JavaやKotlinが導入している"ジェネリクス"について、背景を調べながら使い方を説明してみました。

1. ジェネリクスとは
2020/03/25 by Yamashita

2. 目次
ジェネリクスとは
ジェネリクスを使うと何がいいの？
ジェネリクスがない時の使いづらさ
ジェネリクスがあると、記述ミスが
見つかりやすい
何が入っているのかわかりやすい
ジェネリクスを使ったクラス定義の
例
使い方

3. ジェネリクスとは
ジェネリクスとは
ジェネリクスとは、クラスやメソッドにデータ型名を
「<>」記号でくくることで、String型やInteger型などの指
定した型に対応する多用途型なクラスやメソッドを作る
機能のことをいいます。
リストに入れる型の限定などがよく見られるジェネリク
スです。

4. ジェネリクスを使うとなにがいいの？
ジェネリクスを使うと、
1. コードの記述ミスが見つかりやすい
2.コード上で何の型を扱っているかわかりやすい
といったメリットがあります。

5. ジェネリクスがない時の使いづらさ
ジェネリクスがないと、
昔のリストには何でも入れられてしまう。
Object型も入ってしまう。
リストから取り出して使う時には型が必要だが、何が
入っているかわからないので、キャストをして使うのは
危険だった。
上記のエラーを避けるには、専用の型リストクラスを実
装するしかなかった。

6. ジェネリクスがない時の使いづらさ
public static void main(String args[]) {
ArrayList box = new ArrayList(); // 何が入るか決めていない
box.add(“String”);
box.add(123); // StringもIntも入ってしまう
~長きにわたる処理~
print(box.get(0) * 1.1); // ←本当に数値が入っている？？
}

7. ジェネリクスがあると、記述ミスが見つかりやすい
こんな時は、どのクラスが入っても良いようにジェネリ
クスを使って定義すると、予想外のデータ型が返ってく
ることを防げる。
List<String>list = new ArrayList<String>();
list.add("test");
String a = list.get(0);

8. 何が入っているのかわかりやすい
コード上で何の型を扱っているかわかりやすい
という利点もついてくる。
List<String>strList = new ArrayList<String>();
strList.add("test");
String a = strList.get(0);
List<Integer>intList = new ArrayList<Integer>();
intList.add(123);
Integer b = intList.get(0);

9. ジェネリクスを使ったクラスの定義の例
public class Sample<T> {
T value;
void put(T value) {
this.value = value;
}
T get() {
return value;
}
T型は使用されるときの対象の型を表している。

10. 使い方
public static void main(String[] args) {
Sample<String> strSample = new Sample<>();
strSample.put("test");
String strResult = strSample.get();
Sample<Integer> intSample = new Sample<>();
intSample.put(123);
int intResult = intSample.get();
System.out.println(intResult);
System.out.println(strResult);
}
}
宣言時に型を指定してるので、
コードの記述ミスをしない。
安心して宣言時のデータ型で
出力できる！