自主学習グループOMLIN学び隊
自主学習会拡大版「誰のための学校図書館か」
高森町立高森北小学校・高森町子ども読書支援センター
宮澤優子
自己紹介
★宮澤優子
★公共図書館 4年
学校図書館 13年(小規模2+大規模4+2校兼務5+小規模1+センター兼務
1)
★その他はARG(アカデミック・リソース・ガイド株式会社)発行の『LRG20号』に掲載され
た
インタビュー記事「司書名鑑」でどうぞ
★高森北小学校 兼 高森町子ども読書支援センター(R2稼働)
https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/soshiki/12/5/5639.html
高森町
なりたい「あなた」に会えるまち
~日本一のしあわせタウン 高森町~
(第7次まちづくりプラン R2.4スタート)
・世帯数 4495世帯 人口 12987人 (2020.09.30現在)
高森町の教育
なりたい「自分」への挑戦 (高森町教育大綱)
https://www.town.nagano-takamori.lg.jp/material/files/group/13/202004kyouikutaikou.pdf
高森町の図書館
公共図書館(高森町立図書館)
・蔵書数86643冊(R2.3.30) ・データベース2件
・移動図書館車「きんもくせい」 ・職員数4名(内司書3名)
・南信州図書館ネットワーク ・「高森ほんともWeb-Library」
学校図書館
学校名 学級数 児童・生徒数 蔵書数
高森南小学校 26 663 12213
高森北小学校 8 127 8223
高森中学校 16 474 12221
誰のための学校図書館か?
学校図書館法第二条
この法律において「学校図書館」とは、小学校(義務教育学校
の前期課程及び特別支援学校の小学部を含む。)、中学校(義
務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程及び特別支援
学校の中学部を含む。)及び高等学校(中等教育学校の後期課
程及び特別支援学校の高等部を含む。)(以下「学校」とい
う。)において、図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に
必要な資料(以下「図書館資料」という。)を収集し、整理し、
及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供すること
によつて、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又
は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学
校の設備をいう。
学校図書館の機能
読書センター
情報センター学習センター
バランスの良い
学校図書館
学校図書館の抱える問題
物がない
• 資料
• 予算
人がいない
• 司書
• 司書教諭
場がない
• 時間
• 機会
物がない
0%1%8%
24%
67%
小学校「学校図書館図書標準」達成率
0~25 25~50 50~75 75~100 100以上
1%2%
13%
29%
55%
中学校「学校図書館図書標準」達成率
0~25 25~50 50~75 75~100 100以上
平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」文部科学省児童生徒課(平成27年度末現在)
年間平均予算
小学校
約43万円
中学校
約65万円
人がいない
12%
47%
41%
小学校司書配置率
常勤配置 非常勤配置 未配置
17%
41%
42%
中学校司書配置率
常勤配置 非常勤配置 未配置
10%
58%
32%
小学校司書教諭発令率
減免有発令 減免なし発令 発令なし
13%
52%
35%
中学校司書教諭発令率
減免有発令 減免なし発令 発令なし
平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」文部科学省児童生徒課(平成28年4月1日現在)
場がない
94%
6%
授業日数のうち開館日の割合
開館 閉館
平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」文部科学省児童生徒課(平成28年4月1日現在)
学校には、学校図書館を設けなければ
ならない。(学校図書館法第三条)
学校図書館の抱える問題
物がない
• 資料
• 予算
人がいない
• 司書
• 司書教諭
場がない
• 時間
• 機会
量的にも質的にも
使える
基本機能を支えるための 時間のある
基本機能まわせる
人と物がそろった
学校司書としての宮澤優子
自分の学校の学校図書館のために戦える、たった一人の司書として
じゃいあんでありたい
~学校司書として「誰よりも」学校図書館のことを考えるものでありたい~
「おまえのものはおれのもの
おれのものもおれのもの」
「ジャイアニズム」の持つ2つの意味
ひらがななのがミソ
「じゃいあん」の名付け親
~本当に届けなければいけない相手と話をする~
名付け親
です!
つなぐ、みえる、から生まれるもの
~きちんと「学校図書館」や「学校司書」を知っている人は少ない~
学校
• 教職員
• 児童、生徒
• 保護者
場所
• 公共図書館
• 美術館
• 博物館
• 資料館
• 役場
• 教育委員会
人
• 各種専門家
• 町の人々
物
• 本
• DB
• 郷土資料
広い視野・幅広い知識・柔軟な思考①
~学校司書だけれど、だからこそ「行政」の枠組みの中での学校図書館のことを考えるものでありたい~
国
都道府県
市町村
教育委員会
学校
学校
図書館
学校司書とは
~学校司書は「司書」である前に「学校職員」であり「自治体職員」である~
司書
学校司
書
学校職
員
自治体
職員
高森町第7次まちづくりプラン
第2期総合戦略 高森町教育大綱 高森北小学校
グランドデザイン
高森北小学校
図書館経営案
高森北小学校の図書館経営
広い視野・幅広い知識・柔軟な思考②
~「本」にとらわれない図書館司書~
学校
図書館
児童書
一般書
郷土資
料
アーカ
イブス
イン
ター
ネット
ICT
コミュ
ニティ
社会に存在する
情報や技術に
いつでも
自由に
アクセスできる場所
学校図書館に「ICT?」がやってきた!
H31年4月の高森北小学校図書館
・蔵書管理システム(情報BOX)
・レーザープリンター
・有線LAN(公務系)
R2年11月の高森北小学校図書館
・蔵書管理システム(TRC Tooli‐S)★
・レーザープリンター★
・有線LAN(公務系)★
・公務用PC(ノート)★
・ディスプレイ★
・Wi-Fiルーター
・電子黒板★
・書画カメラ★
・ドリル学習用タブレット(Windows)×60台
・特別支援学級用タブレット(iPad)×4台
・学習用タブレット(Windows)×60台★
・特別支援学級用タブレット(iPad)×4台★
・公務用タブレット(Windows) ★
・Webカメラ
・マイク付きヘッドセット
・会議用スピーカーマイク
・タブレットスタンド
・ミラーキャスト
・50mLANケーブル 図書館外備品図書館内備品★は校内備品の移管
高森町子ども読書支援センター
が稼働しました
~自校だけでなく、自治体単位であることの価値~
「物」の確保
「人」の確保
「場」の確保
「しくみ」の確立
高森町子ども読書支援センターの
稼働がもたらすもの
公共図書館と学校図書館の共働による
効率的、効果的な図書館サービスの実現
「まめおの会」
かつて高森の地にあった、広く国学を学べる学習会「義雄集」(まめおのつどい)から命名
「まめおの会」
高森町立図書館の職員4人(うち司書3人)
高森南小学校・高森北小学校・高森中学校の学校司書
教育委員会事務局長
局長補佐[兼]学校教育係長・[兼]高森町子ども読書支援センター係長
社会教育係長
で構成される、センターの実働組織
たかもり読書クラブ「ほんとも」
「まめおの会」による、子どもと図書館・情報・学びをつなぐためのイベント
たかもり読書クラブ「ほんとも」
たかもり読書クラブ「ほんとも」
「まめおの会」による、子どもと図書館・情報・学びをつなぐためのイベント
学校支援(学習センターへむけて)①
32
学校支援(学習センターへむけて)②
高森町学校図書館蔵書検索
=webOPAC
・高森南小学校
・高森北小学校
・高森中学校
・高森町立図書館
・高森町ほんともweb Library
・青空文庫
物流=逓送便
学校支援(学習センターへむけて)③
学校支援(情報センターへむけて)①
国語3年上6月
単元名「引用するとき」教材
学校支援(情報センターへむけて)②
・成長にあった本に出会えるようにグレー
ド別に60冊の図書を選定
・一冊読み終わると、スタンプ
・小中学校の図書館で実施
「この本読もう!」ステップ①~
⑨
学校支援(読書センターへむけて)
小中連携・保育園支援
すべては子どもたちのために
高森町「学校図書館」支援センター
高森町「子ども読書」支援センター
×
私が大事にしていること
ぶれない「軸」を持つ
・子どもたちの学びが常に「軸足」
どんなに振れ幅が大きくなっても軸がぶれなければ必ず円が描ける
・子どもたちにとって
唯一自力で使える図書館
学校図書館が、彼らにとっての「図書館」のスタンダード

「誰のための学校図書館か」

Editor's Notes

  • #2 ・高森北小学校、高森町子ども読書支援センター 司書の宮澤優子と申します ・学校司書としての私の毎日は、常にこの「誰のための学校図書館か?」という問いとの戦いでもあります ・学校司書にとっては目新しい話はないでしょう ・公共図書館の司書にとっては、実はあまり見えていない世界なのかもしれません ・私が公共図書館の司書だったころ、まったく見えていなかったのだなあと、学校司書になってやっとわかったからそう思うのですが
  • #3 ・自己紹介 ・司書です ・公共図書館がキャリアスタート ・学校図書館もいろいろ経験 ・ネイリストの資格や、バリニーズエステのディプロマも持っていますw
  • #4 ・少し勤務先の紹介をします ・高森町は、飯田市のすぐ北側に位置し、人口1万3千人弱の町です ・リニア新幹線の駅が隣接自治体である飯田市の、高森町側に開設される予定 ・今年四月からスタートした第7次まちづくりプランにより、町の将来像「なりたい『あなた』に会えるまち~日本一のしあわせタウン  高森町~」を掲げています ★
  • #5 ・さらに第7次まちづくりプランを軸とした高森町の教育大綱において、町の教育の目指すところを「なりたい『自分』への挑戦」としています ★
  • #6 ・高森町の図書館の現況です ・まずは公共図書館 ・町内には役場のすぐ隣に高森町立図書館が設置されています ・昭和60年に開館 ・蔵書数8万6643冊 ・データベース2件 ・移動図書館車「きんもくせい」 ・職員数4名(内司書3名) ・南信州図書館ネットワークに加盟=120万冊つかえるということ ・「高森ほんともWeb-Library」が今年稼働 ・続いて学校図書館 ・町内には3つの学校があります ・各学年4-3クラスの南小学校、単級の北小学校、中学校 ・各校に学校司書が配置 ・中学と、南小は、司書教諭発令 ・昨年度末、南小学校でシステム稼働、中学校でシステムリプレイス ・今年の夏休みに北小学校のシステムリプレイス完了 ・現在は3校が同じ図書館管理システムを運用
  • #7 ・それではここから、「誰のための学校図書館か?」というはなしをしていきます
  • #8 ・学校図書館法第二条から「児童又は生徒及び教員の利用に供する」 ・だから子どもたちと教員(私は教職員だと思っている)のもの ・これだけははっきり、学校司書や司書教諭の、自己実現が「メイン」の場ではない ・ここからの話の中で私はしばし「戦う」という言葉を使います その意味も、この後の話の中で解説ができたらなと思います
  • #9 ・学校図書館の三つの機能 ・「読書センター」「学習センター」「情報センター」の三つです。 ・これは文部科学省の定める「学校図書館ガイドライン」にうたわれている ・「読書センター」児童生徒の読書活動や児童生徒への読書指導の場 ・「学習センター」児童生徒の学習活動を支援したり,授業の内容を豊かにしてその理解を深める ・「情報センター」児童生徒や教職員の情報ニーズに対応したり,児童生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成する ・これらの機能がすべてそろい、適切にバランスよく機能してこそ学校教育に資することができる ・ところがこれまでの学校図書館の機能は、ながらく「読書センター」が中心であったので、それ以外の二つの機能は未発達 ・新学習指導要領ではこれまで以上に言語活動の充実や探求的な学習などの位置づけが重要となり、学校図書館が教育に果たす役割はますます大きくなっています ・学習センター、情報センターとしての機能充実が今後の学校図書館における重要課題であるのです ・が、、、課題が山積み
  • #10 ・さて、学校図書館は「図書館」として、大きな問題をいくつも抱えています ・物がない ・人がいない ・場がない これらを少し数字的に見ていただきましょう
  • #11 ・まず物がない ・資料そのものもの数も、質も ・学校の蔵書を見る指標として、文科省が定める「学校図書館図書標準」がある ・計算式があり、学級数と校種によって違う ・平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」によると、達成率は小学校で66.4% 、中学校で55.3% ・質という視点で一つ ・同じ調査で百科事典や図鑑などの共通教材の配置に関する調査では、55.3%、中学校62.6%が、刊行から10年以上経過したものしか所蔵していない ・予算がない ・令和元年度のSLAによる「学校図書館整備施策に関するアンケート」 ・小学校約43万円、中学校約65万円 ・ちなみに今年変わった小学校の国語科の教科書に紹介されている本 ・「巻末付録」での紹介本、約30万、「教材末」紹介本、約41万、このほかに「作者・筆者紹介」に掲載された本がある ・仮に半分は所蔵アリとしても、年間予算に匹敵、しかも国語だけ。
  • #12 ・人がいない問題 ・左二つのグラフ、小学校で解説 ・司書の配置  ・配置は59.2%  ・しかし!常勤僅か12.4%  ・正規フルタイムはわずか1.3%の自治体のみ  ・非常勤の多さによる時間のなさ ・配置されている司書のスキル不足  ・養成課程の問題  ・OJTがかなわない一人職場という環境  ・自治体による研修(2019年度学校図書館整備施策に関するアンケート)  ・学校司書への研修がない自治体13,4%(ただし自治体数) ・司書教諭の発令  ・発令は68.0%  ・減免があるのはわずか  ・時数減免の少なさ  ・実際の授業時間数の少なさ
  • #13 ・場がない ・そもそも開いていない時間は非常に少ないですがまだあります ・でも、開いていても人がいない ・開いていても物がない ・「司書教諭の活動時間の確保と学校司書の配置が 学校図書館利活用に与える効果」 松本美智子、2017により、司書の配置や司書教諭の仕事による ・これは「場」が提供されているといえるでしょうか? ・校種による違いや、自治体や学校間格差による「図書館の時間」
  • #14 ・さて、学校図書館は「図書館」として、大きな問題をいくつも抱えています ・物がない ・人がいない ・場がない ・これは深刻で、しかも地域差、学校間格差がひどい ・公共図書館は「設置」にハードルがある ・学校図書館は「設置」は義務だが、機能が未熟
  • #15 ・正攻法で散々色々やってきたけれど、ものすごく時間がかかったり、 ・臨時雇用という立場でなかなか話を聞いてもらえるチャンスがなかったり ・そうこうするうちに、たくさんの戦い方を覚え、武器を持つようになり、だから私はすぐに「喧嘩する」という言葉を使う ・しかしそれは無茶苦茶に切り込んでいくのではなく、かなりの根回しや準備を要する、絶対勝てる戦いにする過程を指す ・一番の喧嘩相手は、だから、自分なのだ ・心が折れそうになることがあっても、やろうとする自分を勝たせる、そういう
  • #16 ・じゃいあんでありたい ・「図書館のことしか考えていない」は最上級の誉め言葉 ・本当は、もちろん学校全体の動きやバランスを見て動く ・しかし学校図書館としての希望や、ある種のわがままは私にしか言えないという強い意志 ・それが単なるわがままでなく、単なるスタンドプレイでなく、学校教育にとって価値あるものにならねば、いけない ・小学生時代という貴重な時間に、学校図書館ができること、それをしないことでの機会喪失への責任 ・彼らの小学生時代は一緒に一度、リベンジはない ・社会教育に比べてアドバンテージを持つ学校教育 ・全員が利用者、一斉に底上げができる ・10年もすれば小学生は大人になる ・「図書館」のスタンダードを高めに持った子どもたちがどんどん社会に飛び出していくことの価値 ・同時に任用の問題、学校司書のキャリアアップ、スキルアップの問題にも向き合いたい、なぜならそれは巡り巡って学校図書館と子どもたちのためだと考える ・これらは、待っていても実現には至らない ・自分から動く、自分から動かす、そうしなければ何も動かないし始まらない ・その原動力を自分の中に見出す「戦い」を毎日しているのです ・「戦う」というのは、最終的にはその原動力を持ち続けるための自分を保持する戦い、です
  • #17 ・話をしました、話をしています、ずっとお願いしています、なかなか聞いてもらえません ・これ、本当でしょうか? ・伊那市図書館の公募館長になった頃、完全に外野として「もっとやれー!」とおもっていた ・前例踏襲でない、市民をきちんと捉えた図書館運営をしようとしているのが見えたから ・図書館でもなく、行政でもなく、そこに住む人たちを見ている ・だから県立長野図書館の館長になった後にお付き合いが始まった時、図書館ではなく人を見ているのなら、話が通じるかもしれないと思った ・何でもかんでもぶつけた ・その結果が「ジャイアン」 ・そんなに簡単に動くわけではなかった ・でも一緒に考え、一緒に動かそうとしてくれた ・そして実際に動き始めたものがある ・そしてこの経験が、じゃあ本当に動かすのはどこなんだ? ・どこに話せばいいんあだ? ・どこを刺激したらいいんだ?という考えにつながった
  • #18 ・学校司書の理想的なカタチを知るものは、まだまだ少ない ・教員はおろか、当の学校司書ですら、本来あるべきとされる姿の学校図書館を経験してきたものは少ない ・そして公共の司書も「学校司書」を知らない ・公共の司書と学校の司書は、同じ医師免許を持った内科医と外科医がかなり違う仕事をしているのに似ている ・学校司書の任用やキャリアアップの問題と、学校図書館の問題は密接 ・任用が不安定でスキルが上がらなければ学校図書館の機能が上がらない ・学校図書館の機能が上がらなければ学校図書館の有用性は感じてもらえない ・学校図書館の有用性が感じてもらえなければ、そこの学校司書の必要性も感じてもらえない でも逆に、学校司書がきちんと学校図書館の機能を担保できる存在になれば? ・この逆の現象が起きていくのではないか? ・そして、ありとあらゆることを始められた今、実際にそうなった! ・自分がつながり、みんなをつなげ、 ・見えていないものは「見せ」、理解者や応援団を増やしたい、そうおもって仕事をしている
  • #19 ・では少しづつ具体的に、何をしているのか?をお話ししたい ・まず一つ目は、自分の立ち位置に関して ・広い視野、幅広い知識、柔軟な思考を持ちたい ・学校司書だけれど、だからこそ「行政」の枠組みの中での学校図書館のことを考えるものでありたい ・これらは、たたかうための「武器」である ・武器を持ち戦うことで獲得するものは「仲間」「理解者」「応援団」 ・学校図書館の理想を実現するために、司書自身が「学校」の状態をよく知ること ・学校図書館の優先度は?ほかとのバランスがどうなっているのか?無理が通せる状況なのか?そうではないのか? ・理想とは、予算や、環境や、人や、運用や、、、いろいろあるが、今は何を求めるべきなのか? ・どうしたら実現に向かうのか?どういう道筋があるのか? ・それらを総合的に判断せねばならない ・そして学校の理想を実現するために「教育委員会」の状態をよく知ること ・教育委員会の ・市町村の、、、、 ・都道府県の、、、 ・国の、、、 ・どこまでをじぶんごととしてとらえるか ・どこまでのことを理解するか ・それらはすなわち説得力の差になっていく ・町の方向性のここに沿うために教育委員会としてはこう動き、そのために学校はこれを実現し、だから図書館はこうしたい!この流れが行政の枠組みの中では絶対に必要
  • #20 ・なぜなら、学校司書はその前に司書であり、そして学校職員であり、自治体職員である ・司書としての基本的スキルを持った学校司書でありたい、これは話すまでもない ・ただし非常に難しい状況でもあるのは話した通り ・さらに司書としてだけでなく「学校司書」としてのスキルはまた別 ・すべての児童生徒職員が利用者 ・本が嫌い、図書館が嫌い、それでも利用者 ・「全員利用者」という難しさ、でもそれはおおきなアドバンテージ ・学校職員として ・学校教育に関する知識 ・児童生徒の発達に係る知識 ・発達障害や家庭環境への配慮や考慮が日常 ・自治体職員として ・将来の社会のありように思いをはせて
  • #21 ・だから例えば高森北小が校の場合 ・高森北小学校学校図書館経営案が、高森北小学校グランドデザインを基に策定され、 ・高森北小学校グランドデザインは、町の教育が目指すところを示した「高森町教育大綱」と紐づいており ・高森町教育大綱は、町が目指す戦略「高森真理第7次まちづくりプラン」と連動している この流れがきちんと通っていることの重要性→予算、任用の問題へつながる
  • #22 ・もうひとつの広い視野、幅広い知識、柔軟な思考、は、図書館の捉えそのものにたいして ・情報も武器 ・スキルも武器 ・「本」にとらわれていると世界が広がらない ・司書としてあらゆる物、人、情報、と自分自身が「つながっていなければ、つなげることができない」 ・
  • #23 ・たとえばICT ・H31年4月、着任時から図書館蔵書管理システムが稼働 ・そのシステムのためのプリンター ・そのシステムのためのLAN ・5、6年生には一人一台「ドリル用」タブレット ・ドリルにしか使われていなかった ・Wi-Fiも5、6年生教室のみ ・R2年11月の状況 ・★印は校内にあったものを流用(たくらみ) ・昨年度末の予算をかき集めて、普通教室と図書館でWi-Fiが使えるようにAP整備 ・職員には一人一台のPC、セブンのままだったりWebカメラなかったり ・授業者用タブレット確保(ドリル用から流用) ・とりあえずやりたかったことが大体できるようになっている(もくろみ) ・かき集めてつないだら、できることが増えた
  • #24 ・どんなことができるようになったかといえば ・5年生国語科「作家で広げるわたしたちの読書」 ・でも学校の蔵書はそこまで作家で広げられるほどコレクションがない ・作家で広げられるような読書体験が乏しい場合もある ・子どもたちをどこで本に出合わせるか? ・カーリルブックウォーク、WebOPAC、各種横断検索、オンライン書店、書評サイト ・好きな本の関連書籍を提示してくれるアルゴリズム ・図書館司書の読書案内は必須だけれど、いっぺんにひとクラス短時間で対応するための一つの手段 ・本の手配は町の図書館へ、広域ネットワークの120万冊の蔵書というバックアップ ・それもWebで検索できる ・電子書籍で見つけた子
  • #25 ・夏休み明けのブックトーク ・貸出期限が来て返却した、家族の本、様々な事情で手元にない本は、書影をタブレットで出す ・読みたい本もチェック(発表者のカードのシールを貼る) ・予約などの手配もする
  • #26 ・高学年が校内でZOOM ・最初に簡単なレクチャーをし、いったん図書館でつなぐ ・タブレットを持って校内の下院今日のある場所へ異動してつなぐ ・音声を自分たちでミュートコントロールしながら、今どこにいるのかをみんなに報告 ・教委の支援センター担当も入ってくれた ・子どもたちの反応「すごい!」「これか!」(大学生の兄弟が自宅でオンライン授業を受けている) ・担任の反応「アカウント取ります!」(=ホストになりたい) ・校内に散らばっての作業や、調査がこれでできる、可能性が広がることを担任も子どもたちも見出した
  • #27 ・こういった考えを基に、高森町でスタートした取り組みを紹介したい ・高森町には、今年度から「高森町子ども読書支援センター」が稼働 ・自分だけでいくらやっても、あっという間になくなる ・でも自治体単位でやれば、残る可能性は高い ・足並みがそろえば、複数小学校の卒業生が進学していく中学校のスタートレベルが上がる ・前任自治体ではそれがかなわず、自主的な学習会を持っていた ・高森町は、やることに決めた ・教委との島根県松江市の視察で、学校図書館の三つの機能への理解がグッと深まり、思いを共有できた ・私は今年度、高森北小学校の学校司書と、この高森町子ども読書支援センターの司書を兼務 ・昨年4月、高森町に採用されて、一年半で高森町の子供たちの読書支援のために巻き起こった様々なことを少しだけ紹介 ・ただ、稼働はしたが、みんなで知恵を出し合い、考えながら、作りながら、実践しながら、の取り組みはまだスタートしたばかりです ・まだまだやりたいことはたくさんあり、それらを実現する方法を模索しながら、高森町が描く「なりたい『自分』への挑戦」ができる子どもたちが育つための読書支援をしていきたいと考えます
  • #28 ・センターを簡単に説明すれば、町に今ある、既存の「物」「場」「人」を、もっと有効活用して、子どもたちの読書支援をスムーズかつ効果的に実施しようという「しくみ」です ・この3つは学校に不足しているもの ・でも町内資源としては、使えるものがある ・「物」とは、本をはじめとする資料や、それぞれが持っているいろいろなツールです ・「人」とは町が採用している図書館関係の職員と、その周辺のみなさんです ・「場」とは、何かを仕掛けるための場所や機会です ・公共図書館と学校図書館の間で、これらがもっと自由に、もしくは簡単に使えたらいいのに、、ということがこれまでたくさんありました ・それを可能にする「しくみ」です ・建物も事務局もありません
  • #29 ・これは今年度の高森町子ども読書支援センターの状況です ・オレンジ色が組織 ・黄色は施設 ・黄緑が提供内容 ・ピンクがまめおの会の配置 ・水色がプロジェクト です ・センターを中心にいろいろな組織がつながり、物や場や人を融通しあい、そこに新しいプロジェクトが生まれ、子どもたちの読書支援に資する活動がいろいろ始まっています ・それではここから、センターが稼働して始まった様々な取り組みの一部をご紹介します ★
  • #30 ・まずはまめおの会です ・まめおの会とは…「かつて高森の地にあった、広く国学を学べる学習会「義雄集」(まめおのつどい)から命名 ・先人の思いをつなぎ、いつでもだれでも生涯学び続けることの大切さを広めるため、発足したセンターの実働部隊です ・このまめおの会が、高森町子ども読書支援センターの核で、教育委員会の各組織から集合しています
  • #31 ・さてこのまめおの会のプロジェクトの一つが「たかもり読書クラブ『ほんとも』」です ・ただお楽しみ会をするのではなく、子どもたちが活動する中で、図書館や情報とつなぎ、それらの活用の仕方を知ってもらうことを目的としています ・こちらは昨年度から先行してスタートしており、年4回程度実施、町図書館の司書と学校図書館の司書がコンビを組んで各イベントを担当します ・両者がコンビを組むことの意味は、持ちだせる「物」と、子どもたちに関する「情報」の違いにあります ・町図書館は場所や資料を提供し、学校図書館は対子どものノウハウを提供します ★
  • #32 ・それではほんとものイベントをいくつか紹介します ・昨年度も今年度も実施された根羽杉をつかって木の本棚をつくり、 図書館にある本を入れて、自分だけの小さな図書館をつくる活動 ・町図書館は場所の提供、資料の提供、そしてこの本棚を作るための県の取り組みの情報提供をします ・学校図書館は、子どもたちが本棚を編集し、そこにPOPをつけることで自らが情報のアウトプットをする活動のノウハウを提供します ・子どもたちは自分が作った小さな図書館から本が借りられていく喜びと同時に、さらに利用を伸ばすための知恵を絞り始めます ・高森町の歴史民俗資料館「時の駅」にある資料を使い、「資料館へんなもの図鑑」というイベントも実施しました ・まず、会場にたくさん並んだ、今では見かけない道具の使い方を想像し、名前を付けたり使い方を考えます ・つぎに資料館館長に本当の名前と簡単な用途を説明していただき、その道具に関する詳しい情報を、あらかじめ準備したたくさんの資料を使って調査します ・最終的にその過程を記録し、「へんなもの」をあつめた図鑑をつくります ・資料館民具、資料館と町図書館の郷土資料や歴史資料をたくさん使わせていただきました ・図鑑とは?なにか、資料を調査するにあたっての目次や索引の使い方、アウトプットの方法などは学校図書館が提供します ・そして世界に一冊だけの「へんなもの図鑑」が誕生し、町の文化祭の展示を経て、町の図書館の蔵書になっています ・自分たちが発信したものが、町の情報として保存されて行く様も、知ることになります ・コロナウィルスの影響で今年度は、配信や動画を使って、オンラインとリアルのハイブリット型イベントを計画「えのぐのまほう」 ・町内在住の現代美術家を講師に招き、動画の配信と材料キットの配送による在宅型イベント ・CM動画も編集し、各学校でイベント告知をしたこともあり、募集開始直後に定員が埋まり、急遽キットを増産しました ・公共図書館は、町内在住の様々な魅力を持つ方を子どもたちをつなぎ、動画配信やキット作成、完成した作品をメール等で受け付け展示をするなどを請け負います ・学校図書館はイベント告知、ハイブリットイベントに関する情報リテラシーのレクチャー、担任へ向けた図工技法としての情報提供などを行いました ・キットの配布には、株式会社カーリルによる、「フライヤー&レターパックプロジェクト」を利用させていただきました ・これら「ほんとも」の活動に関する情報は、ほんとものFBページがあり、そちらで発信しています ・「えのぐのまほう」で配信した動画等も見ることができますので、ぜひご覧ください ★
  • #33 ・学校支援の具体例を紹介します ・まず、学習センターとしての学校図書館への支援です ・図書館を利用しての調べ学習や、本をはじめとして情報を活用する単元において、どのような資料が何年生のいつ頃必要で、その単元の狙いに沿って資料を活用するためには、その資料はどういった内容でなければならないのか?を教科書や指導書を読み込んで情報を得た上で資料評価を行い、適切な資料を購入するための選書会議をもっています ・これは学校支援でもあると同時に、公共図書館が学校へ資料提供行う上でのより精度の良い選書にもつながるので、公共図書館のサービス向上に向けた取り組みでもあります ・しかし、1万冊前後の学校図書館の蔵書だけでは、選書の質が上がっても量的に担保できません ・そこで、高森町立図書館が加盟している南信州図書館ネットワークの蔵書120万冊を活用し、迅速で確実な資料提供ができるよう、物流の仕組みも整えました ★
  • #34 ・同じく迅速な資料提供のために、 ・高森南小学校 ・高森北小学校 ・高森中学校 ・高森町立図書館 ・高森町ほんともweb Library ・青空文庫 を横断検索できるwebOPACを、こちらも株式会社カーリルの「COVID-19 : 学校向け蔵書検索サービス」を利用させていただき、構築しました ・もちろん、物流も動いています ・これにより、学校間も含め、町内に資料があれば、その日のうちに手元に届くスピード感がうまれました ・また電子書籍図書館や青空文庫等のデジタル資料への窓口の一つとして、子どもたちがデジタル資料アクセスしやすい環境となりました ・校内から学校図書館にアクセスできることの利便性にも気が付きました
  • #35 ・写真は、9月に実施された中学校1年生の総合学習で5クラスが一斉に調べ学習をした時の物です ・テーマの設定から調べ学習のやり方、アウトプットの仕方、それらを学年会と司書教諭、学校司書が練り、そのうえで必要な支援をセンターを通じてまめおの会が実施しました ・コロナによる学校行事の変更による取り組みのため、準備期間も短く、5クラス一斉という状況でしたが、綿密な協議と大量の資料準備により、実現しました ・PCルームを使ったインターネットによる情報検索、データベースからの情報、町の郷土資料、といろんな媒体での資料提供を行いました ・またこれをきっかけに、学校の授業で使われる郷土資料デジタル画像の、ライセンスをクリアした提供ができないか?についての模索も始まりました
  • #36 ・次に情報センターとしての学校図書館への支援です ・新しい国語の教科書では「情報の扱い方」が、系統的に位置づけられました ・これらの単元において、高森南小学校と高森北小学校が、同じように情報リテラシー教育が実施できるよう、各学年の情報リテラシー年間指導計画と、それにリンクした教材を提供する準備を始め、今年度から提供がスタートしています ・各学校の司書、司書教諭がアクセスできるクラウド上にこれらを保存し、担任でも、司書教諭でも、TTとして入る司書でも、これらを使うことができます ・また学年会からご相談いただき、センターから職員が出向き、情報リテラシーの授業のお手伝いに入ることもあります ・これが継続的に実施されると、2つの小学校から進学していく中学校で、スタート時から既習事項が共有されているので、よりレベルの高い探究学習が実施可能になります ★
  • #37 ・また学校図書館のもう一つの利用者層である教職員へ向けた支援としての、各種情報提供も行っています ・センター通信によるセンターそのものの認知のためのお知らせや、活用していただきたいサービス等の情報の提供 ・また、著作権に関する研修や、公務の中で著作権に関する問題が生じたときの相談窓口としての活動も行っています ・近年、非親告罪化され、ICT教育やオンラインでの活動が増加する中で、それに合わせた法改正の動きも活発です ・子どもたちへの著作権教育も教科書に盛り込まれており、これに関する新しい情報を常に提供することも重要です ★
  • #38 ・読書センターへ向けた支援としては、まめおの会で選定した「この本読もう!」というブックリストの運用をしています ・より使いやすく、より子供たちの読書力を高め、より楽しめるよう、内容は実態に合わせて変更していきます ★
  • #39 ・町内の司書同士が気軽にやり取りができるようになり、小学校と小学校、小学校と中学校で、何か一緒にやってみよう!という提案や実行が非常にスムーズになりました ・写真は昨年の高森北小学校の読書週間の模様です ・中学校の図書委員会が書いたおすすめ本のカードを小学校でも展示し、蔵書のあるものは所蔵案内をつけ、そうでないものは移動図書館への予約リクエストにつなぎました ・約2/3が所蔵ありで、小学生にとって中学校の図書館が少し身近になりました ・小学校から中学校への読書支援の分断をなくすための、一つの方策でもあります ・保育所への支援も始まりました ・移動図書館車の巡回に合わせて入れ替えをする学級文庫の設置 ・参観日や卒業式などでの、おすすめ絵本の展示や紹介 ・年長児による学校図書館訪問 ・購入図書の選書支援 ・絵本の展示アドバイスや、展示用の段ボール面陳書架の作成などのおてつだいをしています
  • #40 ・この「しくみ」ができて、一番恩恵を被るのは子どもたちでなければなりません ・学校に限らない、幅広い支援ができるように、「子ども」読書支援センターとしてあります ・しかし、子どもたちが常にいる学校の「学校図書館」は、だからこの仕組みの恩恵をたくさん受けることになります ・同時に公共図書館も恩恵を受けます ・学校図書館で育つ子どもたちは、このあとすぐの、または将来的な「公共図書館の利用者」です
  • #41 ・私の軸は「子どもたちの学び」 ・振れ幅がどうなっても円が描ける ・田舎の子供たちにとって、唯一自力で使える図書館である、という事実 ・彼らにとって学校図書館が「図書館」のスタンダードになる ・だから、どういう図書館であるべきなのか?を常に意識する ・困難と闘う原動力は、いつもここ