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未来チャレンジ
- 6. 2-3. 幼少期から蓄積された定時制高校生の視野狭窄 幼 少 期 食事健康面の費用に制限 不安定な生活体験 経済 能力 価値観 小 学 生 中 学 生 高 校 生 生活習慣修得機会の不足 コミュニケーション機会 の不足 保護者とのふれあい時間 の欠如 教育費用の制限 不安定な生活体験 学習機会が限定され相対 的に学力が不足 小さな劣等感の積み重ね 自己肯定感が低くなる 教育費用の制限 相対的な貧困を自覚 環境が固定化、同様の価 値観を持った人が集まり 価値観も固定化しやすい 相対的な差を諦めという 形で受け入れ、同じ境遇 にいる家族・先輩等ロー ルモデルの影響を受ける 機会の限定から学力差が 表面化 自己肯定感の低さから努 力できず能力向上が困難 諦め・自己肯定感の低さ から努力できず能力向上 が困難 生活のため・お 金のための就職 進学の選択肢を無意識的 に排除。奨学金を得るに は能力・やる気が必要 自分の能力は この程度 あっちの世界と こっちの世界 定時制高校の生徒は人生の大きな選択を高校生の段階で行うが、幼少期からの周 囲の環境・価値観に大きく影響を受け、十分な判断できる材料を持たないまま、 狭い視野と価値観の中で進路を決定することが多い
- 7. 7 2-4. 定時制高校生の進路選択肢 能 力 的 困 難 度 経済的困難度 高収入就職先開拓 公務員 国公立大学 難関私立大学 高校を通して就職 高等技術専門学校 看護系専門学校 中堅私立大学 医療系専門学校 私立大学アルバイト先・縁 故採用 進路未定 フリーター 各種専門学校 定時制高校生の視野 にない選択肢 （＝あっちの世界） お金もない。勉強もできない と思っているため大学進学等 の選択肢を意識的に視野から 外してしまう。 また、周りには同様に狭い選 択肢から進路を選んだ人が多 いため、大学進学に向けて勉 強を頑張るといった選択肢は 実感が持ちにくい。 自分の世界とは違うと考える「あっちの世界」の選択肢を意識的に排除している。 しかし、果たして本当に「こっちの世界」の選択肢に満足しているのだろうか 私立大学
- 12. 12 3-4. 未来チャレンジ トライアル実績 ➢学生の変化及び受入れ企業に関する仮説の検証を目的に、 様々な業種、企業規模にて計8社でトライアルを実施した 第１回 第２回 第３回 実施日 程 2017年12月 2018年2月 2018年3月～4月 参加人 数 1名 0名（※3名の直前キャンセル有） 5名 参加高 校 埼玉県立吹上秋桜高 校 埼玉県立吹上秋桜高校 埼玉県立吹上秋桜高校 埼玉県立川越工業高校 受入法 人 （敬称略） ㈱ロコっち（WEBメディア） ㈱わらわら（フィットネスクラブ） グロービス経営大学院 （教育事業） ㈱ユーグレナ （食品・化粧品開発・販売、バイオ燃料研究） ㈱CORES （商品開発・コンサルティング） ㈱すぐる（菓子製造） ㈱スタビライザー （WEBマーケティング） 創造系不動産㈱ （不動産仲介業・建築不動産コンサルティン
- 13. 13 【参考】生徒募集チラシ・WEBサイト https://globiskenpro.wixsite.com/mysite/hom ➢先生からの紹介、およびチラシ・WEBサイトにて学生募集を実施
- 18. 18 受入仮説 評価 検証結果 １ 経営理念の体現/CSR活動 △～○ 経営者が経営理念の体現として、地域貢献や若者の育成に寄与す る活動と認知できれば継続実施可能 ２ 採用活動 × 参加時点で学生側の就職先の志望が定まっていないため、採用し たい企業側ニーズとマッチしづらい 高卒採用の協定の存在により、直接結びつけは困難 ３ 社内活性化・人材育成 ◎ 高校生受入れにより、自然と社員側の仕事に対するモチベーショ ンアップが見られた。若手リーダー層の責任感や人間力向上の育成 という経営者の狙いにもマッチ ４ ファンづくり・マーケ ティング △ 結果としてファンになり、SNSで学生が発信するケースも存在した が、直接的な受入れ目的とはなりにくい ５ 個人的共感・ボランティ ア × プログラムの作りこみが甘いと、受入者個人の負担が大きく、企 業として継続的な受入が困難 最も効果があったのは、社内モチベーション向上及びリーダー育成としての受入れ 経営者が理念や組織マネジメント・人材育成と結び付けられる位置づけが必要 3-9.トライアルから見えたこと（企業側）
- 19. 19 企業 学生 自社 企業 学生 企業/学生/自社のバランスが取れた価値提供が可能となるプログラムの作りこみが必要 経済的な持続可能性のための＋αの価値提供を行うビジネスモデルへの転換が必要 ■現状 ■あるべき姿 MU ST CA N WIL L ・自社と比較して、企業側の稼働負担が大きい ・自社のリソース不足により、三者の一体感が乏しく、 効果が限定的 ・長期的なインパクトと持続可能な事業につながる プログラムの作りこみ、パッケージ化 ・自社リソース強化・見直しによるバランスの取れ た価値提供の構造 自社 ＄ 3-10．トライアルから見えたこと（自社側）
- 24. 2424 プロジェクト メンバー 名前 研究プロジェクトへの動機 職業 森川 大地 埼玉県立定時制高校で副担任１年、４年間の担任を経て生徒指導主任として 学校全体の生徒指導に対応。この６年間の中で、数多くの困難を抱えた生徒、 家庭にふれ、その問題の根深さを実感してきた。子供の貧困に対して、学校の 果たす役割は大きいものの、対処療法的にしか働きかけられず無力感を感じ続 ける６年間であった。このような現状を打開したいと思い、今回の研究プロ ジェクトに参加した。 埼玉県立高等学校教諭 岸本 さやか 学生時代に海外の貧困問題に興味を持ち、その削減に寄与したいと考えて きた。 育児休暇中のある朝、「お母さんが帰ってこないから探しにきた」と、大 通りを裸足で渡ろうとする幼い三兄弟に出逢い、日本にもある子どもの貧困問 題の存在にショックを受ける。彼らが大人になったとき、どんなハードルがあ るのか、何が当人・社会に問題にとってなるのか、その構造を紐解き、ソー シャルとビジネスが両立する新たな価値を創りたいと考えプロジェクトへの参 加を希望。 通信会社 国際事業 金子 絢子 生まれて間もなく両親が離婚。母子家庭では貧困率が突出して高いことを知 り、問題意識をもち始める。もしも祖父母の助けや奨学金制度がなければ、今 の自分はなく、全く別の道を歩んでいただろうと感じ、他人ごとではなく、自 分事として日本の貧困問題に取り組みたいと考え始めた。全ての子供たちが、 たくさんの選択肢から好きな未来を選ぶことができる。そんな社会を作りたい と強く願う。 専門商社 営業 鷹野 智 「子どもの貧困(正確には子育て世帯の親の貧困)」を調べていくなかで、生 まれた環境によって、学習機会や体験が不足し、自己肯定感を持つことなく、 成長を諦めてしまった子供たちの存在を知り、自身の過去の経験を重ね合わせ る。今の自分なら、自身を育ててくれた社会へ何かしらの恩返しができるので はないかとの思いから、今回の研究プロジェクトを希望。 ITコンサルタント