魔法少女まどかマギカの勉強会のものです

1. 魔法少女まどか☆マギカ概論
発表者：山本 喜一
１．近年のアニメ作品の潮流
・本当の敵は「目先の敵」ではなく「システム」であるという構造
→まどマギで言うと「魔女」ではなく「インキュベーターのシステム」が本当の諸悪の根源
・システムに無自覚な者は消耗されてしまう(3 話の巴マミ)
◎同じ構造を有した作品群
・新世紀エヴァンゲリオン(「使徒」ではなく「人類補完計画」)
・進撃の巨人(「巨人」でなく「人間の陰謀」？)※連載中なのでまだ不確定ですが・・・・
・翠星のガルガンティア(戦争相手のヒディアーズが実は元人間だという事を兵士たちは知
らない)
・サイコパス(隠されたシュビラシステム)
・革命機ヴァルヴレイヴ(マギウスが世界を裏から支配している)
→キャッチコピー「ヴァルヴレイヴ、それは世界を暴くシステム」
不透明な社会、信頼できない社会、頑張っても何とかなるとは限らない社会、何をすればい
いのか分からない社会・・・・現代社会への不信感からこのような作風が好まれる？？
２.まどマギの 3 話までの詐欺の巧妙さ
・あまり関係ない OP 映像(まどかが膨らんだりアフロになったり)
・魔法少女アニメの様式美の踏襲
→謎の小動物との邂逅、バンクで毎回出てきそうな丁寧な作画の変身シーン
・唯一登場する技名「ティロフィナーレ」
→なぜマミさんのあの技だけ技名が与えられているのか？これはリリカルなのはのように
魔法少女たちが技名を叫んで戦う類のテンプレ魔法少女アニメだと思わせるトリックなの
ではないだろうか。実際、唯一技名を持ったマミさんの退場後、物語が本性を現し ED の
magia が流れる。そしてその後誰も技名を口にしない・・
３．インキュベーターのシステムと人間の価値観
・魂の場所とは？？
→自分の魂がソウルジェムに移された事に嫌悪感を抱く登場人物たち。たしかに想像し
てみると自分も嫌だ。なぜ人間は魂が可視化された外部のものに宿っている事に抵抗感を
抱いてしまうのか？？ディスカッションでは別にこの事態に嫌悪感を抱かないという意見

2. も出て新鮮だった
・「痛み」は必要なのか？(病みさやかの戦闘スタイルから考える)
→痛覚すら遮断できる魔法少女だが、きゅうべえは痛覚を遮断すると戦いで動きが鈍る
と劇中で言っている。痛覚を遮断できるのは便利な事だが、痛みは「危機」を知らせるとい
う重要な役割を果たしているため、遮断するのはかえって危険なのでは？
・一個体の生死に執着する人間
きゅうべえは一個体の生死に大騒ぎする人間の不合理性について言っていたシーンがあっ
た。なぜ人間は一個体の生死にこれほど執着するのか。知的生命体ゆえの性質なのかもしれ
ない。