フランスで開催される世界最大のオープンイノベーションのイベントViva Technologyの概要と、どうやって日本がフランスからオープンイノベーションへの取り組みを学ぶことができるかをまとめてみました。合わせて「日本企業がViva Technologyに注目すべき５つの理由（https://goo.gl/zR5SfP）」も読んで頂くと、より理解が深まるかと思います。

1. フランスから学ぶ次世代の事業開発手法

2. 目次
•Viva Technologyとは
•なぜオープンイノベーションが必要なのか
•オープンイノベーション大国フランス
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3. VIVA TECHNOLOGYとは

4. VIVA TECHNOLOGYとは？
• 2016年から始まったOpen Innovationをテーマにしたコンベンション
• 主催者は広告会社のPublicis と新聞社のLes Echos
• 大企業や地方自治体、国営企業などが展開する「ラボ」の中で、協業するスタートアップが
展示するというスタイルが特徴
• マクロン大統領が２年連続登壇するなど、国としても重要視するイベント
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5. 数字で見るVIVA TECHNOLOGY
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出展スタートアップ数*
1,800社
出展した企業の国籍
95ヶ国
国のパビリオン
20個
イノベーションラボの数
23社
来場者数
100,000人
キーノート登壇者数
300人
*ピッチのみのスタートアップも含む
来場した投資家の数
1,900人
求人への応募数
3,500件

6. 日本企業が注目すべき理由
1. フランスが国家レベルで後押ししているイベントだから
2. 大企業とスタートアップのコラボレーションがテーマだから
3. 世界第３位の超大手広告代理店が主催しているから
4. アジアの存在感がまだ薄いから
5. 自社の未来を考える上で役立つから
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7. 国の支援
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若者の失業率が22%を超え、天然資源などにも頼れないフランス
としては、イノベーションを促進することで雇用を生み出すことが国
家政策として際わめて重要。
毎年マクロンが登壇し、１００億ユーロ（1.2兆円）規模のファンド設
立など、イノベーションに関する重要な国家施策を発表する場として
いる。
Viva Technology前日にエリゼ宮で世界中の大企業を招いた会合
を開いている。それにより、FacebookのザッカーバーグやMicrosoft
のナデラなどトップクラスのエグゼクティブがViva Technologyで登
壇する流れを作っている。

8. 大企業の「ラボ」
The Future of Luxury
Urban Mobility
Positive Banking
Augmented Hospitality Make it Fly
Media
Agritech / Foodtech
Personal Services

9. ラボの風景
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10. PUBLICIS GROUPE
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Viva Technologyを主催しているPublicis Groupeは、1926年設立、
売上高１.２兆円を誇る世界３大広告代理店グループの１つ。エンジ
ニア出身のモーリスレヴィー会長が、技術による企業価値の向上を
軸に同イベントを立ち上げた。
年間数百億円規模の広告予算を持つような企業とのネットワーク
を持っている同社が取りまとめることで、通常のスタートアップ系イベ
ントとは全く違う趣となっている。
Publicisはカンヌ広告祭を始め、広告関連のイベントへの出展は全
て取りやめ、その予算を社員連携を促進するためのAIプラットフォー
ムMARCELの開発に充てるなど、テクノロジーのチカラによってビ
ジョンを具現化する方向に進んでいる。
Viva Technology（技術バンザイ）というイベント名にも、その意気
込みが現れている。

11. アジアでのポジション
今はフランス系企業が殆どで、CESや
MWCなどといったイベントと比べるとア
ジア企業の進出はまだまだ。
オープンイノベーションへの取り組み
をアピールすることがまだできる状況に
ある。
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12. 企業の今後について学べること
• 大企業とスタートアップによるコラボレーションの具体的な事例を数多く見ることができる
• オープンイノベーションの手法に関して理解を深めることができる
• コラボレーションを求めている優秀なスタートアップとつながることができる
• オープンイノベーションに取り組むべき理由を実感することができる
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13. なぜオープンイノベーションが必要なのか

14. 名目GDPの推移
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15. 一人あたり実質GDP
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16. スタートアップへの投資額
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17. ユニコーン企業の分布
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18. 国際特許出願件数
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19. 日本の問題点
• 失敗するくらいなら挑戦しない方がいいという発想
• 確実性を重視し過ぎて、成功事例の後追いになってしまう
• 将来性よりも実績、未来より過去を重視する
• 幹部クラスがリスクを取るインセンティブが少ない

20. なぜオープンイノベーションが重要なのか
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従来型の企業は、人材や資源、設備は希少であるとい
う前提に基づいて進化してきた結果、所有し囲い込むこ
とを重視した、閉鎖的で垂直統合型の組織となってし
まった。しかし、これまでのような上意下達の構造では、
優秀な人材がその力を発揮することができない。個の力
を活かす環境を作ることができなければ、グローバルな
イノベーション競争に勝つことはできない。
イノベーションは大企業だけのものではなくなった
グローバリゼーション 加速度的技術進化
• アイディアを具現化するコストが劇的に低下
• 少人数でも大規模な事業展開が可能になった
• 世界中の優秀な人材が協業するようになった

21. OPEN INNOVATIONとは
• 2003年に米バークレイ大学のHenry Chesbrough助教授によって提
唱された概念
• 社内資源だけに頼らず、大学やスタートアップとの連携を活用する
ことで、研究開発の効率を高める手法
• 世界中で数多くの企業が取り組んでおり、近年日本でも注目を集めて
いる
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22. 理解すべきポイント
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• スタートアップと一般的な企業は根本的に違う
• お互いの足りない部分を補う対等な関係
• お金を渡して成果を待つだけではダメ
• 大企業からスタートアップへの発注ではない
資金
販売チャネル
製造技術
プロモーション力
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・
・
技術
アイディア
スピード
経験
・
・
・
スタートアップの強み自社のリソース

23. オープンイノベーション大国フランス

24. 躍進の背景

25. フランスの状況
• La French Techという戦略的国家プログラムのもと、スタートアップ支援を政府主導で行っ
ている
• 大企業もスタートアップの力を重視しており、積極的なコラボレーションを展開している
• 石油会社のTotalや建設会社のBouyguesを始め、Open Innovation専任のマネージャー
を有する大企業も多く、そのための予算も確保している
• Viva TechnologyやHello TomorrowといったOpen Innovationを軸とした国際的な大型
イベントを開催している

26. 政府や地方自治体の活動
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La French Techの旗印のもと、スタートアップ向けのビザや助
成金などの様々な支援策を提供している
地方自治体もFrench Techの支部として活動するだけでなく、
地元企業とスタートアップのやり取りのサポートや、自治体自
身も積極的にスタートアップとの提携を模索している
フランス国内だけでなく世界中にFrench Techの支部があり、
その殆どは政府ではなく民間が主導している

27. FRENCH TECH
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28. なぜフランスが進んでいるのか
• 若年層の失業率の高まりが起業を後押しすることで、スタートアップが増えた
• アメリカほど投資が盛んではなく、リスクもあまり取りたがらない
• 多くの大企業がイノベーションの面でアメリカやアジアに遅れを取っていた
• 成功者が冒険者や芸術家を支援するメセナ的文化が昔からあった
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Open Innovationにつながる文化的土壌がいつの間にか出来上がっていた

29. 確立されたOPEN INNOVATION
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求人サイトで Open Innovation というキーワードが
1,000件以上ヒットするほど、ビジネスに必要なコン
セプトとして浸透している
多くの大企業では、VP of Open Innovationに相当
する重役がおり、そのための予算を確保している

30. オープンなアクセラレータ拠点
• 30,000平米もの巨大なキャンパス
• インフラだけでなくコミュニティ構築にも
かなり力を入れている
• メンバーの選定も、コミュニティに価値を
もたらすか、他のメンバーとの交流を積極
的に行えるかが重視される
• FacebookやPlug & Playなど数々の企業がア
クセラレータプログラムを提供している

31. 起業家の互助会
• ロンドン、ベルリンにも拠点を持つ起業
家同士がお互いを支え合うことで、相互
補助的な側面も持つコミュニティ
• メンバーは一律５％の株を拠出しており
、一つの巨大なホールディングのような
構造になるため、うまく周り始めると凄
いことになりそう。注目している。
• 起業家が失敗しても、他のスタートアッ
プで職を得られるようなセーフティーネ
ットの役割も果たしている。

32. コミュニティ型VC
• コミュニティベースのユニークなVC。
• 投資を行う時も、その事業単体がバリュー
を持っているかだけでなく、コミュニティ
にとってどんな価値があるかを重視し、競
合の可能性があると受け入れないことも
• メンバー同士のコミュニケーションをサポ
ートするためのオリジナルSNSを構築。極
めてアクティブに動いており、メンバー同
士に連帯感があるのが特徴的

33. オープンイノベーションアクセラレータ
• パリ市が20%を出資しているNPO
• １０拠点、１４プログラムを展開
• 116社にオープンイノベーションアクセラ
レーションを提供

34. 世界最大規模のプラットフォーム
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2011年設立
全世界５００万人規模のイノベーターネットワークを持つ
企業のOpen Innovationプロジェクトを支えるプラットフォー
ムを構築している

35. 研究者と企業をつなぐ取り組み
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世界中から集まったDeep Techのスタートアップ、研究者による
ピッチコンテスト
会場ではOpen Innovationの手法で開発された製品などを出
展する大企業のブースも

36. 企業の今後について学べること
• 大企業とスタートアップによるコラボレーションの具体的な事例を数多く見ることができる
• オープンイノベーションの手法に関して理解を深めることができる
• コラボレーションを求めている優秀なスタートアップとつながることができる
• オープンイノベーションに取り組むべき理由を実感することができる
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