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WEB 動画と著作権について考える(その2) ③  ケーススタディで学ぶ実践的著作権への処方箋  <結婚式の映像の中で式場内でたまたまかかっていた曲が市販楽曲だった>   たまたま入り込んでいても NG !著作権管理団体への申請が必要です。  <動画にクラシックを載せた場合>   クラシックでもいわゆる古典ではなく、この 50 年以内に作曲されているものは著作権が発生します。  また、演奏者と、 CD 化されているものであれば、そのレコード会社にも著作隣接権という権利が発生しますので、使用許可を得る必要があります。  <動画にインディーズ楽曲を載せた場合>   登録のあるなしに関わらず、全て保護対象です。著作権管理団体に登録されていない場合は、著作者の許可をとる必要があります。  <動画に知り合いが作ったオリジナル曲を載せた場合>   こちらも上記同様フリーではないです。著作権は、その知人の方にあるのでその方に使用の許可を得る必要があります。  <動画に素人がカバーした市販楽曲を載せた場合>   掲載するのが Youtube,  ニコ動の場合 JASRAC 楽曲であれば包括契約を結んでいるため掲載は OK 。ただしそれぞれのサイトに申請が必要 ④  WEB 動画と著作権の今後の観測  ○  SOPA 問題    2012 年 1 月 18 日に WikiPedia が法案反対のためサイト全面停止でストライキを行った SOPA 法案というのをごぞんじでしょうか?    TV などのニュースでも取り上げられたのでご存じの方も多いと思いますが、著作権侵害防止法案と言われていますが、これが   アメリカの下院に提案されたことで物議をかもしております。これが可決されて法案化されると著作権侵害を行なっている    WEB サイトに対して行政が介入、停止や課金行為の禁止など息の根を止めることができるというものです。   サイト運営者は著作権侵害を権利者から通知されたら、適切に処理すれば罰せられないという    DMCA という現行の法律によって、 Youtube やブログ文化は急激に発展したのですが   知的財産権を盾に権利者もいつまでも甘い顔をできない(損をしている)という背景があります。   実際にこの法案はオバマ大統領の計らいもあり、審議延期という扱いで当面回避されましたが   問題提起という面では、まさに「これがキックオフ」と言っても過言ではありません。  ○  CreativeCommons (クリエイティブ・コモンズ)   自分の著作物に対して、クレジットすれば公開可能や商用利用も OK など利用範囲を決めて、   新しい制作物を作る土台にするという CreativeCommons という活動があります。 Youtube でも   採用しており、例えば自分が撮影した映像について商用利用 OK のマーク( Criative Commons   で用意されている)を貼れば、その素材は使ってよしということができます。   活動が徐々に広まりつつ有り、これによって新しい制作物も多く生まれてきています。 実際アーティストも自由が効かない現在の状況に不満を持っている人もいると言われており、アーティストや発行者が 損をしない形で制作物が世に広まる解決策が近い将来出来るのではと考えております。期待感持って見守りたいと思います。 前回に引き続き、動画と著作権をケーススタディで学びつつ、現状と今後について書いてみました。 (※当方で各種情報を集約したものであるため、記載内容に関しての責任は負いかねます。あくまで参考ということで。)

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  • 1. WEB 動画と著作権について考える(その2) ③ ケーススタディで学ぶ実践的著作権への処方箋  <結婚式の映像の中で式場内でたまたまかかっていた曲が市販楽曲だった>   たまたま入り込んでいても NG !著作権管理団体への申請が必要です。  <動画にクラシックを載せた場合>   クラシックでもいわゆる古典ではなく、この 50 年以内に作曲されているものは著作権が発生します。  また、演奏者と、 CD 化されているものであれば、そのレコード会社にも著作隣接権という権利が発生しますので、使用許可を得る必要があります。  <動画にインディーズ楽曲を載せた場合>   登録のあるなしに関わらず、全て保護対象です。著作権管理団体に登録されていない場合は、著作者の許可をとる必要があります。  <動画に知り合いが作ったオリジナル曲を載せた場合>   こちらも上記同様フリーではないです。著作権は、その知人の方にあるのでその方に使用の許可を得る必要があります。  <動画に素人がカバーした市販楽曲を載せた場合>   掲載するのが Youtube, ニコ動の場合 JASRAC 楽曲であれば包括契約を結んでいるため掲載は OK 。ただしそれぞれのサイトに申請が必要 ④ WEB 動画と著作権の今後の観測  ○ SOPA 問題    2012 年 1 月 18 日に WikiPedia が法案反対のためサイト全面停止でストライキを行った SOPA 法案というのをごぞんじでしょうか?    TV などのニュースでも取り上げられたのでご存じの方も多いと思いますが、著作権侵害防止法案と言われていますが、これが   アメリカの下院に提案されたことで物議をかもしております。これが可決されて法案化されると著作権侵害を行なっている    WEB サイトに対して行政が介入、停止や課金行為の禁止など息の根を止めることができるというものです。   サイト運営者は著作権侵害を権利者から通知されたら、適切に処理すれば罰せられないという    DMCA という現行の法律によって、 Youtube やブログ文化は急激に発展したのですが   知的財産権を盾に権利者もいつまでも甘い顔をできない(損をしている)という背景があります。   実際にこの法案はオバマ大統領の計らいもあり、審議延期という扱いで当面回避されましたが   問題提起という面では、まさに「これがキックオフ」と言っても過言ではありません。  ○ CreativeCommons (クリエイティブ・コモンズ)   自分の著作物に対して、クレジットすれば公開可能や商用利用も OK など利用範囲を決めて、   新しい制作物を作る土台にするという CreativeCommons という活動があります。 Youtube でも   採用しており、例えば自分が撮影した映像について商用利用 OK のマーク( Criative Commons   で用意されている)を貼れば、その素材は使ってよしということができます。   活動が徐々に広まりつつ有り、これによって新しい制作物も多く生まれてきています。 実際アーティストも自由が効かない現在の状況に不満を持っている人もいると言われており、アーティストや発行者が 損をしない形で制作物が世に広まる解決策が近い将来出来るのではと考えております。期待感持って見守りたいと思います。 前回に引き続き、動画と著作権をケーススタディで学びつつ、現状と今後について書いてみました。 (※当方で各種情報を集約したものであるため、記載内容に関しての責任は負いかねます。あくまで参考ということで。)