なぜエキシビションの需要があるのか。

2. エキシビションとは
 公式戦＝
「公式の試合。特にプロ野球などで、正式に定められ
た日程に従って行われる試合」
 エキシビション＝
「勝負を見せることよりも、すぐれた技術や競技者の
紹介を目的として行われる試合。公開試合。模範試
合。」

3. 研究目的
 公式戦は私達に緊張感を与え、笑い、泣き、そのよ
うな興奮する気持ちを直接現地に赴き体感する
 それとは別のエキシビションゲームの存在意義、観
客にもたらすものを明らかにするため、この研究を
調査することとした。

4. 研究方法
 調査対象者に観戦要因についてのインタビュー調
査を行い、公式戦と比較したエキシビションゲーム
の特性について明らかにする。

5. 調査方法
 インタビュー調査
「EVOLABLE ASIA 空旅.com HEAT JAPAN ２０１４」
の観客を対象とする。
→観客数が少ないことから明確な意図を持った観戦者
が多いことが予想される。その意図をより詳しく把握
するためにインタビューという形式を取った。

6. 質問項目
 「楽天オープン、東レ、デビスカップ、全日本選手
権の観戦の有無」
 「観戦に来た理由」
 「今回の試合の感想」
 「今回のエキシビションゲームのような試合と、楽
天オープンのような公式戦、各々の魅力はどのよう
な所にあるか」
 「今後もHEAT JAPANの試合を再度観戦したいと思
うか」
 「性別、年代、どこから来たか、テニス歴等」

7. 対 象 者 名 N o １ N o 2 N o 3 N o 4 N o 5 N o 6 N o 7
性 別 女 男 女 女 女 女 男
年 代 5 0 代 4 0 代 4 0 代 8 0 代 5 0 代 5 0 代 5 0 代
テ ニ ス 歴 7 年 1 0 年 1 0 年 7 0 年 未 回 答 5 年 3 0 年
日 程 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3
対 象 者 名 N o 8 N o 9 N o 1 0 N o 11 N o 1 2 N o 1 3 N o 1 4
性 別 女 女 男 男 女 男 男
年 代 5 0 代 4 0 代 4 0 代 4 0 代 4 0 代 5 0 代 2 0 代
テ ニ ス 歴 3 0 年 2 年 1 0 年 5 年 2 0 年 4 年 2 年
日 程 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 3 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4

8. 対 象 者 名 N o 1 5 N o 1 6 N o 1 7 N o 1 8 N o 1 9 N o 2 0 N o 2 1
性 別 女 男 女 女 女 男 女
年 代 4 0 代 4 0 代 4 0 代 3 0 代 3 0 代 4 0 代 4 0 代
テ ニ ス 歴 ？ 2 0 年 無 し 8 年 6 年 2 0 年 2 年
日 程 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4
対 象 者 名 N o 2 2 N o 2 3 N o 2 4 N o 2 5 N o 2 6 N o 2 7 N o 2 8
性 別 女 男 女 男 男 女 男
年 代 4 0 代 1 0 代 5 0 代 1 0 代 4 0 代 1 0 代 4 0 代
テ ニ ス 歴 無 し 3 年 ？ 無 し ？ ？ 7 年
日 程 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4 1 2 / 1 4

9. 対 象 者 名 N o 2 9
性 別 女
年 代 4 0 代
テ ニ ス 歴 7 年
日 程 1 2 / 1 4

10. 分析方法
 川喜多(1967)によるKJ法を用いた。
 今回の研究では、「観戦に来た理由」「公式戦とエ
キシビションゲームの比較」に焦点を当て、カード
に記入した。これを基に、３人でカードに記入した
内容をコード化することにし、分類、整理を行った。
 「観戦に来た理由」に関しては８つのコードを、
「公式戦とエキシビションゲームの比較」では１３
個のコードに整理をした。その後、それぞれのコー
ドに見出しをつけた。

11. 下位概念 コード
リピート思考 毎年来ている。去年も観戦した。去年も観戦してすごく楽しかった。３年前
から毎年来ている。
プレーへの興味 選手のかっこいいプレーが観戦できる。プロのプレーが観戦できる。トップ
プロの試合を観戦したい。守屋選手のプレーを観に来た。
選手への興味 鈴木貴男を観に来た。守屋選手を観に来た。プロの選手を観ることが出来る。
プロの選手を応援したい。
距離感 近くで観ることが出来る。プロの試合を身近で観ることが出来る。
他者からの勧誘 友人に誘われて観戦しに来た。娘がテニスのファンなので来た。
関係者 コーチの家族である。鈴木貴男選手の知り合いである。自分がスクール生で
ある。お手伝いをしに来た。
宣伝効果 チラシを見て来た。たまたま広告を見た。
娯楽 楽しみたい。おもしろいから。ゲームを観ていておもしろい。
表２ ＫＪ法から抽出された概念（観戦に来た理由）

12. 下位概念 コード
緊張感 本番の雰囲気というものがある。本気の試合である。勝ち負けをつける。ピ
リピリした感じがする。緊張感がある。緊迫している。真剣勝負である。ガ
チンコ勝負である。戦い。白熱している。1試合勝たないと次に進むことが出
来ない。
選手への興味 トップの選手を観ることが出来る。
プレーへの興
味
プロのプレーを観ることが出来る。
距離感 目の前で観ることが出来る。
応援 応援するために観戦する。
表３ ＫＪ法から抽出された概念
（公式戦とエキシビションゲームの比較）公式戦

13. 下位概念 コード
距離感 距離が近い。近い、スピード感が良い。選手が話していることも聞こえる。近
くで観ることが出来る。身近で観ることが出来る。選手、スタッフ全員を間近
で観ることが出来る。観戦席が近くて見やすい。
話術 しっかりしたプレーと話術がある。解説をしてくれる。マイクをつけてしゃ
べってくれる。コメントがおもしろい。
リラックスした
雰囲気
リラックスして観ることが出来る。笑いながらリラックスして観戦出来る。和
やかな雰囲気である。
娯楽性 テニスの観戦を楽しむ。笑って楽しむことが出来る。観客を喜ばせる試合であ
る。ショーである。おもしろい。実は楽しい。楽しみながらきちんとしたプ
レーを観戦出来る。遊んだプレーがある。魅せるテニスを観戦出来る。全員で
楽しんでいる。楽しませてくれる。公式戦にはない技の見せ合いがある。
学び ボレーの勉強になった。観ていて勉強になった。
選手への興味 選手の素顔を観ることが出来る。若い選手の活躍を観ることが出来る。
エキシビション
のギャップ
エキシビションにはガチな要素が含まれている。
現地観戦 生で観ることが出来ることが非常に良かった。
エキシビションゲーム（ここではＨＥＡＴＪＡＰＡＮの試合）

14. 上位概念 下位概念
直接的な要因 プレーへの興味、選手への興味、リピート
思考、娯楽
間接的な要因 距離感、他者からの勧誘、関係者、宣伝効
果
表４ 下位概念から抽出された上位概念（観戦に来た理由）

15. 上位概念 下位概念
直接的な要因 選手への興味、プレーへの興味、応援
間接的な要因 緊張感、距離感
上位概念 下位概念
直接的な要因 娯楽性、学び、選手への興味、エキシビションのギャップ
間接的な要因 距離感、現地観戦、話術、リラックスした雰囲気
表５ 下位概念から抽出された上位概念（公式戦とエキシビションゲームの比較）
公式戦
エキシビション

16. 考察
 エキシビション3つの特性
①娯楽性
テニスの観戦を楽しむ。笑って楽しむことが出来る。観客
を喜ばせる試合である。ショーである。おもしろい。
②話術
「ポイントポイント間の会話が、自分たちがテニスをして
いる時と似ていた。」と共通の点を見出して観戦している
「全員がマイクを付けていればもっと楽しいのに。」
トークを楽しむ人も多い
③リラックスした雰囲気
公式戦では使わないトリッキーなプレー、観客を盛り上げ
るトーク、音楽、ハイテンションで司会をするMC

17. 結論
 公式戦、特にテニスは紳士のスポーツであるために
落ち着いた雰囲気の試合が多く「緊張感」を感じる
ことが多い。
 エキシビションでは「娯楽性」「話術」「リラック
スした雰囲気」を特性として持っており、新鮮な楽
しみ方をすることができる。

18. 参考文献
 「こうしきせん【公式戦】の意味 - 国語辞書 - goo辞書」
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/73087/m0u/
2015.1.28閲覧
 「エキジビションゲーム【exhibition game】の意味 - 国
語辞書 - goo辞書」
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/22998/m0u/%E3
%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%93%E3%82%B
7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%8
3%A0/ 2015.1.28閲覧
 「KJ法 – Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/wiki/KJ%E6%B3%95
2015.1.28閲覧