人類補完計画。夢物語だと思っていませんか？しかし否！！それは可能だと私は信じています。そしてそれは人類に幸福をもたらす可能性をもっています。 　今回は、マジメに、技術的可能性、哲学的可能性について調べ、まとめました。エヴァンゲリオンの世界観についても説明が適宜してありますので、概論として良いかと思います

1. 人類補完委員会 検討部会所属
中間報告＠ゲヒルン

2. Possibility of The Technological
“Human Complement Project”

3. 人類補完計画とは
大ヒットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」
で描かれた計画
目的
•汚れた魂の「贖罪」：秘密結社ゼーレ
•人類の「人工進化」：碇ゲンドウ
→サードインパクトという世界の崩壊と同時に描かれた

4. 「ゼーレ」の計画
知恵の実と引き換えに楽園（エデン）を追放
生きる苦しみを背負った人類
（旧約聖書「創世記」）
→ 贖罪（死）と新生によって楽園に帰るための通過
儀式
・宗教的、観念的なプロセス
魂の贖罪とエデンへの回帰

5. 劇場版 DEATH より ゼーレ
ヒトは かさを れ、 じ ちを り す「 愚 忘 同 過 繰 返 」
ら を わねば、ヒトは わらぬ「自 贖罪 行 変 」
２５話
これは なのだ。 した が するため「 通過儀式 閉塞 人類 再生
の。 びの は の びでもある滅 宿命 新生 喜 。」
「 もヒトも ての は をもって、やがて つにな神 全 生命 死 一
るために。」

6. • 「群体として文明の閉塞した人類が一つの生命体となり、永遠の
生を得る」
― 碇ゲンドウ、碇ユイ
→ エヴァ初号機の機体の中に全人類の魂を統合する
→ 心の相互補完という意味合いが強い
（ゲンドウ、シンジ、アスカ、ミサトなどの欲求）
劇場版２６話「まごころを、君に」
ゲンドウ
「欠けた心の補完。不要な体を捨て、全ての魂を今ひと
つに」

7. ２５話ゲンドウ
「虚無へ還るわけではない。全てを始まりへと戻すにす
ぎない」
「この世界に失われている、母へと還るだけだ」
「全ての心がひとつとなり、永遠の安らぎを得る、ただ
それだけのことにすぎない」
→ ぶっちゃけ死んだ奥さん（ユイ）に再会したかっただ
け

8. 人類補完のメリット
 無意識レベルで共有するため、コミュニケー
ションの齟齬が減少する
 「寂しさ」や「心の欠落」を満たし、「承認」
などの実存的・文学的問題を解決する
 思想・宗教による対立を緩和できる
 肉体を失うため、食糧問題・資源問題が解決す
る
→ 増加する人口問題の解消

9. エヴァの類似作品
似たアイデア：クラーク『幼年期の終わり』
影響を与えたと思われる：
伊藤計劃『ハーモニ―』 アニメ「エウレカセブ
ン」など

10. 以上はフィクションのお話
 本論では、以上のアイデアの工学的・哲学的な検討
をしたい
１．心脳問題：心とは何か
２． BMI （ブレイン - マシンインター
フェース）
：心は取り出せるのか？

11.  の「心 哲学」などの分野で活発に議論されて
いる
 「心」と「脳」の関係性
１．心脳二元論
「心と脳は異なり、物質としての脳とは別の非
物理的存在である」
２．心脳同一説
「心は脳が作り出すものであり、物理的存在で
ある」（「心もモノである」）
→ それぞれ問題点があり、結論は出ていない
（神経科学の発展、実証が必要）
参考：青山拓央『分析哲学講義』 金杉武司『心の哲学入門』

12. 意識は共有できるか？
 クオリア問題
※ クオリア：我々が何かを知覚した時に感じる感覚そ
のもの。（例：赤という色そのもの、怒りや悲しみの
感情そのもの）
問：仮に神経回路同士つなげることができたとしても、
それぞれ人間の意識・思考・感情（クオリア）は相手
にきちんと伝わるのか？意識の共有は可能か？
→ 人類補完してもコミュニケーションがうまくいかない
可能性
参考：柴田正良『ロボットの心 ７つの哲学物語』

13. 魂（心）を身体から分離するのは可能？
→ 現状、わからない
心と脳が別の存在である場合は、心（魂）を取り出せ
るかもしれないが、現代ではまだ脳についてわからな
いことだらけ
※ 人類補完は SF 的空想に留まる？

14. ブレイン - マシン
インターフェースの現在
 BMI とは
脳の変化を測定器で読み取り、それを元に機械を動か
す
（念力のようなもの）：未来技術として研究段階

15. 代表例
 サルを用いた実験 (Chapin 2002)
 電極で運動野のニューロン活動を測定し、ロボット
アームの遠隔操作ができた
”参考： Learning to Control a Brain–Machine Interface for Reaching and Grasping by
Primates”

16. 近年の進展
 頭で考えるだけで操縦できるマインドコントロール飛
行機
 2013 年 6 月（ミネソタ大学）
Model helicopter guided by power of thought:
http://youtu.be/VSTLHBrTgD4

17. 念じるだけでタイピング

18. BrainGate
 米 Cyberkinetics Neurotechnology Systems 社が開発
 脊髄を損傷した人たちにとって画期的な装置だ。脳
に直接接続すると、麻痺状態の人々がコンピュー
ターを操作し、スイッチを入れ、人工腕を動かせる

19. 新潮流： Brain-to-Brain Interface
 脳から脳へ信号を送る
米防衛高等研究計画局（ DARPA）
軍用テレパシー 技術「サイレント・トーク」の研究：
400 万ドル

20. ブラジルにいるネズミは「発信側」で、水が出る仕掛けを
理解すると、脳から一連の電気信号が発信され、インター
ネットを経由して、アメリカにいる「受信側」のネズミの
脳皮質にリアルタイムで届き、受信側も水を飲めるように
なる
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52120154.html

21. 人が動物をコントロール ( ハーバード大
学）

22. 最新の研究動向（人から人への伝達）

23. 人が人をコントロール（ワシントン大学）
2013 年 8 月
Direct Brain-to-Brain Communication in Humans: A Pilot Study:
http://youtu.be/rNRDc714W5I

24. 「人の心を読み、音声再生」することにカリ
フォルニア大学が成功（２０１２年）
言葉を聞いたときにそこに現れるスペクトルを記録
し、そのスペクトルを解析するアルゴリズムを作成す
ることで「デコード～音声として機械的に再生」する
単純な単語のみ
文章などは再生困難

25. 結果
 機械や人を間接的に動かす技術は発達していく
 しかし人の意識や思考のやり取りはまだまだ困難
 不可能ではないと思われる
 脳と脳を繋ぎ、意思伝達を行うことができるかもし
れない
→ 人類補完への第一歩が踏み出せるはず！！

26. 未来
脳
脳
脳
脳
・ブレインネットワーク（インターネット＋
BTBI ）
(Brain-To-Brain Interface)
・意識・無意識の共有→集合的無意識