健康教育と
プライマリ・ヘルスケア
2016/6/24
栗原 律子
1.プライマリ・ヘルスケアについて
「アルマ・アタ宣言」の基礎となったもの
・健康……基本的人権のひとつ
・最高水準の健康達成……世界的な社会目標
保健・医療・社会経済部門の行動が必要である
●プライマリ・ヘルスケアとは?
「すべての人に健康を」を基本理念とし
た総合的な保健医療活動である。疾病
の治療や予防、健康の保持・増進のた
め、地域住民が一時的に利用する保健
医療サービスであり、1978年の「アルマ
・アタ宣言」で初めて提唱された理念。
そして、この保健医療活動は、専門家による
一方的な保健医療サービスの提供ではなく、
地域住民が主体となって自らの保健
サービスを自主的に運営し、社会的・
経済的に生産的な生活を実現すること
を目的としている。
*プライマリ・ヘルスケアの理念
実際的で、科学的に妥当で、社会に受け入れ
られる方法と技術に基づく、必要不可欠な
保健・医療である。それは、地域住民の最大限
の参加により、個人と家族が普遍的に利用できる
方法と技術に基づく保健・医療でもある。
そして、地域住民が自らの力で維持できる保健・
医療を作り上げることが重要である。
【健康教育とヘルス・プロモーション】
*ヘルス・プロモーション* (WHOが提唱)
1986年
「ヘルス・プロモーションのためのオタワ憲章」
*1978年 アルマ・アタ宣言:発展途上国
1986年 オタワ憲章:先進諸国
◆「ヘルス・プロモーション」の定義
人々が自らの健康をコントロールし、改善することが
できるようにするプロセスである。人々が身体的、
精神的、社会的に完全に良好な状態(ウェルビーイン
グ)に到達するためには、個人や集団が自己の目標を
確認・実現でき、ニーズを満たすことができ、そして
環境を改善し、あるいは変えられない環境に対処する
ことができなければならない。
健康そのものは生きる目的ではなく毎日の生
活の資源である。健康は身体的な能力であると
同時に社会的または個人的資源であることを
強調する積極的な概念なのである。それゆえ
ヘルス・プロモーションは保健部門だけの責任
にとどまらず、健康的なライフスタイルを超え
て
良好な状態(ウェルビーイング)にもかかわる
のである。
つまり・・・
個人の努力として、精神的・身体的・社会的に
健康な状態に達するためには、自らの健康課題
を認識し、そのために行うべきことを実践し、
さらに自らを取り巻く環境をも改善していく
ような努力が必要!
医療情報科学研究所編:公衆衛生がみえる第1版、P.7、メディックメディア、平成26年.
医療情報科学研究所編:公衆衛生がみえる第1版、
P.7、メディックメディア、平成26年.
*ヘルス・プロモーションと健康教育・
患者教育との関連*
「健康教育」「患者教育」はプライマリ・ヘルスケアと
ヘルス・プロモーションの考えに基づく!
健康教育・ヘルス・プロモーション
個人が
取り組むこと
社会環境
の整備

健康教育➁(2016:6:24)