考えたことをまとめてみました。

1. コントロール領域からみる人間論
～若者のクルマ離れから相手の行動変容まで～

2. 幸福について考えていたら
「うまくコントロールする」ことに辿りついた
「誰からも理解されないし認められない……。」
→他人のからの見え方をコントロールできていない？
「昔は楽しかったことも、最近はあんまり……。」
→自分の興味・関心をコントロールできていない？
「何を言っても部下が言うことを聞かない……。」
→自分の期待と相手の行動をコントロールできていない？

3. 「うまくコントロールする」とは何か
■コントロール＝調節、統制、管理
■うまいコントロール＝ある対象をより上手に取扱うこと
（「操る」ではないことに注意）
■とても平たく言えば、自分の期待感を下げずに
期待ハズレになる回数を減らしていくこと
（cf：デザインにおけるエクスペクトロジー（期待学））

4. コントロール対象を４つの領域に分けてみた
影響者
（インフルエンサー）
支配者
こども
おとな
自分
他人
興味・関心
（精神的な要素）
生活
（肉体的な要素）
■自分の興味・関心しかコントロール領域を持たないのが「こども」
■他人の生活をコントロール領域に含めているのが「支配者」
（権力者だけじゃなく、アイドルとかも当てはまるかも）

5. 領域を積み重ねてモデル化してみる
④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
ポイント
・①～④の順に満たされることで、
幸福度が上がっていく
・しかし、いきなり
④だけ満たすこともできる
・でも、より下層をコントロール
できないとバランスが崩れる
たとえば、教師は④学生の生活をある程度コントロールでき、
②自分の生活も安定させられるが、①学生に興味が持てなければ
幸福であり続けることはむずかしい。

6. 若手社会人にありがちなこと
④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
＋稼いだお金で自分の生活を
組み立てるようになる
＋他人（上司・同僚）の
評価を気にしだす
－自分の興味・関心に
目を向ける時間が減る
→バランスがわるくなる！
起こっていること
よくある「自分の好きなことを仕事にしよう」は一理ある。
ただし、それが必ずしも適切なアドバイスにならない理由については
後ほどあらためて考えてみたい。

7. この話、幸福度だけでなく、
他の問題にも適用できるのでは
「誰からも理解されないし認められない……。」
→若者のクルマ離れの理由に当てはめる
「昔は楽しかったことも、最近はあんまり……。」
→ＳＮＳ疲れの理由に当てはめる
「何を言っても部下が言うことを聞かない……。」
→他人の行動を変えられない理由に当てはめる

8. ケース① 若者のクルマ離れ
④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
ク ル マ を 手 段 と し た 際 の
コントロール領域
ク ル マ を 手 段 と し た 際 の
コントロール領域
過去
現在
かつてクルマは①～③全てをコントロールできる手段だったが、
現在ではほぼ②しかコントロールできていない。
（①と③をすり合わせることで、認められる意識がはたらく。
「大きな物語の喪失」は、これが難しくなったという話。）

9. ④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
ケース② ＳＮＳ疲れ
④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
使用当初
その後
もともと①②からはじめたものが、他人の反応を気にするうちに
いつの間にか③④に偏り、バランスが崩れてしまう。
（ネットストーカーとかはまた別の話……。）

10. ケース③ 他人の行動を変えられない
自分
相手
④ 他人の生活（行動）
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活（行動）
① 自分の興味・関心
他人の行動をコントロールする際、直接④→②にアタックすると
相手のバランスが崩れるため、本来は③→①にアタックすべき。
（変わることに興味・関心がある人が相手であれば、
②にダイレクトアタックでき、行動変容を促しやすい）

11. 結論
■「幸せじゃない」「満たされない」と思ったら
自分がどの領域を「コントロールできていないのか」
「コントロールしたいのか」について考えてみよう。
■ある物事がコントロールしている領域を見ることで、
その特徴やうまくいっている原因を推測できる。
■「興味・関心」のコントロールが全ての土台。
個人同士の関係でも、ビジネスでも同様。

12. ちょっと待った！
土台にすべき「興味・関心」は、生活の領域と比べて
意外と簡単に変わる
変わりやすい
変わりにくい
変わりやすい
変わりにくい
自分
他人
興味・関心
（精神的な要素）
生活
（肉体的な要素）
20代は恋愛、30代は仕事、40代は家庭、50代は健康……のように。
（家庭を持つと安定しやすくなるのは、興味・関心を最優先に
そこに向けて良い、と思えるからだとも言える。）

13. ほんとの結論
自分の興味・関心は変わるもの。 定期的にメンテナンスを行い
コントロールし続ければ
幸せになれる！
かもしれない。

14. ありがとうございました。

15. おまけ 好きなことを仕事にすべき？
④ 他人の生活
③ 他人の興味・関心
② 自分の生活
① 自分の興味・関心
好きを
仕事にする派
仕事を
好きになる派
①→②が理想的だが、生活をコントロールする手段はたいていの場合
限られているので、自分の興味・関心を保ち続けるのは難しい。
②→①（仕事を好きになる）が現実的だが、そのためにはまず
自分の生活をコントロールする必要があるため、通常の学生には困難。