事例を選択
ガイドに従いチェーンソーで作業します

36. 実際に起きた災害事例をトレース
災害事例の客観的な観察(振り返り)

37. VRシミュレータ
平成29年度 貸出実績
• 件数︓年間延べ30件
• 貸出先︓北海道（札幌、
旭川、釧路市、帯広市ほ
か）、岩手県、東京都、
岐⾩県、⻑野県、滋賀県、
⾼知県、愛媛県、⻑崎県
など
全国の労働安全講習等でご
活⽤いただいております。

38. ご清聴ありがとうございました。