熱中症の周辺
- 5. 低N a 血症の症状
血清 Na 濃度が 120 以上あればほとんど症状はない。重症
では意識障害やけいれんがみられる。ただし慢性の低 Na
血症で歩行の不安定性や注意力低下が生じ、転倒の危険因
子になりうるとの報告がある。
- 6. 重症低 Na 血症の治療
急速に補正しすぎると浸透圧性脱髄症候群をおこす。
初期には無言症、構語障害、次第に傾眠傾向や情緒障害、最終的には
昏睡になる。
高張食塩水 3 % Nacl100ml を10分かけて静脈注射する。
0.9 %生食 500 mlから 100 mlぬいて、 10 % Nacl を 120 ml加
えて作る。
- 9. 血漿浸透圧とは
• 正常値
285 ~ 295mOsm/L (mOsm/kg)
● 計算式
血漿浸透圧を 、血清ナトリウム濃度を Na 、血清カリウム濃度を K 、
血糖を BG 、血中尿素窒素を BUN とすると、血漿浸透圧は
近似的には
- 10. IS さん (80 歳)
認知症・高血圧症
現病歴
2日間37度前後の微熱持続。ほとんど動けず、食欲もなく寝てばか
り。かかりつけ医が盆休みのため8/ 11 の夜間診で受診された。車
いすに乗せられた IS さんは傾眠傾向で、表情に生気がなく、たいへん
危険な状態であった。直ちに院内採血と点滴を指示。
Wb C11300 CRP8.5 「誤嚥性肺炎級の感染症がおきている。 8/12
再診時に胸部 XP をとり再評価予定、場合によっては入院。」と説明
。
点滴終了時、意識レベルはかなり改善、トスキサシン処方
翌日 8/12 、嘔気なくかなり元気になった。胸部 XP 異常なく、尿路感
染?と診断。
8/15 まで連日点滴施行。Wb C4900 CRP0.3 と正常化。
8/18 には約20メートルの距離を車いすを押して来院するまで回復し